むかしむかし、貧しいけれど、心の優しいおじいさんとおばあさんがいました。
ある寒い冬の日、おじいさんは町へたきぎを売りに出かけました。
すると途中、田んぼの真ん中に仕掛けた罠を思い出し、ふと目を向けると「はああああぁぁ!」と言っておじさんは腰を抜かしてしまいました。
ホモです。
罠には肌が真っ黒に焼け、きわどい海水パンツをはいた、いかにも後輩を昏睡レイプしようなホモが捕まっていたのです。
「ちょっと刃あたんよ~」
ホモが言いながら、おじさんのほうをちらりと見ます。「俺も助けてほしいけどな~」
おじいさんは迷いました。
正直無視してこの場を去りたい、面倒くさいことに巻き込まれそうで怖い。そういう思いもありましたが、やはりこの場にホモを置いてはおけないと、罠を外してやりました。
外してやるとホモは「ぬわああああん痛かったもおおん」といいながら立ち上がり、おじいさんの顔を見ました。
「この恩は必ず返しますよ~するする」
「いえ、結構です」
「じゃけん夜来ますね」
ホモはおじいさんの言葉を無視してそう答えると、おじいさんの周りを「foo」と奇声を上げながら三度回り、そのままどこかへ走っていきました。
その夜、日暮れ頃から降り始めた雪が積もって、大雪になりました。
おじいさんはおばあさんにホモの話をしました。すると、おばあさんの顔はみるみるこわばってきます。
「あんた、ついにボケたのかい」
「いや、本当の話なんじゃ。じゃけん夜来るとかいっとったから、今にも来るかもしれん」
「先にあなたのお迎えが来ますよ」
おばあさんがそういうと、とんとん、と戸を叩く音がします。
「あけてくれよな~頼むよ~」
ホモの声です。
おばあさんが戸を開けると、頭から雪をかぶったホモが立っていました。
おばあさんは驚いて、
「まあ、まあ、寒かったでしょう。さあ、早くお入り」
とホモを中へ入れてしまいました。
「ま、まておばあさん」
おじいさんはあわてて言います。「そいつじゃ、そいつがさっき話したホモじゃ」
「なんのこったよ」
ホモはすっとぼけた表情でそう返しました。
「こんな雪でその格好じゃ、お困りじゃろう」
おばあさんは言います。「こんなところでよかったら、どうぞ、お泊まりなさい」
「何言っとるんじゃ、おばあさん。このホモはどう考えてもおかしい」
「おかしいのはあなたですよ、もう狂言には付き合ってられません」
そういって無理やりホモを泊めてしまいました。
しかも、その晩限りかと思いきや、次の日に家がないと言い出し、ずっと家に泊めることとなってしまいました。
そして、ある日の事。
ホモがはたをおりたいから、糸を買ってくださいと頼みました。
おじいさんがしぶしぶ糸を買ってくると、ホモは隣の部屋へいき「この辺でぇはたおりますんで、じゃけん絶対にのぞかないでくださね」と言って、はたをおり始めました。
ホモがはたをおって、三日がたちました。
ようやくはたをおり終えたホモは「まずこの織物さぁ、町にいって……売ってかない?帰りにはまた糸を買い入れろ~」と、黒くて少し臭う織物を二人に見せました。
おじいさんがそれを町へ売りに行くと、その辺のおっさんが安い値段で買っていきました。
糸を買うと、そのお金はすぐに無くなってしまいます。
ですがホモはまた、はたを織り始めました。
「ねえおじいさん」
おばあさんが聞きます。「あのホモが作る織物はどうして真っ黒なんでしょう、特に色も付けていないようなのに……ちょっと、のぞいてみましょう」
おばあさんがびょうぶの隙間から中をのぞくと、そこには痩せこけたホモが陰毛を引きちぎり、糸に織り交ぜながらはたを織っているのが見えました。
「お、おじいさん!おじいさん!」
おばあさんは驚愕しながら、おじいさんにそのことを話していると、突然、はたの音が止んで痩せこけたホモが布を抱えて出てきました。
「もう隠しても仕方ありませんねぇ!実は俺、少しまえおじいさんに助けられたホモだったんだよ!」
「いや知っとる」
「でもばれたからもういれないじゃんアゼルバイジャン。それじゃあ行きますよ~イクイク」
そう言ったかと思うと、すさまじい速さで外に出ていき、家の周りを「foo!」と奇声を上げて三度回ると、森の中へ消えていきました。
おじいさんは森を見てつぶやきました。
「ホモや、もう二度と目の前に現れんでくれ」
その二日後、また町にたきぎを売りに出かけようと、家を出た時、罠にホモがかかっているのが見えました。
どうやら先日のホモとはまた別のタイプのようで、全裸でいかにも漫画喫茶でクレームを言ってきそうな男でした。
おじいさんはそのホモと目があいましたが、すぐに目を伏せます。
「そこのおじいさん!」
ホモが懇願するように、おじいさんに言いました。「このままだと逃げれないんで、この罠を外してください!お願いします!」
おじいさんは無視して、これでもかというほど下を向くと、そのまま歩き出しました。
「ちょちょ、ちょっと待ってください!待って!助けて!待ってください!お願いします!あああああああああ!!」
おじいさんの背中で、ホモの絶叫が山にこだました。