愛した人を求めて   作:白夜132

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第11話

それから少し経ち士道は建物の中にいた。

 

士道side

士「本当に<ハーミット>はここに来るんだな。」

琴「ええ、解析から間違いないわ。

ASTもしばらくは手をだせはずよ。」

よ「君もよしのんをいじめに来たのかな?」

士「わあー。」

よ「おやー、だれかと思えばラッキースケベのお兄さんじゃない。」

琴「士道待ちなさい。

総員選択。

士道3よ。」

士「それやるのか?」

琴「いいお手本がいるじゃない。」

士「殿町かー。

ふー、知らないね。

わたしは、通りすがりの風来坊さ。」

よ「・・・

ぷ、あははは。

お兄さん意外とひょうきんもの今時それはないわ。」

士「お気に召して何よりだ。」

白夜の奴、今頃フラクシナスで爆笑してるんだろうな。

士「俺は五河 士道、君は?」

よ「おー、ミステイクよしのんとしたことが自己紹介を忘れるなんて。

よしのんの名前はよしのん。

かわいいしょ、かわいいしょ。」

士「おう、かわいいけど、それってこのパペットの名前かい?

それとも君のか?」

よ「・・・」

琴「士道精霊の機嫌数値が一気に下がってるわ。

あなた、なにをいったの?」

士「え?俺は、ただ、なんで腹話術でしか喋らないのかなって。」

よ「士道君のいってることわからないなー。

腹話術ってなんのこと。」

琴「士道、原因は後にして今はとにかく機嫌を直すのよ。」

士「そうだよな。よしのんはよしのんだよな。」

よ「ぅうんっもー士道君たらおちゃめさんなんだから。

でなんのよう?」

士「その、行き成りなんだけど、俺とデートしてくれないか?」

よ「デート?」

 

フラクシナスside

士「ふー、知らないね。

わたしは、通りすがりの風来坊さ。」

「あははははは。」

白夜は士道の予想通り爆笑していた。

一「可哀そうだからあんまり笑わない方がいいですよ。」

「せっかく、あんなに面白いことしてるんだから笑ってやらないとだめだろ。」

琴「笑ってないで、真面目に考えなさいよ。」

「考えてるさ。

それより、好感度下がりだしたぞ。」

琴「え?

士道精霊の機嫌数値が一気に下がってるわ。

あなた、なにをいったの?」

「おそらくパペットについてふれたんだろうな。」

琴「どういうこと?」

「簡単さ、あの精霊は二重人格でパペットが片方の人格なのさ。

人格が分かれた理由は、あの精霊の性格がもう少し詳しくわからないと予想もできないがな。」

琴「本当に考えてたのね。」

「当り前だ。

まあ、今士道に、それを伝えても無駄だろうから機嫌を直させた方がいいな。」

琴「そのようね。」

一「流石ですね、兄さん。」

「妹に褒められてうれしいよ。」

一「そういう、ふざけた態度を直せばモテますよ。」

「それは、無理な話だな。」

一「まあ、兄さんならそうでしょうね。」

「じゃあ琴里、俺はこの辺で。」

琴「ちょっとどこ行く気?」

「現地で高みの見物。」

琴「なんで現地に行く必要があるのよ。」

「なんかあった時、すぐに対処するため。」

琴「本当にそれだけ?」

「そんなわけないだろ。

まあ、連絡はいつでもとれるから大丈夫だろ。」

琴「勝手にしなさい。」

「じゃあ、行ってくる。」

白夜は空間転移で出て行った。

一「相変わらず、自由な人ですね。」

琴「全くよ。」

一「まあ、兄さんはここからはいても役にたたないでしょうけど。」

琴「あら?それは、どうしてかしら?

あんな完璧超人に出来ないことあるの?」

一「ええ、ありますよ。

兄さんが、唯一できないことが。」

琴「何かしら?」

一「恋愛関係ですよ。」

琴「え?」

一「兄さんは、恋愛に関しては一般人よりだめだめですから。」

琴「どうして、そこまで言い切れるの?」

一「子どもの頃、兄さんは、結構モテたんです。

けど、兄さんは、そのすべての相手のアピールに悉く気づかなかった上に、直接告白してきた相手には、なぜ自分に好意を寄せる理由がわからないとすべてを振りました。」

琴「それは、随分とひどいわね。」

一「兄さんは、超鈍感な上に相手の気持ちを理解できないんです。

それも理解できないのが、自分に向けられる好意だけでなく、他人に向けている好意も理解できないんです。」

琴「要するに、精霊をデレさせることに関しては、役に立たないということね。」

一「はい。」

琴「なら、いなくなってもよかったわね。」

 

