ハイスクールD×D 運命の切り札を持つ者   作:宇宙蟷螂

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カリス好きが講じて、書いてしまった。

初めてだから上手くかけた自信はないですけど一生懸命頑張ります。


第1話 記憶喪失、物語の始め

……暗い…ここはどこなんだ?辺りは何も見えない闇…苦しい、何かが暴れてる…。何で暴れたい衝動にかられる?

 

俺は……俺は誰なんだ?

 

――――。

 

…寒い、どうやら俺は服を着ていないらしい…。

 

俺が目を覚ますと目に移ったのは真っ赤な床…いや、大量の血で出来た血の床だった。

 

辺りを見ると四肢が分断された亡骸が横たわっていた。

 

「…何なんだ、ここは!?」

 

この人たちを殺してバラバラにしたヤツはまだ近くにいるかも知れない…!逃げなくちゃ俺もこの死体の一つになってしまう!

 

俺は自分の事が解らない、何もかも…自分の名前すらも覚えていない…こんな所で何も知らないまま死んでたまるか!

 

俺はこの場から逃げるべく近くのロッカーにおいてあった服を着用する。

 

「…ん?」

 

俺は気がつくとあるカードを持っていた。

 

カードは♡のA『CHANGE』と書かれたカマキリの絵が書かれていたカードだった。

 

――――こいつだけは絶対に手放すな。

 

俺の中にある何がそう告げて俺はカードを大事にしまうと研究所を後にした。

 

――――

 

「…はあっ…はあっ、ここまで来れば大丈夫…なのか?」

 

研究所からかなり走ったと思う。休憩もなしで全力で走りっぱなしだったから流石に疲れた…。

 

俺はほんの少しの自分の油断を後悔することになる。

 

何故なら俺の目の前には人間とは思えないそれこそ化け物と呼ぶにふさわしい異形のモノ、怪人がいたからだ。

 

怪人は呻き声に似た声で何かを呟いていた。

 

「…カ…リス」

 

怪人はそう呟くと俺に向かって殴りかかってきた。

 

突然の攻撃に俺は吹っ飛ばされて木に激突したこの時、俺はコイツをヒトとは違う存在だと改めて認識した。

 

俺は息を詰まらせてしまい呼吸を整えている間に怪人は鞭に似たツタ状の右腕を俺に打ち付ける!

 

「…くっ!がはっ!」

 

ダメだ…このままじゃ俺は…殺される…。

 

怪人は俺を嘲笑い強引に身体を起こすと投げ飛ばしたてさらに右腕のツタで俺の首を閉めた!

 

…ヤバい、絞殺される!

 

俺の焦りと共にツタは閉まって来て俺自身も意識が遠のく…。

 

…くそ、俺は…死ぬわけには行かない…。

 

俺は…生き残るんだ…お前ごときに殺されるわけには行かない…、

 

―――だからあまり調子に乗るなよ?

 

食物連鎖の最下層の植物ごときが…植物の始祖ごときが…

 

「下級アンデッドごときが舐めるな!」

 

 

 

side out

 

植物の怪人…プラントアンデッドは人間を殺す事に歓喜していた。

 

少し粘り強かったが所詮は脆弱な人間、息が出来なければもうお仕舞いだ。

 

プラントアンデッドはそう思っていると先程まで光を失いかけていた人間の瞳から光が蘇った。

 

「下級アンデッドごときが舐めるな!」

 

人間の瞳から強大な殺意を見たプラントアンデッドは思わずツタを緩めて距離を取った。

 

人間はツタから解放されると腰からバックルを出現させ、先程拾った♡A『CHANGE』を構える。

 

「…変身」

 

《change》

 

バックルから音声が響くと人間の体は波状のエネルギーに包まれて黒と豹門が特徴の赤い複眼のカマキリのような、人間とは異なる姿へと変わった。

 

プラントアンデッドには見覚えがあった。それこそプラントアンデッドが感じていた、謎の気配の正体…カリスだった。

 

