この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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125 結婚式準備

無事に友奈の両親から結婚の許しを得た僕は、元の世界に戻ると何故かカズマさんとめぐみんが言い争いをしていた。

 

「どうするんですか!!アクシズ教にどう説明するんですか」

 

「だからそこを悩んでるんだよ!!ダクネスとクリスはエリス教の教会でやる気だぞ」

 

「やはりここはウミを説得するしか……」

 

「何があったんですか?」

 

僕が二人に声をかけると二人は驚いた顔をしていた。本当に何があったんだ?

 

「よ、よう、ウミ、戻ってきたのか」

 

「ご、ご両親への報告とか済んだんですか?」

 

「う、うん、一応は……あぁ、友奈はしばらくあっちにいるって……それで……」

 

「「ただいま~」」

 

何を話していたのか聞こうかと思った瞬間、ダクネスさんとクリスさんの二人が帰ってきた。

 

「ウミ、お前も帰ってきてたのか」

 

「ウミさん、お話は無事に?」

 

「うん、一発殴られたけど……そうだ、これ返さないと……」

 

僕は腕輪をクリスさんに返そうとしたが、クリスさんは首を横に振った。

 

「それは貴方が持っていて大丈夫です。貴方ならきっと良いことに使ってくれるって、エリス様も言ってるだろうしね」

 

いいことにか……それに応えられるようにしないとな。そうだ、謝っておかないと……

 

「あのクリスさん、ダクネスさん。僕と友奈の結婚式場なんですけど……」

 

「あぁ、それなら大丈夫だ。エリス教の立派な教会をさっきクリスと一緒に探してたんだ」

 

「あとは二人がね」

 

「うん、それなんだけど……出来れば街にある教会じゃなくって……」

 

僕が二人で話し合って決めたことを話した瞬間、カズマさんたちが驚いた顔をしていた。

 

「……ウミ、もう一回言ってもらっていいか?」

 

「だから式場なんだけど、この屋敷じゃ駄目かな?」

 

「「何で!?」」

 

ダクネスさんとクリスさんの二人が驚いた声を出していた。いや、何でって言われたら……

 

「変に教会とかじゃなくって……思い出深い所がいいなって……」

 

「ウミ……何というか……その」

 

「お前、よくとまぁ、そんな恥ずかしいことを……」

 

「というかカズマさんは聞いてなかったの?アクアさんと銀に伝えるように……」

 

「たっだま~」

 

「あれ?海、帰ってたのか?折角準備とか内緒でやろうって思って……」

 

「おい、アクア、ギン。お前ら、俺に何か言い忘れたことないか?」

 

カズマさんが二人の腕を掴みながら、笑顔で言うが全然目が笑ってない。

 

「言い忘れたこと?あぁ、ウミの結婚式のこと?言ってなかったっけ?」

 

「聞いてない!!」

 

カズマさんがドレインタッチでアクアさんの体力を吸い取り、ゆっくりと銀の方を向いた。

 

「言い訳を聞こうか」

 

「えっと……屋敷でやるって聞いて……アクアさんと二人ですぐに飾り付けを買いに行ったから………ごめんなさい」

 

「………まぁしょうがないな」

 

「ちょっと!?ギンには甘くない!?」

 

カズマさんとアクアさんの口喧嘩が始まる中、銀がある事をめぐみんに言った。

 

「そういえばめぐみん」

 

「何ですか?ギン」

 

「飾り付けの買い物の途中でセシリーって言う人に言われたんだけど、本人たちが決めたことなら仕方ない。アクシズ教の皆には伝えておくって……どういう事?」

 

「そ、それはですね……」

 

「めぐみん、そういえばカズマさんと何か話してたけど、何の話だ?」

 

「え、えっと………」

 

「「めぐみん~」」

 

僕と銀の二人で問い詰めるとめぐみんは諦めたのかため息を付いた。

 

「本当だったらウミたちの結婚式はアクシズ教の教会でやってもらえたらって話ですよ」

 

