魔法少女リリカルなのは〜ブレイヴ使いの転生録〜 作:ブレイヴ
〜プロローグ〜
「うっ!此処は・・・・?」
此処、白い空間にて一人の青年が目を覚ます。青年の名は馬神弾と言い、二つ世界を救った救世主である。そして、ダンは起き上がって辺りを見渡し始めた。
「確か俺は、引き金になった筈・・・・。」
ダンは、思い出す様に呟くと・・・・
「はい、その通りです。」
「ッ!」
後ろから声が聞こえたので、慌てて後ろを振り向いた。そこには・・・金髪で、白い服を着た少女が立っていた。
「君は・・・・?」
「えっと・・・・初めまして、馬神弾さん。私は、貴方達で言うところの神様です。」
「か、神様!?」
ダンは、目の前の少女を見て驚いたのだった。
「はい。」
少女は、にっこりと返事をする。
「えっと・・・・その神様が、俺に何の様何だ?」
驚いていたダンだったが、直ぐに真剣な顔になって少女に質問した。
「えっと・・・・貴方をある世界に転生しようと、此処に呼んだ次第です。」
「俺を?」
「はい、神様達の会議で貴方の事が話題になりまして・・・・結果的に貴方を転生させようと言う意見になったのです。」
「どうして、神様達の会議で俺の事が話題に?」
「えっとですね・・・・会議で、別の世界の人を転生させようと発案がありまして、幾つか候補している内に私が好きなアニメの一つで、貴方を主人公になっている作品を提案したら採用ということになりまして///」
少女は、恥ずかしそうに答える。
「俺が、主人公になっている作品?」
ダンは、首を傾げながら少女に聞いた。
「はい・・・「バトルスピリッツ少年激覇ダン」と「バトルスピリッツブレイヴ」です。この話は、貴方が少年時代でグラン・ロロを冒険した話と未来に行って地球を救うと言う話です。」
「・・・・。」
ダンは、それを聞いて口を開けて惚けた。
「それと・・・貴方を推薦した私のもう一つの理由は、貴方の功績と貴方が今まで歩んで来た人生です。」
「ッ!そうか、あれを見たのか・・・・。」
ダンは、暗い表情をしながらそう呟いた。
「そう、です・・・・。すみません、貴方の人生を勝手に観てしまい・・・・でもッ!だからこそ‼︎私は、貴方に新たな人生を歩んで欲しいのです!」
「ッ!」
少女の言葉を聞いて、ダンは目を見開いた。
「だからこそ私は、貴方を転生させたいんです。新たな人生で、幸せになって欲しいから・・・・。」
少女は、涙目になりながらそう語った。
「・・・・その・・・・ありがとう。俺の事を心配してくれて・・・・。」
ダンはそう言って、少女に微笑んだ。
「あっ!いえ‼︎あうぅっ〜〜〜///」
少女は、恥ずかしそうに顔を赤くして俯いた。
「え、えっと・・・・大丈夫か?」
ダンは、顔を赤くした少女に呼びかけた。
「は、はい!大丈夫です‼︎」
「そ、そうか・・・あっ!そう言えば、君に聞きたい事があった。少し、良いか?」
「は、はい!何でしょうか?」
「俺が、引き金になった後あの世界は・・・まゐ達はどうなったんだ?」
ダンは、自分が引き金となって消えた後の事を少女に聞いたのだった。
「・・・その事でしたら問題ありません。世界は、無事に救われ、貴方の仲間達・・・クラッキーさんは未来に残り、まゐさんと剣蔵さんと硯さんは元の時代に戻りました。そして、まゐさんは貴方の帰りを待っています。」
「そうか・・・・ありがとう。」
「いえ、私は何も出来ませんでした・・・貴方を元の世界に還す事さえ出来ない無力な神です。」
そう言って、少女は俯いた。
「そんな事ない・・・君は、無力なんかじゃない。君のお陰で俺は此処にいるんだ。だから、自分を責めるな。」
「ダンさん・・・はい!ありがとうございます‼︎」