カリスは戦闘体勢を取って腰を落とす。その姿はまさしく獲物を狩る獣そのものだった。

 

「!!!」

 

プラントアンデッドは鞭を使って攻撃を繰り出すがそれらの攻撃を全て避けて拳を殴打し、続けざまに腹部に蹴りを叩き込みさらに踵による蹴りを繰り出す。

 

「…ゥゥゥゥ!!!!」

 

プラントアンデッドは負けじとカリスに鞭をぶつけるがカリスはそれに怯むことなく攻撃を続ける。

 

そして、カリスの猛攻に後退していくプラントアンデッドを見たカリスは勝機と見たらしく手に武器を出現させた。

 

 

『醒弓カリスアロー』だ。

 

カリスアローの弓の部分は刃となっておりブレードモードに変形させる事で斬撃による攻撃を可能にしており矢も放つことが出来る。

 

カリスはカリスアローをブレードモードにしてプラントアンデッドを切りつける。

 

『ズアッ!ハアッ!ゼイッ!』

 

一撃を上の刃でくらわせ、二撃目を下の刃でくらわせ、さらに自身が回転することにより、威力を高めた一撃をプラントアンデッドに与えた。

 

プラントアンデッドはカリスアローによる強烈な一撃で吹き飛んで怯む。

 

プラントアンデッドは化け物と呼ぶにふさわしい緑色の液体…すなわち血を流していた。

 

カリスはその隙に腹部にあるカリスラウザーを取り外しカリスアローに合体させて、さらに鷹と竜巻が描かれているカードをベルトの右部分のカードケースから取り出してスキャンする。

 

《tornado》

 

そう声が聞こえるとTORNADOのカードはカリスアローに吸収され、カリスはアローのレバーを引き分け狙いを定める。

 

『ハアッ!!』

 

プラントアンデッドが立ち上がった瞬間、カリスは見えない速さの矢でプラントアンデッドを射ぬいた。

 

「グォオアアア!!」

 

プラントアンデッドの悲鳴と共に爆発してプラントアンデッドは虫の息となり、体を痙攣させている、次の瞬間プラントアンデッドのバックルが開いた。

 

カリスは1枚の鎖が描かれているカードを投げ、プラントアンデッドに刺さった。

 

すると、プラントアンデッドはそのカードの中に吸収され、跡形もなく消えた…。

 

残っていたのは植物のツタが描かかれている♡の7『BIO』と書かれたカードだけだった。

 

『…』

 

カリスは♡ 7のカードを右腰のカードケースに入れると今度は別のカードを取り出す。

 

♡2『SPIRIT』人間と真ん中にハートが描かれているカードをスキャンする。

 

《SPIRIT》

 

すると、カリスの目の前には波状の門のようなモノが出現した。

 

カリスはその門を通ると――――モトのヒトの姿へと戻った。

 

 

主人公side

 

…さっきのは何だったんだ?

 

あの化け物に殺されたくない、死にたくないと思ったらとてつもない何かが動き出して…そして俺は…変身した。

 

いや、考えるのは後だ。

 

とりあえずここから離れよう、別の仲間が来るかもしれない…。

 

――――。

 

ここまで来ればもう大丈夫だと思う。

 

俺は研究所からかなり離れた山まで逃げた。

 

流石にもうここまでは来ないだろ…。

 

「さて、俺もこの山から降りないと…?」

 

次の瞬間、真っ白な地面が急に上がった…違う俺が倒れたのか?

