窮屈な二度目の人生過ごしてます   作:海野

18 / 28
遅れてしまったけど、渚君、お誕生日おめでとう。
番外編やりたかった……(泣)

あともう一つ、前回の話で勉強会の事を放課後にやったと書いたのですが、見返したらあれは授業の一環だったらしくすいません。
E組とA組の賭けの話については翌日の放課後にあって、その次の日に学ちゃんに伝えられるという事にしてください。


第十八話 テスト当日

  二日後、私を除く五英傑がE組と何やら賭けをしたようだと噂になっていた。全く、お前らは幼稚園児かと言いたくなったが、それは心の奥底にしまっておいた。

 

「で、賭けの内容はまだ決まっていないんだよね?」

「あ、ああ」

                        

「それじゃあ、こうしよう。勝った方が下せる命令は()()()()。その命令はテスト後に発表する。E組に伝えておいて」

 

 私は鞄の中からいつも持ち歩いているノートパソコンを取り出した。このノートパソコンには二つユーザーを作っている。一つは学校用、もう一つは外出の時に使うプライベート用だ。学校用の壁紙はシンプルだが、プライベート用は好きなアニメの壁紙だ。これを見られたら終わりだろう。

 マウスじゃなくて、マウスパッドでやっているからとてもやりにくい。

 テキストを開き、いつもの高速ブラインドタッチでその命令を作った。

 

「私達からの命令はこの協定書に同意する。その一つだけだよ」

 

 彼はこんな事を一瞬でよく思いついたなと色んな意味で尊敬するよ。

 これを作った私が言うのもあれだけど、こんな事をされたら邪魔なんだけどなぁと思ってしまった。

 

「皆、私がこれを通して言いたい事は、やるからには真剣勝負だって事だよ。どんな相手も本気を出して向き合おう!それが皆を照らす私達A組の義務なんだ!」

 

 ただの綺麗事だ。でも、本気を出さないと()()()()()()よね。

 

 

 こうして、試験当日がやってきた。

 一時間目は英語。

 この問題って確か、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」だっけ。

 幼い頃は一人じゃ家からあまり出られなかったから、うちの無駄に広い書庫に籠って本を読んでいたからなぁ。有名作はだいたい読んだつもりだ。

 本、有名作と言えば、日本の文豪かな。文豪と言えば、最近では新しい漫画にはまったんだよねぇ。それが文豪をイケメンにして異能力でバトル!っていうストーリー。ああいうのはは好きだ。

 二時間目は理科。

 理科って、○○は何故○○するのですか。という高得点問題が多い。これは絶対に外してはならないものだ。

 三時間目は社会。

 可能性のあるものはチェックする。それが私の勉強方法だ。

 毎朝の新聞は確認する。家に帰って来た後に、新聞をコピーしてファイルにとじる。これはいつもの日課だ。もちろん、そのおかげで今年のアフリカ開発会議の首相の会談の回数も分かった。

 四時間目、国語。

 百人一首は小学生の頃に百人一首大会なるものがあったから全て覚えていてよかった。それも、好きなアニソンの替え歌にしたお陰だ!

 

「終了。答案、後ろから持ってきて」

 

 テストは二日かけて行われる。明日は五教科最後の数学と、実技四教科の内の三つ。音楽と技術家庭科だ。

 家庭科は問題無い。だが、技術はミスが多いんだなぁ。覚えにくい。歌にしにくいし……。とりあえず、頑張ろ。

 

 

 二日目

 

「始め!」

 

 最初から数学はきつい。だが、大丈夫。父が出て言った後に防音の自分の部屋で三曲歌を歌ってきたから目は覚めている。

 数学は赤羽だっけ。彼は今回、壁にぶつかってしまうだろうな。

 実技のテストも終わり、帰宅となった。

 帰りに渚君を見かけた。その隣には赤羽と……あかりちゃん。髪の色を変えてしまったんだね。

 私は鞄の中からマスクと髪留めを取り出し、髪は二つくくりにした。マスクをするだけでも印象は変わるものだ。

 

「渚君」

「が、学さん!」

 

 まさか私が声をかけるとは思わなかったんだろう。渚君は私のこの髪型を知っているからね。

 

「学って、浅野?って訳無いか」

「よく間違われるんだ。私の名前は諸星学っていうの。渚君の友達?」

「うん!私は茅野カエデ」

「赤羽カルマ、よろしくね」

 

 よろしくと返した。

 諸星は母の旧姓だ。とっさに思いついたのがそれしかなかった。

 

「俺達、E組だけど、話していいの?」

「別にいいよ。皆はE組だからって言って悪く言うけど、私は嫌だからさ。友達の事を悪く言うなんて最低でしょ?」

 

 本当の事だ。渚君も竹林君も私にとって大切な友達だ。E組だからっていう理由で友達という関係が崩れるなんてそれは友達じゃない。そんな友情は捨ててしまった方が良い。だから友達は選べっていうんだよね。

 

「渚君、最近いきいきしているね。E組で良い事でもあった?」

「う、うん。まぁ……ね」

 

 暗殺の事は誰にも話してはいけない。仕方がないことだ。

 

「私、家あっちだから。また会ったらゆっくり話そうね。バイバイ」

 

 私は手を振って別れた。

 




 学ちゃんのお母さん、まだ名前を考えていなかったので今考えたのを書きます。

 浅野結(旧姓 諸星結)

 海外でデザイナーをやっている。仕事が忙しい為、なかなか家に帰ってくる事ができず、娘に申し訳ないと思っている。
 学が小さい頃は頻繁に手紙を送っていたが、学から送りすぎと手紙に書かれた為、今では月に一回で手紙と服、仕事で訪れた国のお菓子を送るようにしている。
 実はお母さんもアニメ好き。日本に帰って来た時はフィギアを買って、学にあげている。フィギアを選ぶ時間は最長で三時間という記録を持つ。
 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。