GOD EATER~神々の黄昏~   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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黒き皇帝と白き女王 1

 

 

 

 シオの脱走事件から数日後、ヤマト達第六部隊と第一部隊の面々はサカキのラボラトリに呼ばれた

ラボラトリの中ではドレス風な服を着たシオが居て、隣にはリッカが嬉しそうにシオを見ていた

ヤマトとサカキの二名は秘密裏にリッカにアラガミ素材の服を依頼、その時に説明もとい共犯者になってもらった(リッカは面白そうに二つ返事だったとか)

 

 シオの脱走事件と新衣服披露から半月後、第一部隊とヤマト達第六部隊はツバキに呼ばれエントランスに集まっていた

 

「全員いるな?今回の任務は黒いヴァジュラ……ディアウス・ピターの討伐だ」

 

 黒いヴァジュラと言うこと言葉に全員が緊張を高め、アリサは何時もにまして顔が強張った

 

「ディアウス・ピターは複数のプリティヴィ・マータを従え行動しており、マータの増援も予想できる」

 

 帝王の名を冠するだけあり、臣下はたまた側室のプリティヴィ・マータを複数連れていたのだった

 

「今回も非常に厳しい戦闘を余儀なくなるだろう。そのため、今回の任務は第一、第六の合同で行うことになった」

 

 第一と第六の合同任務と言われ、初めてここに両部隊が呼ばれた理由が明らかになったが、同じエリアでの作戦はベテランのリンドウでもあまりなかった

 

「第六はマータの討伐と援護、第一がディアウス・ピターの討伐してもらう。なお、今任務の第一は全員で行ってもらう」

 

 ツバキの言葉に衝撃が走った

普段であれば最大4人での作戦行動、同エリアで2部隊が活動するのも支部防衛を除けば珍しいことだったが、第一部隊全員を投入しての1体のアラガミに対しては異例だった

 

「了解だ、姉上」

「わかりました」

「リンドウ、ここでは姉上は辞めろと言ってるだろ?」

 

 リンドウとヤマトが返事をするとツバキがリンドウに注意をするも少しだけ嬉しそうにもヤマトには見えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「確認するぞ?俺とソーマが前衛、コウタとサクヤは後衛、アリサとユウは遊撃だ。まあ、なんだ気楽に行こうぜ?」

 

 出撃時間になりアナスターシャが運転する対アラガミ装甲車の荷台で作戦を説明していく中、ディアウス・ピターと因縁があるアリサの表情が強張っていくのをリンドウが見抜き、何時もの頼りなさそうに言った

 

「僕とアナスターシャ、ナナの3人はピターの取り巻きのプリティヴィ・マータを殲滅。殲滅後はみなさんの援護に徹します」

「怪我の手当や手当中の人の役割に入るし、神機の応急処置もお兄ちゃんがいるからなんとかなるよ!」

 

 そう、普通ならヘリで空の移動を態々陸の対アラガミ装甲車での移動にしたのも最悪の想定をして神機の応急処置を出来るようにするためにとヤマトからの提案でもあった

 

「マータなら100や200来ても討伐可能ですので、皆さんも焦らずにディアウス・ピターの討伐をお願いします」

「いや、100も討伐してたら普通、体力持たないだろろ!!」

「一撃必殺を心掛ければどのアラガミも大して変わらないぞ?」

「貴方たちくらいよ、そんな無茶できるの」

「無茶も通せば無茶じゃ無くなりますよ」

 

 冗談のつもりなのか冗談にも聞こえないヤマトのそれは第一部隊の面々を呆れさせるがヤマトの特訓を受けたユウとアリサは本当にやりそうと感じて苦笑いしていた

 

「みんな、話してるところだけど付いたよー」

 

 対アラガミ装甲車が止まり、運転席から荷台に移ってきたアナスターシャが一言言うと、全員の顔が強張り各々神機を担ぎ上げる

 

「命令はいつも通りだ。全員死ぬな」

「僕からも…自分の意志を信じ、意志を貫け」

 

 意志を信じ、意志を貫け…この言葉はヤマトが具現武装を発現させてから常にヤマトが意識し、アナスターシャやナナに教えてきたことでもあった

 

「「「「「「「了解!」」」」」」」

 

 これから始まるのは【皇帝】と【女王】の名を冠するアラガミ達とフェンリル極東支部主力部隊の第一部隊並びに3人のみで接触禁忌種の討伐数を既に100を超えた極東支部現最強部隊の第六部隊の混合部隊による死闘だ

 

 

 

 

続く


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