なので、かなり長いと思いますが最後まで読んでくれると嬉しいです。
白夜side
朝いつものように目が覚めた。
隣を見ると、まだ万由里は寝ているようだ。
(今日は、万由里とデートか。
でも、昨日も思ったけどなんでデートなんだ?
服が買いたいなら言ってくれれば、いつでもついて行くのに。
まあいいか、どちらにしろ万由里と出かけられるだけで嬉しいしな。)
万「ん〜。」
考えごとをしていると、万由里が起きたようだ。
「おはよ。
今日はデートするんだろ。
早く朝食食べて準備しないと、時間なくなるぞ。」
万「おはよ。
わかってる。」
万由里は、そういうと眠そうに目を擦りながらベットから出るとすぐに寝室を出て台所に向かった。
それについて白夜も一緒に寝室を出てリビングに向かった。
リビングのソファーに座っていつものように待っていると、万由里が朝食を持ってリビングに入ってきた。
万由里はいつものようにテーブルに朝食を置いて椅子に座った。
白夜もいつものように万由里の正面の椅子に座った。
白夜が椅子に座った後、二人ともすぐに朝食を食べ始めた。
その後、朝食を食べ終わると万由里が今日のことについて話し始めた。
万「この後、私は士道の家に行って色々準備するから、白夜はこの前隼人の番で行ったデパートの入り口前で待ってて。」
「わかった。
集合時間はどうする?」
時計で時間を確認すると8時になる少し前だった。
万由里も時計を見て時間を確認し、少し考えた顔をした。
万「じゃあ、10時に集合で。」
「わかった。
食器は片付けとくから準備しに行っていいぞ。」
万「ん。
じゃあ、よろしく。」
万由里は、そう言った後リビングを出て、その後すぐに家を出て行った。
万由里が行ったので、食器を台所に持って行き洗って片付けた。
(さて、流石にデートにこの服装で行くのはまずいよなー。
ん〜、9時半くらいになったらなんか服作っるか。)
そんなことを考えた後、いつものようにソファーに座ったが。
(ん〜、やっぱり万由里とデートするとなると落ち着かないなー。)
白夜にしては珍しく緊張していた。
それを紛らわすためにソファーに寝っ転がってくつろいでいたが、いつもしているためか、気が紛れなかったので何かないかと少し考えた。
「そうだ。」
白夜は、リビングの端にハンギングチェアーのエッグ型を作った。
そのハンギングチェアーに座った。
「思ったより、これ快適だな。」
ハンギングチェアーの予想以上の快適さで緊張が多少ほぐれた。
その後、少しの間そのままの状態でくつろいだ。
少しくつろいだことで落ち着いたため、色々と今まで考えないようにしていたことが浮かんできた。
(はあー、万由里に会えて嬉しかったのはあるが、いろいろ好き勝手やり過ぎたなー。
自分で思ってた以上に万由里のこと好きだったのかな?
それとも片思いのまま20年近く会えなかったから浮かれてたのか?)
白夜は目を瞑って浮かんだ考えを頭の中でまとめた。
(これからは、あまり無理強いしないで万由里の意見も聞かないと嫌われるよなー。
でも、万由里に会って話せるだけで十分に幸せだと思ってたのに、実際に会うと欲が出るんだなー。
万由里のことをもっと知りたいし、万由里と恋仲になりたいなんて万由里に会うまでは出来たらいいなくらいにしか思ってなかったのに、万由里と話してたり、一緒ご飯食べたりしてるうちにどんどん強くなって、抑えるだけでも一苦労だ。)
白夜は、ため息をついて目を開けて目線を上げた。
(今日、万由里に告白してみるか。
駄目だったら潔く諦めよう。
でも、出来れば友達くらいの関係ではいたいな。)
白夜は決意を固めた後、時計を見ると時間が9時半になった。
「そろそろ、服を作るか。」
白夜は、どんな服にするか少し考え服を決めると、いつも着ている服を霊力で変化させた。
服は、白い半袖のTシャツに黒い半袖の帽子付きパーカーを羽織って、ジーンズを履いていた。
「こんなもんでいいかな?」
いつも同じ服を着ているため白夜は、一般的なセンスがわからないため服装がこれでいいかわからなかった。
「はあー、もう少し一般的なことも知っておいた方がいいな。」
白夜は、ため息をつきながらそんなことを思った。
(十分前に待ち合わせ場所に空間転移で行こ。)
白夜は、待ち合わせ場所にいつ行くか決めて、ハンギングチェアーに座り時間を潰した。
万由里side
家を出てそこで少し待つと、浮遊感がして気が着くとフラクシナスの転移装置がある部屋にいた。
そこに令音がいて、司令室まで案内してくれた。
万「白夜を攻略するための用意は出来てる?」
琴「一応、いくつか作戦を考えたけど、相手はあの白夜だからうまくいく保証はないわよ」
万「それくらい、わかってる。」
令「服装は自分で考えると言っていたが決まったかね?」
万「まあ一応ね。」
令音の質問にそう返して服を霊力で変化させた。
上半身は、黒色で胸の上からは布が無くあるのは黒色の細い紐が両肩を通って背中まで伸びているだけ、その上に薄い青色で肩が出ているが少し袖が付いて多少避けている服を着ていた。
下は、黒色の膝より少し上くらいまでのスカートを履いていた。
靴は、サンダルで足首のあたりまであり、かかとの部分がすこし高い黒色のブーツサンダルを履いる。
万「これで行こうと思ってる。」
琴「士道と隼人、男から見た感想は?」
士「俺はいいと思うぞ。」
隼「ああ、俺も同じだ。
でも、白夜がどう思うかはわからないぞ。」
万「わかってる。
で、白夜をどうやって攻略するの?」
琴「それはデート中に報告するは、白夜の反応次第で臨機応変に変えないといけないから。」
万「それもそうね。」
令「だが、今のところ白夜の君に対しての好感度は士道や隼人と同じくらい、つまり友達くらいには思われているということだ。」
万「そこから好感度をさらに上げればいいのね。」
令「ああ、しかし白夜は精神力で心拍数を抑えたり出来ることから、この好感度も正確とは言えない、もしかしたら、もっと高いかもしれないし、その逆もありえる。」
万「そ。」
琴「なるほど、結構厄介ね。
ちなみに昨日も白夜の心拍数測ってたのよね、結果はどうだったの
?」
令「昨日も心拍数に変化はほとんどなかった。」
万「ほとんどってことは変化したところがあったの?」
令「ああ、まず万由里が白夜を起こして万由里を見た時、次に万由里が白夜が霊術を作ったと当てた時、最後に君がデートに誘った時だ。
