愛した人を求めて   作:白夜132

35 / 36
投稿遅くてすみません。
次からネタがあまり思いついてないので、ネタがある転生後の世界を書いていこうと思います。
なので、本編はネタができ次第書いていきます。


第35話

万由里side

 

目が覚めると辺り一面が白い空間にいた。

 

万「ここどこ?」

 

辺りを見回して見るが、何も見つからずただひたすらに白い空間が続いているだけだった。

 

万「白夜はどこに行ったんだろ?

白夜どこにいるの?」

 

白夜を探すため、白夜の名前を呼びながら少し歩いて回ったが、何も見つからなかった。

 

神「ここに白夜はおらんよ。」

 

白夜を探しながら歩いていると、後ろから声が聞こえた。

振り返ると、神様のような外見の男性が立っていた。

 

万「あんた誰?」

 

男にそう言い警戒しながら後ろに一歩下がった。

 

神「そんなに警戒しなくてもいいじゃろうに。」

万「ここはどこ?白夜をどこにやったの?」

神「ここはわしが作った空間じゃよ。

白夜は、自分の家の寝室でお主と一緒に寝ておるぞ。」

万「!?どういうこと?

私は、ここにいるのに白夜と一緒に寝てる?」

 

男の言葉よくわからず男を見ながら考えた。

 

神「簡単なことじゃよ。

お主の精神だけをここに連れてきただけじゃよ。」

万「!?あなた何者?

私は、白夜の作った空間で白夜と一緒に寝てたのよ。

白夜の保護を掻い潜って私の精神に干渉するなんて出来るわけない。」

神「わしは、人が神と呼ぶ存在じゃよ。

そして、白夜を転生させた張本人じゃ。」

万「!?白夜を転生させた?

どういうこと?」

 

神と名乗った男言っている意味が分からなかった。

 

万「神って言うのは信じるわ。

でも、白夜を転生させたってことについて教えてくれない。」

神「ほう、なぜそんなに簡単に信じるのじゃ?」

万「白夜の保護を掻い潜って私に干渉出来る人なんていないだろうし、だから神様って言われた方が説得力があるわ。」

神「そうか。」

万「それより、転生について教えて。」

神「そうじゃったな。

白夜はな、お主達の生きている世界とは違う世界に生きていたんじゃよ。

その世界で死んでしまった白夜を、わしが今の世界に生まれ変わらせたんじゃ。」

万「白夜は、もともと違う世界の人だったってこと?」

神「そうじゃ。

生き返らせる時に白夜の望んだ力を与えてやっただけだ。」

万「なるほど、白夜があんなに強いのはそういうことだったんだ。」

神「まあ、お主が知っている白夜の力はわしが与えたものだが、霊術は白夜が一人で一から作り上げたものだ。」

万「それは、白夜に聞いた。」

 

神様に白夜の話を聞いていると、一つの疑問が思い浮かんだ。

 

万「ねえ、なんで私をここに呼んだの?」

神「それをこれから話そうと思っていたところだ。」

万「そ。」

神「お主、白夜と対等になって白夜を守れるようになりたいと言っていたの。」

万「ん。」

 

神様だから、それくらい知っていてもおかしくないだろうけど、実際に言われると恥ずかしい。

 

神「しかし、それは絶対に無理じゃ。」

万「え!?」

神「先ほど言ったが、わしは白夜に力を与えた。

それは、アニメや漫画の主人公のような英雄が持つ力だ。

その英雄の中でも強力な力を持つ英雄二人の力と万能と言える能力を少し与えた。

その英雄の一人は邪神を使い魔の如く使役ほどの力を持っていた。

もう一人の英雄は、人では無く魔神と言われる人より遥かに強い力を持った種族で英雄と呼ばれていた。」

万「つまり、その英雄二人の力を持っているから白夜に追いつくことが出来ないっていうこと?」

神「それもあるが、それだけではない。

白夜は、そんな二人の英雄に勝らずとも劣らないまでに強くなった。

わしが与えた力ではなく、自分で力をつけたのじゃ。」

万「白夜も言ってたけど、そんなに強くなったの?」

神「お主たちの世界は、瞑想で精神を安定させればさせるほど、生み出せる霊力量も増えより強力な霊力を扱えるようになる。

白夜は、日常生活の中で瞑想で精神を安定させることで、旅に出ていた10年間霊力を増やし続けた上に修行中はさらに精神を安定させることで、日常生活以上に扱える霊力量を増やした。

そんな生活を10年もしていたせいだろうが、白夜は未だに日常生活で瞑想を続けている。」

万「それで、あれだけ心拍数が安定してたんだ。

ねえ、白夜と対等になる方法って本当にないの?」

神「今のままだとないの。」

 

神様の言ったことが、少し気になった。

 

万「今のままだとってことは、今のままじゃなければあるってこと。」

神「ああ、今回来てもらったのはお主に白夜と対等くらいに強くなる機械を与えるためじゃ。」

万「え!?

