後、お待たせしました。
大学のレポート、TOEIC(11月19日試験)の勉強、公務員試験の勉強、そして極め付きは授業の小テストが重なってほかの作品とかも書いてたらどんどん遅くなりました。
すいません。投稿がいつもと違うのもそのせいでもあります。
それでは謝罪もここまでにして本編どうぞ!!
(………最近、ウィザードの人とか平成ジェネレーションズの人とかの最新話表示を見ないけど大丈夫なのかな……)
「間に合えええええ!!!」
脳天にガラス片が突き刺さったメアリの姐さんの死体を見ながらやっと終わったとリップルとハイタッチをする。そんなときに上の方からその叫び声が聞こえてきた。
「?うわっ!?」
その声が聞こえてくる方を反射的にむくのと同時に突っ込んできた何かに全力で突き飛ばされる。
「トップスピード!?っ!!」
「イテテ……え……」
後ろの方でリップルが悲鳴を上げて息をのむのが聞こえるが、突き飛ばされたときに顔から地面についたせいで、鼻先が擦れて痛いせいでそれどころじゃない。痛む鼻先をこすりながら立ちあがった俺が見たのは
「たいが!?」
右肩から左腰に掛けて斜め一直線に袈裟懸けにするよう斬られながら地に伏していくたいがの姿だった。
ドシャっと言う音とともに地に伏したたいがから大量の赤い液体がこぼれていく。たいがの
「……しっぱいしたけど、まぁいっか。6おくは手に入ったから。」
そう言いながら突然現れた白い水着姿の魔法少女はその手に持った薙刀のような武器についた血をサッと払う。
………その払われた血は、どう考えてもたいがのものだった。
「……てめぇ!!」
それに気づくのと同時に頭にカッと血が上る。たいがが俺を庇って斬られたとそれを見てすぐに理解したからだった。俺の荒げた声に応えるかのようにリップルも苦無を構える。
「あなたたちはわたしにしたがう?それとも…」
「邪魔だぁああ!!!」
「シッ!!」
スイムスイムが何かを言っているが、聞く耳を持つつもりはない。今すぐにでもたいがを病院に運ばないとたいが
が死んでしまう。そんな焦りとともに俺は箒で殴り掛かり、リップルは苦無を投げつけた。
「「っ!!」」
「………そう。なら、あなたたちはいらない。」
箒はスイムスイムの身体を突き抜けていても水に差し込んだような感触しかなし。リップルが放った苦無はポチャと言う音とともにスイムスイムの身体を突き抜けて少し離れた位置で落ちた。
俺の箒を俺を逃がさないつもりかしっかりと握りしめたスイムスイムが武器を上段に構える。
「トップスピード!!」
リップルの叫びが廃ホテルの屋上に響いた。
◇ ◇
目を開けると、そこは真っ暗な闇の中だった。
「ここは……」
一寸先も見えない、自分の身体も辛うじて認識することしかできない闇の中できょろきょろとしていると後ろの方から
「お前はくるなって前も言っただろうが……まったく」
そんなあきれたような声が聞こえた。
「だれだ…?」
聞き覚えのない声に目を細め、闇を見据える。
「俺だよ。俺。」
そう言いながらそれは現れた。
筋肉質な肉体。
しなやかな体つき。
その耳はどんな音も聞き逃さないとでもいうつもりなのか人よりも大きく、どんな獲物も逃さないとでもいうかのようにその眼光は鋭い。
そしてシャリンシャリンと、厳かな鈴の音が鳴り響く。
「………虎?」
やってくるそれの色は白。
中国で四方を司る神と言われ、四神とも言われる中の西方を司る神。
俺たちが白虎と言われてイメージする白い虎がそこにいた。
もし、陰陽道について何らかの形でかじっているような奴ならもっとイメージしやすいかもしれない。
「ちゃんと
白い虎が口を開くと、そんな声が聞こえてくる。
「……まさかお前がしゃべってるのか?」
そんなまさかと言う思いを抱きながらそう尋ねると
「そのまさかさ。久しぶりだな大我。」
白虎はそう答えて俺の目の前で気楽そうに伏せた。
「久しぶり……って、俺お前と会ったことないけど…」
俺は困惑しながらそう答える。
実際、俺はこの白い虎を一度も見たことがなかった。ホワイトタイガーは過去に一度動物園で見たことがあったが、それはこの虎ではない。それは確信をもって言うことができた。