どの反応もほんの少し心拍数が高くなっただけですぐに落ち着いている。」
琴「どれも万由里と関係してる時ね。
意外と脈ありだったりして。」
万「流石にそこまで単純じゃないんじゃない。」
士「確かに、相手は白夜だしな。」
令「万由里とシンの言う通りだ。
最初の時は万由里がいることに驚いただけかもしれないし、次は霊術を作ったことを言い当てられたことだ驚いただけかもしれないし、最後もいきなりなことに驚いただけかもしれない。」
一「確かに、兄さんも寝起きやそれくらいのことがあれば流石に驚くでしょうし。」
万「そ。」
今の段階では、白夜が私をどう思うか何もわからないことがわかったので、少し落ち込んだ。
私が俯いて、落ち込んでいることに気づいた士道たちも黙ってしまったので暗い雰囲気になった。
すると、令音が。
令「それと、昨日の万由里の心拍数はかなりの変動があった。」
万「え?」
私は予想外の言葉に思考が止まった。
令「まず白夜に制服を可愛いと褒められた時、殿町に万由里と付き合うなと言った時、一緒の家に住んでいいって言われた時、弁当を美味しいと言われた時、デートの話をした時など他にも何回かあった。
そのいずれも、あまり表情には出ていないが多少顔を赤くしていた。」
令音にそう言われて私は、恥ずかしくなり俯いた。
私は、鏡を見なくても顔が赤くなっていることがわかるくらい顔が熱くなっているのを感じた。
琴「まあ、好きな人を相手にしてたんだから当然よね。」
隼「そうだな。
好きなんだから心拍数が上がるのはしょうがないよな。」
士「そうだな。
まあ気にしなくていいぞ。」
一「そうですよ。
それに私は応援しています。
万由里さんのことを義姉さんと呼ぶことまだ考えています。」
みんなが、気を使ってくれているが、逆に恥ずかしさが増した。
万「お願いだから、あまり気を使わないで、逆に恥ずかしくなるから。
それと一姫、そんなことは考えなくていいわ。」
おそらくみんな私を気遣うような目で見ていることが、見なくてもわかる。
そのため、私が言った言葉でみんな何も言わなくなった。
と思ったが。
令「ちなみに万由里の白夜に対する好感度は」
万「令音、お願いだからそれ以上は言わないで。」
令音は気を使わないで、さらにとんでも無いことを言おうとしたが、その言葉を私は遮った。
しかし、令音はまだ続きを言おうとしていることに気づいた。
琴「『ラ・ピュセル』の限定ミルクシュークリーム10個。」
令「なんでもない。」
万「ありがと。」
琴「気にしなくていいわ。
あんたと白夜がうまくいけば、これから白夜をコントロールしやすくなるからね。」
万「私が言っても言うこと聞くかわからないけど。」
琴「でも、今よりはコントロールしやすくなるわよ。」
万「そ。」
令音の発言を止めた琴里はそんなことを言っているが本心なのかはわからない。
令「それはさておき万由里、今の君は他の精霊に比べてかなり身体能力と霊力量がかなり高い。
そのため、力の加減は気をつけてくれ。」
万「ん。
今のところちゃんと制御できてるから大丈夫だと思う。」
令音が真面目な注意を来た。
琴「そろそろ待ち合わせの時間ね。
待ち合わせ場所の近くに送るわ。」
万「ん。」
そういうと私は転移装置がある部屋に移動した。
その後、待ち合わせ場所であるショッピングモールの近くの人気がないところで降ろされた。
そこからショッピングモールの入り口前に移動した。
待ち合わせ場所に着くとまだ時間まで5分はあるのに白夜はすでに待っていた。
万「おまたせ、まった。」
「いや、待ってないぞ。
着いたのは、少し前だしな。」
万「そ。」
白夜の服装をよく見ると、いつも着ている和服ではなかった。
万「服、いつもと違うの着て来てくれたんだ。」
「まあな、流石にあの服でデートするのはダメだと思ったからな。」
万「そ。
その服似合ってるわよ。」
「ありがと。
万由里もその服とてもよく似合ってるぞ。
今まで俺が作ったワンピースや制服は見てきたが、万由里が自分で選んだ服を見るのはこれが初めてだな、とても可愛いよ。」
万「!?」
その言葉に恥ずかしくなり、言葉を返すことが出来なくなった。
おそらく、顔も赤くなっているだろう。
万「ありがと。
じゃあ、早く行きましょ。」
「そうだな。」
そういうと、白夜は手をこちらに出してきた。
万「どうしたの?」
「仮にもデートなんだろ、なら手ぐらい繋ぐもんじゃないか?」
万「そ、それもそうね。」
そう言って白夜の手を取ったが、先程服を褒められた時より恥ずかしくて顔が熱くなったので、今とても赤くなっているのだろう。
それを白夜にあまり見られたくなかったので、顔だけ白夜がいる反対側を向いて俯いた。
すると、インカムから令音の声が聞こえた。
令『万由里、わかっているだろうが、君が白夜を攻略しなくてはいけないのに、君が白夜に攻略されてどうする。』
万「わかってる。」
その令音の声に白夜に聞こえないように返した。
隼『あれが無意識でやってるなら相当だな。』
一『おそらく、無意識です。
昔、ここまでではありませんが、無意識のうちに女子を攻略していましたから。』
琴『それで、女子に好かれてることに気づいてないって酷いわね。』
士『確かにな。』
士道たちがいろいろ言ってるが、それを無視して大分落ち着いたので白夜の方を向いた。
万「じゃあ、行きましょ。」
「なんだ、もう戻ったのか。
照れてる姿、可愛かったのに。」
万「もういいから行きましょ。」
白夜の言葉にすこし恥ずかしくなったが、気にしていたら終わらないので無視して白夜の手を引っ張って少し強引に移動を始めた。
白夜side
万由里に手を引っ張られ移動を始めた。
いつまでも万由里に引っ張られているわけにもいかないので、万由里と横並びになり万由里のペースに合わせて歩き始めた。
「で、最初はやっぱり服から見るのか?
それとも何か別の店を見に行くか?」
万由里は、その質問に俯いて考え始めた。
万「やっぱり、服から見たいわ。
この服はあくまで霊力で作っただけだから。」
「そうか。
でも、折角万由里が服を考えて来たのに着替えるのはもったいないな。」
万「そう?」
「ああ、・・・そうだ。
万由里、その服良かったら霊力による一時的なものじゃなくて普通の服にすること出来るけど、どうする?」
白夜は少し考えた後、万由里にそう提案した。
万由里は、少し驚いた顔で聞き返してきた。
万「え!?
