東方未来録~Descendants story~ 作:久遠@雷
レミリア・スカーレットの息子、ハート・スカーレットは従妹のアンド・スカーレットそしてその保護者である古明地こいしと共にひょんなことから過去の幻想郷に幻想入りしてしまう。何とかしてもとの時代に帰る方法を探すため、三人は過去の紅魔館へ居候することに!?
※注意事項
ご都合主義、原作崩壊、自己解釈、東方大人化、百合結婚、などが含まれます苦手な方はブラウザバック、イッテモイーヨー!と言うかたは下へお進みください。
追記、八意先生には頭が上がらない。
閉めきった窓のカーテンの隙間から差し込む日の光と、小鳥のさえずりが朝が来たことを告げる。だが、たとえ朝が来ようと関係ない二度寝してやる。
?「おーい、起きてー」
聞き慣れた女の子の声が聞こえる。だが僕は朝が苦手だ、出来るならもう少し寝かせては欲しい。が、声の主はそんなことなど露知らず部屋のドアノブをガチャガチャ回しながら扉を叩いている。
?「起きてってばー、朝御飯できてるんだよー」ガチャガチャドンドン
煩いなぁ、大丈夫、あと五分あと五分
?「・・・・・・仕方無い、起きる気がないなら!」
あれ、嫌な予感
?「ドアを蹴破るだけよ!!」
?「わかったぁぁぁぁぁぁ!!起きる!起きるかr「せいやぁぁぁぁぁぁああ!!」」
僕がそう言い終わる前に彼女は僕の部屋のドアを蹴破る。とてつもない脚力で蹴られたドアは一瞬にして砕け散り、粉々になった。
?「なんだ、起きてるんじゃない、返事ぐらいしなさいよー」
返事したのに蹴破ったのはそっちだろ。ドアを蹴破ったやつの顔を見てため息をつく。あぁ、僕の心安らぐ時間がorz
?「まぁいっか、おはよう、ハート」
ハート「あぁ、おはよう、アンド」
あ、申し遅れました、僕の名前は【ハート・スカーレット】、紅魔館の主、レミリア・スカーレットの『実の息子』です。
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さて、半分叩き起こされた僕は身仕度を済ませてアンドと一緒に食堂に向かう。少し時間が掛かるので、彼女、アンドの事について語ろうと思う。
僕が【レミリア・スカーレット】の息子だとしたら、彼女は兄妹ではないのか?と思った方もいるとは思いますが、彼女は僕の従妹だ、これを言えば大抵の人は気付いてくれるだろう、そう彼女は僕の叔母にあたる、【フランドール・スカーレット】の娘である。
息子?娘?相手は誰だよと思った方は何れわかるのでご安心を、さて、彼女の紹介に戻りますが、性格は正しく破天荒で天真爛漫、しかしちょっぴり純粋で可愛いところもある。運動が得意で、勉強は苦手だが頭は悪くない。身長は160㎝前後、母親と同じ金髪で紅い瞳だが吸血鬼にあるはずの羽は無く代わりに背中から
アンド「歩きながら何を考えてるのよ!こんのムッツリスケベ!」///ドゴォ
あっ、しまっ
ハート「ごっはぁ!!」
あぁ、忘れてた、彼女が心読めるの。彼女の拳が思い切り鳩尾にクリーンヒット、腹部に走る激痛に堪えられず僕は蹲る、だが僕だって一人の男だ、嫌でも目にはいるに決まってるじゃないか。
アンド「もう、バカ!」///
バカじゃないやい
アンド「うっさい!!」
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アンドに先ほどの事を詫びてご機嫌を取りながら、食堂に着いた。先ほどの一撃が余程強かったのか、まだ痛みが残っている。
?「あら、おはよう二人とも」
不意に後ろから声が聞こえたので僕とアンドは振り返る。そこには、紫の髪の毛に眼鏡をかけ、パジャマのような服を身に纏う女性がいた。
ハ&ア「「おはようございます、パチュリーさん」」
パチェ「さんは要らないっていってるでしょ」
パチュリー・ノーレッジ紅魔館に住んでいる魔法使いで読み書きや計算、魔法など教えてくれた、僕たちの先生のような存在だ。(実際には二人の母親に半ば無理矢理任されたそうだが)
アンド「『さん』は要らないって言っても仕方無いよ」
ハート「これでも妥協してるんですよ?」
パチェ「二人の子供にさん付けで呼ばれるとなんかむず痒いのよ」
気軽に『パチェ』って読んでもいいのに、と言うが実のところ僕たちにはかなり抵抗がある。小さい頃から今まで面倒を見てくれたり、時には相談に乗ってくれる、いわばもう一人の母親のような存在の人をそう呼ぶのはどうしてもできないのだ。昔、一回だけ二人で先生と呼んだ事もあったが、お願いだからやめて、と言われた。難しい人だなぁ。
?「おはようございます、ハート坊っちゃん、アンドお嬢様、パチュリー様、朝食の準備は出来てますよ。」
どこか落ち着いていてしかし、しっかりと聞こえる声に僕たちは目を向けた
ハート「時雨おはよう」
アンド「おはよう」
時雨と呼ばれた執事服を着た男性の名前は十六夜 時雨
時間を操る能力を持っている。紅魔館でただ一人の人間だ。銀髪で整った顔立ち、ときどき女と勘違いされることもあるが、彼は男だ。彼の仕事はいつも完璧で洗練されている。イケメンで完璧超人。多分僕が女の子だったら惚れてるかも
アンド「ハートって男が好きなの?」
おいアンド、違うよ?女だったらナーの話であってですね。てかこんなときに心読まないで!!
