海SIDE
ある日のこと、僕らはドネリーという貴族からある依頼を受け、ドネリー家に来ていた。
「ここがドネリー家の屋敷か。なんでこんな辺鄙な所に建てたのかわからないけど、立派な屋敷じゃないか」
僕らがいる場所は街の近くの森のなかにある屋敷の前だった。すると貴族相手ということで礼装のダクネスさんがドネリー家について語った。
話を聞く限りだと商売に力を入れている貴族で、家格は低いけど資金面ではダスティネス家を凌ぐほどのものだった。だけど途中からドネリー家の娘の文句に変わってきた。
「貴族って仲悪いものなのか?」
「知らないよ。まぁ海と園子は仲良いけどな……」
「まぁ僕らの場合はご先祖様が仲が良いからな……」
そのためか別世界では僕らは結婚してるし……いやこれは今は関係ないか。
今日は挨拶だけということでみゆのことは友海と牡丹の二人に任せてきている。多分だけど戦いとなると明日もみゆは留守番になるな
しばらくしてから屋敷から当主であるカレンという少女が出てきた。
「あなたがサトウカズマ様ですね。本日は当家の願いをお聞きくださり、ありが……」
カレンさんは何故かめぐみんを見て固まっていた。もしかしてめぐみんと何かしらあったのか?
「めぐみん、なにかやったの?」
「ウミ、私は別に……か、カズマ、何ですか!?その手は!?ドレインタッチはやめて下さい」
何かを隠しているめぐみんに対してカズマさんは脅しをかけ、観念しためぐみんは僕らに話した。
どうにもちょっとした事情でこの家がモンスターに襲われた際に助けたことがあったみたいだった。それにしてもどうしてそれを隠すのだろうかと思うけど……
それからダクネスさんとカレンさんの言い争いが始まり、とりあえず僕らはダクネスさんを落ち着かせ、カレンさんからの依頼であるこの屋敷周辺に現れるモンスター退治を受けることになった。
その日の夜、自分の部屋で友奈といるとある人物から電話がかかってきた。
「誰から?」
「そのっちから……どうしたんだ?」
『やっほ~イチャイチャしてるところごめんね~』
いや別にイチャイチャしてないんだけど……というか分かっていて連絡してきたのか?
「珍しいな。お前が僕に電話するなんて」
『そうかな~』
「僕に用事があるときは大体直接来て話すだろ」
『そうだったね~まぁ今回は事前に連絡しておきたかったんよ』
「連絡?」
『ちょっとカイくんのお仲間の人たちにも聞いてもらいたいことがあるんよ。それに女神様たちにもね』
「エリスさんやアクアさんにも?」
『それでそっちの予定に合わせるから都合のいい日を教えてほしんよ』
都合のいい日か……今は依頼を受けているからその依頼が終わってからになるな。僕はそのっちに依頼が終わり次第ならと伝えるのであった。
「あっちでなにかあったのかな?」
友奈は心配そうな顔をしていた。でも何かあったとしたら、僕だけじゃなくって友奈にも連絡入れるはずだよな
「とりあえず後々話すみたいだから大丈夫だろ」
「そうだね」
僕らはそのまま一緒のベッドで寝るのであった。
次の日、僕らはドネリー家の屋敷周辺を巡回して回っていた。
「特にモンスターは見当たらないみたいだね」
「まぁ何か来たとしても俺の危機感知スキルでわかるから大丈夫だろ」
「とかいってカズマは油断してすぐに死ぬんだから」
「お前……俺は別に油断してないからな。というか大体はお前らが問題を起こして……」
「カズマさん、落ち着いて……」
「全くお前らはもう少し集中を……」
「ふふ」
「どうしたの?めぐみんちゃん。楽しそうだけど」
何故かめぐみんは僕らのことを見て笑っていた。何か楽しそうに見えたのか?
「いえ、私は色々とやっていますが、やはりこういうのが一番いいのでしょうね」
そういえばめぐみんはみゆたちを連れて何かやってるんだっけ?前に衣装の作り方を教えてほしいていってきたし、みゆたちに国防仮面の衣装を作ったけど……まぁめぐみんは面倒見がいいし、みゆの面倒を見てくれたから協力はしたけど……
するとカズマさんは何かを感じ取り、辺りを見渡した。
「みんな!上からくるぞ!気をつけろ!」
カズマさんがそう叫んだ瞬間、地面から蟻地獄みたいなモンスターが現れ、カズマさんを真っ二つにした。
ダクネスさんは直ぐ様駆け出し、アクアさんはダクネスさんに支援魔法をかけ、モンスターの顎をダクネスさんが引き裂いた。
苦しむモンスターを僕と友奈と銀の三人で攻撃を食らわせ、何とか撃退した。
「何というかカズマさん……」
「ウミ、哀れんでやるな。可哀相だから……」
「そうそう、笑ってあげないとね。上からくるぞって言ったら下から来て……ぷぷ」
いや笑うのも可哀想だけど……とりあえずアクアさんはカズマさんの治療を始めると、僕の端末からミニサイズのエリスさんが出てきた
『ウミさん、少しよろしいでしょうか?』
「どうしたの?カズマさんがそっちに来たこと?」
『いえ、理由はわかっています。ただ……少しばかりお話したいことがあるので、腕輪を使ってこっちに来てくれませんか?』
女神の間に?一体どうしたんだろうか?
「とりあえずみんな、行ってくるから」
僕はみんなにそう言って、腕輪の力を使い、女神の間に行くのであった。