そんなこと出来るの?」
「ああ、もともと俺の能力は、壊したり霊力を供給するの止めたりしたら消えるようなものだったんだ。
それを霊術で情報を書き換えて、霊力を実際の物質に変化させて実物の物にしてるんだから。」
万「やっぱり、相変わらず霊術の説明はあまり理解できないわ。」
「まあ、理解できる人の方が少ないからな。」
で、どうするんだ?」
そう聞くと万由里は、こちらから目を逸らし俯いた。
どうしたのかと思うと横顔が少し赤くなっていた。
万(白夜、さっき可愛いって言ってたからしてもらおうかな。)
万「この服、本当に似合ってる?」
「ああ、さっきも言ったけど、よく似合ってて可愛いよ。」
万「そこまで聞いてない。
でも、ありがと。」
万由里は、まだ顔をすこし赤くして俯いていた。
(やっぱり、照れて赤くなる万由里は、アニメとかで見たことなかったから新鮮でいいな。
それに、とっても可愛い。
万由里も可愛いって正面から言われたら恥ずかしいって思うんだな。)
万「じゃあ、この服を実物の服にして。」
「わかった。」
万由里の着ている服に手をかざし霊術により情報を書き換えて実物の服に変化させた。
「終わったぞ。
大した変化がないから分からないだろうがな。」
万「確かに変化がないから分からないわね。」
「じゃあ、服を買いに行くか。」
万「ねえ、白夜の能力とこの霊術を使えば服買わなくても見るだけでいいんじゃ?」
「それを言ったら全ての物を作ることが出来るから。
それに、お金も使わないと無駄に余ってるからな。」
万由里は、先ほどまで赤かった顔はいつも通りになり、疑問に思ったことを聞いてきた。
それに対する白夜の返答に万由里は、顔が少し引きつっていた。
万「確か国家予算並みに余ってるんだっけ?」
「ああ、いい加減に消費しようと思ってたところだから丁度いい。」
万「でも、国家予算なんて普通の買い物じゃあ減ってもわずかじゃない。
そんなの無くす方が無理じゃない?」
「まあな、でもしないよりましだろ。
それより、服を売ってるエリアに着いたぞ。」
万「そのようね。」
万由里と貯金を減らす話をしていると、早速服を売っているエリアに着いた。
「じゃあ、気になった店があったら言ってくれ、その都度寄って気になった服を見ていこう。」
万「ん。」
店の回り方を決め、服屋の前を歩いて回り始めた。
歩いて回り始めて少し経つと、万由里がある店の前で止まった。
万「この店、見て行こ。」
「分かった。」
万由里と店の中に入り、店内の服を見ながら歩いていると、万由里がたくさんの服がかけてあるところで止まりこちらを見て来た。
万由里の言いたいことが分かったので、繋いでいた手を放した。
「好きに手に取ってみればいいさ。」
万「ん。」
万由里は、服を手に取ってよく見ながらじっくりと考えて選び始めた。
しばらく服を選んでいる万由里を見ていた。
(服を真剣に選んでる万由里をずっと見てるだけでも飽きないな。
女子の買い物に付き合うのはかなりきついって聞いてたけど、万由里の買い物に付き合うのは悪くないな。)
そんなことを考えていると、万由里が両手に服を一着ずつ持って白夜に見せて来た。
万「この二つだとどっちがいいかな?」
(あ~、デートで服を買う時の定番のパターンだ。
ん~、どう答えていいかわかんないな。
よし、思った通りに答えよう。)
そう考え万由里の持っている服をよく見てみる。
右手に持っているのは、薄い水色のワンピースで肩全て出るようになっていて、肩回りとスカートに少しフリルが付いていた。
左手には、右手と同じくワンピースだったが、色は白で肩の部分はちゃんとあり、前に万由里に作って渡したワンピースに似ているが、首回りとスカートの端に少しフリルが付いていて、スカートの丈も短い。
二着をよく見比べてみるが、服だけ見て選ぶのは難しく何とも言えなかった。
「服を見ただけだと、どっちがいいか分からん。」
万「・・・それもそうね。」
万由里は、納得したような顔をした後、一瞬少し目を見開いて驚いた顔をした。
「どうかしたのか?」
万「な、なんでもない。
それより、服だけで分からないなら試着してみるわ。」
「ん?
そうか。」
(今、万由里が少し焦っていたようだが、表情はあまり変わってなかったので気のせいだろう。)
万由里の行動に違和感を覚えたが取り敢えず気にしないことにした。
万由里は、試着室に二着を持って入っていった。
試着室の前で着替え終わるのを待っていると、万由里が試着室のカーテンの端から顔と片手を出して近くに来てと言いたいような合図を出してきた。
なので、近くに行ってみると。
「どうした?」
万「背中に手が届かないから背中にあるチャック上げて。」
万由里はそういうと後ろを向き背中をこちらに向けて髪をサイドアップしている右側によけ前側に持って行った。
長い髪で隠れていた背中は、先ほど左手に持っていた白いワンピースの背中のチャックが背中の真ん中くらいの中途半端なところまで上げられていた。
ワンピースのチャックが途中までしかしまってないため、その間から肌とピンク色の下着が少し見える状態だった。
しかも髪を避けているため、うなじや首元まで綺麗に見えるためとても色っぽく見えた。
流石にこれは、平常心を保つのがとても一苦労だ。
試着室の鏡が目に入ると、そこには顔を赤くして俯いている万由里が映っていた。
それを見て白夜も覚悟を決めて、万由里に言われた通り背中のチャックを上げた。
「上げたぞ。」
万「あ、ありがと。」
そういうと万由里は、髪を元に戻してカーテンを開けてこちらに向き直った。
万「・・・どう?」
白いワンピースを着た万由里をよく見た。
「ああ、よく似合ってる。
前に渡したワンピースに似ているが、あれとはまた違った雰囲気があって可愛いと思うよ。」
「そ。」
そういうと万由里はすぐにカーテンを閉めたが、少し間を開けて先ほどと同じように顔と手を出して合図して来た。
万「チャックさっきのところまででいいから下ろして。」
「分かった。」
先ほどと同じように髪を避けて背中をこちらに向けて来た。
そして先ほどチャックがあった辺りまで下ろした。
「下ろしたぞ。」
万「ありがと。」
そういうとカーテンをキッチリと閉めた。
次は先ほどのようなことは無く普通にカーテンが開いた。
そこには、右手に持っていた薄い水色の肩が出ているワンピースを着ていた。
万「こっちはどう?」
「さっきの白いワンピースとは違ってかなり色っぽいな。
スカートはさっきのより長いが肩が出てるからか色っぽい大人って感じの雰囲気が出てていいと思うぞ。」
万「そ。」
そういうとまたカーテンを閉めた。
次にカーテンが開いた時は最初に来ていた服に戻っていた。
試着室から出て来た万由里は、さっきと同じように二着を両手に持っていた。
万「で、どっちがいい?」
「俺は、左手の白いワンピースの方が好きかな。
右手の水色のワンピースもいいけど、なんていうか色気が強すぎるからな。
まあ、そんな理由で白い方かな。」
万「そ。」
万由里は、そういって元の位置に水色のワンピースを戻そうとしていた。
「万由里は、その水色のワンピースも気に入ったのか?」
万「え?
