真・恋姫†無双 ~外史神界救伝~   作:ガーディアン

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村人救出戦

村人を蹂躙しようとした妖魔たちは突如現れた男、北郷一刀によって阻まれた。

妖魔たちは一刀の名前を聞いた途端、驚愕していた。

 

「神界軍だと…!?」

 

「お前たち、この村の人たちを殺したようだな」

 

一刀は怒りの形相で妖魔たちを睨み付ける。

 

別の妖魔が答える。

 

「はっ!だからどうした!そいつらは俺たちの食糧だ!」

 

平然と言ってのける妖魔。

武器を構え一刀に向かう。

 

「食糧は食糧らしく、食われてろやぁぁぁッッ!!!」

 

迫る妖魔。

だが一刀は慌てず、冷静なままだ。

一刀は黒刀を納刀し、目を瞑り、構える。

 

ドッドッドッ!と迫りくる妖魔。

 

「何だ?武器を仕舞いやがって。食われる覚悟ができたことだよなッ!!」

 

妖魔は剣で攻撃する。

 

「危ない!!」

 

少女が叫ぶ。だが…

 

 

「フッ!!」

 

一刀は目にも止まらぬ速さで抜刀。

横に一線が生じた。

 

「………は?」

 

一刀が抜刀したことにより妖魔の動きが止まる。

 

キンッ、と再び納刀した一刀。

すると次の瞬間…。

 

ズバッ!!

 

攻撃してきた妖魔が上半身と下半身綺麗に分かれた。

そのまま妖魔は絶命した。

 

妖魔たちは何が起きたのかわからず、慌てふためいた。

 

「な、なにが起きたんだ…!?」

「み、見えなかったぞ…!?」

 

どうやら、一刀の居合に妖魔たちは追いついていないようだ。

 

すると指揮官の一人が叫ぶ。

 

「ええい!怯むな!敵はたかが一人だ!数に任せてぶち殺せ!!」

 

指揮官の命令で妖魔たちは冷静さを取り戻す。

 

『ウオオオォォォォォッッッ!!!!!』

 

今度は複数の妖魔が突撃してきた。

 

「………」

 

一刀はこれにも動じていない。

 

「あ、あの…」

 

少女が呼びかける。

 

一刀は笑顔で少女に言う。

 

「君、ここは俺に任せてくれ。急いで避難するんだ」

 

どう見ても無茶な状況だ。

だが、この男の優しい言葉を聞くと素直に頷いた。

 

「はい!お気をつけて!」

 

少女は自然に恐怖から笑顔を取り戻し他の村人たちが逃げていった方向に走る。

 

「さて、と」

 

少女の避難を確認した一刀は切り替え、妖魔に向かう。

 

「ハッ!!」

 

再び居合切りをする一刀。

 

ズバッ!!!

 

今度は五人同時に上下真っ二つにした。

 

「こ、こいつ…。なんて強さだ…!?」

 

妖魔の一人がビビる。

 

一刀はその妖魔の様子を逃さず、今度はその妖魔を縦に斬る。

 

「ごふっ…!?」

 

「ハァァァッッ!!!」

 

ズバッ!ズバッ!

次々と妖魔を斬っていく一刀。

 

どんどん数を減らされて焦る指揮官。

 

「くっ…!まだまだぁッ!!」

 

妖魔たちを次々と追加していくが、一刀は至って冷静だった。

 

「フンッ!ハァッ!!」

 

一人の妖魔には上半身を斬り、一人には胸に突き、一人には腹部を横に斬る。

 

圧倒的な人数の差なのに疲れる様子を見せない。

 

一刀の猛攻に痺れを切らした指揮官は抜刀する。

 

「ええい、クソッ!!俺が止めてやるッ!!」

 

抜刀した刀で斬りつける指揮官。

 

「甘い!!」

 

ガキィッ!!

