私のヒーロー道(休載)   作:ヘイ!タクシー!

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ううむ………私は主人公をどうしたら良いのだろうか?

3位!


戦闘訓練は電撃戦さ!

 A、Bチームの戦闘が終わった。

 

 特に語ることは無かったかな。とても参考にできる訓練とは言えなかったし。

 あの二人建物壊しすぎだろ……度の過ぎたケンカじゃ無いんだからさー……。緑谷くんに至っては超大怪我してるし。左腕は確実にイカレただろう。

 

 結局三人の個性が少し詳細にわかったくらいで次の戦闘に進む。飯田くんは把握テストで大体予想ついてるし、満足な結果と言えよう。

 

 次はBのヒーローチームとIのヴィランチームの戦闘だ。そしてBチームにはもう一人の推薦組であるハーフイケメンが出るようだ。

 

 推薦組、と言うことはやはりモモみたいなチート個性なのだろうか。把握テストでは右から氷を出していた所を見たけど。

 

 もう一人の………少年?異形型かな?は障子目蔵くんだ。彼もまた中々便利そうな個性だ。口元と耳をマスクのような何かで覆っている。また、背中から腕にかけて水掻きがついた腕が6つ付いてる。

 

 男子と話してる所を見た時は口のようなものが腕の先端に出来ていたから、身体の複製みたいな個性なのだろうか。

 

 

 Dチームは透明な少女と影の薄そうな尻尾がついた少年だ。

 と言うかあの透明少女。何も着てないと言ってたけど、恥ずかしくないのだろうか。というかウチのクラスって全体的に羞恥心を何処かに置き去りにしてる気がする。

 全く、制服を見たときはなかなかのバストを持っていたが………全く、けしからんな!!

 

「椿?鼻血が出てますわよ?ハイこれティッシュ」

 

「おっと、私の熱いパトスが………ありがとねモモ」

 

「大丈夫?次にやるかもしれないんだからリカバリーガールのとこ行った方が良いんじゃない?」

 

「ん。大丈夫だよ。よくあることだから」

 

 ふう、危なかった。

 とりあえず私は、前にいる峰田くんの後頭部に袖から取り出した針を投げつけた。人のこと言えないけどお前は自重しろ。ハァハァ言うな変態。

 

 __________

 

 

 速攻でしたね。轟くんが一瞬でビル全体を凍らせて戦闘が終了してしまった。

 というか威力がヤバいな。初見であれを回避するのは私も無理だ。いや、集中すれば地面から伝わる冷えを回避できるかもしれないけど………アレが空間まで広がって凍らせるなら、回避は不可能だろう。

 

「ううむ………推薦組の個性はズルいな」

 

「貴女のそれも十分ズルいと思いますけど?」

 

 なんかモモが言ってきたけど無視だ。剣術は私の努力だ。ズルなんかじゃないもん。

 

 

 さて、二組目の戦闘も終了したことだしそろそろかな?

 オールマイトが再びくじを引く。出たのはCとEだった。

 

「おっ、とうとう私達だよモモ。頑張ろうね」

 

「ええ。気合い入れていきましょう!」

 

 どうやらモモもやる気バッチリの様子。

 私達はヴィラン役だった。相手の人達は………ああ。あのナルシストくんと褐色肌の女の子、名前は確か芦戸 三奈ちゃんか。

 

 にしてもあの娘もコスチュームが大胆だな。あんなに胸元を開けて恥ずかしくないのだろうか?

 アレか。発育が良いからって見せびらかしてるのだろうか。揉むぞこのやろう。

 

 

 __________

 

 私達は五階建てのビルの四階にいる。目の前にはハリボテの核兵器ロケットがあった。

 

「さてと。じゃあどうする?ここで二人で防衛戦を行うか、どっちかがヒーロー側に突っ込むか」

 

「そうですわね………前の二チームはどちらかが突っ込んで負けてますし、私達は逆に残ってみましょうか」

 

「了解。じゃあ今のうちに罠でも仕込んでおこうよ。まきびしとか」

 

 まずは罠の設置。まあこれは当たり前か。というか、せっかく待ち伏せしているのにやらなきゃアホだ。

 

「とりあえずモモは障害物に出来そうな物をいっぱい取り出してね」

 

「わかりましたわ」

 

 本当はモモの個性で核兵器全体を硬い物で覆うのが手っ取り早いんだけど………モモの衣装が危ないからダメなんだよねー……

 しかもモニターで逐一見られてるから大きな物は創造させれないし。アレ?意外と大変?

 

 ちなみにモモの個性は『創造』だ。生物以外なら知識があればなんでも創れる。ただし欠点は大きな物を創る時に時間がかかるのと、取り出す時に出す面積が大き過ぎて服が弾け飛んでしまうのだ。

 

 ぶっちゃけこれが男なら関係ないのかも知れないけど、モモは女の子だ。服が弾け跳ぶのは死活問題である。まあ、彼女はその事を全く気にしていないのが問題なんだけど……。

 

 そんなことを考えながら、モモが創造した硬い球体をその辺の床に大量に転がしておく。まきびしは危ないから止めておいた。

 

 その間、モモに鎖を創造してもらっていた。

 私はその鎖を核兵器の周りの天井や床から張り巡らせたり、所々この部屋に障害物として張り巡らせたりする。

 

 鎖に乗った感じ、私が乗ってもまったく撓まないくらいに鎖を張るができた。私が思いっきり蹴りつけても微動だにしない。さすが百印。設置がしやすい。

 