まあ、こっちもいいかなとは思うけど、どうして?」
理由が分からない万由里は、首を傾げている。
白夜はそんな万由里に、手を伸ばした。
「気に入ってるなら両方買うってこと。」
万「ああ、そっか。
お金かなり余ってるんだったわね。」
「そういうこと、他に欲しいものがあったら言えよ。」
万「と言っても、服は取り敢えずこの二着でいいかな。」
「そうか。
じゃあ、この二着だけ買ってくる。」
万由里から服を二着受け取るとレジに持って行き会計を済ませた。
万由里side
白夜に服だけを見てもよくわからないと言われた後、インカムから琴里が指示を出してきた。
琴『万由里、丁度いいから試着しなさい。
試着室に入ったらまず白いワンピースの方を着て。』
万「どうして?」
白夜に会話を聞かれないように注意しながら小声で話した。
琴『白いワンピースの方は背中側にあるチャックを上げて着るタイプだからよ。
背中に手が届かない振りをして、白夜にチャックを上げさせるのよ。』
琴里の指示に少し動揺して、それが顔に出たのか白夜に気づかれそうになった。
その後、琴里に言われた通り試着室に入り白いワンピースを着た。
チャックは、不自然思われないようにある程度自分で上げて置き、琴里の指示通り白夜に上げてもらうため、カーテンから顔と片手を出して近くに来るように合図を出した。
「どうした?」
万「背中に手が届かないから背中にあるチャック上げて。」
そういった後、白夜に背中を向けて髪を右側によけ前に持ってきた。
おそらく、チャックの間から肌と下着が少し見えているだろう。
それを見られていると思うと、恥ずかしくなり俯いた。
ちょうど、背中を向けているので顔が赤くなっていても気づかれないだろう。
「上げたぞ。」
万「ありがと。」
白夜がチャックを上げたのを確認すると髪を戻してカーテンを開け、白夜に服の感想を聞いた後カーテンをすぐに閉めた。
万(流石に、これはかなり恥ずかしい。)
カーテンを閉めた後、恥ずかしかったので落ち着くまでカーテンを閉めたままにしておいた。
すると、インカムから琴里が指示を出してきた。
琴『万由里、脱ぐ時もチャック下ろしてもらわないと怪しまれるわよ』
万「わかってる。」
琴『わかってるならどうして?』
万「流石に、恥ずかしいから落ち着くまで待ってるだけ。」
琴『そ。
じゃあ、落ち着くの邪魔しちゃったかしら?』
万「大丈夫。
もう落ち着いたから。」
琴『じゃあ、頑張りなさい。』
その後、白夜にチャックを下ろしてもらい白いワンピースを脱いで着替えた。
次に、水色のワンピースを着てカーテンを開けまた感想を聞いてすぐにカーテンを閉め、着替えながら心を落ち着かせた。
万「令音、さっき白夜の心拍数に変化あった?」
令『ああ、今まで一番大きな反応だが、士道や隼人に比べるとほんの少し動いた程度だ。
これは、かなり大変だろうから頑張ってくれ。』
万「そ。」
インカムで白夜の先ほどの反応について聞いた後、試着室から出た。
万(あそこまでした甲斐があって良かった。
あれで無反応なんて結果だったら流石に立ち直れる自信ないわね)
今まで一番大きな反応だったことに心の中で喜んで、白夜にどちらの服がいいか改めて聞いた。
結果は、白い方だった。
水色の方も悪くはないが色気が強いとのことなので元の位置に戻そうとしたが、両方買ってくれるというのでお願いし、レジに向かう白夜について行った。
白夜side
万由里の服を買い店を出た。
「この服すぐに着るわけじゃないんだろ。」
万「ん。
今日は、この服でいるわ。」
「分かった。
じゃあ、家に送っておくわ。」
万「そ。」
万由里にそう言った後、買った服を家に霊術で転送した。
服を転送した後、手を下ろすと万由里が手を握って来た。
万「そろそろ昼食を食べる店を探しに行こ。
お昼時になると店が混んでなかなか食べれなくなるだろうし。」
「ああ、それもそうだな。」
(万由里から手を繋いでくるとは思わなかったな。
さっきは勢いでやったけど、急にやられると恥ずかしいな。)
万由里と手を繋いだまま、昼食を食べる店を探すため料理店がまとまっているエリアに移動した。
「さて、何食べるか。
俺は、特になんでもいいが。」
万「私もなんでもいいかな。」
「じゃあ、適当に見て回るか。」
万「ん。」
料理店を見ながら歩いて回り出した。
見ているといろいろな店がある。
寿司屋に和食や焼き肉など様々だが、万由里と一緒に食べれるだけで白夜は満足なので本当に何でもいい気分だった。
白夜も気づいていないが、万由里も白夜と食べれることが嬉しいためなんでも良かった。
「いろいろ見て回ったが、やっぱり何でもいいな。」
万「ん、どうする?」
「ん~、じゃあ寿司にするか
回転寿司なら寿司以外にもいろいろ食べる物あるし。」
万「それもそうね。
じゃあ、回転寿司にしましょ。」
万由里と先ほど見かけた回転寿司に入った。
店に入るとまだ昼食を取るには早いので、客は少なかった。
そのため、すぐに席に案内された。
「じゃあ、食べますか。」
万「ん。」
「ほい、小皿。」
万由里に醤油を入れる小皿を取って渡した。
万「ありがと。
はい、お茶。」
「ありがと。」
すると、万由里がお茶を入れて渡してくれた。
「何食べるかな~。」
万「回ってくるのから選べば。」
「それもそうだな。
ん~、マグロにするか。」
万「じゃあ、私はサーモンかな。」
回って来た皿の中からマグロの皿を取った。
万由里はサーモンの皿を取った。
白夜は取ったマグロの一つを食べる。
「ん、思ってたより美味しいな。
ここの回転寿司初めて来たけど、結構美味いな。」
万「そうなんだ。」
万由里は、白夜と同じようにサーモンを一つ食べた。
万「ほんとだ。」
「万由里もマグロ食べてみるか?」
万「え?
ん~、食べようかな。」
「じゃあ、あ~ん。」
そういって万由里に残っているもうひとつのマグロに醤油をつけて万由里の口の近くに運んだ。
すると、万由里は少し驚いて少しの間迷った後、差し出されたマグロを食べた。
その際、顔を少し赤くしていた。
万「ん、確かに美味しい。」
「そりゃよかった。」
万「白夜もサーモン食べる?」
「ああ、もらうよ。」
万「はい、あ~ん。」
次は、万由里がサーモンを白夜の口の近くに運んで来た。
それを白夜は、迷わずに食べた。
「ん、これもうまい。」
万「そ。」
万由里がそう言った後、何かに気づいたように周りを見た後、顔を耳まで赤くして俯いた。
どうしたのかと思い万由里と同じように周りを見てみると、こちらを見て微笑ましい物を見るような目で見ている他の客や店員がいた。
(なるほど、人前で食べさせ合いしたのが恥ずかしかったのか。
もうちょっと後で人が多くなった時にやってたら、どうなってたんだろうな。)
取り敢えず、視線に気づいてないふりして、たこの皿を取りもう一度万由里の口の近くに運んで。
「あ~ん。」
と言ったら、顔を赤くしたまま俯き気味にこちらを恨みがましい目つきで見て来た。
万「分かっててやってるでしょ。」
「ばれてたか。」
万「なんで白夜は平気なのよ。」
「周りの視線なんて気にしてないからな。」
万「これだけ見られてるのに気にしないなんて無理よ。」
「俺は、人の気配を探るの得意じゃないからな。」
万「え?
でも、誰も気づかなかった私を一番に見つけたじゃない。」
「ああ、あれは精霊が静寂限界することがあるってわかったから天宮市全体の霊力探知を常にしてたからだよ。
それに、流石に精霊くらいならある程度近づけば分かるぞ。」
(まあ、少し意識を集中して探らないといけないが。)
万「常にって今もしてるの?」
「いや、万由里を見つけて以来してない。
はっきり言って面倒くさくなったからな。」
万「そんなことだと思った。
でも、なんでそんなに気配や視線に鈍感なの?