「ハハハ。それもそうか。俺からしたら毎日顔つき合わせていてもそれは鏡を見ているようなものだから本人にはわからないか。」
そんな俺の反応を見て白虎は楽しそうに笑う。そして数秒ほど笑ってから白虎は
「
そんなとんでもないことを言いだした。
「お前が……俺…?」
言っている意味を理解することができずにそう聞き返す。もしその言葉が本当で、俺が虎だというのなら、俺は人間ではないということになる。しかし俺はれっきとした人間であり、虎ではない。
それゆえに目の前で白虎が言っている意味がなおさら理解できなかった。
俺の困惑している様子を知ってか知らずか、目の前の白虎はカラカラと笑い、こういった。
「どうも、お前は見当違いをしているみたいだな。」
「む」
俺を煽るように告げられた虎の言葉にイラっとする。しかし、そのせいで目の前の白虎が言っていることの意味がなおさら分からなくなってしまった。
「じゃあ、どういう意味だよ。」
まともな答えが返ってくるとは到底思えないながらも聞き返す。すると白虎は
「そりゃあ、お前あれだよ。」
あれとオノマトペを使ってきてもわからない。だから
「あれってなんだよ。」
……その「あれ」とやらの具体的な意味を求めてもおかしくはないだろう。しかし、帰ってきた答えは
「俺はお前自身の本能だよ。大我。」
俺の想像の範疇を超えていた。
「………は?」
わずかに首を傾げ、言っている意味が分からないと体でアピールする。それにもかかわらず白虎は
「だーかーら。俺はお前の本能。獣性だよ。本当にわからないのか?」
と、俺の問いをはぐらかすような答えを返してくる。
「知らねーよ。つか、獣性って何?獣?ビーストアーツでも使っちゃうのか?」
「激獣白虎拳ってか?ちげーよ。」
「ならア」
「アクガタも違うっての。一回ゲキレンジャーから離れろ。」
俺が適当に拳法のような構えをしながら反射的にネタをぶち込むと、目の前の白虎はそれに乗る形で答え、それから否定した。
「要はお前の食欲、睡眠欲、性欲のすべての人間が持つと言われる基本的欲求の三つをまとめたのにバグスターウイルスの影響で人格を持たせれたもの。それが俺だ。」
「だから俺がお前?」
俺はそこでようやく目の前の白虎が言っている言葉の意味を理解した。
要は、俺が普段理性で押さえつけている本能。それが意志を持ったものと言うことらしい。だからこそこの目の前の白虎は俺のことを
「そう、俺がお前でお前が俺。かといって
「それはわかるけど……なんで虎?」
「だって、お前の
「………え?っ!?」
目の前の白虎が俺の起源を虎と言った瞬間に真っ暗だった周囲の景色が変わる。
天も地もない、真っ暗な空間から俺にとっては絶対に忘れたいと願うあの日、あの場所へと。
傾斜がそれなりにある坂道、所々にごつごつとした先端を突き出す大きな岩、そして一部に謎の空白を残して広がっている小さな平坦な場所。
その小さな平坦な場所には見覚えのあるシートが敷かれており、そこには真っ赤な液体を被った空の弁当箱が置かれている。
そしてその真っ赤な液体は辺り一帯の内の空白地帯へ向けて点々をつけるかのように散っていた。
「お前はそこの空白に何があったか覚えているか?」
後ろから白虎が問う。
「……」
そこに何があったのか覚えていない俺はその問いに対して答えることができない。それに気づいたのだろう、白虎は
「なら質問を替えようか。なんでお前はここで昼飯を食べることにした?」
「それは……」
今度の問いに対して俺は口ごもる。その理由はその時選んだ理由を何となくだが覚えているけれども、はっきりと断言することができないからだ。
「できないよな。だってお前はその時何となくでここにたどり着いたんだからな。」
「………」
黙りこくって何も言うことができない。そんな俺の様子を気にすることもなく白虎は俺の前に広がる小さな空白地帯の方へと歩み寄ってから続けた。
「ここには小さいながらも祠があった。」
そう白虎が言うなり白い空白地帯となっていた場所へ色が、輪郭が描かれていく。
「祭られていた神は地域信仰程度だったが力を持っていてな。あの自然公園に住まう動物たちを守る神でもあったのさ。」
「……」
