愛した人を求めて   作:白夜132

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いつも投稿遅くてすみません。
これからも読んでください。


第28話

白夜side

 

朝、いつものように目が覚めた。

 

(今日で、終わりか。)

 

隣で、まだ寝ている万由里を見ながらそんなことを考えていた。

少し見ていると、万由里が目を覚ました。

 

「おはよ。

最後の日なのに、そんなにゆっくり寝てていいのか?」

 

万由里は、少し眠たそうに目を擦りながら返事を返してきた。

 

万「おはよ。

あんたが、起きるのが早いだけよ。」

「そうか。

まあいいや、朝食を食べて士道と十香のデートを見に行くぞ。」

万「ん。じゃあ、朝食作ってくるわ。」

「ああ、よろしく。」

 

万由里が、ベットから降りて部屋を出て行った。

 

(さて、俺も準備をしますかね。)

 

準備を終わらせてリビングに降りると、万由里が朝食をテーブルに運んでいる途中だった。

 

万「遅かったわね。

あんたこそ、ゆっくりしていていいの?」

「準備に思った以上に時間がかかっただけさ。」

万「準備?

そんなに時間かけて何してたの?」

「何、万由里が気にすることじゃないさ。」

万「・・・そ。」

 

万由里は、少し気になったのか少し黙った後、返事を返してきた。

 

「まあ、早く食べて行こう。」

万「そうね。」

 

万由里と朝食を食べた後、士道と十香のデートの待ち合わせ場所に向かった。

待ち合わせ場所に着くと十香が一人で待っていた。

 

「さて、今回はどんな変わったデートになるかな。」

万「まだ、始まってないのに何言ってんのよ。」

「精霊のデートが普通だったことが無かったし。」

万「まあ、そうなんだけど。」

 

万由里が、何とも言えないことを顔をしていた。

すると、士道がやって来た。

 

「どうやら主役が来たみたいだ。」

万「そのようね。」

「じゃあ、監視をしますか。」

万「ん。」

 

士道と十香について行った。

 

フラクシナスside

 

幹「十香ちゃんのデート開始しました。」

琴「推測通りなら、十香のデートが終われば、見えない球体は霊力を失い完全に消え失せるそうよね。」

令「ああ、これまでの観測結果からすれば、そうなる可能性が高い。」

川「いろいろ調査をしてみましたが、球体の件は、結局分からずじまいでしたね。」

恭「本音を言えば正体を把握しておきたいところでしたが。」

 

白夜side

 

士道と十香は、天宮仲見世商店街に来ていた。

 

「こうなると思ったよ。」

万「まあ、十香のデートならこうなるとは予想してたけど。」

「やっぱり精霊のデートは変わってるな。」

万「そういう白夜は、まともなデート出来るの?」

「さあな、したことがないから分からない。」

万「そ。

じゃあ、あんたも変わっているかもしれないね。」

「そうだな。

それより、あれに付き合える士道はどうなんだ?」

万「ある意味士道が一番変わってるんじゃない。」

「かもしれないな。」

 

それから、士道と十香がいろいろ食べ歩いてるのを見ながら監視を続けた。

士道と十香が、カレーの店に入ったので俺たちも入った。

 

「ついでだし、ここで昼を食べていくか。」

万「そうね。

でも、どこに座るの?」

「士道たちの隣でいいだろ。」

万「随分と大胆なところに座るのね。」

「どうせ気づかれないからな。」

万「そ。」

 

そんな話をした後、万由里と士道たちの隣の席に座った。

その後、注文をした品が来た。

万由里が、十香と同じカツカレーで、俺がフライドチキンカレーだった。

 

「じゃあ、食べるか。」

万「ええ、いただきます。」

 

カレーを食べていると、隣の士道と十香は、トッピングの交換をしていた。

それを、見ていた万由里が。

 

万「私たちも、トッピング交換しない?」

「ああ、別にいいぞ。

でも、どうしたんだ?