白夜ならなんでも出来るイメージがあったけど。」
「いや、気配を感じる手段はあるけど、普段使う必要ないだけだよ。
それに、別に鈍感なわけじゃないぞ。」
万「どういうこと?」
「万由里だってアリやミジンコの気配や視線なんて分からないだろ。
それと同じだよ、普通の人に比べて俺の力が強すぎるから気づけないだけだ。」
万「理由は分かったけど、ここまで来ると何とも言えないわね。」
「そういうことだ。
それより、食べようぜ。」
万「ん。」
そういうってさっき取ったたこを食べ、他にも注文したり回ってくる皿を取って食べ始めた。
万由里も回ってきた皿や注文をした物を食べ始めた。
ある程度、食べたところでまた一つを万由里の口の近くに運んで。
「あ~ん。」
万「ん、ん~。」
万由里はかなり悩んだ後、顔をかなり赤くして食べた。
万「美味しい、これって大トロ?」
「ああ、そうだよ。
珍しく大トロなのに二つだったから。」
万「ありがと。」
「さっきみたいに俺にあ~んしないのか?」
万「・・・あ、あ~ん。」
万由里は、恥ずかしくて顔を赤くして戸惑いながら寿司を口の近くに運んできた。
白夜は、その姿の万由里を見て可愛いなと思いながら食べた。
しかし、万由里は白夜が食べた後また恨みがましい目つきで見て来た。
「美味しいな。
トロサーモンか、万由里も高い物遠慮せずに食べろよ。」
万「ん。」
その後は、あまりやると万由里に嫌われると思ったので、それ以上は何もせずにお互い満足いくまで食べ会計を済ませて店を出た。
「じゃあ、これからはいろんな店を適当に見て回るか。」
万「ん。」
万由里と手を繋いでショッピングモール内をいろんな店を見ながら歩いていたが途中で万由里は何回か顔を赤くして俯いたりしていた。
万由里side
先ほど店が混む前に早めに昼食を食べた時、白夜と食べさせ合いっこをしたがただでさえ恥ずかしいのに、それを他の客や店員に見られていることでとても恥ずかしい思いをした。
それなのに、白夜はまるで気にしていないので、私だけが恥ずかしい思いをしているのは不公平だと思う。
万(でも、やっぱり白夜があ~んしてくれるのは嬉しいし、それに関節キス出来るし。)
周りの人に見られるのは恥ずかしいけど、それと同じくらい嬉しいという思いがあったため、二回目の食べさせ合いっこはかなり悩んだ。
そのことを思いだして、また恥ずかしくなり顔が赤くなっていることに気づいて俯いてしまう。
そして、先ほど周りの視線を意識したため、朝はあまり気にしてなかった手を繋ぐ行為だけでも周りの人が気になり人が多いところを通ったりすると恥ずかしくて俯いてしまう。
そんな風にいろんな店を見ながら回っていると、隼人たちがお揃いのストラップを買った店が見えた。
万(私のストラップは今度みんなでまた買いに行こうって言ってたな。
そういえば、あの時白夜の地雷踏んじゃったんだっけ。
今普通に話してくれてるから嫌われてはないよね。)
そのことで少し不安になり落ち込んでしまった。
それを白夜に悟られたら心配されそうなので、すぐに意識を切り替えた。
万(次は踏まないようにしないと。)
そう心に決めて他の店を見て回り始めた。
白夜side
先ほど隼人たちがストラップを買っていた店の前を通った時、万由里が一瞬暗い顔をした。
(もしかして、みんなお揃いのストラップ買ったのに自分だけ持ってないから落ち込んでるのかな。)
しかし、万由里は気にせずに通り過ぎっていったので気にしないことにした。
それから、店を見て回っていると家具を売っている店を見かけた。
「なあ、あの家具売ってる店寄らないか?」
万「いいけど、どうして?」
「万由里の個室を作るから、そこに置く家具を選んでもらうため。」
万「私、別に個室なくていいけど。」
「何かと必要だろ、勉強道具を置いたり、服を置いたり、勉強をしたり、俺に見られたくない物を置いておく場所とか。」
万「まあ、あって困ることはないだろうけど、勉強するならリビングで白夜に教えてもらいながらやった方がいいと思うんけど。」
「え?俺が教えるの?」
万「あんた成績いいでしょ。
それに私、ある程度の知識はあるけど、生まれてまだ一週間程度だからあまり勉強出来る自信ないし。」
「それもそうか。
まあ、ある程度なら教えてやるよ。」
万「ん、ありがと。
それに白夜に見られて困る物なんてないけど。」
万由里がそういうと、白夜は少しニヤリと笑った。
「それは、俺に下着を見られても困らないと言うことか?」
万由里は、顔を赤くして驚いた。
そして、顔を赤くしたまま白夜を横目で少し睨んできた。
万「すけべ。」
「冗談だ。
そんなこと本気でやるわけないだろ。」
万(そんなはっきり否定しなくてもいいのに。)
万「そ。
でも、確かにそういうことも考えると個室あった方がいいわね。」
「まあ、そんなこと無しにしても個室は一応作るがな。」
万「どうして?」
「親しい中にも礼儀ありっていうだろ。
一緒に住んでるって言っても買ったものを置いておくのに必要だろ。」
万「まあ、そうね。」
「ああ、それとリビングとかの家具もいい物があれば交換しようと思うから、いい物があったら言ってくれ。」
万「ん。」
それから、万由里と一緒にどの家具がいいかなど、お互いに意見を交わしながら家具を見て歩いた。
その後、店を一通り見て歩いた後、どの家具にするかをもう一度歩いて決め店を出た。
「さて、家具も決めたことだしこれからどうする?」
万「ん~。
カフェでデザートでも食べない。」
「おう、いいぞ。」
万「じゃあ、行きましょ。」
万由里と一緒にカフェを探しながら移動を始めた。
カフェを見つけて店に入り、二人分のコーヒーとパフェを一つ頼んだ。
注文したものが来るまで、万由里と話して待つことにした。
「こうやってゆっくりするのもいいな。」
万「ええ、そうね。」
「万由里は、これからどうするんだ?」
万「これからってデートの話?」
「いや、デートが終わってからのことだ。
俺の家で一緒に暮らすのはいいが、精霊を救うのを手伝ったりするのか?」
万「ええ、私も白夜に助けられたから、白夜が精霊を救う手伝いとするなら私も手伝うわ。」
「そうか。」
万「ん。」
白夜と万由里は、それから少しの間黙っていた。
すると白夜が沈黙を破った。
「万由里、悪かったな。」
万「え!?
どういうこと?」
「お前を救いはしたが、望んでもないのに力を与えたことだ。」
万「そんなこと気にしてない。
白夜は私を救ってくれたから。」
「・・・俺は昔、万由里と同じように救う為に力を与えたことがある。
そいつは、最初は万由里と同じことを言っていた。
そして、力の使い方を知り、知った後はそれを伸ばす為に努力してそれなりの力を手に入れた。」
白夜は、俯いて暗い顔をした後、少し間を開けて話始めた。
万「そんな人がいたのね。
でも、聞く限りでは努力家で一生懸命に強くなろうとしてるように聞こえるけど。」
「ああ、そうだ。
あいつは、俺がしたように誰かを救う為に力をつけた。」
万「ならないが問題なの?」
「問題なのは、その力があいつを破滅に追いやったことだ。」
万「どういうこと?
