この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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新婚旅行編
強制的な新婚旅行


エリス様の転移で僕らは讃州中学の部室に戻された。

 

「本当に戻されるなんて……」

 

「どうしよう……戻ったほうが良いのかな?」

 

友奈も強制的に戻されて戸惑っていた。やっぱりここは戻ったほうが良いかもしれない。幸い今日は満開を使ってないからそのっちの船で行けば戻れるはずだ。

 

そう思い満開を発動させようとした瞬間、端末にメッセージが入った

 

風:話は聞いたわよ。ちゃんと新婚旅行をしてから調査に戻るように

 

夏凛:というかまだしてなかったの?

 

樹:夫婦なんですからしっかりしないと駄目ですよ

 

園子:こっちは大丈夫だからご心配なく~

 

東郷:友奈ちゃんとの新婚旅行をやらないと……撃ち抜きます

 

まだ深夜だよな……カズマさん、説明するためにみんなを起こしたのか?

 

風:こっちは大丈夫だから心配するな~byカズマ

 

夏凛:おみやげよろしくね~byアクア

 

樹:戻ってくるまでの間、頑張るのでbyめぐみん

 

園子:こっちのことは気にせず楽しめbyダクネス

 

東郷:パパとママの旅行に付いて行きたかったな~ 友海とみゆ。頑張ってくださいね 牡丹。

 

他のみんなからもメッセージが届いてるし……すると銀から電話がかかってきた。

 

「もしもし」

 

『とりあえずこっちは大丈夫だから本当に気にするなよ』

 

「いや、大丈夫なのか?」

 

『そんな危険なことないだろうし……』

 

「いや、暴走しがちのやつが若干何名かいるから……止められるのか?」

 

『……頑張る』

 

銀はそう言って電話を切った。本当に大丈夫か?

 

「とりあえずどうする?」

 

「う~ん、新婚旅行か……四国だと馴染みがあるから」

 

そうだよな……行ったことがある場所が多いしな……だとしたら……

 

「あっちに戻るか?」

 

「うん、そうだね。着替えとか持っていかないといけないしね」

 

僕らはあっちの世界に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっちの世界に戻り、旅行の準備を済ませた。さて後は行き先だけど……

 

「どこ行こうか?」

 

「そうだな……」

 

未だに行き先は決めてないし……どうしたものか……というかどこ行っても何というか疲れそうだな。色々と……

 

「あれ?何だかチラシが入ってるよ」

 

友奈は郵便受けに入っているチラシを取り出した。そこに書かれていたのは……

 

『新婚さんに大人気!温泉旅館!』

 

本当に大人気なのかよ……でも行き先が決まってないし……

 

「ここに行くか?」

 

「うん」

 

友奈は笑顔でそう答えるのであった。ただ出かけるとしてもまずは夜が明けてからだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝になり例の温泉旅館行きの馬車乗り場まで来た僕ら。それにしてもすごい人混みだな……

 

「乗れるのか?」

 

「大丈夫。きっと乗れるよ」

 

そうは言うけどこの人混みだし、もしかしたら今日中に行けるかどうか……

すると馬車の運転手の一人が僕らに声をかけてきた。

 

「ご予約のウエサトウミ様とウエサトユウナ様ですか?」

 

「は、はい」

 

「あ、あの予約って……」

 

「昨日の深夜、お知り合いの方が来まして、予約していましたが……」

 

知り合いって誰だよ?それにこの旅行は急に決まったのに……

 

「良かったね。これで行けるね」

 

友奈は特に気にしてないみたいだし、僕も気にしないようにするべきだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人は乗ったぞ」

 

『分かりました。急なお願いでごめんなさい』

 

「いや、この旅行自体、カズマたちの思いやりみたいなものだろ」

 

『そうですね。海君は本当にいい仲間を持ちました。引き続きサポートの方お願いしますね』

 

「あぁ何事もないようにする」

 

『では、また後ほど………若葉ちゃん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬車に乗り続けること数時間、友奈は景色を眺めて楽しそうにしていた。それにしても馬車での移動って魔物とかに襲われる危険性があるのかと思ったけど……

 

「何事もないみたいだな」

 

「うん、きっとここらへんは平和なんだよ」

 

「だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グンちゃん、お疲れ様」

 

「高嶋さんも……」

 

「ひなちゃんからの急なお願いだったけど、海くんたちには楽しい旅行であってほしいもんね」

 

「えぇそうね。伊予島さんたちの方は大丈夫かしら?」

 

「こっちの方はほとんどいないみたいだし、通り過ぎたら急いで合流しに行こうね」

 

「えぇ」

 

 

 

 

 

特にアクシデントもなく温泉旅館に着いた僕ら。そういえば予約とかしてないけど大丈夫かな?

 

「あれ?」

 

「どうしたんだ?友奈?」

 

「今、杏ちゃんと珠子ちゃんに似た人がいたんだけど……」

 

友奈が指さしたほうを見るが、見当たらなかった。気の所為ということにして良いのかな?

 

「気のせいじゃないか?」

 

「気の所為だったのかな?」

 

僕らは特に気にせず旅館に入るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「予約もちゃんと取れてたね。タマっち先輩」

 

「当たり前だ。失敗したら大変だからな。それにしても……事実を知ったらあの二人驚くだろうな……」

 

「この旅館のことだよね……カズマさんは二人のこと……特に海君のことを気にかけてたからね」

 

「でもよくあいつが無意識にそう感じてるんじゃないかって思ったよな」

 

「カズマさんはよく見てますからだと思うよ」

 

「だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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