士道side

よ「わははは。

どうよ、士道君。

かっこういい、よしのんかっこういい?」

よしのんは室内用ジャングルジムのてっぺんに立っていた。

士「おい、危ないぞ。」

よ「もう、かっこういいかどうか聞いてるのに。

わあー」

するとよしのんがジャングルジムから士道の上に落ちてきた。

その時、唇と唇が重なった。

士「わあー今のは、その。」

しまった不機嫌に。

よ「い、いっててて、ごめん士道君、不注意だったよ。」

士「え?」

琴「士道、緊急事態よ。」

士「え?何が?」

士道がある方を向くと

士「十香?」

十「士道。

今、なにをしていた。」

士「なにって。」

その時、よしのんと唇が重なったことを思い出した。

十「あれだけ心配させておいて、女とイチャコラしてるとは何事かあぁー。」

十香が床を踏むと、そこを中心に床がへこんだ。

琴「あっちゃー。

大分精神状態が不安定になってるわね。

精霊の力が逆流しちゃってるわよ。」

士「どうすれば?」

十「お前の言っていた大事なようというのは、この娘と会うことだったのか?」

士「いや、それは。」

よ「おねえさん、えーと?」

十「十香だ。」

よ「十香ちゃん、悪いんだけど、士道君は君に飽きちゃったみたいなんだよね。」

士・十「え!」

よ「話を聞いてると、どうやら十香ちゃんとの約束すっぽかしてよしのんのとこ来ちゃったみたいじゃない。

これってもう決定的じゃない?」

士「お、お前何言って。」

十「士道は少し黙っていろ。」

よ「いやー、ごめんね。

これもよしのんが魅力的過ぎるのがいけないんだよね。

別に、十香ちゃんが悪いって言ってるんじゃないんだよ。

ただ、十香ちゃんを捨ててよしのんのもとにはしちゃったことも攻めることが出来ないっていうか。」

十「わあぁーーー。

うるさい、黙れ黙れ黙れ、そんなのはだめなのだー。」

よ「ダメって言われてもね。

ほら、士道君も言ってあげなよ十香ちゃんはもういらないこだって。」

十香がよしのんを掴み上げた。

そしてパペットが少女の手から外れた。

十「わたしは、いらない子ではない。

士道が、士道がわたしにここにいていいと言ってくれたのだ。

これ以上の愚弄は許さんぞ。

何とか言ったらどうだ。

何を黙っている。」

すると少女が十香に近づき。

少「かえ・して・・っ、ください・・。」

琴「何してるの士道、よしのんの精神状態まで揺らぎまくりよ。

はやく止めなさい。」

士「なあ、十香、それ返してやてくれないか。」

十「は、士道、やはり私よりこの娘の方が。」

士「いや、そういうことじゃなく。」

少「<氷結傀儡(ザドキエル)

少女が手をあげ振り下ろすと床を突き破るようにして、巨大なウサギのような人形が出てきた。

士「な、これは。」

少女が巨大な人形に飛び乗り、その背にあいていた二つの穴に両手を差し入れた。

すると巨大な人形は、低い咆哮を上げた。

それに合わせて白い煙が出てきてあたりが凍り付いた。

琴「このタイミングで天使を顕現。

まずいわ逃げなさい、士道。」

士「天使?」

琴「十香の鏖殺公(サンダルフォン)を忘れたの?」

窓ガラスが割れ、雹のよに固まった雨が弾丸のように十香に放たれた。

士「十香!」

士道が十香の手を引き抱き込むようにして床に倒れた。

そしてまたも放たれた雨粒の弾丸を士道たちの前に現れた白夜が霊力の壁を作り防いだ。

「大丈夫か?」

士「なんとか。」

「それはよかった。

はやいとこ逃げるぞ。」

そう言って士道たてと一緒に空間転移でフラクシナスに移動した。

士「けがはないか、十香。」

十「いいから、はやくはなれんか。」

士「十香?」

十「触るな。」

士「い、いて・・・。」

十「どうせ士道は、わたしよりあの娘の方が大事なのだろう。」

士「は、は?」

琴「やれやれ大変なイベント発生ね。」

「全くだ。

面白そうで笑いが止まらない。」

琴「笑いごとじゃないから笑うのはやめなさい。」

「はいはい。」


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