その人、今どうしてるの?」
「死んだよ。
・・・いや、俺が殺した。」
万「え!?
どういうこと?
なんで、そんなことを。」
万由里は、白夜の一言で驚いた顔をし少し大きな声で理由を聞いてきた。
「力を持つってことは、普通の人として生きることが出来なくなるってことだ。
力が強ければ強いほど、普通に生きることが出来なくなる。
それが原因で精神が崩壊してな、守るために得た力を自分の都合で使いだしたんだ。
そいつのせいで何万もの人が死んだだから殺した。」
万「どうして、その人はそんなことを?」
「お前なら分かるだろ、人だけじゃなく精霊でさえ抱く感情だ。」
万「!それって、嫉妬。」
「ああ、あいつは自分は普通に生きることが出来なくなったのに、自分の救った人や他の人は普通に生きて、しかも自分のことを人でない何かを見るような目で見られる日々の中、普通に生きている人に嫉妬を抱くようになったんだ。
万由里の言いたいことは分かる。
そんな勝手なことって思ってるんだろ、でもな人は小さな負の感情が何年も積もれば精神が壊れるものなんだよ。」
白夜の話を聞いた万由里は、少し俯いて考えた後顔を上げて白夜に言った。
万「白夜は、私もいつか嫉妬や負の感情が積もって精神が壊れるって言いたいの。」
「そうなると思いたくないがな。
今の精霊がいい例だろ。
彼女たちは士道に封印されているが、精神が不安定になれば力が逆流する。
力を完全にコントロール出来てると思っても無意識に力のコントロールが外れる。
だからこそ万由里に力を与えたことを悪いと思ってる。
出来れば普通の人生を歩んでほしかったんだがな。」
万「ありがと。
でも、普通に生きていけなくてもいい。
私の幸せが普通の人生の中にあるって決めつけないで、私の幸せは自分で探す。
私は、救ってくれただけで十分に感謝してる。
それに、白夜の考えてる幸せを押し付けるのはお節介よ。」
万由里の言葉に白夜は驚いた顔をした。
万「それと、どうして白夜は平気なの?」
「どういうことだ?」
万「その人は相当な力を持ってたんでしょ。
私の予想だと、隼人や精霊たちよりも強かったんじゃない。
じゃないと、隼人や一姫が今普通に暮らしてるわけないから。」
「・・・ああ、強かったぞ。
それこそ、ケルビエルくらいなら瞬殺するくらいにはな。」
万「じゃあ、その人を倒せる白夜はどうして負の感情に飲まれないでいられるの?」
「俺は負の感情を抑え込むだけの精神力があるからな。
それに他人に嫉妬するほど他人に興味がないからな。」
万「そ、白夜はやっぱり規格外に強いのね。
私のことを心配してくれるのは嬉しいけど、私は自分の幸せくらい自分で見つけられる。」
「ならその幸せがどれだけ辛い道でも貫く覚悟はあるか?」
万「ん。
その道が辛くても逃げるつもりなんてない。」
その答えに、白夜は満足したように微笑んだ。
「そうか。
ならこの話はやめようか。
悪いな折角のデートの雰囲気悪くして。」
万「そうよ。
折角の楽しいデートが台無し、責任取ってパフェ食べさせて。」
「別にいいけど、いいのか?
さっき周りの視線気にして恥ずかしがってたくせに。」
白夜がそういうと、万由里はニヤリと笑うと。
万「白夜が霊術を使えば周りの目を誤魔化すくらい出来るでしょ。」
「なるほど、そういうことか。
噂をすれば何とやらだ。
注文したものが来たみたいだぞ。」
店員がパフェと二人分のコーヒーを置いて行った。
万「じゃあ、霊術よろしく。」
「はいはい。
終わったぞ。」
白夜は、片手を上げ、その手が少しの間光った。
白夜が、霊術をかけたことを伝えた。
万「じゃあ、あ~。」
万由里が、口を開けて来たので、パフェをスプーンですくい万由里の口に運んだ。
万「ん、美味しい。
白夜も食べたら。」
「じゃあ、遠慮なく。」
そういってパフェをスプーンですくい食べようとすると、すくう前に万由里がスプーンを持っている手を掴んで止めた。
「どうかしたか?」
万「いや、今度は私が食べさせる番かなって。」
「なるほど、そういうことか。」
そういうと白夜は万由里にスプーンを渡した。
万由里は、スプーンを受け取るとパフェをすくい白夜の口の近くまで運んだ。
万「はい、あ~ん。」
「あ~ん。
美味しいな。
じゃあ、次は俺か。」
その後は、そんな感じでお互いに食べさせあい途中でコーヒーを飲んだり、冗談を交えながら話したり、お互いにからかいあったりしながらお互いに楽しく時間を過ごした。
「それにしても、このコーヒー美味しいな。」
万「そういえば、家ではコーヒーや紅茶飲まないけど何か理由あるの?」
「いや、特にないぞ。
今までインスタントコーヒーとかコーヒーメーカーを用意するの面倒くさかったから飲まなかっただけだ。」
万「そ。」
「でも、これから万由里もいるし、コーヒーメーカーかインスタントコーヒー買うか。」
万「そんなこと言って、白夜が飲みたいだけなんでしょ。」
「あ、ばれたか。
まあ、それもあるが、万由里と一緒に暮らすならそれくらいあってもいいかなって思ったんだが、万由里はいらないか?」
万「ん~、たまにくらいは飲みたいかな。」
「そうか。
じゃあ、買うか。」
万「ん。」
「さて、そろそろカフェ出ようぜ。」
万「ん。
で、次どこに行くの?」
「ん~、万由里はどこか行きたいところあるか?」
万「ん~。」
万由里は、片手で口を軽く隠しながら考え始めた。
少し経つと口から手をのけていった。
万「アクセサリーを見に行きたいかな。」
「そうか。
じゃあ、出るか。」
そういうって白夜は、会計を済ませて万由里と一緒に店を出た。
店から出た後、万由里とまた手を繋いでアクセサリーショップを探しに移動し始めた。
万由里side
次に行く場所を考えていると、インカムから琴里の声が聞こえてきた。
琴『万由里、次に行く店、アクセサリーショップ、ランジェリーショップ、ペットショップの三つから選んで。』
万「どうして?」
琴『その三つの店での攻略作戦があるんだけど、時間的に次で最後の店になりそうだからどこか好きな店を選んでってこと。』
万「アクセサリーショップとペットショップはまだわかららけど、ランジェリーショップは明らかに嫌な予感しかしないんだけど。
その作戦ってまともな作戦なの?」
琴『人前で堂々と食べさせあいっこできるなら出来る程度の作戦よ。』
万「すこし考えさせて。」
万(ランジェリーショップは嫌な予感しかしないから無しとして、ペットショップは白夜があまり興味ないだろうし、私もそんなにペットが欲しい訳じゃないから不自然に思われてなんか疑われそうだから無し、アクセサリーショップなら私も見てみたいものもあるから変な疑いはかからないだろうからアクセサリーショップね。)
琴里にアクセサリーショップに行くことを小声で伝えた。
万「アクセサリーを見に行きたいかな。」
「そうか。
じゃあ、出るか。」
そう言って、白夜は席を立ちレジに会計をするため向かった。
