GOD EATER~神々の黄昏~ 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「おい、ソウ」
「ソーマさん?珍しいですね、そっちから声をかけてくるなんて」
「そんなことはどうでもいい、お前達は外で…特に寺院で視線を感じたことないか?」
ミッション終わり、自室に戻ろうとしたヤマトにソーマが珍しく声をかけてきた
「アラガミ以外のってことですよね?確かにリンドウさんを救出時の黒いヴァジュラ…ディアウス・ピターの戦闘から視線を感じることはありますね。敵意じゃなく、興味みたいな視線を」
「やっぱりお前もか…そいつは彼奴がオレを使ってずっと捜している〝物〟かもしれない……誰にも…」
「
彼奴と聞いて普段はあまり表情を変えないヤマトが変貌を遂げ、普段〝さん〟付けするソーマに対して呼び捨てにしていた
「ッ……そうだったな、邪魔をした」
ソーマも変貌したヤマトに後ずさりし一言謝り帰って行った
「これで終わりだな」
10日後、ヤマト達3人はいつも通りにミッションを終わらしていた
ヤマト達の周りにはシユウ神族が10体、切り捨てられていた
「そう言えばお兄ちゃん聞いた?今極東支部周辺でアラガミの目撃数が減っているんだって」
「時期的に私達が極東に来てからだから私達が原因じゃ無いかな?」
「原因なんて失礼な。禁種を相当数狩ったのは事実だけどな」
そう、ヤマト達が極東支部に来てから数ヶ月、アラガミの目撃数が徐々に減っており、民間、神機使い問わず死亡数がかなり減っていたのだった
それもそのはずでヤマト達3人が接触禁忌種を片っ端から狩り、アラガミの活性化が起こりづらくなる中、第一部隊に優れた新人が配属されたからであった
「それよりも早く帰って支度するぞ。今日は〝特別〟な日でもあるんだからな」
「「はーい」」
3人は何か急ぐように極東支部に戻っていった
「えー、なぜか音頭をとることになりましたが……ユウ!隊長昇格おめでとう!乾杯!」
【カンパーイ!!】
数時間後、ヤマトの部屋でちょっとしたパーティーが行われていた
ヤマトの部屋には第一部隊の面々とナナ、アナスターシャが揃っており、意外にもソーマも参加していた
ヤマト達がミッションを終えて直ぐに極東支部に戻ったのはこのパーティーの準備をするためだった
「ヤマトが作ったお菓子はサクサクしてうまいな、配給品と段違いじゃ無いか?」
「ありがとうございます、リンドウさん。大昔にここが〝日本〟と呼ばれていた頃の〝ポテトチップス〟を再現してみました。まだ、栽培が安定して無くてあまり量は採れてないですが近いうちに〝ジャガイモ〟だけは極東だけでも配給できるように改良をするつもりです」
「そ、そうなのか……あまり無理をするなよ?」
「程々にしておきますよ」
ヤマトがテーブルに並べた御菓子はこの荒廃した世界で作れる人は作るクッキーやパンケーキ以外にも今回のために再現した〝ポテトチップス〟に〝ポップコーン〟にいろんな種類のケーキが並べられていた
「それにしてもヤマトさんは凄いですよな!、ユウが隊長になるのを預言していたみたいに!」
「ユウの実力があれば近いうちになるのは予想が付くからな。あの話から二週間もしないうちになったのは予想外だがな」
このパーティーが開かれたのはヤマトがアリサと一緒に鍛えたユウが第一部隊第二隊長に任命されたからだった
本当であれば新たに別部隊を編成しユウをその部隊の隊長にするのではあるがユウは隊長になったとしても数ヶ月前に入隊した未だ新人で指揮の経験など無いのと他、中堅神機使いが嫉妬などで問題が起こる可能性を上層部(ツバキ教官、サカキ博士、支部長)で検討し一先ず第一部隊の第二隊長としてリンドウに指揮のノウハウを教えてもらうことになった(byツバキ教官)
「ですが、リンドウさんに指揮のノウハウをって大丈夫なんですか?サクヤさんに教えてもらった方がいいのでは?」
「あら、確かに言えてるわね。リンドウ、隊長として頼りないものね」
「ヤマトもサクヤも酷くないか?」
「それなら報告書を俺に書かせないで下さい。」
「書類仕事私もよく押しつけられるのよね」
ヤマトとサクヤの二人に報告書をそこそこの頻度で書かせていたことを第一部隊とナナ、アナスターシャの前で暴露されリンドウはバツの悪そうにお酒を飲むのであった
そして、アラガミの出現での呼び出しも無くパーティーは二時間で終わりを迎え、各々部屋を後にする
「ユウ、少しいいか?」
ユウも帰ろうとしたところをヤマトに止められ、アリサとコウタを先に戻るように伝える
「隊長になったお前に言っておきたいことがある。
「支部長を……?」
「そうだ、理由は話せないし話すつもりは無いが、それだけは覚えていてほしい」
「……わかりました」
ヤマトが話さないと言うことはアリサとの過去にも関わる大事なことだと悟ったユウは頷くと部屋を後にした
続く