 

手足を動かそうにも力が入らない…。

 

「…くそ!動け…!」

 

俺の思いとは空しく手足は動いてくれず意識も遠くなる。

 

「…俺はこんな所で…死ぬわけには…行かない…んだ…」

 

奴らの正体も俺の正体もカードの正体も、全てが解らないまま死にたくない…。

 

「………」

 

そして俺は真っ白な雪化粧に覆われた世界で意識を手放した。

 

主人公side out

 

「…ふぅ、かなり積もりましたね」

 

真っ白な雪に覆われた景色を見て女性は呟く。

 

女性…グレイフィア・ルキフグスは銀世界となった辺りを歩いていると何かに足がつまずく。

 

「確かこの辺りからヒトの気配が…キャッ!」

 

いつものクールな表情とは違い可愛い声を出してしまったことに恥ずかしさを感じながらもグレイフィアは躓いた場所を見る。

 

すると、そこには腕が落ちていた。

 

「…そんな…!」

 

いや、正確には雪よって姿が隠れていた男性だった。

 

「…しっかりしてください!」

 

グレイフィアは慌てて男性を掘り起こすと生死を確認する。

 

「…う…ぅぅぅ」

 

男は弱々しく呻くだけだった。

 

「…生きてる、良かった…待っててくださいね今小屋に連れていきますから!」

 

グレイフィアはそう言うと、小屋まで運んだ。

 

これが主人公とグレイフィアの初めての出会いだった。

 

 

主人公side

 

「…ん?知らない天井…」

 

俺が目を覚ますとそこは知らない天井だった。

 

というより俺は山で倒れていたはずなのにどうしてベッドに寝てるんだ?雪に覆われた地面に倒れたのに暖炉のある暖かい部屋で寝ていた…誰かが俺を運んでくれたのか?

 

「お目覚めですか?」

 

「!?」

 

突然、声をかけられ俺は驚いた。

 

「貴女が俺を助けてくれたんですか…ありがとうございます」

 

そしてさらに驚いたのは声の主である女性だ。

 

美しい銀髪の女性で整った顔立ち、こういう人を絶世の美女と言うんだと思う。俺がしばらく見惚れていると女性は心配した様子で俺に話しかける。

 

「あの…どうかしました?」

 

「あっ、いえ、何でもないです」

 

「そうですか、私はグレイフィアと申します。グレイフィア・ルキフグスです」

 

俺はグレイフィアさんの自己紹介に困った、名を名乗られたら名乗り返すのが礼儀というモノだが、生憎俺の名前はおれ自身にも解らない、偽名でも名乗ろうにもそれっぽい名前が浮かばない。

 

「あの…すいません…実は俺、何も解らないんです…」

 

俺は自分の事を話した、アンデッドの事以外の全てを…。

 

「そうですか…だからあなたは極寒の雪山で倒れていたんですね」

 

「はい、逃げ切れたのは良かったんですけど、俺は結局何も解らずじまいなんです…自分の名前さえも…」

 

自分の名前すら解らない…名前なんてと無くても平気と思うかもしれないが名前がないと空しく感じる。

 

「哀沢始(あいざわはじめ)…というお名前はどうでしょうか?」

 

「…え?」

 

「貴方のお名前です。名前がないなら哀沢始(あいざわはじめ)と名乗ってみてはいかがですか?貴方の表情からは哀愁が漂っていました。そして貴方が倒れていた場所は細い川が凍った場所何です。だから哀沢、そして何もないなら一から始まると言うことで『哀沢始』どうでしょうか?」

 

哀沢始…か。

 

「グレイフィアさん…ありがとうございます。この名前、一生大事にしますね」

 

俺は不思議と笑ってしまう、何でだろう心が喜んでるみたいだ…。

 

「え、ええ…大事にしてくれると私も…嬉しいです」

 

心なしかグレイフィアさんの顔が赤いような…。

 

「さ、シチューを作りましたのでよろしければ食べちゃって下さい」

 

こうして、俺はグレイフィアさんとしばらくの間、この山小屋で生活することになった。

 

 




やっと書き終わった…。

それにしてもエグゼイドがやっと面白くなってきましたね!

パラドってマジで何なんでしょうね?永夢から生まれたバグスターかな?

個人的に通常の「僕」の永夢が実はバグスターで変身した時の「俺」が本来の永夢だったら面白いなと思うこの頃でした。

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