愛した人を求めて   作:白夜132

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投稿遅くなってすみません。
今回大分長いですが最後まで読んでくれると嬉しいです。


第22話

士道side

朝起きてカーテンを開ける

 

士「え?、え!?」

 

空に大きな球体が浮いていた。

目をこすってもう一度見ても何も変わらなかった。

少しすると琴里がドアを開けて入ってきた。

 

琴「お兄ちゃーん、朝だよー。

あれ、もう起きてる。」

士「琴里あれ、あれ見ろ!」

 

球体を指さし琴里に見るように言った。

 

琴「あれー?

何が?」

士「何がって。」

 

それからフラクシナスに移動した。

フラクシナスで調査を始めた。

士道と琴里の他に、一姫と隼斗もいた。

 

琴「それじゃあ、あなたたちには、この辺に大きな球体が見えているってわけね。」

士「ああ。」

隼「同じく。」

一「私も、同じですわ。」

恭「この船のようにインビジブルをかけて見えなくしているのでしょうか?」

琴「だとしたら、この三人にだけ見えるのは、おかしいでしょ。」

中「解析結果出ました。」

川「確かに、その座標から球形に放出される微弱な霊波が観測されています。」

琴「本当にあるのね。」

箕「確認できたの霊波だけなので、物体の有無は断言できませんが。」

椎「なんらかのエネルギーが、そこに集まっているのは間違いないかと。」

琴「まさか、新しい精霊?」

令「いや、これは、一見複雑な波長をしているが、要素を分解してみると、十香や四糸乃、一姫、隼斗そして琴里。

一つ一つは、今までシンたちに関わってきた霊力を持った人や精霊の霊波に酷似している。」

琴「なんですって!」

フ員2「近似率99.6%解析官の言われる通りです。」

令「球体は、琴里君たちの霊力でできている可能性がある。」

琴「私たちの?」

恭「なんだー、全部指令のいたずらだったんですか。

もーうー人騒がせなんですからー」

 

神無月は、そういいながら琴里の頭を指で突っついた。

琴里は、その指を反らした。

反らされたことで、神無月の手からゴッキと鈍い音がした。

 

恭「ひーー。

地味なのありがとうございます。」

一「私たちは、何かした覚えはありませんが。」

隼「俺もないな。」

令「これは私の推測だが、球体は精霊たちの無意識の表れなのかもしれない。」

琴「どういうことよ?」

令「つまり、君たちの抱いている何らかの感情が形となったのではないかということさ。

例えば。」

椎「嫉妬。」

琴「行き成り何よ!椎崎!」

椎「すいません、でも指令や精霊のみんなは、心のどこかで士道君を独占したいんじゃないかって。」

箕「分かる。

独り占めしたい願望、近づきたいのに近づけない切なさ。」

琴「箕輪、悪い癖出そうとしない!」

川「しかし、ストレスというのは無意識に抱えているものですからね。

私もある日突然妻が、家財道具一切とともに消え失せてしまったという苦い経験が。」

琴「川越、あんたの離婚話はいいから!」

中「精霊同士仲良くしていても、全くないとは言い切れないじゃないですかね。

みんな士道くんを好きなわけですし。」

琴「う、じゃあ一姫や隼斗はどうなのよ!

