愛した人を求めて   作:白夜132

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投稿遅くなってすみません。


第23話

白夜side

 

朝、目が覚めると万由里がベットにいた。

 

「なんだ、結局ここで寝たのか。」

 

万由里の肩に手を置き揺すった。

 

「万由里、朝だぞ起きなくていいのか?」

万「ん、ん~。」

 

万由里は、目を少し開けると目をこすりながら体を起こした。

 

「おはよう。

眠そうだな。」

万「おはよ。

だいたい寝起きはこんなものじゃない。」

「そうか。

でもなんで一緒に寝てたんだ?」

万「ソファーで寝ようと思ったんだけど寝れなかったから、監視しようと思ってきたんだけど寝てるあんた見てると眠くなって下に行くのも面倒だからここで寝ただけ。」

「そうか。

じゃあ、さっさと朝食食べますか。」

万「そうね。

朝食は、私が作ればいいの?」

「ああ、そうしてくれ。

その間に四糸乃のデートの集合場所と時間を調べておくさ。」

万「そんな簡単に調べられるの?」

「まあ、予定が決まってるなら簡単だ。」

万「もしかして、霊術を使うの?」

「よくわかったな。」

万「前から思ってたけど、なんでそんなに霊術って便利なの?」

「霊術が作られた理由の一つだからな。」

万「どんな理由があればそこまで便利になるわけ。」

「あらゆることを可能にする万能の術を作ることだ。」

万「理由もすごいけど、実際に作れたことがすごいわね。」

「まあ、そんな理由だから霊術をすべて使えるようになればできないことはない。」

万「あんたに隠し事はできないと考えた方がいいわけね。」

「なんだ、隠し事があるのか。

まあ、だいたいの隠し事は、霊術を使わなくてもわかるがな。」

万「私の隠し事について詮索したらシステムを発動案件とみなすから。」

「詮索する気はないが、随分隠そうとするんだな。

それとシステムを私的な理由で発動していいのか?」

万「人の秘密を自分勝手に詮索するのは、システム発動案件に入ると思うけど。

まあいいわ、それで朝食は、簡単なものでいい?」

「ごもっともで。

まあ、俺は他人に興味を持たないから詮索なんてしないがな。

ああ、好きなものを作ればいいさ。」

万「少しは他人に興味を持った方がいいと思うけど。

じゃあ、少し待ってて。」

「分かった。」

 

返事を聞いた後、万由里は寝室から先に出て行った。

 

「俺は、リビングに行きますかね。」

(それにしても、万由里は何を隠してるんだ?)

 

その後、朝食を食べ終わった後

 

「四糸乃とのデートの場所は、調べといた。」

万「分かったわ。

そういえば、どうやって監視するの?」

「?どうやっても何も見えなくすればいいだろ。」

万「姿を消せるのは予想してたけど、それだと私からも見えなくならない?」

「ああ、そんなことか。

姿を消す霊術を俺と万由里を一つの物としてかければお互いは見えるが、それ以外の人には見えなくなる。」

万「そ。」

「そろそろ士道が、待ち合わせ場所に行く時間だ。

俺たちも出るとしよう。」

万「そ。

あんたはその格好で行くの?」

 

白夜は、寝るときに着ている半袖長ズボンの甚平に着物を羽織った姿だった。

 

「そうだけど。

動きやすいし、風通しがいいから熱くない。

それに直射日光もほとんど当たらないしな。

そういう万由里もいつもの制服じゃないか。」

万「私は、これしか外で着る服ないから。」

「欲しいなら服作るけど、どうする?」

万「いいわ。

役目を終えれば消えるだけだもの。

そろそろ行きましょ。」

「そうか。

じゃあ、霊術かけるから手少し握ってくれ。」

 

そういいながら、手を万由里の方に出した。

 

万「別にいいけど、どうして?」

 

答えながら万由里は、出された手を握った。

 

「体のどこかに触れていた方が霊術をかけやすいからな。」

万「触れてなくても霊術かけられるの?」

「出来るが、いろいろ改変しないといけないから面倒なんだ。

よし、かけたから行くぞ。」

 

