この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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エリス様からの依頼と明かす正体

海SIDE

 

女神の間に転移するとカズマさんとエリスさんが待っていた。

 

「何だウミ、お前も死んだのか?」

 

「違うから……というか死んだら友奈は悲しむし、エリスさんに怒られるから……」

 

「今回はウミさんにも手伝ってもらいたいのでこっちに来てもらいました」

 

「手伝うって、さっき言ってたアレのことか?」

 

「あれって?」

 

「実は言うとある神器が何者かに持ち出されたのです」

 

エリスさんの話を聞くと以前僕が回収したモンスターを呼び出して、使役するという神器をエリスさんは誰にも近寄れないクローンズヒュドラがいた湖に隠しておいたのだが、いつの間にか無くなってしまったらしい。おまけにヒュドラの影響で汚染していたのが一気に元のきれいな湖に戻っているらしい

 

「つまりエリスさんは今回の一件が僕らが依頼を受けた貴族が関わっていると思ってるの?」

 

「可能性としてですが……」

 

「おまけにカレンが森のなかに屋敷を建てた時期と神器が無くなった時期が重なってるらしいからな」

 

だとしたら神器を持っているのはカレンという可能性があるということか

 

「分かりました。僕もその神器回収を手伝います」

 

「よろしくおねがいします。カズマさん、ウミさん」

 

僕らはエリスさんの依頼を受け、今夜にでも行動に移すということになった。

 

「そうだ。エリスさん」

 

「はい?」

 

「そのっちがちょっと話したいことがあるらしく……」

 

「何だ?ソノコがどうかしたのか?」

 

「何だか話したいことと頼みたいことがあるらしく……」

 

 

 

 

 

 

 

それから元の場所に戻った僕らはカレンさんに討伐数を報告するが、思いっきり馬鹿にされダクネスさんは悔しそうにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、めぐみんからある話を聞かされた。

 

「今なんて?」

 

「ですから銀髪盗賊団と国防仮面を支援する盗賊団を作ったのです」

 

そういえば前から銀髪盗賊団とか国防仮面のことを気に入っていたな。めぐみんの奴……というかそれってつまり……

 

「まさかと思うけど、友海と牡丹、みゆも……」

 

「そうだよ。パパ」

 

「めぐみんお姉ちゃんに入れてもらったの」

 

「すみません。止められなくって……」

 

謝る牡丹。僕は気にしてないけど……おまけにダクネスさんの話じゃこの街で一番大きな屋敷が売られたとのことらしい。その屋敷をアジトにしているというめぐみん……ダスティネス家で買うことが難しいとの話だと……

 

「アイリスも関わってるのか……」

 

「あとチカゲも入っていますよ」

 

千景さんも付き合ってくれているなんて……何というか珍しい気がするな……

 

話を聞く限りじゃ活動中にめぐみんがモンスターに襲われていたカレンさんの屋敷を助け出したらしいが、カレンさんはお礼も言わずに屋敷に戻っていたらしい。めぐみんも盗賊団として襲撃に来たため怒るに怒れなかったらしい

 

「ふふふ、めぐみんに助けてもらっておいてお礼も言わないとは……いい度胸だ。裁判を起こして追い詰めて……」

 

「ダクネスさん、どんだけあの人嫌いなんですか……」

 

僕はそっとツッコミを入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして深夜、僕らの屋敷の外でクリスさんと一緒にカズマさんが来るのを待っていた。

 

「あの一緒に住んでるんですから別に外で待たなくっても……」

 

国防仮面の格好をした僕はクリスさんにそう言うと、クリスさんは……

 

「ほら、ダクネスにバレたらまずいし……今の私達は盗賊なんだからさ」

 

「僕は憂国の使者ですけどね……」

 

「にしてもよくユウナさんにバレないで出てこれたね」

 

「あぁ、ちゃんと説明しておいたから……」

 

友奈に心配掛けたくないし……とはいえ事情を話したら……

 

「クリスさん、実は言うと」

 

「今はお頭って呼んで」

 

「お頭、実は言うと僕の方で助っ人を……」

 

「奇遇だね。私の方も助っ人を呼んでるんだよね。因みにウミさんの助っ人はもしかして……」

 

「えぇカズマさんと一緒に来ますよ」

 

「実は言うと私も助手くんに頼んだんだ」

 

二人してそういった瞬間、屋敷の扉が開き出てきたのは仮面をかぶったカズマさんと盗賊衣装のめぐみん、それと国防仮面衣装の友奈だった。

 

「お頭、ウミ、またせたな」

 

「今の僕は国防仮面ですよ」

 

「見てみて、ウミくん、似合ってる?」

 

「あぁ似合ってる」

 

「いつの間にユウナさんの衣装を作ったんですか?」

 

「ちょっとした機会があって……というかめぐみんは大丈夫か?」

 

めぐみんは僕らのことを見て固まっていた。もしかして憧れの盗賊団と国防仮面の正体が僕らだったことに驚いてるのか?

 

「す、すみませんでした!まさか憧れの方々がカズマたちだったなんて……それにクリスのことなんて……」

 

「気にしなくていいよ。まぁ私も勧誘されて驚いたけどさ」

 

「大丈夫だよ。めぐみんちゃん。私も国防仮面の正体を聞いて驚いたもん」

 

そういえば友奈は東郷が国防仮面だって言うことを知っていたな。それに僕がやっていたことも薄々気が付いてたし……

 

「それじゃ集まったことだし、早速行こうか」

 

クリス……お頭の指示で僕たちはカレンさんの屋敷に向かうのであった。




次回盗賊団編が終わり、壁の外調査編をやります

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