一姫はともかく隼斗も士道が好きだっていうの!」

士「いや、それはないだろ。」

隼「流石に男は好きにならないわ。」

一「私も士道さんは、嫌いではないですけど、好きではないです。」

令「二人にもまた別でなんらかの嫉妬があるんだろうね。」

隼「そうだな、あるとしたら士道に対してかな。」

士「俺に?」

隼「美少女にそれだけ愛されるのは、男なら羨ましいからな。」

恭「一理ありますね。

確かに士道君の立場は、男性にとっては羨ましいものですし。」

隼「まあ、俺の嫉妬がそれだとして、一姫はなにかありそう?」

一「私は、多分兄さんに対してだと思います。」

士「白夜に?」

隼「白夜に対しては嫉妬することが多そうだね。」

一「いえ、兄さんの才能に対してではなく。

士道さんや精霊たちに気軽に接しているのがだと思います。」

隼「つまりもっと俺たちと仲良くなりたいってこと?」

一「ええ、恥ずかしいですが、そういうことです。」

士「なあ、今更なんだがなんで白夜いないんだ?」

一「分かりません。

今朝家に行きましたが、出てきませんでした。

電話もつながりませんし。」

琴「そういえば、球体に白夜の霊力は含まれてないの?」

令「一応含まれてはいるが、他の霊力に比べてかなり少ない。」

士「少ないってどれくらい少ないんですか?」

令「他の霊力の1000分の一以下だ。」

琴「!それって白夜は、なんの嫉妬もないってこと?」

令「いや、霊力がわずかながらあるということは、なんらかの嫉妬はあるのだろう。」

士「じゃあ、なんでそんなに少ないんですか?」

令「考えられるのは、すでに嫉妬の原因であるストレスを解消したからだろう。」

隼「もしくは、あの強靭な精神力で嫉妬のような無意識の感情を抑えているかだろうな。」

士「精神力で抑えられるものなのか?」

一「普通は無理でしょうね。

でも、兄さんはすべてが異常ですからあり得ない話ではありません。」

令「一理ある彼の精神力は人の域を超えている。」

士「でも、常に抑え続けるのは無理なんじゃ。」

隼「確かに、普段は誰かに気づかれるわけじゃないから普通抑え込む必要はないな。」

一「私の予想ですが、兄さんは球体がどういうものなのかもう知っているんじゃないですか。

球体のことに気づき私たちより先に調べて何等かの理由で姿を消したのでは。」

琴「なんで姿を消す必要があるのよ。」

一「そこまではわかりません。」

令「今白夜の家にカメラを飛ばしてサーモグラフィで中を調べたが、家の中に誰もいないことが分かった。

一姫の予想は当たっているのだろう。」

隼「白夜のことだから解決方法もわかってるんだろうな。

それを教えないってことは、間違いなくあいつ俺たちのことをどっかで見て面白がってるんだろうな。」

一「兄さんの性格からして間違いなくそうでしょうけど、おそらく兄さんには解決できないんでしょうね。」

琴「どうして?」

一「兄さんは、自分で解決できることは直接干渉してきて楽しむ人ですけど、解決できないことは、周りの努力を見て楽しみますから。」

琴「どちらにしろ嫌な奴ね。」

士「そういえば、白夜昨日の帰りの途中に用事があるってどっかにいったな。」

琴「じゃあ、あいつは昨日の時点でもう気づいてたって言うの。」

一「おそらく、そうでしょうね。」

令「それは、ともかく引き続き球体の調査を続けるとして、並行して精霊たちのストレス解消にかかる。」

士「どうやって?」

令「決まってるじゃないかデートだよ。」

士「え!?」

令「一人一人順番に希望通りのデートをしてあげるんだ。

その時間がシン君は、その彼女だけのものになる。

それが、見えない球体にどんな効果を及ぼすかはわからない。

ただ、何もしないよりかは良いかと思ってね。

どうする琴里?」

琴「他に手がなさそうなら仕方ないでしょ。」

 

琴里は、違う方向を向いて顔を赤らめながら言った。

 

令「頼んだよシン。」

 

令音は、それだけ言うと部屋から出て行った。

その日の夜士道の家のリビングに十香、四糸乃、一姫、隼斗、士道、琴里、令音が集まっていた。

 

十「本当か、士道とデェトできるのだな。

今からか今から言ってもよいのか?」

琴「十香あわてないの。」

令「順番はくじ引きで決めようないようは自由だ。

それぞれ自分が一番してみたいデートをしてくれればいい。

一姫と隼斗は、ストレスを解消できるないようを考えて実行してくれ。」

一「分かった。」

 

十香たち5人が一斉にくじを引いた。

 

四「一番です。」

琴「二番目ね。」

一「三番目です。」

隼「四番目だな。」

十「うー、最後かー。

まあ、よかろう。」

令「決まったね。

では、各自デートプランを立てて自分の番を待ってくれ。」

よ「四糸乃、士道君とデートだって、ちゃんとできる大丈夫?」

四「大丈夫多分。」

 

四糸乃は、右手を頬にあて少し顔を赤らめながら言った。

 

琴「最後に確認するわよ。

お互いのデートの邪魔はしないこと、節度を持って行動することわかったわね。」

四・十・一・隼「うん。」

琴「それじゃあ士道意気込みを。」

士「ああ、みんな楽しみにしてるよ。」

 

士道は、頬を指でかきながら言った。

 

十「うむ、シドウを楽しませるぞ。」

四「えっと、あの頑張ります。」

よ「まーす。」

一「分かりました。」

隼「俺も頑張りますよ。」

 

それからリビングでみんなでにぎやかに話だした。

 

白夜side

「士道たちは、ストレスの解消を始めたみたいだな。」

万「ええ、このままストレスを解消できたらシステムを発動させる必要がなく終わるわ。」

「じゃあ俺たちは、このまま監視してればいいんだな。」

万「ええ、そうだけど。

監視にここまで長けてるなんて思ってなかったわ。」

「何が?」

万「この能力のことよ!」

 

白夜たちは、現在白夜の家で、空中に浮いたモニターによって士道たちを見ていた。

 

「この能力監視には、やくに立たないぞ。」

万「説得力がないんだけど。

どうしてやくに立たないのか説明してくれない。」

「これ無駄に霊力使うんだよ。

遠くの状況を細かく色や音までつけて映像にしてるから仕方ないんだがな。

しかも、場所を固定しているならまだしも、街中を歩き回るのをずっと映像にするなんて流石に霊力が足りない。」

万「なるほど、じゃあデートは、直接見て回った方がいいのね。」

「ああ、デートから帰った後は、これで監視すればいい。」

万「じゃあ、一つ聞きたいんだけど、あんたの霊力が雷霆聖堂(ケルビエル)からほとんど消えているのは、なぜ?