それって、白夜と対等くらいの力を与えてくれるってこと?」

神「残念だが、それは無理じゃの。」

万「!どうして?」

神「人の魂には、力の器がある。

その器の大きさを超える力を得るとそれ相応の代償が伴う。

その例を挙げると、渦巻隼人じゃの。」

万「え!?

隼人も転生させたの?

というか何で転生してる人が二人もいるっておかしくない?」

神「おかしくはないさ、お主達の世界は白夜たちのいた世界では、小説やアニメとして存在していたからの。

まあ、それはさておき、器の大きさを超えた力の代償は様々だ。

軽ければ、隼人のように外見が力を持っていたキャラに似たり、力を満足に扱えなくなったりなどじゃな。

重ければ、人格が破綻したり、力が暴走して死ぬこともある。」

 

なんか、とても重要なことをさらっと言ったので後で聞くことにした。

 

万「もしかして、白夜も器に合わない力を得たの?

さっき聞いた話だと、白夜は相当強い力を得てるんでしょ。」

神「白夜は、隼人とは違う。

隼人は普通の人より大きい器を持っているが、白夜は大きさの桁が違う。

隼人の器が山くらいの大きさなら、白夜は地球くらいの大きさはある。

そして、お主の器は隼人より一回り大きいくらいじゃ。」

万「なんて滅茶苦茶な大きさしてるのよ。

じゃあ、どうやって白夜と対等になるのよ。」

 

私がそういうと、神様は真剣な顔をした。

 

神「お主にこれから二つの力を与える。

その二つの力は器の大きさの影響をほとんど受けずに大きな力を使うことが出来る。

その二つの力を入れて器の余りを全てのスペックを倍増させて埋める。

後は、白夜と同じように修行して力をつけていけば器もそれに合わせて大きくなる。」

万「その二つの力って何?」

神「それは、いろいろ試して自分で見つけることじゃ。

白夜もお主を救うすべを自分で見つけ出したんじゃ、お主もそれくらいは見つけんと対等にはなれんぞ。」

万「ん。

それはそうと、私たちの世界が小説やアニメの世界だったってどういうこと?」

神「そのままの意味じゃよ。

この世には多くの世界がある。

その中のいくつかが、他の世界の創作物としてかかわることもあるんじゃよ。」

万「そうなんだ。

ねえ、白夜は私を救うすべをなんで見つけ出そうとしてたの?」

神「あまり言うと、白夜のプライバシーに関わるからあまり言わんが、白夜は転生前の世界で初恋がお主をだったんじゃ。

人を愛することもなかった白夜が唯一好きになった相手がお主なんじゃよ。

それで、お主を救うために探してたんじゃ。」

万「じゃあ、私が生まれる前からずっと私のことを好きだったってこと。」

神「ああ、お主が思っている以上に白夜の愛は大きくて純粋じゃ。

それと、言っておくがわしは白夜を好きになるように心を操作したりはしてないからな。」

万「それは気にしてない。

白夜は、そんなことしないと思うから。」

神「そうか。」

 

神は目をつぶり少しの間黙った後目を開いた。

 

神「では、用事は終わったことだし白夜について少し話そうか。」

万「それは嬉しいけど、話してもいいの?」

神「白夜は、お主のことを知っているのにお主は何も知らないと言うのは不公平だろ。」

万「それもそうね。

じゃ、教えて。」

神「では、白夜の現状について話そうか。

白夜は、かなりの力を身につけていると話したの。」

 

神の確認の言葉に頷きで返した。

 

神「白夜は、その力をある一定の力以上は封印されるようにしているため、瞑想で力を少しずつ増しているが全て増えた分はすぐに封印されている。

そのため、白夜の本気を知っている者はいない。」

万「対等になるにはまずその封印を解かないといけないのね。」

神「そうじゃ。

白夜が、そこまで力をつけることに必死になったのは両親が死んだ時以降じゃ。」

万「どうして?」

神「白夜や今の世界の両親のことをとても大切に思っていた。

特に母親のことは、とても信頼していたんじゃ。

白夜の母親は、とても強力な力を持っていることを理解した上で白夜を生み育てたのだ。

そんな両親を、強力な力を持ちながら守ることが出来なかったことが、とても悔しかったんだろう。」

万「そうだったんだ。

そういえば、白夜が力の限界が見えないって言ってたけど、あれはあんたがやったの?」

神「そうじゃ、あれはサービスのつもりじゃったんじゃが、まさかここまで強くなるとは思ってなかった。」

万「そ。

ねえ、今白夜と一番まともに戦えるのって誰?」

神「今の現状だと賢者以外おらんの。

隼人も与えた力を使いこなせるようになれば賢者と同じくらいには戦えるだろう。

お主は、与えた力を使いこなせるようになるのと修行によっては対等に戦えるだろう。」

万「やっぱり、賢者は相当強いのね。」

神「ああ、現在も力をつけているところじゃ。」

万「賢者が何者なのか気になるけど、それは教えてくれるの?」

 

