愛した人を求めて   作:白夜132

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万由里の設定が原作と違うところがありますが、性格は変えていません。
口調は、イメージで書いているので少し違うかもしれませんが気にしないで読んでくれるとありがたいです。


第20話

万由里side

 

万(何を作ろうかな。)

 

台所で何を作ろうか食材を見ながら考えていた。

 

万(初めてだから簡単なものがいいわね。

でも、簡単過ぎるものだと馬鹿にされるかな?

本当に何を作ろうかな。)

 

それから少し考えた後。

 

万(あれにしよ。)

 

作るものを決めすぐに必要な食材と調理器具を取り出し作り始めた。

 

白夜side

 

万由里を台所に案内してリビングに来てソファーに寝っ転がっていた。

 

(それにしても、思ったより万由里が出てくるの早かったな。

俺や隼斗がいるから原作より出現が早まったのか。

さて、これからどうしたものかね。

士道のデートを間近で見るのは面白いからいいんだが、原作みたいに愛する人がいるわけじゃないからな。

万由里が消えないことを望むんだろうか。

俺のわがままで生かしたら嫌われるかな。

好きになってもらえなくてもいいけど、嫌われるのは流石に嫌だしなー。

どうしたものか。)

 

そんなことを長々と考えていると、台所から調理をしている音が聞こえてきた。

それを聞いて

 

(なんか作り始めたみたいだな。

じゃあ、俺も今考えてもわからないことは、これからゆっくり考えますかね。

さて、何を作ってるんだろうか。

万由里の手料理楽しみだなー。)

 

分からないことを後回しにして、今を楽しむことにした。

 

(そういえば、あの神ふざけたことしてくれたなー。

能力の情報が頭に入ってきた時、

『万由里を救うのは、君なら努力したらできるから力は与えないね。

君の万由里への愛がどれほどのものか、見させてもらうね。』とかふざけたメッセージが入ってきたからなー。

絶対、面白そうだから力与えなかっただけだろ。

それに力だって使い方とか基本的なことはわかったが力加減や応用の仕方は全く教えなかったからかなり苦労したしなー。)

 

内心で神に対する愚痴を言っていると、万由里が料理を持って入ってきた。

 

「出来たみたいだな。」

万「ええ、初めてだから味の保証はしないわよ。」

「味に文句はつけないって言わなかったけ?」

万「言ってたけど、変な期待してるかもしれないから一応ね。」

「あっそ。

まあいいや、冷めないうちに早く食べよう。」

万「それもそうね。」

 

そういいながら万由里は、テーブルに料理を置いた。

そして白夜と万由里はテーブルをはさんで向かい合う形で座った。

 

「へー、オムライスか。」

万「そうよ、初めてだからあまり凝ったものは作らなかったけどいいでしょ。」

「ああ、ふざけたものじゃない限り何でもよかったからな。」

万「そ、ならよかった。」

「じゃあ、いただきます。」

万「召し上がれ。」

 

そして二人ともスプーンを持って、オムライスを食べ始めた。

 

「お、うまいな。」

万「そう、普通だと思うけど。」

「まあ、そうかもなでも、初めて作ったにしてはうまいだろ。」

万「そ、ありがとう。

でも、それって初めてじゃないとそんなにおいしくないってことでしょ。」

「まあ、そういう考え方もあるか。

でも、知識があるんだから、美味しく作ろうと思えば出来たはずだろ。」

万「まあでき無くわないと思うけど。」

「それでなのにしなかったのは、変に挑戦して失敗してまずいもの出すのが嫌だったからじゃないのか。」

万「馬鹿にされるのが嫌だっただけ。」

「初めて作るんだから言い訳ならできるだろ。」

万「まあ、それもそうだけど。」

「変な挑戦をしないで、まともな料理を作ろうとしたんだろ。

万由里は、優しいんだな。」

万「別に、そんなんじゃないわ。

それに、なんで私が優しいって言えるの。」

「初めて会った奴に料理作れと言われて作るし、まずいものを出して不快な思いをさせないようにする奴が優しくないわけないだろ。」

万「兎に角、食べましょ。

早く食べないと冷めるわよ。」

「はいはい。」

万(話しあからさまにそらしたけど、大丈夫かな?