それから移動して神社についた。

 

「ちょうど士道も来たようだ。」

 

士道がちょうど神社について四糸乃と会ったところだった。

それから四糸乃と一緒にお参りした後、神社で遊び始めた。

白夜たちは離れた場所で見ていた。

 

「楽しそうだなー。」

万「確かに楽しそうね。」

「でもなんか子どもの遊びを隠れて見守ってる気分なんだが。」

万「確かにデートを隠れて見てるって感じじゃないけど。」

「とてもほのぼのするなー。」

 

少しすると士道たちがおみくじのところに移動した。

 

「おみくじ引くみたいだな。」

万「そのようね。」

「おみくじ引いてみないか?」

万「私はどっちでもいいわ。」

「じゃあ後で引いてみるか。」

 

士道たちが、おみくじを引き終わり近くのベンチに移動し座った。

 

「じゃあ今のうちに引きますか。」

万「ん。」

 

二人がおみくじを取った後、おみくじを開いた。

 

「俺は、大吉だな。」

万「私も大吉。」

「ここ大吉多くないか?

四糸乃とよしのんも大吉だったけど。」

万「確かに多いわね。

それで大凶引く士道って意外と強運なのかもね。」

「凶運の間違いじゃないのか。」

万「まあ運がいいようには見えないしね。」

「まあ士道だからな。」

 

それからしばらくたち日が暮れ始めると士道と四糸乃は手をつないで帰っていった。

 

「帰ったな。」

万「そのようね。」

「俺たちも帰りますか。」

万「ん。」

 

万由里と話して帰ろうとした時、万由里のイヤリングについている球体の色が水色に変わった。

 

「もしかして、そのイヤリングってストレス解消したら色変わるのか?」

万「そ。

でも対して気にすることじゃないわ。」

「そうか。

じゃあ、さっさと帰ってご飯食べるか。」

万「どうせ作るのは私でしょ。」

「よろしくね。」

 

そして白夜たちは家に帰った。

 

フラクシナスside

令「球体の様子は?」

川「異変はありません。」

箕「四糸乃に酷似した波長は軒並みレベルダウンしています。」

中「次は指令の番ですね。」

琴「ん、な、何?」

恭「いや~気になりますよ~。

指令が士道君とどんなデートをするのか。

今我々の会話といえばそのことばかりですからね~。

指令のデートの場所を当てるブックメーカーもいるほどで。」

琴「人に断りもなく賭け事にしない!

すぐに解散させなさい!」

 

そういって琴里は神無月の脛を蹴った。

 

恭「弁慶!

処置しました。」

 

神無月は蹴られた足を高く上げた後、後ろに倒れた。

琴里は椅子に座って顔を赤らめて上を向いて

 

琴「明日か~。」

 

と呟いた。

 

万由里side

晩御飯を食べた後、また白夜とお風呂に入っている。

 

「はあ~、いい湯だな~。」

万「ジジ臭いわよ。」

「酷いなー。

まあいいや、風呂から上がったら何しようかなー。」

万「寝ればいいんじゃない。」

「今日はそんなに眠くないんだよ。」

万「そういえば、白夜はテレビ見たりしないの?」

「アニメくらいしか見ないな。」

万「どうして?」

「ドラマよりアニメの方が面白いし、それにミステリー系のドラマは、謎がすぐ解けるから面白くないんだよなー。」

万「天気予報とかは見ないの?」

「天気が晴れようが雨が降ろうが興味ないからなー。」

万「傘を持って行くとかで関係あるでしょ。」

「霊力でバリアー張れば傘より便利だから。」

万「まあそうなんだけど。

そう考えると白夜にとってテレビって必要ないわね。」

「おかげで暇が多いけどな。」

万「天才にしかわからない苦悩ね。」

「万由里、風呂上りになんか勝負しようぜ。」

万「別にいいけど、何するの?」

「万由里が好きなの選んで。」

万「なんで私が選ぶの?」

「何選んでも結局勝つのは俺だから。」

万「ん。

本当に何選んでも勝てるの?」

「ああ、勝つ可能性が0でないなら絶対にな。」

万(事実なんだろうけど、実際に言われるとなんかムカつく。)

