この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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久しぶりの四国

海SIDE

 

若葉さんとお姉ちゃんの二人に壁の外のこととこちら側の天の神について話す僕。すると二人は……

 

「なるほど……こちらでやってきたことは無駄ではなかったということか」

 

「そうみたいですね。海くん、出発はいつですか?」

 

「とりあえずエリスさんがカズマさんたちの分の腕輪を持ってきてからになりますね」

 

あの世界での戦いの後、複製された神器はエリスさんが責任持って回収したとのことだけど、また必要になるとは思ってもみなかったな

 

「……海、頼みがあるんだ。今回の壁の外の調査に……ひなたを連れて行ってくれないか」

 

「お姉ちゃんを?」

 

「若葉ちゃん!?」

 

「私達も行きたいところだが……今回ばかりはひなた、お前が行くべきだ」

 

「で……でも……」

 

若葉さん的には何かしら考えがあるということなのか?僕としては別に断る理由はないし……

 

「私達がやるべきことではない。未来の勇者たちがやるべきことだ。お前は海達を見届けてくれ」

 

「分かりました。海くん、お願いします」

 

「うん、わかったよ」

 

こうして調査団にひなたお姉ちゃんが加わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、エリスさんが複製された腕輪を持ってきてカズマさん達に渡した。

 

「それではお願いしますね」

 

「あぁ任せてくれよ。エリス様」

 

「ん?ところでクリスの姿がないが……」

 

腕輪をはめ込むダクネスさんがクリスさんの姿がないことに気が付いた。するとカズマさんは慌ててあることをいい出した。

 

「えっと……」

 

「そ、それでは私は行きますね」

 

エリスさんが消え、直ぐ様玄関からクリスさんが入ってきた

 

「お待たせ~これが腕輪だね」

 

「クリス……どこに行っていたんだ?」

 

「えっと、ちょっと準備とかをね」

 

何というかいい加減みんなにバラしてもいいんじゃないのかな?誤魔化す方も大変みたいだし……

 

「壁の外の調査……その最初を私達が行くことになるなんて……」

 

「何十年もかかってることもんね……」

 

友海、牡丹の二人は調査に行き慣れてるのか?結構時間がかかることなんだろうな……

 

「パパ~私も行くね」

 

みゆもまた調査に加わりたいみたいだ。本当は反対するべきことなんだろうけど、一人残しておくのも悪いし……

 

「あぁ危ないから迷子になったりするなよ」

 

「うん!」

 

「それじゃ早速……」

 

「カズマ、カズマ、ちょっと待ってもらっていいですか?」

 

めぐみんが出発前にそんな事を言いだした。話を聞くともうひとり連れていきたい人物がいるみたいだけど……

すると玄関からゆんゆんが入ってきた。

 

「あのめぐみんに呼ばれたんですけど……」

 

「ゆんゆん?めぐみん、連れてきたいのって」

 

「ゆんゆんはそれなりに役に立つので……それにウタノたちの世界を知るべきかと思います」

 

「そっか……ウミ、いいよな」

 

「僕は反対しないよ」

 

「というかエリスはこういうことになるだろうって思って、一個余分に持ってきたみたいね。はい、はめなさい」

 

アクアさんがゆんゆんに腕輪を渡し、これでようやく出発するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

讃州中学勇者部部室

 

腕輪の力で僕らは部室に来ていた。そこには東郷たちが待っていた。

 

「結構人数が多いみたいね」

 

「えへへ~カイくん、久しぶりに戻ってきたね~」

 

「にしても壁の調査ね……どこを目指していったほうがいいのかしら?」

 

「海さん、決まってるんですか?」

 

「いや、どこに行くかって……」

 

「もしかして乃木から聞いてない……というよりかは話してないみたいね。全く……」

 

「えへへ~ごめんね~」

 

みんなが出迎えてくれる中、ダクネスさん、めぐみん、ゆんゆんが窓の外を見て驚きを隠せないでいた。

 

「あんな建物があるなんて……」

 

「私達はあっちでは直接大赦に乗り込みましたからね……ウミ、あの建物に……」

 

「めぐみん、やめてくれ」

 

「本当に異世界が……」

 

みんな慣れていないから仕方ないだろうけど……とりあえず行くべき場所を決めないといけないけど……

僕はお姉ちゃんの方を見た。

 

「お姉ちゃん」

 

「海くん、これはあなたが」

 

「ううん、最初の目的地はお姉ちゃんが決めていいよ。何だかそうした方がいいかなって思う」

 

「……海くん……そうですね。できれば諏訪まで向かいましょう」

 

「諏訪?ってここから諏訪って……」

 

カズマさんは地名を聞いて驚いていた。四国から遠いのかな?

 

「大丈夫なのか?かなりの距離じゃ……」

 

「大丈夫です。ある程度の移動はこれを使います!スキル発動『カガミブネ』」

 

お姉ちゃんがそう叫んだ瞬間、僕らはまばゆい光に包まれるのであった


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