まあ、反論できないように言ってくる、白夜が悪いわけだし。

それにしても私の考えほとんど筒抜けなんだな。

そこまで知ってて、美味しいって言ってくれたんだ。

嬉しいな。)

 

 

それから、食べ終わるまで何も話さなかった。

 

「ごちそうさま。」

万「お粗末さまでした。」

「さて、これから何しようかなー。」

 

そう言いながらソファーに寝転んだ。

 

万「食べてすぐ寝ると牛になるわよ。」

「大丈夫、俺太らないから。」

万「それは、女子からしたら羨ましい話ね。」

「そんなもんかね。」

万「そんなものよ。

それと、聞きたいことがあるんだけどいい?」

 

万由里は、適当に座椅子を持ってきてソファーから少し離れたところに座った。

 

「別にいいけど。

それって、裁定者としての質問?」

万「それもあるけど、私個人としてってのもあるかな。」

「ふーん、まあいいや。

で何が聞きたいんだ。」

万「そうね。

まず普段は食事はどうしてるの?」

「朝は、買ったものか自分で作るな。

昼は、学校の日は妹の一姫が弁当を作ってきて、休日とかは外食か作るかだな。

夜も外食か作るかだ。」

万「そ、ならこれから私が料理作ってもいい?」

「作ってくれるならとても助かる。

自分で作るの面倒なんだよねー。

でも、なんで急に?」

万「料理するのが楽しかったから、もっと凝ったのを作ってみたいだけ。」

「あっそ。

で質問はそれだけ。」

万「まだ、いくつかあるわ。

次は、どうして妹と一緒に住まないの?」

「あいつには、今の親が用意した家があるからな。」

万「なら、その家で一緒に住めばいいじゃない。」

「十年も放置してたからな。

流石に一緒に住むのは、少し気まずいんだよ。」

万「なんで十年も妹を放置してたの?」

「まあ、いろいろあるんだよ。」

万「そのいろいろを聞きたいんだけど。」

「いろいろは、いろいろさ。」

万「システム発動案件と考えていいの?」

「なんか、かなり卑怯な気がする。」

万「そんなことないわ。」

「要するに、ちゃんと答えないとだめってことね。」

万「そういうこと。」

「はあー。

まあ、理由としては、俺の力と世界について知るため後は妹のためかな。」

万「どういうこと?」

「俺は、生まれつき力が強すぎたからな、細かい力加減が出来なかったんだよ。

だから力の加減が出来るように安全な場所で練習したかったからだ。

そして、そんな力を持つ俺がどういう存在なのか知りたかったからな。

世界を回って自分の正体を調べにいたのさ。」

万「力加減の練習なら妹の近くでもできるんじゃない?」

「まあ、ある程度の力なら出来るだろうけど、天変地異みたいな力だと巻き込みかねないからな。」

万「天変地異って、どんだけ規格外な力持ってんのよ。

それと妹の為っていうのは?」

「一姫は、両親が死んでから兄である俺に依存しだしたんだよ。

多少甘える程度なら、まあよかったんだが、妹は、孤児院にいた時、俺から離れることが、ほとんどなかった。

俺は、妹に孤児院の子供と仲良くなれるようにした。

まあ、そのおかげで孤児院の子と友達にはなったんだが、友達と遊んでいる時でも俺が違うところに行くと遊ぶのをやめてついてくるようだったからな。

俺が孤児院を出る少し前までそんな感じだったからな妹の将来を考えて離れたのさ。」

万「そんなに酷い状態だったなら一緒にいるべきだったんじゃない?」

「かもな、でもあの時は、離れるべきだと思ったんだよ。」

万「どうして?」

「妹は、俺のいうことはどんなことでも聞くって言ったんだよ。

俺が、死ねといえば死ぬとな。

流石に、離れた方がいいと思うだろ。」

万「まあ、そこまで依存してたら離れた方がいいかもしれないけど。」

「まあ、妹から離れた後、霊術を使えるようになってからは、ばれないように様子を見てたんだがな。」

万「そ、でも随分妹が大事なのね。

もしかして、シスコン?」

「ふざけるな。

いくら俺でも、たった一人の家族の心配くらいはする。」

万「ふーん。」

万(白夜って、結構優しいんだ。)

 

万由里は、そんなことを考えながら少し微笑んだ。

 

「何がおかしいんだ。」

万「別に。

それより次の質問。」

「はぐらかすな。

全く、もう終わりだ。

俺は、風呂に入って寝る。」

万「え!?

ちょ、はぐらかしたのは、謝るからもう少しだけ質問させて。」

「はー。

そんなに質問したいなら一緒に風呂に入るか?」

 

ため息をついた後、仕返しのようにニヤニヤ笑いながら言った。

 

万(絶対、さっきの仕返しね。)

万「明日、聞くのはだめ?」

「だめ。」

 

とてもいい笑顔で断った。

 

万「さっきのこと、根に持ち過ぎじゃない。」

「そんなことないさ。」

万(絶対、嘘。

さっきからものすごくいい笑顔だし。

どうしよう。)

 

万由里は、それから少し考えて

 

万「わかったわ。

でも、せめてタオルで体を隠すくらいはいいでしょ。」

「なんだ、一緒に入るんだ。

まあ、別にいいよ。

一緒に入るなら俺も隠すし。」

万「そ、でどっちが先に体洗うの?」

「俺は、別に洗わないけど。」

万「え!洗わないの?」

「その汚いものを見る目やめてくれない。

別に、普通に洗わないだけで、霊術で汚れは落としてるから。」

万「霊術って、便利ね。」

「まあな。

じゃあ、先に行って服を脱いで入ってるよ。

3分くらい経ったら来ていいよ。」

万「タオルはどこにあるの?」

「脱衣所に行けばある。」

 

それだけ言うと白夜は、リビングから出て行った。

 

万由里side

 

白夜が出て行って3分くらいたった後。

 

万(そろそろ行こうかな。)

 

脱衣所に行くと大きなタオルが二枚入ったかごがあった。

 

万(一枚は、体を拭く用かな?