万「そ。

ならチェスであんたは目隠ししてやりましょ。」

「別にいいけど、そんな簡単なのでいいの?」

万「ん。」

「あっそ。」

万「簡単って言ったからには負けたら何かしてくれるの?」

「そうだな。

じゃあ、これから先万由里との勝負で負けたら一回だけなんでも言うこと聞いてやる。」

万「随分大きく出たわね。

ちなみになんでもってどれくらいまでいいの?」

「制限なんてないさ。

世界征服や自殺しろや、性的なことだろうがすべて実行してやる。」

万「世界征服とか本当にできそうで怖いわ。」

「まあ、そもそも勝てたらだけどな。」

万「一回目で負けたら笑いものね。」

「大丈夫負けないから。

じゃあ、先に上がって準備してる。」

 

そういって白夜は上がった。

 

万(ああは言ったけど、流石に今日は勝てないだろうなー。

役目を終える前に一回は勝ちたいなー。

勝てたら何命令しようかなー。)

 

それからしばらく何を命令するか考えて風呂から上がった。

白夜に作ってもらった白いワンピースを着てリビングに行くとテーブルの上にチェスの準備をし、椅子に座った白夜がいた。

 

万「待たせた?」

 

私は白夜の反対側の椅子に座った。

 

「で目隠しって言ったが視力を使わなければいいんだろ。」

万「ん。

じゃあ目隠しして始めましょ。」

 

白夜は、適当な布で目隠しをした。

 

万「私が先手でいいの?」

「ああ、先手の方がいいんだろ。」

万「じゃあ、好きにやるわね。」

 

そういってコマを動かした。

 

万「次あなたの番よ。」

「予想はしてたけど、本当に棋譜言わないとは。」

万「棋譜を言うなんて言ってないわ。」

 

そういって少し微笑んだ。

 

万(さて、どう対処してくるかな。)

 

少し警戒して白夜を見ていると前にチェスした時のように普通にコマを動かした。

 

万(適当に動かしたのかな?)

 

それからしばらくコマを動かして最初と同じように教えて白夜がコマを動かすを繰り返した。

 

「チェックメイト。

俺の勝だな。」

 

白夜は目隠しを外しながら言った。

 

万「嘘なんで?

コマの位置どうやって分かったの?

まさか霊術で布をすかしたりした。」

「まさか、霊力なんて使ってないさ。」

万「じゃあ、どうやってコマの位置分かったの?」

「音の反響を利用しただけさ。」

万「まさか、音の反響でコマがどこにあるか認識したってこと?」

「そうだけど。」

万「そんなことまで出来るのね。」

万(コマの位置がわかるなら勝てないか。)

「別に大したことじゃないさ。」

万「普通の人にはそんなことできないわよ。」

「いや、出来るよ。」

万「え?

どういうこと?」

「一般人でも音の反射を聞き分ける訓練をすればすぐにできるようになるってこと。

まあ、そんな訓練しなくても目で見ればいいから誰もやらないだけ。」

万「白夜は訓練したの?」

「ああ、暇だったから。」

万「相当暇だったみたいね。」

「まあな、でまだやるか?」

万「今日はもういいわ。」

「そうか。

ならもう寝ようか。」

万「ん。」

「今日も一緒に寝るか?」

万「そうする。」

「そうか。」

 

それから二人で寝室に行きベットに入った。

 

「なんでこっち向いてるんだ?」

万「特に理由はないわ。」

「そ。

じゃあ、おやすみ。」

 

それだけ言うとすぐに白夜は眠った。

そしてまた抱き着いてきた。

今回は、白夜が近寄って来たので白夜の胸の辺りが顔のすぐ目の前に来る形で抱きしめられた。

万(やっぱり恥ずかしいけど、落ち着くなー。

白夜からやってくることだから問題ないよね。)

それから少しして万由里も眠りについた。


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