 準備をしていたら既に5分経っていたらしい。いつの間にか始まっていた。

 

「罠の準備も終わったし、後は警戒するだけだね」

 

「そうですわね。こっちには椿もいますし。頼りにしてますわ」

 

「いや、私が正確に気配察知できる範囲って、この部屋くらいだからね?まだモモが監視ドローンを創造して見回りした方がましだからね?」

 

「ごめんなさい……私、カメラの構造がまだわからなくて………」

 

「無理言ってごめんなさい。マジで忘れて」

 

 そんな他愛ない会話を続けていると、誰かが近くまで近づいて来ているのを感知した。

 大まかな距離と方向しかわからないけど、二人が確実に此方に向かって来るのは確かだ。

 私は戦闘の為に意識を切り替えた。

 

「モモ。二人が四階に上がってきたわ」

 

「ようやくですわね」

 

 二人の移動速度は大分早い。だんだんと彼等の輪郭がわかるまでには近くなってきているのがわかる。

 

 そして、私達のいる部屋の扉が勢いよく開け放たれた。

 

「核兵器見つけた!」

 

「それにマドモアずぶぅえッ!!」

 

 そんな堂々と入ってきた侵入者相手に余裕を持たせる訳がない。

 私は縮地でナルシストくんーーーーーー確か名前は青山だったかーーーーーーの側まで距離を詰めると、その生理的に受け付けない顔面に木刀の一撃を入れる。

 

 廊下の壁まで吹っ飛んだ彼は、そのまま壁に上半身をめり込ませて動かなくなった。

 

 私が急に近くに現れたことで驚いた芦戸ちゃんは横に飛び退く。

 丁度よく転がされた球体の上に足を乗せた芦戸ちゃんだが、何故かその球体が溶けて普通に地面に着地された。

 

「せっかく設置した罠が機能しないとは………少しショック」

 

「何今の!?いきなり隣に現れてビックリしたんだけど!」

 

「歩いただけだよ?やり方は企業秘密だけど」

 

 そう言いながら私はその場から動かず芦戸ちゃんに目を向け続ける。彼女は此方を警戒して、私の方を向いててくれるから助かった。

 

 瞬間、彼女の真横から巨大な網が飛んできて芦戸ちゃんに覆い被さった。

 

「うわっ!」

 

 印象的な登場で私に注意が向いていたから、ノーマークのモモが投網を創造して彼女に投げつけたのだ。

 突然の出来事に硬直している彼女に、また縮地で跳ぶ。

 そのまま彼女の手に、オールマイトから貰った確保証明のテープを網の隙間から巻き付けた。

 

「こんなもの私の酸で!」

 

「いえ、もう終わったわ芦戸ちゃん。手首見て」

 

「へ………?」

 

 芦戸ちゃんは近くにいた私を見て、その後自分の手首を見て固まってしまった。

 まあ、彼女の意識をすり抜けて行ったのだ。彼女からしてみれば突然現れた私が知らない間に彼女を確保したのだ。事態についていけてないのだろう。

 

 戦闘が終わったことで、私はモモに駆け寄って思いっきり抱きついた。

 

「やったねモモ!私達の勝利だよ!」

 

「椿………ちょっとは手加減と言うものを覚えましょう?」

 

 ………たしかに。あれだけ準備したのに即効で終わってしまった。あの準備は何だったのだろうか………。私が鎖の上を移動して悪役っぽいアクロバットな戦いをしようと頑張ったのに………

 

 

 ____________________

 

 

 そのあと気絶した青山くんを叩き起こして訓練終了。

 私達はオールマイト達がいる所まで戻ってきた。

 

「あー………なんというか、芦戸少女と青山少年はドンマイだった。相性が悪かったな、うん」

 

 帰ってくると、オールマイトが何だか微妙な表情をしていた。

 それもそうだ。なんせ轟くん達に続いて、私達もすぐに終わってしまったのだから。

 

 

 とは言え、私が使った縮地とは本来こういった電撃戦として用いるのが基本なのだ。

 相手の意識の隙間を縫うように詰め寄る歩方技術。それが縮地。断じてビル越えをするために使う歩方じゃない。

 

 最初から二人は核兵器に注意が向いてしまったから簡単に近付けたし、ニ度目は網に意識が持っていかれたから簡単に近付けることに成功。

 私に意識が向いている状態で行ったら、多分反応されたかもしれないのだ。

 

 だからそんな酷い奴を見る視線を私に向けないで。

 

「アレが入試一位………」

 

「凄い速かったね。飯田くんみたい」

 

「何の個性なんだ?」

 

 ううむ。チラチラ見られてる。恥ずかしいからそんな見ないで欲しい。照れる。

 それと爆豪くん。君、さっき凄い落ち込んでなかったかな?なんで睨むの?私何かした??

 

「むぅ。轟少年達同様に今回も採点が難しいな………八百万少女や邦枝少女はお互いに協力出来ていたから良かったぞ!青山少年と芦戸少女は目的物を見つけたからと言って油断しないように!以上!!」

 

 オールマイトのありがたい評価を頂いて、私達の訓練は終わった。

 

 余談だけど響香は電気の持つ個性の男子と組んで勝っていた。にしてもあの男の子どっかで見た気が……

 

 

 




なんとなく私の中で主人公の設定が決まった回でした。

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