この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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盗難事件勃発!!

めぐみんSIDE

 

私達は依頼を受けてやってきた場所はアクセルの街のアクシズ教会だった。

 

「新商品の販売及び連続盗難事件の犯人探しと……まさかまたここに来ることになるとは思いませんでした……」

 

「ねぇめぐみん、ここだけはやめない?」

 

「ここってあの人がいるところですよね」

 

「うん、パパはあんまり近寄らないほうがいいって言ってた場所だよね」

 

ゆんゆん、ボタン、ユミの三人は入るのを嫌がっていた。私もできれば嫌なのだけど……

 

「新しくてきれいな教会ですね」

 

「教会って初めて~」

 

イリスとみゆの二人は特に気にせず教会に入ろうとしていた。だけどゆんゆんは扉の前に置かれたツボに気がついた。

 

「待ってイリスちゃん、みゆちゃん。ここは非常に厄介な団体の………」

 

止めようとするゆんゆんだが、イリスが扉を開けた瞬間、扉の前に置かれていたツボが割れてしまった。すると教会の中から一人の女性が出てきた。

 

「ドアの前に置いておいた持ってるだけで幸せになれる噂の高価なツボが!?」

 

出てきた女性は割ったツボの弁償としてアクシズ教に入団を進めてきた。相変わらずだな……

 

「あれ?めぐみんお姉ちゃん、このツボ……最初から割るために置いてあったんじゃないの?」

 

「なっ!?」

 

「えぇ割った弁償として教団に入団させようとするという手口ですよ。みゆはよく気が付きましたね」

 

「だってママが教えてくれたんだ~細かいところまで注意深く見ろって、ほら、割りやすく亀裂入れてあるみたいだよ」

 

「なな……このロリっ娘……意外と鋭いですね。それはそうとめぐみんさん、お久しぶりです」

 

「えぇ、お姉さん。ギルドの依頼でやってきました」

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は中に入り、依頼の内容をセシリーから聞いた。どうにもここ最近食料や裏の畑の野菜などが盗まれてしまっているという……しかも犯人は音も立てずに犯行を行っているみたいだった。

 

「なるほど……これは怨恨ですね。何か恨まれるようなことは……」

 

「あるわよ。数え切れないくらいにね」

 

「でしょうね」

 

「あのとりあえず迷惑かけている人たちに謝ったほうが……」

 

「みゆちゃん、こういう大人になったら駄目だよ」

 

「はーい」

 

ユミはみゆに色々と教えてくれた本当に助かる。とりあえずもう一つの仕事を……

 

「お姉さん。もう一つの仕事の方を……」

 

「そうだったわね」

 

お姉さんが奥から持ってきたのは大量の白い粉が入った袋だった。

 

「お姉さん、これって……」

 

「大丈夫よ。私が丹精込めて作った特別製……まだ禁制品になっていないものよ。さぁ一口どう?幸せになれるわよ」

 

お姉さんがそういった瞬間、ゆんゆんとイリスの二人がお姉さんに武器を突きつけた。

 

「セシリーさんは言動がおかしい人だけど、こんなことをしでかすような人じゃないって思ってたのに」

 

「禁制品に指定されたものはどれもこれも国に害をなす品のはず、それを見逃すわけには参りません」

 

「な、なんでこんなに責められてるの!?ちゃんと二人にも分けてあげるから!?」

 

「私達にまで……」

 

「もう許せません」

 

「あのめぐみんさん、止めなくていいのですか?」

 

「そうですね。ボタン。二人共落ち着いてください。これは子供や老人が喉に詰まりやすいから禁制品になったところてんスライムです」

 

「「えっ?」」

 

二人の誤解も解け、私達は早速ところてんスライム……お姉さんいわく『アクシズ教団のアレ』という品名で売ることになった。何というかお姉さんの変な言い回しですごい勢いで売れていき、更には私達に卑猥な発言をさせようとしてきたが……

 

「そんなことしたらウミに言いつけますよ」

 

「あら、あの人なら……」

 

「ウミは怒ったらチリ一つ残さないかもしれませんね。それに女神様に頼み込んで転生などもさせてくれないように頼み込みそうですよ」

 

私がそういった瞬間、お姉さんは黙り込むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事にバイトが終わり一段落が着いたのだが、お姉さんの悲鳴が聞こえ、駆けつけるとまた盗難が起きていた。

 

「私達が売り子をしている間に……」

 

「これはもう私に恨みがある人物に間違いない!今すぐ問い詰めに……」

 

お姉さんに恨みがある人って……どれくらいいるのだろうか?さてここは追いかけるべきなのだろうけど……

するとみゆが私の袖を引っ張った。

 

「どうしたんですか?みゆ」

 

「お姉ちゃん、この世界にスライムっているの?」

 

「えぇいますよ。それがどうかしたんですか?」

 

「もしかして……ほらここ」

 

みゆが指さしたほうを見ると何か這いずり回ったあとがあった。私達はその跡を追うと裏庭にスライムがいた。

 

「あれはしめたはずのスライムが生きていたのね!」

 

どうやら犯人はスライムみたいだった。倒すべきなのだろうけどお姉さんはそれを拒否し、これからしっかり管理するとのことだった。

 

「それにしてもみゆは頭がいいですね」

 

「私ね。あんまり体を動かすの得意じゃないから……いっぱい本とか読んでて……」

 

「友海と違って頭をつかうのが得意みたいですね」

 

「むぅ~私は馬鹿じゃないよ!勉強できるもん」

 

「分かっていますよ」

 

「何というかウミさんの子供ってどちらかが優秀だったりしますね」

 

「身体機能はユミちゃんで、頭脳はみゆちゃんということですね」

 

まぁウミが聞いたら喜びそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてイリスの迎えにクレアが来て、私達は解散することになった。因みにお姉さんにこれからも資金集めのためにバイトをさせてほしいと頼むと、お姉さんは盗賊団に入れてくれればいくらでもといい。お姉さんも加入するのであった。

 

そして夜、私はウミの部屋を訪ねていた。

 

「どうしたんだ?めぐみん」

 

「実は教えてもらいたいことがあるのですが……」

 

「何だ?」

 

「ちょっと衣装作りを教えてもらえないでしょうか?」


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