もしかして、デート見たいなことしてみたかったのか?」

 

からかうような質問に万由里は、何も言い返せないようだった。

 

万「デート見たいなっていうより、ただ、トッピングの交換をして見たかっただけ。」

「ふーん。

でも、珍しいな。

自分からやりたいことを言うなんて、どうしたんだ?」

万「今日が最後だから、少しは欲を言ってもいいかなって思っただけ。」

「そうか。

なら、他にしたいことがあったら出来るだけ言うんだな。」

万「ん。」

 

万由里は、少し恥ずかしそうに顔を赤らめた。

その後、特に何事もなくカレーを食べ終わって店をでた。

そして、士道たちは、きな粉パンを買って、高台の公園に上がっていった。

 

「さて、どうせデートはここまでだ。

この様子だと、問題は何一つないんだろ。」

万「ええ、問題なく終わるわ。」

「そうか。

なら、霊術を解いたからあいつらに説明してきな、どうせ他の奴らもどこかで見てる。」

万「あんたは、来ないの?」

「俺が行く必要はないだろ。

それに、まだ姿を見せる気分じゃないからな。」

万「そ。

じゃあ、ここでお別れってことね。

さようなら。」

 

万由里は、無表情のつもりなのだろうが、その顔からは少し寂しさが感じられた。

 

「ああ、さようならだな。」

 

そういうと、万由里は士道たちの後を追っていった。

 

万由里side

 

白夜と別れて士道と十香の前に来た。

 

万「五河士道、あんたに話がある。」

 

十香は見えていないため、士道だけが反応し、十香に待つように言うとこっちに来た。

 

士「君は、誰なんだ?

どうして、十香に姿が見えないんだ?」

万「おめでとう。

どうやら私と雷霆聖堂(ケルビエル)の出番はないみたい。」

士「ケルビエル?

あれは、君の!

教えてくれ君は、なんなんだ?

俺に何の用があったんだ?」

万「私は万由里、雷霆聖堂(ケルビエル)の管理人格。

一つの場所に霊力が一定以上集約された時、私は自動的に生まれる。

器がそれに、値するか確かめるために。」

士「器、俺のことか?」

 

士道の問いに頷いて答える。

 

万「正確には、天宮市がそう。

あんたと隼斗、一姫、そして白夜が集まったことが原因。」

 

士道は、それを聞いて驚いていた。

 

士「やっぱり、白夜もかかわっていたのか。」

 

その問いにも頷いて答える。

 

万「現時点において、システム発動の必要はないと判断したわ。

私とケルビエルの役目は終わった。」

士「役目が終わった。」

万「そ。

後は、存在の構成を分解し、無に変えるだけ。」

 

それを聞くと士道はとても驚いた顔をした。

 

士「な、なんだよそれ!

どうして、そんな?」

万「どうしてって言われてもね。

判断が終われば消滅する。

私は、そういうふうに出来てるただ、それだけよ。」

 

私の着ていた制服が金色の粒子になって消えていった。

 

万(ただ、なんでかな。

最後に、白夜の顔をもう一度見たかった。)

士「まて、万由里。」

 

呼び止めようとする士道の声を遮って、私の後ろから二対四枚の翼が出てきて私を包んだ。

翼が開いた時、私は黒いワンピースに金色の膝のところにライオンの顔があり、踵の部分が歯車のブーツ、そして背中に翼がある霊装を纏って、空に浮いた。

 

万「さよなら、士道。」

 

士道に別れの挨拶をした後、後ろが光始めた。

 

士道side

 

万「ん、あ!」

士「あ!」

 

後ろを見ると、球体がいろんな色に変わりながら光った後、黒くなった後に小さくなった。

小さくなった黒い球体から、機械のようなしっぽと二対四枚の翼が生えた。

 

万「ケルビエル、なんで!?」

 

球体に、緑の正六角形の穴が出来て、その中心にエネルギーのような物が溜まっていった。

エネルギーが溜まった後、高台の公園に向かって雷が放たれた。

私は、衝撃で士道の後ろに落ちた。

煙が晴れると士道を守るように半精霊化した十香と四糸乃、そして隼斗と一姫がいた。

どうやら、みんな十香のデートを見ていたようだ。

 

十「いったい、どうなっているんだ。

それに突然出てきたその女は誰だ?」

士「説明できるかどうかわからんが後で詳しく話す。」

隼「俺も離れたところで聞いてたから付き合うぞ。」

一「私も、説明します。

それとまた、来ます。」

 

次は、球体にたくさんの目が出来て四方に霊力弾を大量に打ち出した。

それを、一姫や四糸乃たちが防いだが、町の方にも被害が出ていた。

上空にフラクシナスが現れた後、何かの機会が数機ケルビエルの下を回った後、ケルビエルの下に魔法陣が出来てケルビエルを空高くに飛ばした。

 

隼「守っているだけじゃきりがないな。

攻撃してくるか。」

十「私も行くぞ。」

四「私も行きます。」

士「みんな、気をつけろよ。」

 

十香たちがケルビエルに向かって飛んで行った。

 

一「では、私は士道さんを守ります。」

士「ああ、すまん、一姫。」

万「ケルビエルなぜ?