「気にするな・・・それより、転生の方をお願いしてもいいか?」
「えっ、良いんですか?」
「ああ、頼む。」
「・・・・分かりました。任して下さい!」
ダンの言葉を聞いて、少女は嬉しそうにそう言った。
「・・・ところで、俺が転生する世界って何処なんだ?」
ダンは、少女に転生先を聞いた。
「貴方が行く転生先はですね、【魔法少女リリカルなのは】と言うアニメの世界です。」
「アニメの世界か・・・・内容からして魔法がメインの世界なのか?」
「はい、そうです。古代の魔法やら科学で出来た魔法がある世界です。」
ダンの問いに答える少女。
「へぇ、凄いな。それじゃあ、早速お願いしてもいいか?」
「あっ!その前に、貴方に特典を3つ用意させて頂きます。」
「特典?」
「はい、転生する際には必ず必要なものです。」
「とは言っても・・・・すぐには、思いつかないかな?」
「何かありませんか?」
「・・・・取り敢えず、二つ程候補は出たかな?」
「それは、良かったです!それじゃあ、言って下さい。」
「じゃあ、1つ目・・・俺の使っていたカードを魔法で使える様にしてくれ。」
「はい、分かりました。」
「2つ目は、家事が出来る様にしてくれ。向こうでは、家事が絶望的だったからなぁ・・・・。」
何処か遠い目をするダン。
「えっと・・・・分かりました。」
ダンの言った言葉に苦笑しながら承諾した。
「最後はどうするか・・・・あっ、そうだ。最後は、容姿はそのままで頼む。」
「えっ?いいんですか?それで・・・・。」
「逆に、そこまで必要とは思わないからな。」
「・・・・そう言う事なら分りました。後、貴方の他に転生した者達がいますので、今の内にお伝えします。」
「因みに、どんな奴等だ?」
「まず、貴方と同じ様にアニメの世界の方とゲームやら歌で人気になったアイドルキャラクターの方です。そして、貴方々とは、違う現実世界の方々が4人です。」
「俺を含めて、7人か・・・・結構多いな。」
「その内現実世界の中の一人は、男性の方で自己中心的で我侭な方でした。」
少女は、嫌そうに語った。
「何というか・・・関わりたく無い人物だな・・・・。」
ダンもその話を聞いて、そう呟いた。
「それでは、貴方を転生させます。年齢は、主人公と同じ3歳からスタートです。「ちょっと待ってくれ。」はい、何でしょうか?」
「歳は、今のままじゃ駄目なのか?」
「はい、駄目です。一応そう言う決まりですので・・・。」
「じゃあ、4歳からで頼む。主人公と同じ年齢だとその自己中心的の人物に目を付けられそうだからな。」
「そう言う事でしたら・・・分かりました。では、次に家族は事故でいない様に設定しましたが・・・・暫くしてからある家族に養子として引き取られる様にしています。」
「・・・そうか。」
ダンは、家族の言葉を聞くたびに暗い表情になる。
「大丈夫です。貴方を養子として迎える方々は本当に良い人達です。心配しないで下さい。」
「そうか・・・分かった。(そうだ・・・何時までも過去の事を引き摺ってちゃ駄目だ!立ち止まっていられない・・・前しか見ないって、俺はあの世界でそう決めたんだ!)」
「それから、転生後に魔力のランクはランダムで付く様に設定しています。」
「・・・・分かった。」
「では、送ります。」
するとダンの足元が光り出して、魔法陣が現れた。
「あっ、最後に君の名前を聞いて良いか?」
「あっ!はい‼︎私の名前はリナと言います。」
「リナ!俺に・・・・二度目の人生を与えてくれてありがとう!」
「ッ!はい、頑張って下さい‼︎」
「ああ!」
そう言って、ダンは魔法陣と共に消えたのだった。
「貴方に幸福を・・・・・。」