私はその後ろについて行き会計を済ませた白夜と一緒に店を出た。
店を出て、また白夜と手を繋いでアクセサリーショップを探すために移動を始めた。
移動している時、まだすこし周りの目が気になってすこし恥ずかしく思いながらもある程度慣れたため顔を赤くすることはなかったと思う。
それからすこしの間歩いていると、アクセサリーショップに着いた。
「じゃあ、見てみますか。」
万「ん。」
白夜とアクセサリーショップに入ってすこしすると、インカムから琴里の声が聞こえてきた。
琴『万由里、まずは好きな指輪を探しなさい。』
万「指輪って、もしかして、作戦って好きな指輪を白夜に買ってもらって婚約指輪みたいに左手の薬指にはめてもらえなんて言わないわよね。」
琴『あら、その通りよ。
作戦の内容がわかってるなら話が早いわね。
指輪をはめてもらう時の細かい言葉はこっちで指示を出すから取り敢えずは指輪を探しなさい。』
万「はあ、わかった。」
琴里の言葉に予想が当たったことで、呆れてため息をついて琴里に返事を返した。
琴里に言われた通りに指輪を探しならが、白夜に疑われないように他のアクセサリーもいいのがないか探し始めた。
「いいのがあったら言えよ。
ここで売ってるの実際の宝石を使ってるものなさそうだから、言えば好きな宝石のやつで同じデザインで作るから。」
万「ん。」
白夜にそう言われてすこし探していると、一つ気になった指輪があった。
その指輪は、金色のリングに黒色と白色の宝石が5つ交互に並んでリングに埋まっていて、真ん中の黒色の宝石が他の4つよりすこし大きくなっていた。
私の視線がその指輪に向いて止まったことに白夜が気づいたようで話しかけてきた。
「その指輪が欲しいのか?」
万「ん。」
「そうか。
じゃあ、リングは金でいいとして宝石は何がいい?」
万「ん〜、ダイヤかな。」
「じゃあ、金とダイヤだけでいいな。」
万「え!?
黒いダイヤってあるの?」
「ああ、ブラックダイヤモンドがある。」
万「へー、そんなのもあるんだ。」
「まあな。
それにしても、万由里もそこまで細かい知識は無いんだな。」
万「まあ、最低限の普通の生活ができる程度の知識しかないから。」
「それもそうか。
で、他に欲しいものはないのか?」
万「もう少し見てみる。」
「わかった。」
白夜にそう言って、アクセサリーを見ながらインカムで琴里に次どうするかを聞いた。
万「琴里、これからどうするの?」
琴『指輪は、あんた士道たちの前に姿を現した公園に行ってから受け取ってちょうだい。』
万「ん。」
琴里にそう返事をして、私は自分が欲しいアクセサリーがないか探し始めた。
そして少しの間見ていると、一つ気になるブレスレットを見つけた。
万「ねえ、白夜このブレスレットつけて見て。」
「ん?
別にいいけど、どうしてだ?」
万「いや、白夜に似合うかなって。」
「そうか。」
白夜はそれだけ言うと、ブレスレットを受け取って身につけた。
ブレスレットは、銀のプレートを真ん中に両サイドに黒、青、白の玉が順番に一個ずつついていて、その玉の間に細い銀色のビーズが入っていて、その飾りの両サイドから黒色の紐が結んであり、その紐の先に銀色の止め金具がついていた。
「ほら、これでいいのか?」
万「ん。
これ白夜に買ってあげる。」
「買ってくれるのは嬉しいんだが、お金あるのか?」
万「一昨日令音に少しもらったあまりがあるから大丈夫。」
「そうか。
なら、遠慮なく買ってもらおうかな。」
万「ん。」
令『万由里、今の白夜の心拍数が少し上がった。
今のプレゼントで、白夜の好感度が多少上がったようだ。』
インカムから令音の声が聞こえて、白夜の好感度が少し上がったと報告が来た。
そういって白夜は、ブレスレットを外して私に渡してきた。
ブレスレットを私に渡した後、白夜は先ほどブレスレットが置いてあった辺りに視線を移した。
どうしたのか白夜を見ていると、何かに手を伸ばした。
「じゃあ、万由里にはこれを買ってやるよ。」
万「え?」
白夜は、先ほどのブレスレットの青色の玉が黄色になっていて、白色の玉はピンク色になっているブレスレットを見せてきた。
万「ありがと。」
白夜が見せてくれたブレスレットを見て嬉しくなった。
そんなことを考えていると、インカムから令音の声が聞こえて来た。
令『万由里、心拍数が上がっているぞ。
何度も言うが、今回のデートは君が白夜を攻略するのが目的だ。
それなのに君が白夜に攻略されてどうする。」
万「う、分かってる。」
令『別に照れるなとは言わないが、ほどほどにしてくれ。』
琴『令音の言う通りね。
好きなのは分かってるけど、流石に照れる回数が多すぎよ。
もう次は告白なんだから、最後くらいは恥ずかしがらずにしっかりとしなさいよ。』
万「分かってる。」
それから、レジに行きブレスレットを購入した。
白夜も同じようにブレスレットを購入し、店を出た。
「じゃあ、これは帰ってから渡すとして、これからどこに行く?」
万「私が士道たちに姿を現した時に行った公園に行かない。」
「いいぞ。
今から歩いて向かえば丁度日が沈む時間だし、綺麗な景色が見れるだろうしな。」
万「そ。
じゃあ、歩いて行きましょうか。」
白夜と手を繋いで高台の公園に移動を始めた。
移動中に白夜と冗談を交えて話したり、普通に雑談をしたり、からかいあったりした。
そんな何気ないことでもお互い楽しいため、微笑みながら移動を続けていた。
そうしていると、目的の公園に辿り着いた。
万「着いたみたいね。」
「だな、しかも丁度日が沈み始めたようだな。」
白夜に言われて見てみると、山の向こうに日が隠れ初めていた。
すると、インカムから琴里の声が聞こえて来た。
琴『万由里、丁度雰囲気も完璧よ。
白夜にさっきの指輪の話をしてちょうだい。』
琴里の指示を聞いて、私は白夜に指輪についての話を振った。
万「白夜、さっきの指輪作ってくれない。」
「別にいいが、なんで今なんだ?」
万「えっと、漫画とかでこんな雰囲気の中愛し合う二人が指輪をつけあうとかあるじゃない。
あれやってみたいなって。」
「な、なるほど。
かなり恥ずかしいこと俺にさせるな。」
万「白夜が恥ずかしがることがあるのね。」
「そりゃあるよ。
俺も人間だぞ。
まあいいや、せっかくのお願いだ聞いてやるよ。」
白夜は、先ほどの指輪を作り出した。
それが、分かったので白夜に向かって左手を差し出した。
その左手を白夜は左手で軽く支えて、右手で私の左手の薬指に指輪をはめた。
この行為はかなり恥ずかしかったけど、それ以上に嬉しかったので顔が赤くなっているだろうけど、それなりに落ち着いていられた。
令『万由里、今白夜の心拍数が今までで一番大きく反応した。
白夜の強靭な精神力を振り切るほど、心が動いたのは間違いない。』
その令音の言葉でさらに嬉しくなった。
そして、白夜に指輪をつけてもらった左手の掌が上になるようにし。
万「次は、私の番。
だから、同じ指輪もう一つ作って。」
「まだ続けるのかよ。」
万「何?