 

一刀の黒刀と妖魔の剣がぶつかり合う。

 

「ぐ、ぐぐぐ……!!?」

 

指揮官は力いっぱいに押し付けるが、一刀は落ち着いた表情だった。

 

「フッ…!」

 

一刀はぶつけていた刀を妖魔の剣から離す。

 

「うおッ…!?」

 

指揮官は力を籠めすぎたため勢い余って前に転倒する。

 

「くっ…。ッ…!?」

 

指揮官は急いで体勢を立て直そうとするが、遅かった。

 

構えていた一刀が刀を振る。

 

「フッ!」

 

ズバッ!

 

指揮官の首が跳ねられた。

 

 

指揮官が討ち取られたことにより周りの妖魔たちに動揺が走った。

 

「な、なんだこいつ…!?」

「撤退…!撤退だぁぁ…!?」

 

妖魔たちは恐れ、撤退していく。

 

「逃がすかよ!」

 

逃げる妖魔を追撃する一刀。

 

 

 

「た、助けてくれ―――!!!?」

 

「!?」

 

 

助けを呼ぶ声を聴き、声の主の元に走る。

 

そこには3メートルを超える妖魔と、まだ逃げ遅れた村人が数人いた。

 

「待ってろ。今助ける!」

 

一刀は巨漢の妖魔に向かう。

 

『ブヒャアァァァッッ!!!』

 

妖魔は叫び声と同時に手に持っている巨大な棍棒を振り下ろす。

 

「シッ!」

 

ギイィンッ!!

 

防御の構えをし、妖魔の攻撃を塞ぐ。

 

普通なら体格差で負けている一刀が不利だが…。

 

「く…」

 

『ぶ、ブオオォォ…!?』

 

一刀が力押しに勝っている。

 

その勢いのまま妖魔の攻撃を弾く。

 

無論、負けじと妖魔は続けて攻撃するが、攻撃しても攻撃しても弾かれるだけだった。

 

「うおおぉ!!」

 

一刀は刀を振り上げ、妖魔の武器を弾き飛ばした。

 

「はあぁぁッ!!!」

 

そのまま肥大した妖魔の腹部を斬りつけた。

 

『ブヒャァッッ……!!?』

 

巨大な妖魔は血を大量に流し力尽きた。

 

「あ、ありがとうごぜえやす!!」

 

救出した村人たちから感謝される。

助けられた村人はそのまま避難していった。

 

その様子を見届けた一刀は警戒を強める。

 

一人の妖魔が近づいてきた。

 

目隠しをして猿ぐつわを付け、片腕には義手の代わりに大きなハサミを装備していた。

 

「ハサミ男だ!こいつならいけるぞ!」

 

妖魔がハサミ男の登場に歓喜する。

 

『……』

 

シュー。シュー。と呼吸音だけが聞こえてくる。

 

『……!』

 

ハサミ男はハサミを一刀に向け構え、突進する。

 

一刀は大きなハサミの攻撃を横にステップして避ける。

 

ジャキィィッッ!!!

 

金属音が鳴り響く。

 

その次の瞬間、ハサミ男の攻撃は避けられたが、その代わりに一軒の家が横に真っ二つになった。

 

「なんつう切れ味だよ…!」

 

一刀はそのハサミの切れ味に警戒を高める。

 

『……!……!!』

 

ハサミ男は大きくジャンプし、空中で一刀に狙いを定める。

 

その光景を見た一刀は黒刀を構える。

 

『ッッッ!!!!!』

 

ハサミ男は勢いよく迫る。

 

 

一刀は左足を一歩前に出しだし、刀の刃をハサミ男に向けながら構える。

 

 

 

「"断絶"」

 

 

 

刀を勢いよく振り下ろす。

 

ガキャアアァァッッッ!!!!

 

振り下ろされた刀は巨大なハサミを破壊。

同時に、ハサミ男も胸を大きく切られた。

 

ハサミ男は猿ぐつわされている口から血を吹き出し、よろよろと歩きながら倒れた。

 

「ヒ、ヒィッ!?」

「にげ、逃げろ~~ッッ!!?」

 

妖魔たちは有力な味方がやられたのを目の当たりにし、恐怖し逃げていく。

 

「敵将、討ち取ったぜ!」

 

一刀は刀を持った手を振り上げ勝鬨を挙げた。


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