【習作】魔術王は他作品にまで聖杯をばらまいた様です。   作:hotice

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第3話

 とりあえず今後の方針として現地住民への接触、出来れば英霊への接触が第一目標となるだろう。

 ただし考慮しなければいけないのが、なぜこの町には人がいないのかということだ。

 もし他の町でも同様のことが起こっているようであればその原因を特定しなければならない。

 

 「そうだね。軽く調べただけでもこの町だけじゃなさそうだ。どうやらかなり大掛かりな事件のようだね。」

 

 ならば大規模魔術の可能性もあるし、素早く移動する必要となる。

 そうして立香はとりあえず同行してもらうサーヴァントを決めた。カルデアから莫大な魔力供給があるものの、パイプ役として一度に供給できる量はそう多くない。精々が5,6体が限界であるためである。それを状況に応じて編成を考える必要があった。

 

 とりあえず今回の編成をダヴィンチに伝える。

 「まず原因を魔術的に探るためにキャスター、メディア。」

 「ふむ。私じゃあ駄目かい?少し現代文明に興味があるんだけども・・・。」

 「ダヴィンチちゃんはカルデアの技術役をお願い。それに大規模魔術への防御ならメディアの方が向いてるからね。」

 「まあそういうことなら仕方ない。純粋な魔術ならさすがに神代の魔女には敵わないからね。

 あっ、お土産は期待してるよ。」

 

 「その上で今回の主戦場は海らしいので船の宝具を持つライダー、フランシス・ドレイク 

 それと同様の理由でライダー、エドワード・ティーチ

 今回の特異点は彼らの宝具を足に使って移動しようと思う。

 

 次に純粋な戦闘メンバーとして、

 水の精霊の加護によって水上を移動できるセイバー、アルトリア・ペンドラゴン

 海戦に伝承のあるライダー、牛若丸

 

 そして最後に、船からの援護射撃兼船での食料供給役アーチャー、俵藤太

 この六人でお願いします。」

 

 「了解だよ、立香君。とりあえずこの6人に連絡するよ。

 でも少しアルトリアちゃんが可哀想だね。彼女あの宝具見るたびにすごい顔してるもの・・・。」

 まあ一番その宝具の恩恵を受けているのも彼女なのだが。

 

 程なくして目の前の召喚サークルが光を放ち、回転していく。その中から先ほどの6人の姿が現れる。

 今回もよろしく、と声をかけたのだが一人だけ様子が可笑しかった。

 

 そう黒ひげである。基本テンションの高い彼だが、なんというか今回はいつも以上に高いうえにやる気に満ち溢れていた。

 たしかお気に入りキャラのフィギアの特別プレミア版を手に入れた時でもこれ程ではなかったのに、と立香は若干引き気味になりながら考えていた。

 

 「でゅふゅふ・・・!海戦でござるぞ!こんなかわいこちゃん達と一緒に何か月も海の上!いやぁ楽しみでござるな!

 

 ・・・BBAと一緒なのは癪でござるが、特別に一緒に戦ってやるでござるよ!」

 「おっ、そうだね。マスターと一緒に戦うのも悪くはないけど、やっぱりあたいは海賊だからね!海での戦いが一番心踊るってもんさ!

 黒ひげ、今回は味方同士だ。楽しくやろうじゃないか!」

 

 そう言ってドレイクに肩をたたかれた黒ひげは口ではぼろくそに言ってるが、その顔は嬉しさで満ち溢れていた。

 今回の黒ひげは普通にきちんと戦力して数えられそうだと立香の直感が告げていた。

 

 さて、これからが本番である。立香は一層のやる気を込めた。

 「よし、じゃあ行こうか、皆。」

 


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