その質問に神は首を横に振って答えた。

 

神「それはだめじゃ。

白夜についてのみは教えるが、それ以外の者については話せん。」

万「そ。

白夜についての話はもう終わり?」

神「いや、最後に一つ重要なことを知っておいてもらう。

白夜は、霊術を作る過程の失敗で呪いを受けている。

その呪いは、とても強力でわしでさえ簡単には解けん呪いだ。

最初に受けた呪いのおかげで他の呪いは受けずに済んだが、もし他の呪いを先に受けていれば人として重要な機能を幾つか失っていただろう。」

万「つまり、結局は一つの呪いしか受けてないってこと?」

神「そうじゃ。

今白夜が、受けている呪いは不滅じゃ。

不滅は、老いることも死ぬことも無くなる。」

万「つまり、不老不死ってこと?」

神「まあ、他にもいろいろあるが大体そんなところじゃ。

お主が望むなら不老不死くらいにならしてやることも出来るがどうする?」

 

神の質問にしばらく考えた。

 

万「私も白夜と同じように不老不死になるわ。」

神「そうか。

では、能力と一緒につけておこう。

では、そろそろ帰すとするか。」

万「ん。」

神「あんまり、ここで話していると白夜が干渉してきかねないからな。」

万「まさか、神の作った空間に干渉出来るの?」

 

神の言葉に呆れながら聞き返すことしか出来なかった。

 

神「いや、普段は無理じゃ。

しかし、お主の体を作ったのは白夜じゃ。

その体に入っている意識に干渉しているため、白夜はここに干渉しやすいんじゃ。

まあ、封印を解かない限りここに干渉は出来んから、今帰れば大丈夫じゃろう。」

万「そ。

じゃあ、また会う機会があれば。」

神「また、会う機会はあるじゃろう。」

 

神のその言葉を聞いた後、徐々に眠くなってきて意識が途切れた。

そして、目が覚めると寝た時と同じように白夜に抱かれた状態で頭を撫でられていた。

 

万「おはよ。」

「おはよ。」

 

体を起こそうとすると、白夜は背中に回していた腕をのけて一緒に体を起こした。

 

「神と話してきたんだろ。

何か収穫はあったか?」

万「白夜と同じくらい強くなるための力を貰った。

それと、白夜についての話も少し聞いた。」

「俺が転生者ってことか?

がっかりしただろ、俺の力が神に貰ったって聞いて。」

万「そんなことない。

白夜は貰った力以外にも自分で力をつけたんでしょ。

それに、私は圧倒的な力を持ってる白夜を好きになったんじゃなくて、私や他の人を守る為に力を使う優しい白夜を好きになったんだから。」

「俺は優しくなんてないぞ。」

万「白夜は、優しいわよ。

ケルビエルと戦った時だって霊力を他に使う余裕がない状況で空間を作り出して天宮市に危険が及ばないようにしてたし。

両親を守れなかったことを後悔したり、妹の為にお金持ちの里親をつけたり、優しくないわけないじゃない。」

「そ。

まあ、あくまで万由里の意見だ。

俺が、否定できることじゃないな。」

万「ん。」

 

それからお互いに黙った。

その沈黙が少し続いた後白夜が話しかけて来た。

 

「これからも万由里は俺と一緒にいることにするってことでいいのか?」

万「ん。

そのために、神様に言って不老不死にしてもらったから。」

「あの神、余計な気遣いしなくていいのに。」

万「その気遣いのおかけで白夜とずっと一緒にいられるから私は嬉しいけど。」

「不老不死になるってことは、身近な人間の死をたくさん見るってことだ。

それでも不老不死になって良かったと思うのか?」

万「確かにつらいこともあると思うけど、白夜がいてくれるなら乗り越えられると思うから。」

「そうか。」

 

そういうと白夜は、また黙って考え始めた。

しばらく経つと白夜が、また話始めた。

 