何でまたアクシズ教なんだ?いや、待て……昔カズマさんとめぐみんの二人がたてた作戦に僕と友奈が巻き込まれたことあったような……あれって……

 

「もしかして温泉の件の裏にそういうことがあったんだな」

 

あの強制混浴を仕掛けるのに、宿の従業員に協力してもらったけど、まさかそんな話まであったなんて……なんかそれはそれで申し訳なかったけど………

 

「とはいえ二人が決めたことですから、ウミ、気にしないでください。今は二人の結婚式を大いに盛り上げるために………今まで以上の爆裂魔法を……」

 

それはやめてほしいのだけど……

 

 

 

 

 

 

何だかんだで屋敷の飾り付けをカズマさん達と進めるけど……流石にこの人数でやるには手が足りなくないか?

 

「というか主役のお前まで手伝うってどういうことだよ」

 

「いや、僕だけ何もせずじっとしてる訳にはいかないから……」

 

とはいえこのままだと時間が本当に掛かるな……こういう時はやっぱり

 

僕は端末を取り出し、ある人物に電話をかけた。しばらくコールが鳴り響くとようやく繋がった。

 

「先輩ですか?」

 

『ありゃ?海じゃない。っていうかあんたの端末、私達と連絡取れたっけ?』

 

「前に桔梗が来た時に、皆の端末を連絡が取れるようにしたり、新しい勇者システムにしたって聞いたんですけど……」

 

『そういえばそうだったわね……戦いが終わったのにね』

 

それは仕方ないことだった。大赦は新しいシステムを作り上げる前にあの戦いが起きたのだから……作りかけのままだと嫌だとかの理由で完成させたみたいだし……

 

『それでどうかしたの?』

 

「うん、ちょっと勇者部に依頼を……」

 

『依頼?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩との電話から一時間後、友奈と東郷以外の勇者部全員が屋敷に集まっていた。東郷は友奈のドレスを選ぶのを手伝っているらしいけど……

 

「それにしてもあんたららしいわね。思い出深い場所でやるなんてね」

 

「あのそれでしたら、部室でも良かったんじゃないんですか?」

 

「それも考えたけど、流石に狭いし、呼ぶ人たちが殆どこっちの世界の人だからな……」

 

まぁこっちで終わったら、二次会会場として僕と友奈の二人は部室を借りる予定だけど……

 

「にしても飾り付けの準備ね……感謝しなさい。私達が手伝うんだから凄い式場にしてあげるから」

 

「みんなで飾り付け頑張ろうね~」

 

皆やる気満々で準備を始めた。何だかこういうのっていいな……皆で式場作りなんて……

 

「そういえば誰呼ぶか決めたのか?」

 

「うん、一応招待状作ったんだけど……」

 

二人で決めたのは今までお世話になった人たちを呼ぼうという話だ。だけどかなりの人数になるな……それだけ僕らは色んな人にお世話になっているということなんだろうけど……

 

「あっ、ウミさん。お待たせしました」

 

するとゆんゆんが慌ててやってきた。息を切らしてまで急がなくっていいのにと思っていると、めぐみんはゆんゆんに近づき

 

「何しに来たんですか?もしかして準備の手伝いですか?それでしたら私達だけで十分ですよ」

 

「めぐみん?何の話?私、ウミさんに頼まれて招待状を配りに行くんだけど……」

 

「どういう事だ?ウミ?」

 

「ゆんゆんが言っているとおりですよ。カズマさん。ゆんゆんとダクネスさんと一緒に招待状を配りに行くんですよ」

 

「あら、ウィズもテレポート使えるんじゃないの?手伝わせなくっていいのかしら?」

 

「ウィズさんに頼んだんだけど、何だか人を探しに行くって……」

 

まぁ、何となくウィズさんが探している人には覚えがある。あの人の分も僕は招待状を作ったのだから……

 

「それじゃ行きましょうか」

 

それから僕らはゆんゆんのテレポートで招待状を配り歩くのであった。


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