「それなりに地域の人からも信仰されていたし、あの辺に住んでいる住民の手で手入れもされていた関係でそうそう大事に至るわけなんてなかったんだ。あの日までは。」
「………」
俺は無言のまま白虎の語りを聞き続ける。
「だが、あの日……」
白虎は口を開いて怒りをあらわにするかのように声を荒げた。
「巨大な石が祠に投じられ、祠は砕けた。ご神体として祭られていた石ともどもな!」
荒げた白虎の意思に応じるかのように目の前でぼやけて映っていたそれが像を結んだ。そこにあったのは砕け散った大きな石と大量の木の破片、そして赤い液体に塗れながら割れている石でできた虎のような像だった。
その液体からは鉄のような匂いを出している。
鼻に突きさすように匂いを出している。
そう、今いるこの場所は俺があの日石の破片の直撃を受けて死線をさまようことになる原因の事故が起きた場所だった。
「……それって………まさかお前…!?」
そこまで聞いてから俺はあることを思いついた。だが、それを証明する根拠はない。しかし、白虎は俺の思い付きを肯定するかのようにこう続けた。
「当然ご神体を砕かれれば俺の意識は保つことができない。……消滅する。そう思ったその時だ。目と鼻の先で首の骨と、頭を砕かれて子供が
「っ!!」
その子供とは……まさか……これまでの話を聞いていてそんな嫌な予感がよぎり、背筋が凍る。
「その子供とは、お前だ大我。」
「……」
違っていてほしい。そんな俺の思いを裏切るかのように嫌な予想が当たってしまった。そう思った。
「だから俺は、いや。我はお前の中に入った。お前をご神体の代わりにしようと思い、わずかに霧散せずに残った力で蘇生しながらな。」
「そんな……じゃあ、俺は……今ここにいる俺は一体何なんだよ!!」
白虎に向けて頭を抱えながら悲痛な声を上げる。
その話が本当なら今の俺はいったい何者なんだ。
死体が動いているのか?
ゾンビなのか?
果たしてそれは生きていると言えるのか?
そもそもご神体に生きているものがなれるのか?
数多くの考えが
「今回のように転生したわけじゃない。死体に神様が宿って生きているように見せかけていたに過ぎない。要はそういうことなんだろ!!」
空転したままの俺の思考を隠しきれずに、混乱したままの俺の悲痛な声が空間に響く。声を出しながら耳を塞ぐかのように両の手を当て、頭を振ってすべて拒絶しようとする。そんな阿鼻叫喚状態の俺の額にポスンと柔らかいものが当てられた。
「おちつけ。別にお前がゾンビだとかそんなこと言うつもりはない。ただ、お前の身体に想定外のものが詰まっていたせいでお前が予想したのと違う結末を迎えただけだ。」
響く声は空気を震わすことなくやけに柔らかい肉球越しに俺の意識に届く。
「違う……結末…?」
そうぽつりと零す。違う結末って死んでるはずの俺が蘇生してこの虎がいる時点で違うもくそもない。そう思ったが、
「そうだ。もしお前がさっき思った通りの結末なら今お前の人格は存在してない。俺が乗っ取ってそのままお前の魂は冥府へとサヨナラだ。」
「!?」
衝撃の事実だった。なら……ならだ。
「何が原因で今の俺になったんだ?」
そんな疑問が生まれてくる。それに対して白虎はすぐに答えてくれた。
「古来より鏡は神を宿すって話はお前も親から何度も聞いているから知っているだろ。」
知っている。俺の親、特に母方の家系の方はどうも神職関係についていたことがあったらしく、そう言ったたぐいの話は小さいころから何度も聞いたことがあった。
俺は顔を上げて頷いた。
「そしてお前の母方の家系は神職だったことも知っているだろ。だから説明を簡単にするとお前の身体は神を受け入れるのに適した、要は
「かんなぎ…?」
これまで生きてきた中で、聞き覚えのない言葉に首をかしげる。そんな俺の様子を見たのか
「要はお前は性別と生まれた時代さえ違ってれば優秀な巫女さんになることができたとでも思っておけばいい。今はそれはあまり深く考えなくてもいいからな。」
そう白虎は告げて、話を進める。
「お前の身体は神を宿すのに適しているが、その時すでに肉体的には死んでいた。俺は神としての権能こそあるが、ご神体がなければ死を待つのみだった。だから俺はお前の身体を蘇生する際にお前の中にいることで共存する形に納めざるを得なかったのさ。そうじゃないとお前も俺も共倒れだったし。それにお前の家系は鏡、神をその身に宿して予言をする一族の分家筋だからな。大方その苗字も鏡を文字って加賀美だったんだろうよ。」