器は資格を得ているそれなのになぜ?」

 

上空では、ケルビエルと精霊たちが戦っている。

十香と四糸乃は、天使で離れたところから攻撃するもまるできいていない。

隼斗も、火の玉などを放って攻撃するもきいていない。

ケルビエルは、雷のような攻撃をするが避けられて当たらないため、埒が明かない。

そこにフラクシナスが来て、ケルビエルに砲撃を撃ち込むが、翼で防がれて傷一つつけられない。

ケルビエルからピンク色の球体が、万由里の上に落ちて来たが、考え事をしているのか、真上に来るまで気づかなかった。

球体から翼が生えて、万由里を包んで開いたと思うと、万由里が鳥かごの中に閉じ込められていた。

 

一「放しなさい。」

 

一姫が、鳥かごを壊そうと炎の攻撃をするも、鳥かごの上に着いた球体から生えている翼に防がれた。

鳥かごは、ケルビエルに向かって飛んで行った。

その途中、万由里は悲鳴を上げていた。

 

万「きゃあぁ!」

士「万由里!」

 

鳥かごは、ケルビエルの下にくっついた。

 

万由里side

 

万「ケルビエル、何を!?」

 

ケルビエルの攻撃力が先ほどよりも増した。

 

万「やめなさい!

もう、やめて、ケルビエル!

どうして、こんな?

あの子たちの心は安定しているはず。

はっ!この感情は?」

 

フラクシナスside

 

幹「天使、精霊らしき少女を取り込みました。」

椎「霊力レベルさらに上昇。」

川「攻撃力も増しています。」

琴「どういうことなの?

そもそも、十香のデートはうまくいっていたはずよ。

なのに、なぜこんなことに。」

箕「指令、霊波の波長に変化が。」

中「十香ちゃんたちの物とは別に、最初に観測したような波長が発生しています。

それと、もう一つ白夜君の波長も発生しています。」

琴「まさか。」

 

万由里side

 

万「これは、あの子たちの物じゃない。

これは、私自身の!

それに、どうして白夜のまで。」

 

フラクシナスside

 

令「嫉妬。

あの精霊自身も予期しなかった感情が天使を暴走させているようだね。」

琴「じゃあ、あの子も士道を?」

令「いや、それはわからない。

彼女が、何に対して嫉妬しているのかはわからない。」

琴「でも、なんで白夜まで。

白夜の霊力は、消えかかっていたんじゃないの?」

令「それは、彼が故意にやったのだろうね。

ストレスを精神力で抑え込んで消えたと思わせていたんだろうね。」

琴「なんで、そんなことを!?」

令「それは、私には分からないさ。」

箕「し、指令、さらにもう一つ強大な霊力の反応が現れました。」

琴「今度は、なによ。」

中「この霊波の波長は、白夜君です。」

琴「な!?」

 

するとモニターの音声から白夜の声が聞こえてきた。

 

「全員、下がってろ。」

 

白夜side

 

万由里を取り込んだケルビエルから少し離れたところに浮いて全員に下がるように言った。

 

隼「白夜、どういうつもりだ。

下がれっていったい何を考えている?」

十「そうだぞ。

あいつは、硬くてまともな攻撃は通らないぞ。」

「ああ、分かってる。

だから、俺が一人でやる。」

 

そういった後、隼斗たちを全員フラクシナスの指令室に空間転移で飛ばした。

その後、異空間から一本の金色の槍を取り出した。

槍の見た目は、問題児たちが異世界から来るそうですよ?に出てくるインドラの槍だ。

 

「さて、久しぶりに出したな。

昔、作ったのはいいが使わないから封印して放置してたからな。」

 

槍を手にして、ケルビエルに向き合った。

 

「悪いが付き合ってもらうぞ、ケルビエル。

俺の自己満足の我がままに。」

 

そして、額に銀色の模様が浮かび魔神化した。

 




今回は、視点がころころ変わって読みにくかったかもしれませんが、次からも読んでくれると嬉しいです。

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