気がつくと四国の壁の上に来ていた僕ら……お姉ちゃんが使ったスキルって……
「あっちで使ってたもの……」
「はい、海くんから前に聞いたものが使えるようになったんで……」
「テレポートみたいなものでしょうか?」
ゆんゆんの言うとおりテレポートみたいなものだな。というよりかは巫女専用のテレポートか
「にしても話に聞いてたけど、本当に無茶苦茶にされてるな」
カズマさんは崩壊した世界を見てそうつぶやいた。カズマさんのいた世界は本当に平和みたいだからな……
「あの天の神も人間のことを怒って滅ぼそうとしてたからね……本当に面倒なことをするわね」
アクアさんがそう言い、僕はめぐみんの方を見た。
「何というか今回はめぐみんのおかげだな」
「私ですか?」
「お前のおかげでまぁ平和的……に解決できたからな」
「ふっ、神すらも恐れる存在になってしまいましたね」
「あの話を聞いた限りじゃ天の神様は紅魔族全体に対して恐怖してるって……喜んで良いのでしょうか?」
ゆんゆんがため息を付きながらそう言うと、いつのまにか姿が見えない友海たちを探した。
「あれ?」
「海、あんたの娘たちならもう下に降りてるわよ」
先輩にそう言われて、下を見ると既に壁の上から降りている友海たちの姿が見えた。とりあえず僕らも降りるとするか……
「勇者部みんなは変身して、カズマさんたちを背負って降りよう」
僕らは勇者になり、カズマさんたちを背負いながら下まで降りて先へと進んでいく。とはいえ……
「なぁ諏訪まで徒歩で行くの大変じゃないか?」
「確かに馬車とかがあれば良いのだが……ウミ、そういったものは……」
「僕らの世界じゃそういうのじゃなくって、機械で動くものを使ってたけど……僕らの年齢じゃ乗れないし……お姉ちゃんのカガミブネは?」
「あれは一日一回のみで……明日にならないと駄目ですね。とはいえ昔はみんな、勇者に変身して進んでいましたから」
「なるほどな……」
みんなを背負って行くのはけっこう大変だしな……特に冒険なれしてないみゆが心配だな。仕方ない
「ちょっと明日からがきつくなるけど……満開!」
僕は満開を発動し、そのっちの船を出した。
「これでひとっ飛びだね」
「お前……最初からそれを使えよ」
カズマさんにツッコミを入れられてしまったけど、だって満開を使うと明日はどこかしらの機能を失っちゃうし……下手すれば足なんか動かなくなるし……
「海くん、足が動かなくなったらおんぶするね」
友奈が笑顔でそう言うけど、結構恥ずかしいんだけど……
そのっちの船に乗ってある程度進んでいくと神戸というところまでたどり着いた。
「後遺症は特にまだ出てないな……」
「何というか本当にどこも壊れてるな……」
「あぁそれに人がいたという形跡はない。ひなた達の時代は辛いものだったんだな」
「そう……ですね」
「今更どう言ってもしょうがないわよ」
「これからは私達が頑張る番ですからね」
樹は笑顔で言った。何というか強くなったな。樹も……
「とはいえビルとかも壊れていますからいつ倒れてきてもおかしくないですね……」
「一から元に戻すとなると大変よね……撤去してから作り始めるとかって……」
東郷と先輩は先のことを考えてる中、僕はあることを思いついた。
「めぐみん、友海」
「なんですか?」
「何?パパ?」
僕は二人に耳打ちをした。何というか前の僕だと絶対に思いつかなかったけど、色んな事を乗り越えてきたからかそういった発想になったかもしれないな。
「どうしたんだ?ウミ?」
「ある程度調査をしたら……二人に爆裂魔法を放ってもらってビルとかを撤去してもらおうかなって………」
「あぁなるほど……ってお前はどこからそんな発想を……」
「まぁカズマさん達のおかげかな?」
「褒められてる気がしねぇな……まぁいいや!」
僕らは神戸を調査し、骨やら何やらを見つけては一箇所に集めてアクアさんに供養をしてもらったりなどもした。
そして調査を終えると
「ではユミ」
「はい、師匠」
「「エクスプロージョン!!」」
二人の爆裂魔法で神戸の街を一箇所ずつ更地にして行くのであった。