【習作】魔術王は他作品にまで聖杯をばらまいた様です。   作:hotice

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第5話

 ドレイクと黒ひげの宝具を交互に使いながら、沿岸部を進んでいる内に現地の英霊との接触に成功できた。

 曙が少し取り乱したものの、無事に話もすることが出来、立香は順調に進んでいると感じていた。彼女達も色々と立香の話を聞いて、信じがたいものの実物を見れば信じざるを得なかった。恐らくは敵ではないということも。

 逆にカルデアも簡単な情報を手に入れることが出来た。

 まず人がいないことに関してだが、あれは単純に避難したということだった。深海棲艦によって食料が輸入できず、また沿岸部に人がいると深海棲艦の砲撃が来るため大半は大陸へ避難することになり、また残りの人は安全な奥地か鎮守府付近にしか残っていないとのことであった。

 そして鎮守府。唯一深海棲艦に対抗できる彼女達艦娘とそれを采配する提督が集まっている人類の反抗の拠点。日本には4か所、太平洋には各地にあるらしい。

 とりあえず立香達が分かったのはこれくらいであった。

 

 「えっと・・。つまりあんた達カルデアは恐らく深海棲艦を生み出している聖杯っていうのを回収しに来て、あんたは魔術師でさらに提督みたいなものでそれ以外のやつは過去の英雄が艦娘みたいになったものってことね。」

 漣がとりあえず分かった情報を確認する。割と鎮守府とカルデアの形態は似ているため理解はしやすかった。

 「いや、それは少し違うよ。」

 「どわっ!ご主人様!空中ディスプレイが出てきましたよ!何これ凄い!」

 いきなりそこにダヴィンチが割り込む。漣は目の前に現れたいきなりのSF要素にとてもテンションが上がっていた。

 ちなみに立香君は、その反応をみてカルデアにいる裸エプロン狐にキャラはそっくりだなとかそんな事を考えていた。

 「うんうん。実にいい反応だ。

 実は君たち艦娘のことを少し調べたんだけど、どうやら君たち艦娘は全員ライダーの英霊のようだ。だから正しくは提督はマスターで艦娘が英霊なんだ。」

 「え?でも私たちは英霊の座っていうところを知りませんよ?」

 「まあそうだろうね。そもそも君たちは軍艦だ。それを軍艦は女性だっていう古来からの風習を使って無理やり英霊だと解釈しているからね。

 正直英霊とも言えない。シャドウサーヴァントよりも霊基がめちゃくちゃなんだよ。そんな状態じゃあまともに座のことなんて知りえないだろう。」

 「成程。けれどじゃあなぜアラヤはそんな状態で召喚なんかしたんだろ?聞いた限りじゃあ普通の英霊を召喚した方がいいと思うんだけども。」

 「う~ん。アラヤが意味もなくこんなことをするはずはないから、何かしらの理由があるんだろうね。その辺はもう少し調べないといけないね。」

 

 「なんか訳の分からない用語ばかり出てきたぞ。」

 「中二病乙!」

 「漣ちゃん、あの人達はもっと年齢上だと思うよ?」

 「いやいや、潮ちん。中二病ってのはね。」

 「説明なんかしなくていいわよ、漣。

 そんなことは置いといて、私たちのクソ提督がぜひ鎮守府で直接話がしたいって言ってるんだけど。」

 立香達も出来るだけ早く現地の人と協力したかったので、直ぐに応じた。

 

 「そ。なら案内するわ。」

 そうして彼女達の鎮守府に向かい始めた時であった。

 

 「話は終わりましたかな、マスター?拙者もぜひともこの子たちとおはなs・・・」

 「コリュキオン!」

 「どわっふ!同士メディア殿!何故いきなり攻撃を!?」

 「確かに、黒ひげ。あなたは私と同じモデラー。それなりに仲間だと思っているわ。

 けれどあなたが少女に手を出すのは許せないわ!私が手を出すんですもの!」

 なんというしょうもない理由であろうか。さすが裏切りの魔女である。

 とりあえず立香は二人を止めに入った。メディアには以前言ってたアナちゃんのフィギア製作用の取材の許可を。黒ひげには何かあったらパイケットのこと全部この場で暴露すると言えば止まった。伊達にカルデアのマスターはやっていない。これ以上の問題児達がうろちょろしているのがカルデアなのである。

 