時雨「坊っちゃんが望むのでしたら喜んでこの身を捧げますが?」
ハート「いやいやいや!?何いってんの!良いって!そういうの!」
ただひとつ困った点が忠誠度が高過ぎることかなぁ。てか、後ろのお二人さん、何で距離を取ってるんですか?やめて?そんな関係じゃないからね?違うからね!?
ハート「と、取り合えず早く朝御飯食べよ!ね!?」
この空気から逃げ出したくて堪らなかった僕は二人をやや急かすように食堂に入っていった。
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?「あら、おはよう、ハート」
僕たちが食堂に入ると待っていたと言わんばかりに一人の女性が声を掛けてきた。青い髪に紅い瞳、そう、僕の母親【レミリア・スカーレット】だ、その隣には叔母であり、アンドの母親である【フランドール・スカーレット】が座っていた。
ハート「おはようございます、母様」
僕がそういうと母様は優しく微笑みながら頷いてくれる。いつも通りの挨拶だ。
フラン「アンド!ハート!おはよう!待ってたよ」
アンド「ごめんねお母様、ハートったらなかなか起きなくってさぁ」
アンドは叔母の所へ駆けていき、今日の朝の出来事を楽しそうに話している。叔母も自分の娘の話を笑顔で聞いていた。
?「やっほーぅ!アンドおはよう」
突然アンドが空に浮かんだと思えば帽子を被ったアンドと同じボーイッシュな格好をした
アンド「お父さん!帰ってきてたの!?」
毎度のことながら女性なのにお父さんとはこれいかに?まぁ本人たちが納得しているから深くは突っ込まない。さて、このアンドに父と呼ばれた女性の名前は【古明地こいし】、放浪癖がありあちこちに探検に行っており、珍しいものを見つけてはしょっちゅうトラブルを起こす、我が家のトラブルメーカーだ。(女性同士でどうやって子供を作ったんだと思った方、八意先生→薬製作→性転換の薬→夜中のベッド、これでおk)さて、そんなこいしさんだが僕自身は嫌いではない。集めた珍しいものの話や、旅の話なんかもいろいろ話してくれるし、胸もデk「ギロリ」嫌なんでもありませんよアンドさん、HAHAHA
フラン「もぅ、帰ってくるならちゃんと連絡してよね?」
こいし「ごめんごめん、なんか面白そうなの見付けたから、後で見せようと思ってさ♪」
ウィンクをしながらそう言うと母が
レミリア「なら早く朝食を取らないとね、こいし貴女もまだなんでしょ?」
こいし「あー、そう言えば昨日から食べてないや、忘れてた」
母の言葉を聞いて気付いたのかこいしさんはお腹を押さえて言った。無意識ってすごいね。(白眼)
その後、今日の予定や、仕事の話、こいしさんの旅の話などを交えながら何時もの朝の時間は過ぎていった。やはり朝食べる納豆は美味しいですね母様。
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朝食を終えて、暫くして、僕、アンド、こいしさんは大図書館に来ていた、なぜ図書館なのかと言うと、調べたいものがあるからと言っていたので僕たちはそれを手伝いに来たのだ。母様と叔母様はそれぞれの仕事をしに行った。
ハート「うーん、これかなー、違うなー」
今僕たちが調べているのは、この奇妙な形をした懐中時計だ。縁は何かに踏まれたように歪み、針や秒針はまるで叔母が愛用しているレイヴァティーンのようにグニャグニャに歪み、時刻を示す文字に至っては、英数字でも数字でもない見たことの無い文字の様なものが並んでいた。こいしさん曰く最近幻想入りした迷宮から見つけてきたらしい。壊れてはいるが魔力を感じるため、何かしらのマジックアイテムであることがわかる。どんな効果なんだ?と考えていたとき思っても見なかった。
アンド「おーい、追加持ってきたよーっとっとっとっ?!」
追加の本を持ってきたアンドが散らばっていた本に躓き、彼女が両手で抱えていた本がばらまかれ、それが偶然懐中時計に当り
カチッ
と音がした瞬間、僕の目の前が真っ暗になった。