「………じゃあなんでその時放っておいてくれなかった……」
白虎の上から目線の言葉に対して脳裏に浮かぶのはクラスでただ一人死ななかったからとひたすらイジメられ続けた記憶。
何度も何度もけがをした。
何度も何度も殺されかけた。
何度も何度も心に傷を負った。
もしかしたらこの白虎がその度に命を強制的に蘇生しているだけで俺は何度も何度も死んでいるのかもしれない。
それらはすべてあの時この目の前にいる白虎が居なかったら起きなかったかもしれないということに思考がつながり、奥底から怒りがふつふつと湧いてくる。
「なんであの時死なせてくれなかった!!!」
俺は怒りのままに目の前の白虎に拳を打ち込む。
「あの時死んでりゃ俺は苦しむことなかった!!」
左。
「あの時死んでりゃ親父が会社を辞めさせられることなんかなかった!!」
右。
「あの時死んでりゃ母さんが心を壊して精神科に通院するようなことにはならなかった!!」
左。
……これまで俺がクラスの中でただ一人生きていたせいで起きたすべての「悲劇」と人が知れば言うであろう事柄を叫びながら拳に込めてぶつける。
十数発はぶつけただろうか。最後に左の拳を入れて俺は力尽きるかのように膝から崩れ落ちた。
「あの時………あの時…」
瞳は焦点とハイライトを失い、力を失った口からはうわごとのようにそうこぼすことしかできない。そんな俺に対して白虎は
「すまない……とは思っている。だけど、俺を赦せと言うつもりもない。」
その上からの言葉に体中に残った力をかき集めて睨みつける。しかし、白虎は優しい瞳をこちらに向けながら
「今お前の肉体はあの水着の少女の攻撃であの時のように死んでいる。それは理解できるな?」
そう優しく告げながら俺の頭にポンと肉球を置く。そして俺の意思を無視するかのように一方的に告げた。
「だから俺の残った力全てでお前を蘇生させる。」
「え……」
「拒否権は認めない。お前を待ってる、お前を救おうとあがいている人がいるんだ。せめてその人達ぐらいきちんと救ってから死ね。」
そう白虎が告げるなり、白虎の周りから金色の粒子が舞い上がる。
「……」
まるでFateのサーヴァントが消失するかのように粒子をまき散らしながら消えていく白虎をただ見つめる俺に白虎は
「これで俺は消える。残った力でお前は人を……
そう言い残してまき散らした粒子とともに光の奔流となって俺の中に入っていく。
「あ……あ………ああああああああ!!!!!」
俺と言う存在がどこか変質していくような感覚を得ながらも、俺は……周囲の景色に紛れるかのように光となって消えていく血まみれとなった祠の石像へと手を伸ばしていた。
◇ ◇
「トップスピード!!」
私の目の前でスイムスイムが剣を掲げ、箒を握ったままスイムスイムのすぐそばで動けずにいるトップスピードへ振り抜こうとした……その時だった。
<♪~><
3つの音が重なったような音が鳴り響き、ピンク、オレンジ、緑、そして銀色の4色で
「今のって……」
そうトップスピードが漏らし、私も音がした方へと向く。するとそこには
「………」
無言のままピクリともしていないたいがを庇うかのように立つ大きな影、そしてラ・ピュセルが持っていたようなほど大きくはないものの、それなりに大きいと言えそうな不思議なシルエットを持った剣を振り切ったように構える剣士の影と、その傍らで空手で構える青年のようなシルエット。そして肩に手に持った剣のような武器をあてるように構える剣士の影が立っていた。
私たちがその影を見てから数秒後、シュン!シュン!!と言う音を立てながら大きな影の前に立つ3つのシルエットは2つの小さな何かにそれぞれ粒子になりながら収容されていき、それを大きな影が両の手に持ったまま光の粒子になってたいがに吸い込まれていく。
「たいが……おまえが………おまえがやったのか?」
「………」
そうトップスピードがこぼす中、たいがが無言で立ち上がった。
竜巻のように強い風が突然巻き起こる。