もしかして、恥ずかしいの?
私は出来たのに、白夜は出来ないの?」
「ん。」
そういうと、白夜の眉が少し動いた。
おそらく、私の挑発に反応したのだろう。
「はあ、分かったよ。」
白夜はため息をついた後、了承の言葉と先ほどと同じ指輪を作って左手の掌の上に載せ、私と同じように左手を出した。
なので、私も白夜と同じように左手で白夜の手を支えて右手で薬指に指輪をはめた。
万(これは、はめられる側も恥ずかしかったけど、はめる側もかなり恥ずかしいわね。)
「これで、満足だろ。」
白夜はそういうと、夕日が見える方にある手摺の近くに行った。
その白夜の顔は夕日のせいなのか分からないが、普段より赤くなっている気がした。
令『今白夜の心拍数が高くなったままで、好感度も少し上がった。
この調子で告白をすれば流石の白夜も落とせるかもしれない。』
万「ん。
今を逃したらもうチャンスがないだろうし、やってみる。」
インカムから聞こえた令音の報告に心を決めて、白夜がいる手摺の近くに近づいた。
白夜は、夕日の方を見てぼーとしていた。
万「白夜、大事な話があるんだけど聞いてくれる?」
「ん、ああいいぞ。」
そういうと、白夜は真剣な顔でこちらを向いた。
私もその顔を見た後、軽く深呼吸をして呼吸を整えた。
万「私、士道たちの監視をしながら白夜と一緒に過ごしてるうちに段々白夜のことが気になって、頭から離れなくなっていって、役目があるから意識しないようにしてたけど。
それで無意識のうちに私がいなくなった後、白夜と変わらずにずっと一緒にいられるみんなのことがうらやましかったんだと思う。
その思いが原因でケルビエルが暴走したんだと思う。
だから白夜に救ってもらった後、そのことについて私ずっと考えた。」
そこまで言って言葉を区切り、白夜の目をしっかりと見た。
白夜は、さっきと同じで真剣な顔のまま聞いていた。
万「考えて分かったの。
私は白夜のことが好き、白夜のことを心から愛してる。
だから、白夜が私のこと好きだと思ってなくてもいい、でも今誰も好きな人がいないなら試しでもいいから私と付き合ってください。」
そういって、白夜に向かって頭を下げ右手を突き出した。
白夜の返事を待っていると、インカムから令音の声が聞こえて来た。
令『今、白夜の好感度が大きく変動した。』
令音がそう言った後、何かを続けて言おうとしたが、それを白夜の言葉が遮った。
「悪いが万由里、断る。」
白夜の言葉に優しさが入っているように感じたが、それが私に対する罪悪感から来ているように感じて余計に私の冷静さを奪った。
万(振られた。
それに好感度が変動したってことは、嫌われた。)
そう考えると、視界が少しぼやけた。
目元に涙が溜まっているのが分かった。
それを白夜に気づかれないように頭を上げても俯いて顔を白夜に見せないようにした。
インカムから琴里たちが何か言っている声が聞こえるが、何を言っているのかまるで頭に入ってこない。
それ以上に自分が今何をしていいのか分からず、ただ必死に涙がこぼれないようにこらえてながら白夜に話すしか出来なかった。
万「そうよね。
好きでもないのに付き合うなんてできないわよね。」
その声は、涙がこぼれないよにこらえているせいか震えているのが自分でもよく分かったが、普通に話すことが出来なかった。
そして、白夜に嫌われたことが何よりも悲しく、そのせいで白夜が今どんな顔をしているのか見るのがとても怖く今すぐにでもここから離れたくてしょうがなかった。
万(嫌われた。
これまでみたいに一緒にご飯食べたり、一緒に寝たり、一緒に買い物したり出来なくなるのかな。)
思考が悪循環し、どんどん不安なことを考えてしまってさらに涙がこぼれそうになるが必死にこらえた。
万(今泣いたら、白夜に面倒くさい女と思われてさらに嫌わるかもしれない。)
その考えで、涙がこぼれそうなのを必死に抑える。
万(今ならまだ、これまでのような生活は出来なくても友達くらいではいられるかな。)
万「ねえ白夜、付き合うのは無理でもこれから友達としてやっていくのは出来るかな。」
「それこそ無理な話だ。」
万「!?」
万(もう、完全に嫌われたんだ。)
その考えに行きついて、何も考えられなくなりただひたすらに泣くのを我慢し続けるしか出来なかった。
すると、周りから何かが壊れる音や地面に揺れる音がが聞こえて来た。
それが自分の霊力が暴走して起きていることだと気づき自分の腕で体を抱きしめて、暴走を抑えようとするがまるで収まらない。
万(お願い、収まってこのままだとさらに嫌われる。)
これ以上白夜に嫌われたくない一心で抑えようとするがまるで収まる気配がない。
そんなことを考えていると、白夜が話しかけて来た。
「万由里、俺も大事な話がある。」
万「!?」
「俺は。」
万「いや、聞きたくない。」
白夜の言葉にさらに拒絶されると思い、白夜の言葉を途中で遮った。
「万由里、話を聞いてくれ。」
万「いや、聞きたくない。」
白夜がそう言いながら私の両肩を掴んできた。
「頼むから聞いてくれ。」
万「いや、いや。」
そういって、白夜の話を聞かないように抵抗していると、白夜は私の肩から手を放して両手で優しく私の左右の頬に触れて、白夜と目が合うように顔を上げさせられた。
万「お願い、放し。」
私が、白夜に手を放すように言おうとすると、白夜は自分の唇で私の口をふさいだ。
万(え!?)
その行為で思考が完全に停止した。
少しの間、そうしてから白夜が唇を放した。
「これで、少しは落ち着いたか?」
万「・・・。」
「ありゃ、思考が完全に停止してるなこれ。」
白夜は、私の目の前で手を振っているが、私にはその行為に反応する余裕がなかった。
万(白夜にキスされた。
なんで?どうして?)
「まあいいや。
これで話は聞いてくれるだろうし。」
万「話って何?
それに何で?」
私が、何が何だか分からないでいると白夜が真剣な顔をして話始めた。
「万由里、俺はお前とお試しとかそんな感覚で付き合う気はさらさらない。
俺は万由里が好きだ。
いや、万由里のことを心の底から愛してる。
だから、俺とこれからずっと俺と一緒にいて欲しい。
俺と結婚を前提に付き合ってください。」
白夜はそういうと、先ほど私がしたように右手を突き出して頭を下げた。
そこでようやく私の勘違いであることが分かり、そしてそれ以上に嬉しくて、先ほどまで我慢していた涙がこぼれた。
左手で流れる涙を拭きながら、右手で突き出されている白夜の右手を取った。
万「はい、不束者ですが、よろしくお願いします。」