GOD EATER~神々の黄昏~ 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
極東支部 ラボトリ
「やあ、待っていたよ」
翌日……ヤマトはオレーシャとナナを連れてサカキの研究室に来ていた。
サカキ博士に【GOD EATER】にならないかと誘われたヤマト達は1日考える時間を貰え、こうして再びサカキ博士の研究室に答えを伝えるために来ていた
「早速、本題に移らせてもらいますが……三人で考えた結果……俺達、三人は【GOD EATER】にならせていただきます」
「本当かい!?それは、よかった……でも、一つだけ聞かせてほしい……なぜ、ここ極東支部で……いや、
サカキ博士は喜ぶが直ぐに疑問をヤマトにぶつけてきた
「簡単なことです、サカキ博士。
サカキ博士の問にオレーシャが口を挟む、この問いと答えがわからないのはナナだけだった
「セィ!」
サカキ博士の研究室を後にしたヤマトは訓練所で一人、ダミーアラガミを〝世果〟で切り刻んでいた……ヤマトの右手には今朝まではなかった赤い腕輪がついていた
『そこまで!』
上から女性の声が聞こえ、ヤマトは声に従い〝世果〟を消して深呼吸をした
『剣術は申し分ないな…』
「ありがとうございます、ツバキさん」
『基礎体力なども、十分と言える……だが、精進を忘れるな』
「わかっています」
『ならば、いい……これにて訓練を終了する』
「ありがとうございました」
◇極東支部 ヤマトの部屋
「……ただいま」
ヤマトは訓練所から真っ直ぐ、割り当てられた部屋に戻ってきた……ナナとオレーシャの部屋は両隣なので真っ直ぐ戻って来ても問題は無かった
「……」
ヤマトは戻ってきてから直ぐに部屋の変化に気がついた……誰も居ないはずの…何もおいていないはずのベッドが膨らんでいた
「……おーちゃんもナナも何してるんだ?」
「……あははは、バレちゃった?」
「……てへへ、バレちゃった」
掛け布団を剥がすとオレーシャとナナが顔をほんのり赤くして丸まっていた
「それで、どうしているの?」
「ヤトと一緒に居たくて…来ちゃった」
「オレーシャお姉ちゃんと一緒で、ヤマトお兄ちゃんと一緒に居たくて…来ちゃった」
オレーシャとナナは可愛く甘い声で言ってきた…ヤマトは軽く溜め息を吐いた
「…はぁ……今度からは普通に待っていて……色々と……な」
「「はーい」」
二人とも反省の色を見せてい無いことにヤマトは大きなため息を吐くしか無かった
◇贖罪の街
建物が並び立つ廃墟街……建物には大なり小なり穴が空いていた…勿論、人の気配など無く、あるのは獲物に飢えて周回する無数のアラガミと武器を持たずに佇む、少年と少女二人だけだった…
「よお、新入り……でも、無いか…」
少年少女達の後方から大きなチェーンソーのような武器………神機を担いだ青年が歩いてきた
「まあ……一応、僕達は新人扱いなので…新人扱いでお願いしますね、リンドウさん」
青年…リンドウにナナ、オレーシャは苦笑いしており、ヤマトはいつも通りに受け答えをする
「……」
「?どうかしましたか?」
「あ……いや、なんでもないが……ヤマト…お前、何か変わったか?」
受け答えに疑問を感じたのかリンドウはヤマトを見つめていた……
「……そうですね…変わったと思います……僕の運命を知った…から、ですからね」
ヤマトの答えの意味を知らない、リンドウは首を傾げ、ナナとオレーシャは俯いていた
「そ、それより、早く実地訓練を始めようよ!
「…そうだな……命令は三つ、【死ぬな】、【死にそうになったら逃げろ】、【そんで隠れろ】、【運が良ければ不意を付いてぶっ殺せ】……これじゃあ、四つか……」
緊張感無いリンドウにナナとオレーシャは苦笑いするが、ヤマトは気にせずに頷いてから高台から降りていった、ナナとオレーシャも続くように降りていき残されたのはリンドウだけだった
「……リンドウおじさんか……」
残されたリンドウは先程、ナナのおじさん発言に少なからずショックを受けていた
続く