ストレスを解消してもあそこまで消えないわ。」

「答えは士道たちが言ってただろ。」

万「つまり精神力で抑えてるってことでもいくらなんでもストレスをあそこまで抑え続けるなんて霊力を使い続けるより厳しいと思うけど。」

「そりゃそうだ。

でも、ストレスを解消した上で抑えるならそこまで辛くないさ。

さて、そろそろ風呂入って寝ようぜ。

今日も一緒に入るのか?」

万「ええ、もう一回入ったから気にないことにしたから。

だから監視を兼ねて一緒に入るわ。」

「そうか。」

 

それだけ言うと、風呂場に向かった。

 

万由里side

白夜が、風呂に向かって先に服を脱いだりする間、白夜がさっき言ったことを考えていた。

 

万(ストレスを解消した後でも、無意識を抑え続けるのは、そうとう辛いはずなんだけど。

それに、システムのことを知ってからずっと私といたはずなのにいつストレスを解消したんだろう。)

 

それから少し考えいいころ合いになったので、昨日と同じように風呂場に行き風呂に入った。

 

「どうした何か聞きたそうな顔だな。」

万「聞いたら答えてくれるの?」

「内容しだいだな。」

万「じゃあ、いつストレスを解消したの?

それとあんたのストレスってなに?」

「いつストレスを解消したかはわかるんだが、ストレスの内容がなんで気になる?」

万「あんたほど圧倒的な存在が外部からの影響を受けるなんてほぼあり得ないでしょう。」

「!?あ、あははは。」

万「!?どうしたの急に笑いだして?」

「いやー、万由里が俺のことをそんな風に評価してるとはな。」

万「そんなこと?

そんなのありとあらゆる才能を詰め込んだようなあんたの評価としては妥当でしょ。」

「俺は、そんなに才能なんてもってないさ。」

万「どういうこと?

私たちからしたら相当多くの才能を持ってるように見えるけど。」

「俺の才能は、記憶力と情報処理と身体能力だけだよ。」

万「え!?それだけなの?

例えば、その推理力とか知力とか霊力操作とかいろいろあるでしょ。」

「いわなかったっけ?

俺は自分の身体能力すら完璧にコントロールできなかったんだぞ。

精霊すら超える量の霊力を完璧に制御するなんてできるわけないだろ。」

万「じゃあどうして今は、それが出来てるの?」

「俺は、完璧主義者なんだよ。」

万「意味がわからないんだけど。」

「俺は、天宮市に来るまでずっと俺が理想とする俺を求めてずっと自分を鍛えてきたのさ。

霊力操作にしろ、身体能力の制御にしろ全部一から作り上げたものだ。」

万「・・・あんたが、努力してきたのは、わかったでもあんたの知力は才能じゃないの?」

「知力か、それに関してはよくわからん。」

万「そ。」

万(理想とする自分になろうとする努力の果てに今の白夜があるんだ。

一体どれだけの努力をしたんだろ。)

万「ねえ、今の白夜が理想の白夜なの?」

「残念ながらまだ俺の理想には届いてないよ。」

万「そ。

じゃああんたはまだ理想を目指し続けているの?」

「言っただろ俺は完璧主義者だ。

理想にこの手が届くまで努力を続けるさ。」

万「そ。

頑張って。」

「ああ、頑張るさ。

それにしても、今日は月がきれいだな。」

 

白夜の言葉に空を見ると満天の星空にとても美しい満月があった。

 

万「本当にきれいね。

そういえば、どうして令音が家を調べた時、家にいることばれなかったの?」

「この星空を見て、他のことを気にするってそんなに気になるのか?

まあいいや、俺の家は、違う空間にだけだ。」

万「要するに、あの家は飾りみたいなものってことね。」

「そ。」

万「それと別に星空より気になったわけじゃないわよ。

私が裁定者だから確認しただけ。」

「そ。

ならもう少し見てな先に上がって今日はもう寝る。」

万「わかったわ。」

「今日は、同じベットで寝ろとは言わないから、好きなところで寝な。」

万「そ。」

 

白夜が上がった後、しばらく星空を眺めていた。

 

万(こんなきれいな星空を生まれてすぐ見れるなんてついているのかな?

でも、役目を終えたら消えるのは、嫌だな。

ずっと今の生活が続けばいいのに。)

 

そんな考えを誤魔化すように頭までお風呂に浸かって少し息苦しくなってすぐに顔をお風呂から出し呼吸を整えた後、お風呂から上がった。

 

万(今日どこで寝よう。)

 

リビングのソファで寝ようとソファで横になったが、昨日と違い全然眠れなかった。

 

万(寝れないなら白夜の様子でも見に行こう。)

 

白夜の寝ている部屋に来たが、椅子などがなかったのでベットの端に腰を掛け寝ている白夜をしばらく見ていると眠くなってきた。

仕方ないので、そのままベットに横になった。

昨日とは違い白夜の方を向いて眠ろうとしたが、昨日と同じように白夜に抱き着かれた。

 

万(え!?また!?白夜は一緒に寝てる人に抱き着く習性でもあるわけ。

しかも、昨日と違って向かいあってるから顔が近い。)

 

白夜の顔が近くかなり恥ずかしかったが、眠気が強かったのか少しして眠りについた。


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