愛した人を求めて   作:白夜132

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今回からほとんどオリジナルです。
映画のネタバレもあるので、ネタバレが嫌な人は見ないことをお勧めします。



第19話

琴里の封印が終わり数日たったある日。

空から金色の小さな雫が一つゆっくりと降ってきた。

その雫は、横断歩道の真ん中に落ちると、金色の花弁の蕾になった。

しかし、周りの人は誰も蕾に気づかず通り過ぎて行った。

そして、学校帰りの白夜たちが、蕾の横を通り過ぎてすぐに蕾は、小さな粒になって消え残ったのは、白い制服を着た腰に届くくらい長い金髪の少女だった。

少女は、通り過ぎた白夜たちをただ見つめていた。

 

白夜side

横断歩道を渡ったところで違和感を感じて振り返ったが、気になるものは何も見つけられなかった。

 

(何かいた気がしたんだが?

一応霊力探知してみるか。)

 

霊力探知をすると知らない霊力が一つあった。

 

(この霊力は、新しい精霊か?

いや、この霊力は、そういうことか。)

 

霊力の正体に気づき、自分でも少し笑っているのが分かった。

 

(ようやく万由里の登場ってことか。)

士「どうしたんだ。

急に笑って何か面白いものでも見つけたのか?」

「いや、なんでもない。

少し用事を思い出したから先に帰ってくれ。」

士「え?ああ、わかった。」

「じゃあまたな。」

 

それだけ言うと霊力を感じたところに空間転移で移動した。

移動した先には、白い制服の金髪の少女がいた。

 

「みーつけた。」

?「!?」

 

少女は、驚いた後こちらを警戒しながら黙って見続けている。

 

「まずは、君の名前と何者なのか話してくれる。」

?「・・・私は万由里、雷霆聖堂(ケルビエル)の管理人格。」

 

少女は、少し考えた後に話始めた。

 

万由里side

私は、監視対象の一人が行き成り現れて驚いた。

 

万(どうしよう。

逃げてもまた簡単に見つけられるだろうし。

裁定について話て協力してくれるとも限らない。)

 

これからどうするか考えている万由里に白夜は

 

「まずは、君の名前と何者なのか話してくれる。」

 

私のことを聞いてきた。

 

万(逃げるのが無理なら裁定に協力してくれるように説得するしかないか。)

万「私は万由里、雷霆聖堂(ケルビエル)の管理人格。」

「それで、目的はなんだ?」

万「一つの場所に力が一定以上集約した時、私は自動的に生まれる。

器がそれに値するものか確かめるために。」

「なるほどね、要するにこの町にいる霊力を持つ者がまともな奴か確かめるということか。」

万「そういうこと。」

「だから、これからしばらく俺たちを監視するってことか?」

万「そ。」

 

私は、その問に頷いて答えた。

 

万(さて、これからどうやって説得しよう。)

「そうか。

監視するのは別に構わないぞ。」

万「え!?

いいの。」

万(断られると思ってのにどうして?)

「ただし条件がある。」

万「何?」

「俺をこそこと付け回して監視するのはなしだ。」

万「まあ、そうなるわよね。

じゃあ、どうすればいいの?」

「付け回すだけが監視じゃないだろ。

俺とともに行動するなら監視していいぞ。」

万「それって、つまりどういうこと。」

「隠れずに俺の横に立って監視しろってこと。

その方が監視しやすいだろ。」

万「確かに監視しやすいけど、あんたはどうして私と行動するの?」

「その方が面白そうだから。」

万「!?」

「それに、士道たちの監視も面白そうだしな。」

 

私は、そこで白夜がどういう人間なのか気づいた。

 

万(無駄に考えてた自分が馬鹿みたい。

白夜は面白いこと以外に興味ないんだ。)

万「分かったわ。

その条件をのむわ。」

「そうかなら、これからしばらくよろしく。」

 

そう言いながら、手を出してきたので、その手を取っり

 

万「よろしく。」

 

と返した。

 

「じゃあ、家に帰りますか。」

万「私は、どうすればいいの?」

「どうするって、一緒に来る以外ないだろ。

家にいる間、監視しないのか?」

万「そ。

これから一緒に暮らすってことね。

あんたが、学校に行ってる間は?」

「監視されてる間は、学校行かないことにしたから。」

万「あんた、自由過ぎない?」

「それが、俺だからしょうがない。」

万「そ。」

「じゃあ、帰るか。」

 

そして、白夜の空間転移で移動した。

気づくと一軒の家の前にいた。

 

「ここが、俺の家だ。」

万「以外と普通の大きさね。」

「まあ、外はこんなもんさ。」

万「外は?」

 

そう言いながら白夜は、ドアを開けて中に入った。

それに続いて、少し白夜の言葉に疑問を持ちながら家に入った。

 

万「おじゃま・・・」

 

そして、家の中を見て驚きのあまり言葉が出なくなった。

 

「どうかしたか?」

万「いえ、驚いてるだけよ。

確認だけど、この家どれだけ広いの?」

 

驚いた理由は、外から見た家の大きさに比べて中が広すぎたからだ。

 

「広さ?

来禅高校より少し広いくらいだと思うが。」

万「なんで、そんなに広いのよ。」

「そんなの空間を能力で作り出してるからだけど。」

万「あんたの力が、他の監視対象より規格外なことはよくわかったわ。」

「一応、褒め言葉として受け取っておくよ。

それと今晩の夕食どうする?」

万「私は、なんでもいいわ。」

「俺としては、万由里に作ってもらいたいんだけど。」

万「なんで私が作るの?

私は、さっき生まれたばかりなのよ。」

「それでも、見た感じ知識はあるんだろ。

俺たちの霊力から生まれたってことは、料理が得意な士道の知識もあるなら作れそうだから。」

万「知識はあるけど、それだけよ。

やったことないから上手く作れとも限らないし。

それでもいいの?」

「ああ、別に作らせといて味に文句は言わないさ。」

万(不思議な人、なんで私の料理が食べたいんだろ)

万「そ。

作るのはいいけど、材料はあるの?」

「なんでもあるぞ。

好きな料理を作ってくれ。」

万「分かったわ。

まず家の中を案内して。」

「分かった。」

 

それから家の中を簡単に案内され、台所に案内した後、白夜はリビングに行った。

台所にあった冷蔵庫を開けてみると白夜の言っていたようにスーパーで売っているものは、見た限りすべてそろっていた。

 

万(何を作ろうかな。)


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