そして明けていく空を背景に目が金色に光っていた。
「……あの時なんで俺が生き残ったのかてことの真実は不本意ながら知った。あの野郎から託された願いもある。だけど、それが理由で動きたくはない。俺は俺自身のために動きたい。」
さっき負った傷は一体どうなったのか。私が抱いたそんな疑問を無視するかのように変なことを言いながら腰につけたままだった大きな蛍光色のバックルの位置を調整しなおすかのように少しだけ上下させつつ、たいがはこちらに歩いてくる。その様子を見る限り何の問題もないように見えた。
「だからこそ、原点に戻って考えるしかないって思った。」
致命傷を負ったはずなのにピンピンしているように見え、しかもおかしなことを言っているせいで困惑する私たちの横を通過して後ろの方で苦悶の表情を浮かべているスイムスイムにたいがは対峙する。そして
「そうだよな……あの時小さい俺がライダーにあこがれたのは。」
しみじみ語りながら右手に握り締めるのはさっき大きな影に収容されていた2つのシルエットの一つ。桃色と透明のパーツで構成されたゲームカセットのようなもの。……確かあの時ガシャットと言っていたか。
そのガシャットを腰のすぐ横でだらんと手元に吊り下げるかのように持つ。
「きっとあの事故で空っぽになった自分自身をなにかで埋めあわせたかったからだったんだ。」
誰に告げるわけでもない。自分自身に言い聞かせるようにたいがはそう言い切ると、そのガシャットを右手の中指に引っ掛けた状態で3回転させながら顔のすぐ横へと動かした。
そしてガシャットについている黒いスイッチを押し込んだ。
<♪~><
たいがが黒いスイッチを押し込むと周りに板チョコをすべての面に張り付けたかのように思える立方体が大我の後ろに現れた画面みたいなものから大量に飛び出してくる。
「この戦いは……定められた運命に反逆する戦いだ!!」
それを左斜め後ろから見ているとその画面が消えるのと同時にたいがはそう誰かに宣言するかのように叫びながら左手を勢いよく体に引き付け、右手に持ったガシャットを前に突き出す。
その突き出した腕を今度は大きく回し、ガシャットのクリアパーツ部分を上に、そのガシャットを下から左手で支えるように構えた。
「
叫び、右手に持ったガシャットを半回転させる。
半回転させたガシャットを今度は左手に持ち替え、それを宙へと掲げた。
そして即座にその上げた腕をまっすぐ下に下ろす。
<ガシャット!!>
そんな音が聞こえるのと同時にたいがは何かしたように見えた。
<ガッチャーン!!><
たいがの周りに桃色のレーンが大きく広がり、その上を人影が一つずつ描かれた窓がいくつも現れてたいがの周りをまわっていく。
その中の1枚、とさかのようなものが付いた人影が描かれたものをたいがは右手で触り、手を下ろす。
たいがが触った窓は<Select!!>と言う文字を浮かばせてから拡大され、それ以外の窓は縦に回転しながら周囲に散っていく。
そして窓が拡大されるのに応じて広がった桃色の円の中でたいがに白い大きな影が被さる様に見えたが、即座にたいがの前に桃色の線で描かれた6頭身の人影が描かれた壁のようなものが重なる。
<
そんな場違いにも思えるようなテンションの音声が流れるこの場所で壁を通り抜けたとき、重なった円の中にいるたいがはその白い装甲のようなものを辺り一帯に散らしてこちらを向いて立っていた。
頭にはショッキングピンクのとさかが斜めに3本。
ゴーグルのようなものの向こうにはゲームキャラのような目が描かれている。
右胸からは昔のゲームハードのコントローラーの操作キーのような模様が描かれている。
そして左胸の方からその並んでいる模様の方へと日本のバーが伸びており、その下に剣とハンマーを模したようなマークが描かれている。そしてそしてそれらの背景は青いメタリックで塗装されている。
肘まで、膝上までの全身をショッキングピンクのスーツで包み、胸には銀色の装甲。
そして黒い線が数本、スーツに走っていた。
「ノーミスクリアで………運命を変えるぜ!!」
そう叫びながらたいがはスイムスイムにとびかかった。
感想、評価をもらうとテンションが上がって頑張れます。
今明かされる衝撃の事実ぅ!!って奴です。