愛した人を求めて   作:白夜132

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投稿遅くなってすみません。
これからも読んでくれると嬉しいです。



第26話

士道side

 

隼斗と一姫の三人で料理を作っている時。

 

士「一姫はともかく、隼人も料理上手かったんだな。」

隼「ああ、家でいつも作ってるからそれなりにな。」

士「でも、学校ではいつもパン買ってるのはなんでだ?」

隼「いつも自分の料理だと飽きるからな。」

士「そういうもんか。」

一「兄さんも似た様なこと言ってました。」

 

一姫が思い出したように言った言葉に隼人は。

 

隼「白夜と同じ扱いはされたくないんだがな。」

 

隼斗が少し複雑そうな顔で答えた。

 

士「あはは。

そういえば、白夜も料理するんだな。」

一「ええ、するのはすんですが。」

 

一姫が、苦い顔をして返してきた。

 

士「ん?まさか、あんまりうまくないのか?」

一「いえ、その逆で上手すぎるんです。」

隼「料理までうまいとなると非の打ち所がないな。」

士「でも、それだとなんでそんな苦い顔してるんだ?」

一「料理を食べた後、自分が今までの努力が何だったのか分からなくなっただけです。」

 

一姫が何か遠くの物を見るような目をして答えた。

それを見て俺と隼斗は、どれだけ美味かったのだろうと思いながら苦笑いを浮かべた。

 

士「じゃあなんで白夜の弁当を作ってるんだ?」

一「兄さんに頼まれたのと料理の練習のためです。

食べてもらって味付けの工夫などを聞いています。」

隼「料理はこれまで通り頑張ってるんだな。」

一「私が兄さんに勝てる可能性があるのはそれくらいだから。」

士「なんで白夜に勝つ必要があるんだ?」

 

一姫が少し暗い顔で下を向きながら答えた。

 

一「兄さんは、本気の勝負で負けることを望んでいるんです。」

隼「どうしてそんな?」

 

隼斗は、首をかしげながら聞き返した。

一「兄さんは、今まであらゆる分野で一度も負けたことがないんです。

だから兄さんは、何か一つでも自分より上の存在が現れるのに期待してるんです。」

隼「勝過ぎて負けを知りたいか、俺にはわからないな。」

士「俺もだ。」

一「私は子どもの時ずっと一緒だったから少しはわかります。

常に勝ち続けることがとても孤独なことみたいですから。」

 

一姫の言葉で白夜の気持ちを考え暗い雰囲気になった。

 

士「まあ暗い話はもうやめようぜ。」

隼「それもそうだな。」

士「そういえば、隼斗は明日どうするんだ?」

 

隼斗に話を振ったが、隼斗は困った顔をして答えた。

 

隼「それなんだが、俺もストレスの解消するのどうしたらいいのか分からないんだよな。」

士「それで大丈夫なのか。」

隼「まあ、後で令音さんと話して考えるさ。」

士「まあ、頑張れよ。」

隼「おう。」

一「料理たくさん作ったので、そろそろ食べますか?」

 

一姫が作っていた料理をさらに盛り付けながら聞いてきた。

作った料理を見るとそれなりの量があった。

 

士「確かにこれなら足りるだろうから、食べ始めるか。」

隼「そうだな。」

一「分かりました。」

 

それから三人で料理をテーブルに運んだ。

 

十「お、出来たのかシドウ?」

士「ああ、出来たぞ。」

琴「遅いわよ。」

士「結構作ってたからしょうがないだろ。」

隼「まあ、これだけ作れば足りるだろ。」

琴「そう、じゃあ食べましょう。」

 

それから料理を食べた後解散になった。

 

隼斗side

 

士道の家を出た後

 

隼「令音さん、明日のことについて少し話したいんですがいいですか?」

令「ああ、構わないよ。

場所はフラクシナスでいいかい?」

隼「はい、大丈夫です。」

 

いつものようにフラクシナスに回収されて指令室で話始めた。

 

令「で何が聞きたいんだい?」

隼「ストレスを解消するのにどうしたらいいかと思って。」

令「そうか。

なら球体の霊力量を少し見てみようか。」

 

令音がモニターを見ながら機械を少し操作した

 

令「どうやら今日の一姫のストレス解消で君のストレスもそれなりに解消されたみたいだね。

球体の霊力から君の霊力も少なくなっている。」

隼「つまり、今日みたいにみんなでどこかに遊びに行けばいいってことですか。」

令「ああ、それで大丈夫だろう。」

隼「分かりました。

じゃあ、遊びに行く場所考えておきます。」

令「ああ、じゃあまた明日。」

 

話が終わった後、家に帰った。

 

白夜side

 

監視を終了した後、イヤリングの玉の色が白色に変わったが気にせずに、いつものように風呂に入っていた。

 

「後十香と隼斗の二人か。」

万「そうね。」

 

少し考えた後、意を決して聞いた。

 

「なあ万由里、お前はこのまま消えることについてどう考えてるんだ?」

 

万由里は、目を見開いてとても驚いた顔をした後、暗い顔をしながら顔を反らして答えた。

 

万「私は、役目を終えれば消える存在よ。

消えることに対して思うことなんてないわ。」

 

答えている途中で顔をこちらに向けてきた。

その顔は先ほど見せた暗い表情はなく無表情だったが、どことなく悲しさが伝わって来た。

 

「そうか。

ならいいんだ。」

万「そ。」

(万由里、お前はそういうやつだったな。

これで俺のやることが決まったな。)

「さて、こんな暗い話はやめようか。」

万「あんたから始めたんでしょ。」

 

万由里の表情が無表情から少し楽しそうになった。

 

「まあそれはともかく、今日の勝負はどうするんだ?」

万「ん~、どうしようかな。」

 

万由里は少し考えた後。

 

万「じゃあ、明日の天気を当てるってのはどう。」

「別にいいぞ。」

万「じゃあ、降るか降らないかの二択にする?」

「晴れ、曇り、雨の三択でいいんじゃないか。」

万「じゃあ、そうしましょ。

で同じ選択を選んだら引き分け?」

「ああ、それでいい。

それじゃあ、ハンデで二つ選んでいいぞ。」

万「このルールでハンデをくれるなんて余裕そうね。

じゃあ、雨と曇りで。」

「俺は、晴れにするよ。

俺と勝負する上でハンデは必要だからな。」

万「相変わらずすごい自信ね。」

「まあ、負けたことないから。」

万(今日帰りにたまたま見た天気予報では、明日は雨ってことだったし、ちょうど今は梅雨の時期だからかなりの確率で勝てるかも。)

 

その後風呂から上がって少し話した後、いつものように寝た。

次の日、天気は晴れだった


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