GOD EATER~神々の黄昏~   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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六芒星

 

 

 

「お前達、よく戻った」

 

 ヤマト達、四人がアナグラに戻るとアリサを除く第一部隊のメンバーと第二、第三部隊、そして教官のツバキが待っていた

 

「救助任務は成功しました、ツバキさん」

「ああ、よくやってくれた。リンドウとヤマトは後ほど報告書を提出するように」

「わかりました、それからあー、アリサはどうしてますか?」

「アリサは主治医の元、現在医務室で治療中だ。面会も禁止されてる」

「そうですか、おーちゃんついてきてくれ。リンドウさんも」

「ん、了解!」

「俺もか?」

 

 ヤマトはアナスターシャとリンドウに声をかけ歩き出そうとすると、ツバキに止められた

 

「待て、アリサへの面会は禁止されている」

「これは俺とおーちゃん、あーちゃんの問題です。面会禁止だろうと関係ないです。それに……」

 

 ヤマトの次の言葉には憎悪が滲み出ていた

 

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 ツバキはヤマトの初めてみるその顔に一歩引いてしまう

 

「……なら、私も行こう。私なら少なからず融通が利くからな」

「……わかりました、お好きにどうぞ」

 

 ヤマトはツバキにそれだけ言うと歩き出した

 

 

「イヤアァァァァァァァ」

「失礼するぞ、オオグルマ先生」

「おや、雨宮教官?アリサの面会は禁止したはずです………!!??」

「どうしたオオグルマ先生?リンドウの顔を見て驚かれてる様子だが?」

 

 医務室にツバキを先頭に入っていくとアリサの悲鳴が響き渡る中、ツバキがオオグルマに声をかけた

オオグルマはリンドウの顔を見るや驚愕していた

 

「い、いや!何でもない。用が無いなら出てってくれ!」

「出て行くのはお前だろ、ヤブ医者?」

 

 話を切ろうとするとオオグルマに普段よりも低い声でヤマトが言い、前に出る

 

「なんなんだ、君は?いきなり私をヤブ医者呼ばわりして?」

「ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア。お前にはそう言えばわかるだろ?」

「!!!???」

 

 〝ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア〟、オオグルマがそれを聞いた途端に先程よりも驚愕し、悪魔を見ているようだった

 

「さっさと、出て行きお前のご主人様にでも報告するんだな。さもなければ、医務室を赤く染めるぞ?」

 

 普段見せないヤマトの顔に後ろのツバキたちも一瞬震えるが、ヤマトの殺意を向けられているオオグルマは顔色を青くして医務室を飛び出していったのだった

 

「ヤブ医者が居なくなったから、後は錯乱しているアリサですね」

「あぁ……だが、どうするつもりだ?鎮静剤などは彼奴しか打つことが出来ないぞ?」

 

 普段通りの無表情で話すヤマトに少し反応が遅れるツバキ

そんなツバキを気にせず、未だに錯乱しているアリサの元に歩くヤマト

 

「いい加減にしろ、馬鹿アリサ!!」

 

 珍しく叫び、アリサの頭を殴りつけるヤマトについてきたリンドウとツバキが驚き、口を開けていた

 

「……い、痛いじゃないですか!?いきなり殴るなんて酷いですよ!?」

 

 先程まで錯乱していたアリサが殴られた痛みで我に返り、ヤマトに苦情を言ってきた

 

「そんなことより、周りを見ろ」

「そんなことってなんですか!?そんなこと………リンドウさん」

「よお、アリサ。元気そうでなによりだ」

 

 ヤマトに怒るアリサはリンドウの顔を見て顔が強張ったが、リンドウは普段通りに話していた

 

「アリサ、今回のことは気にするな。誤射なんてよくあることだ」

「ですが私は……リンドウさんをアラガミと一緒に……」

「閉じ込められたがヤマトに助けられた、それでいいじゃないか。それに、俺は隊長だからな、部下は全員生きて帰させる。隊長の使命だ」

「それで、お前が死んでは意味がなかろう」

 

 アリサにそう言うリンドウ、普段は不真面目であるが第一部隊を任されている者としての覚悟はリンドウは持っていたのだった

 

「まあ、そんなわけだ。俺がこうしているのもヤマト達のおかげだ」

「気にしないで下さい、リンドウさん。リンドウさんは俺の家族みたいなもんですから」

「そうか……、アリサ。邪魔したな、取り敢えずゆっくり休め」

「……はい」

 

 リンドウとツバキはそれだけ言うと医務室を後にし、医務室にはヤマトとアナスターシャ、病院服のアリサの3人となった

 

「ねぇ、アリサ?私とヤトにどこか……多分ロシアで会ったことない?」

「…何言ってるんですか?あるわけないじゃないですか」

「……そう、だよね。ごめんね!変なこと聞いて」

「いえ……でも、ロシアにいたとき、新型GOD EATERに選ばれる少し前…両親が殺されてから入院していた病院でよく取り乱して、私と同年代くらいの少年に殴られたことがありました」

 

 普通なら問題であるその行動だったが、結果的にアリサは落ち着きを取り戻して一般レベルの生活に戻れるまでに回復したのだった

 

「そうか……すまなかったな。心身ともに疲れているのに邪魔したな。明日また来る」

「アリサ、ゆっくり休んでね!」

「あ……はい、ご迷惑をおかけしました」

 

 ヤマトとアナスターシャはアリサを気遣い医務室を後にした

 

 

続く

 

 

 


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