 ちなみにアナちゃんのフィギアはいざという時の対お姉さま礼装となる。伊達にカルデアのマスターはやっていないのだ・・・。

 

 「ちょ、マスター殿!?それだけはやめてくだされ!」

 

 

=====

 「そういえば、ぐだ男さん。彼らって過去の英雄なのよね?」

 その通り。

 

 「じゃあアルトリアさんってどんな人なの?聞いたことないんだけど。」

 「あぁ、彼女が有名なのはアーサー王って名前の方だからね。」

 彼女達がアルトリアのことを知らないのも無理はない話である。普通はアーサー王が女性とはなかなか思わないだろう。

 

 「アーサー王!?あれですか!エクスカリバーなあのアーサー王ですか!女の人だったの!?」

 「ええ、そうですよ。これがそのエクスカリバーです。」

 そう言ってアルトリアはエクスカリバーを実体化した。さすが最高の聖剣だけあって凄まじい存在感であった。もはや見慣れた立香でも一瞬目を奪われる程である。

 

 「最強武器キタコレ!いや、まじでエクスカリバーですやん。」

 漣は純粋に喜んでいた。今までプレイしてきたゲームでも最強の武器として登場することの多い聖剣である。それがまさにその威容を示しているのだ。嬉しくない訳がない。

 「すごいね・・・、その剣。大和の主砲にだって負けてない・・・。」

 朧はその剣を見て驚愕を浮かべていた。何気に話を聞いていた中で一番話を疑っていたのは彼女であったからだ。

 けれど聖剣は彼女に驚愕を与えた。今まで彼女の中で最強の兵器は大和の46cm三連装砲であった。それを遥かに超えた代物であったからだ。

 前に一度だけ演習で大和が戦っているのを朧は見たことがあった。正しく『最強』に相応しい圧倒的火力であった。圧倒的破壊力であった。

 あの時の光景は今でも朧の目に焼き付いている。そしてそれに等しいだけのエネルギーを放つ聖剣は彼女が話を信じるのに十分であった。

 「あんたのエクスカリバーなんて知らないわよ!クソ提督!どうせあんたのなんてひのきの棒でしょうが!」

 「曙ちゃん、落ち着いて・・・。でもすごいですね。とっても強そうです。」

 ちなみにアルトリアはエクスカリバーへの大反響にとても満足していた。薄い胸をこれでもかと張っていた。

 彼女のいるカルデアではごろごろとはいかずとも、それなりには聖剣の類は存在しているため、こういった反応は中々起きないのである。

 純粋な歓喜と畏敬を久しぶりに向けられてとても嬉しかったのだ。

 

 逆に立香君はとても困っていた。

 (あぁ、メディアさんの視線を感じる・・・。次は自分を紹介しろという熱い視線を感じる・・。)

 ここは逆らってもいいことはない。素直にぐだ男はメディアを紹介した。

 

 「すごい!魔法使いさんなんですね!ぜひ魔法見せてください!」

 「こんな元気な潮ちんって珍しい・・。」

 「潮って割とそういうの憧れてるからね。」

 潮は駆逐艦とは思えない程の体をしているが、その反面中身はかなり純粋であった。未だにプリキュアだって隠れて見ている。だからこそ潮は本当の魔法使いを前にいつもの大人しさなど捨てて、大興奮していた。

 「ふふふ・・・!えぇ、もちろん。神代の大魔術を見せてあげましょう!」

 そしてかわいい子が好きなメディアはその言葉で完全にスイッチが入ってしまった。先ほど見たアルトリアへの反応もあって、彼女はかなり全力だった。

 「あ、待って!メディアさん!そんなエクスカリバーに張り合ってえげつないの撃とうとしないで!いくら宝具でもここ船の上だから!茨木ちゃんへの取材も許可するから!止めてぇぇぇ!」

 結局他のサーヴァント達によって止められたのだが、一歩間違えば大惨事である。ぐだ男は冷や汗まみれの額を拭った。

 

 ちなみに茨城のフィギアは対酒呑童子礼装ともなる。伊達に(ry

 

 

 結局潮ちゃんを可愛いドレス姿に変身させる魔法をかけたのだが、潮はこれに大喜びした。メディアと黒ひげも大喜びした。

アルトリアは敗北感に包まれていた。

 

 

 




ちょっと三人称にしました。
内容はそんなに変わってないです。

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