このかごに、脱いだ服を入れろってことかな?

まあ、いいや。)

 

万由里は、脱いだ服をかごに入れ、その上に片方のタオルをのせて、もう方を体に巻いて、風呂場につながっているであろう扉を開けた。

 

万「何、これ!?」

 

扉を開けた先には、温泉や銭湯にある露天風呂があった。

 

「お、来たか。」

万「来たかじゃないわよ。

何なのよこれは。」

「え?お風呂だけど。」

万「そうじゃなくて、なんで露天風呂があるのよ。」

「作る時の気分で露天風呂にしようと思ったから。」

万「もういいわ、あんたに常識は通じないってわかったから。」

「なんかとても酷いこと言われてるよ。

それにしても、風呂に入る時は、髪ほどくんだ。」

万「流石に、風呂に入る時は、ほどくわよ。」

「サイドアップもいいけど、ほどいた状態もかわいいね。」

万「あ、ありがとう。」

 

すこし赤くなりながら返した。

 

万「それより、私の体の汚れも霊術で落としてくれない。」

「分かった。」

 

白夜が、こっちに指を向けて軽く振ると、体が少しの間、光に包まれた。

 

「はい、落としたよ。」

万「本当に便利ね。

それと、一緒に入るんだから質問に答えてよ。」

「分かってるって、むしろ答えなかったら殺されそうだし。」

万「当り前よ。

じゃあ、質問だけど、霊術ってどういうものなの?」

「説明長くなるけどいいのか?」

万「別にいいわ。」

「そうか、ならいいんだが。

霊術は、霊力にいろいろな命令をして起こる現象を利用して作られた術だ。

基本は、命令を魔法陣にしてやるんだが、与える命令を理解していれば魔法陣なしでも使える。」

万「どうして魔法陣を使うの?」

「命令が複雑すぎるからだよ。

霊力を火に変化させるみたいなのならさほど難しくないが、高位の霊術になると、母国語以外の数か国語で文法も無茶苦茶に書かれた論文を読むようなものさ。」

万「それは、確かに難しいわね。

でも高位ってことは、難易度が分かれてるの?」

「まあな、第一位階から第十三位階の十三段階に分かれてる。

まあ、七位階以上を使える奴は、大分少ないし、十一位階以上は、ほぼいない。」

万「あんたは、使えるの?」

「使えるけど。」

万「他に使える人はいるの?」

「いるぞ、俺が知ってるのは一人だけどな。」

万「誰なの?」

「賢者って呼ばれてる奴さ、霊術を広めた張本人だ。」

万「その賢者にあったことあるの?」

「まあ、あるけど。」

万「どんな人?」

「変人。」

万「あんたに言われたくはないと思うけど。」

「うるさい。

他に質問は?」

万「十三位階って、どんな霊術があるの?」

「時間停止とかだな。」

万「無茶苦茶ね。」

「当り前だ。

十一位階以降は、平面的な魔法陣じゃ表すことが出来ないからな。

さっきいった数か国語で書かれた論文を暗号かしたものさらに暗号かした感じだ。

それだけ複雑な命令をしてるんだから時間停止くらいできる。」

万「もはや、意味が分からないわ。」

「そういうものだ。

でもう質問は、終わりか?」

万「そ。

まだ、あるわ。

次は、あんたの強さを教えて。」

「強さねー。

基準として十香たち精霊の強さも上げようか?」

万「そうしてくれるとわかりやすわ。」

「じゃあ、力/耐久力/霊力/敏捷性/知力の順で言うな。

十香が230/202/125/142/32

四糸乃が95/82/199/212/152

琴里が150/100/215/130/178

狂三が109/80/220/103/201

で俺が960/950/400/600/3000

こんな感じだ。」

万「あんたが異常なことがよくわかったわ。

後隼斗と一姫も教えて。」

「隼斗は250/210/200/400/180

一姫は120/100/130/130/190だ。」

万「隼斗も結構強い方なのね。

あんたがいるからあんまり強く見えないけど。」

「比べる相手が悪いだけだよ。」

万「それもそうね。

じゃあ、最後の質問だけど、あんたは何者なの?

自分の正体を調べるために旅に出たんでしょ。」

「それは、秘密。」

万「どうして?」

「それくらいは自分で調べな。

じゃあ、俺はそろそろ上がる。」

 

そういって白夜は、脱衣所に行った。

 

万(白夜の正体か。

気になるけど教えてくれないならしょうがないか。)




主人公のステータスは、メリオダスの闘級や戦闘シーンからの自己解釈です。
なのでほぼオリジナルです。

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