「なら万由里、俺と一緒に色んな世界に転生する気はあるか?」

万「それってどういうこと?」

「神から聞いてなかったんだな。

俺は、神に好きなタイミングでいろんな世界に転生する権利を貰ってる。

その転生に好きな人を連れて行っていいらしい。

万由里が、良ければ一緒に転生出来るがどうする?。」

万「転生するってことは、この世界の人にはもう会えないってことよね。」

「ああ、人の死を見ることは無くても会えなくなるのは変わらない。

おそらく、一緒に転生しなくても俺と何も変わらない奴が残るだろうから一人になることはない。

だから、転生するかは万由里が自分で決めて構わない。」

 

その言葉で私は考え始めた。

万(一緒に転生しなかったら多くの人の死を見ることになるけど、一緒に転生してもこの世界でできた友達たちには会えなくなるのか。)

 

そのことでどちらにするか考えていた。

 

万(そういえば、一緒に転生しなかったら白夜はどうなるの?

白夜の話だと、私は転生先の世界にはいないってことよね。)

 

その考えに至って私は答えを決めた。

 

万「私も一緒に転生するわ。」

「本当にいいのか?」

万「だって私が一緒に転生しないと、私はともかく白夜は私とずっと一緒にいることが出来ないじゃない。

告白の時に言ったじゃない、ずっと一緒にいてって。」

 

それを言うと、白夜は目を開いて驚いた後微笑んだ。

 

「まさか、それが理由で一緒に来るとは予想外だった。」

万「そ。」

「じゃあ、転生する時また話すよ。」

万「ん。」

「そういえば、神に何もらってきたんだ?」

万「二つの力と、今の私が持てる限界まで全てのスペックを上げてもらった。」

「二つの力っていうのは?」

万「自分で見つけないと白夜と対等にはなれなって言って教えてくれなかった。」

「なるほど、まあ力については万由里が対等になった時にでも聞くか。

それはさておき、上がった力を試しておくか?

ぶっつけ本番だと色々困るだろ。」

万「それもそうね。」

「じゃあ、朝飯前に軽い運動ついでに試しに行くか。」

 

そう言って白夜は目の前の空間を歪ませた。

 

万「それは?」

「訓練用の空間に繋がってる入り口だ。」

万「そ。」

「じゃあ、行くぞ。」

万「ん。」

 

白夜と一緒訓練用の空間に入った。

そこはケルビエルとの戦闘で使っていた空間と同じだった。

 

万「力を試すのはいいけど、この服でするの?」

 

私が着ているのは、いつも寝る時に来ている白夜の作った白いワンピースだ。

白夜もいつもの服だが、ケルビエルの時はあれで戦っていたから戦闘の時も着るんだろう。

 

「そういうば、そうだった。」

 

白夜は少し考えた後、近づいて来た。

 

「万由里、力を試す前に一つの霊術を覚えて貰う。」

万「それはいいけど、どういう霊術?」

「戦闘服を作るものだ。

精霊で言う霊装を作る霊術だ。」

万「それってすぐに出来るようになるの?」

「まあ、戦闘で使うから霊術の基本の一つだが、まあ基本の中では1番難しいな。

けど、万由里は元精霊だから霊装を展開する感覚が分かるから大丈夫だろ。

霊術は少し理論的だと思えば。」

万「そ。

で、どうやるの?」

「まずは、作りたい戦闘服をイメージする。

次に、霊力を糸にして、それで布を編む感覚でイメージした服を作っていく。

最後に、作った服を固定して意識しなくても形を保ち続けるようにするだけだ。」

万「それって理論的?」

 

白夜が理論的というから複雑なのかと思うと、思った以上に簡単そうな説明だった。

 

「まあ、元精霊なら感覚的な説明をした方が出来るとだろうからな。

逆に本来の理論で説明すると、出来なくなりそうだし。

それに大体のことは理論的なことでも感覚でこなせるからな。

算数で言う割り算の後ろの分数が分母と分子をひっくり返してかけるのと同じだ。

理屈が分からなくても意外と出来るもんだ。」

万「そ。

じゃあ、やってみる。」

 

白夜に言われた通りにイメージをして霊装を作った。

 

万「出来た。」

 

ワンピースのような黒い和服の上に、白夜と同じように黒色で黄色の模様が入った着物を羽織り、着物は少しはだけて肩を出している。

白夜は、霊装を作った私をじっくり見てきた。

 

「ん〜、多少不安定で強度もあまり高くはないが、まあ何回かやってるうちに上がるだろ。

それと、よく似合ってるぞ。」

万「ん。

ありがと。」

「じゃあ、力を試すか。

まずは、霊力の出力から見ていこうか。」

 

白夜に言われるがままに、様々なことを試した。

全部が終わった後、家に戻り朝食を作って二人で食べた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。