GOD EATER~神々の黄昏~ 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「やあ、アリサ。しっかり休めているか?」
「あっ、ヤマトさん」
翌日、その日の任務を終えたヤマト、アナスターシャ、ナナの3人は医務室のアリサの元を訪れていた
「どうも」
「ああ」
ヤマト達の前に先約としてユウがアリサを見舞いに来ていた
「あの、ヤマトさん……」
「僕達に答えられるの物なら答えてやる」
近くの椅子に腰を掛けるヤマトにアリサは何かを聞きたそうにしていた
「ヤマトさん達の神機は何なのでしょうか?」
「僕達3人のは神機じゃない。あれを俺達は〝具現武装〟と呼んでいる」
「具現武装……ですか?」
聞き慣れない言葉にアリサとユウは困惑していた
「ああ、この具現武装は未だに発現者が少なく俺の研究の一つでもあるんだが、幾つか分かっていることがある。具現武装の特徴の一つとして
「そんな!?それじゃあ、どうやってアラガミを倒してるんですか!?アラガミはオラクル細胞でないと倒せないはずです!」
ヤマトの言葉にアリサもユウも驚きを隠せなかった
「原理は僕も理解し切れていない。周囲のオラクル細胞をアラガミを攻撃する瞬間にだけ纏うのか、体内の偏食因子が「フォトン」に反応して活性化してアラガミを倒せるのか、研究には困らない物なのは確かだな」
「あの、フォトンとは?」
初めて聞く言葉、「フォトン」にアリサは聞き返してきた
「"大気中に存在する万物を司るエネルギー“が「フォトン」。僕達3人はこのフォトンを使用して武器を具現させて、アラガミと戦っている。フォトンの使い方はまだまだ試験段階ではあるんだが、属性攻撃は勿論、バレットのような銃撃やメテオから近接では斬撃を飛ばしたりチャージクラッシュのように剣に纏わせて威力を高めたりすることもできる。後は、身体強化やテレポートも可能だな。テレポートは現状アナスターシャだけだけが」
「それは適材適所だよ。私は遠距離からの補助がメインだからね~」
アリサとユウは、ヤマトとアナスターシャの話についていけないでいた
「フォトン」と言う未知な力にオラクル細胞のアラガミを同じオラクル細胞以外で倒す力にありえないテレポートまでできるのだから
「フォントは誰にでも扱える物なのでしょうか?」
「理論上は。だが、何かしらのきっかけが必要みたいだ。そのきっかけも個人差があって特定できていない。僕の場合は世界への復讐心」
「確か私は弱い自分への後悔と強くなりたい願い」
「私もお姉ちゃんと同じで弱い自分への後悔。それから自分への恐怖」
「恐怖…ですか?」
ナナがフォトンを扱えるようになった理由にアリサが聞き返してきた
「うん。私に眠る力……【誘引】っ呼んでるけど、この力は昔コントロールできなくて、悲しいこととかあったときにこの力を暴走させてお兄ちゃんと出かけていたときとかこの支部にいた時とかにアラガミを引き寄せて沢山の人に迷惑をかけたことがあって………お兄ちゃんもリンドウおじさんも気にするなって言ってくれたけど……力の制御ができない自分が怖かった」
「僕達3人に共通するのはそれぞれ異なるトラウマを持っていることだ。でも、それがフォトンを扱えるようになるきっかけになるかは不明だな。それにフォトンが扱えても具現武装を具現できるかはまた別の問題にもなる」
ヤマトはそう言っているが実際の所は「フォトン」を扱えるのがヤマト達3人だけで、その3人が全員、具現武装を発現していて分からないのだった
「一つ分かっているのは具現武装を具現するには自分の意志を待つことだ」
「意志…」
「ああ、意志が強ければ強いほど具現武装も強くなり力を持つ。その力をどう使うかも意志になる」
意志の力、後に「血の力」とも呼ばれることもあるが、ことあるごとにヤマトは否定するのはまた別のお話である
「アリサもユウも自分の意志を持っていれば何れ、フォトンを扱えるようになるさ。感だけどな」
ヤマトはそう言うとナナとアナスターシャを連れて医務室を後にした
続く