私のヒーロー道(休載)   作:ヘイ!タクシー!

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相変わらず誤字がひどいな。ついでに主人公の本性が少しずつ出てきた


最初のテスト

 春。

 今日から私は高校生だ。しかも雄英の。チョー楽しみです。

 

「やっハロー、モモ」

 

「お早うございます椿。元気ですわね」

 

 という訳で早速教室である。一番乗りとはいかなかったけど、それでも二番目。といっても真面目な彼女が早いだけから仕方ないのだけど。

 

「相変わらず早いねモモは。私も早起きして来てるんだけどねぇ……」

 

「椿は一人暮らしでしょう?しょうがないわ。それに私は車で直接来てますし」

 

「まあそうなんだけどね~……なんだろ?性格の問題?私負けず嫌いだから」

 

 初めての高校生活だけど、運良く彼女と同じA組になれて良かった。今のところ新鮮味はないけど何だろうか、彼女といると落ち着くのだ。

 

 そんな風に何時ものように他愛ない会話を彼女としていると、教室のドアが開いた。と言うか入る時も思ったけどドア大きいな。バリアフリーか。

 

 ドアから入ってきたのは………何だろうか。髪が真ん中で白色と赤色に別れている奇抜なファッションをしている人だった。個性の影響かな?私も金髪で派手だけど彼の頭はとても個性的だね。

 

「あ。あの人知ってますわ」

 

「え、そうなの?なんで?」

 

「同じ推薦組ですので。説明会の時に会いました」

 

「なるほど……」

 

 それからは先程の二人だけの空間だった教室が嘘のようにどんどん制服を着た生徒達が入ってきた。以外と皆真面目なのかな?隣の人と会話もせずに自分の席に着いている。

 

「なんかこれだけ人数いるのに静かね。皆真面目くん?」

 

「周りが誰も知らない人たちなのだから仕方ないのでは?私も椿がいなかったら黙って授業待ちすると思いますし」

 

「あー……それもそっか」

 

 バンッ!!

 

 と、そこで勢い良く扉が開かれた。その音に一瞬ビクンと反応して、思わず音の発生源を見てしまう。

 そこにいたのはガラの悪そうな金髪の少年だった。なんせ足で扉を開けるくらいだ。特に目付きがヤバいし。

 

 その不良のような少年はズカズカと彼の席まで移動する。

 ドカッ!と教室内に音が響き渡る。

 アレだね。彼はまんま典型的な不良なのだろう。机に足を乗せているところなんか特にね。

 

「何ですかあれ?野蛮ですわ」

 

「THE不良って感じ。……あ、でも優等生っぽい子が注意してるよ」

 

 なんと言うか本当に優等生みたいなメガネ男子が不良少年に注意している。と言うか彼、試験会場で質問してた人だ。受かってたんだね。

 

 優等生くんが今度は新たに入ってきた少年の所へ行ってしまったので、興味の失せた私は再びモモに振り向こうとして気付いた。

 

 もう一人入ってきた少女の後ろに何かいる。何あれ寝袋?うわっ!起き上がった!

 

 寝袋マン?が教室に入ってきて教壇の前に立った。寝袋を脱いで出てきたのは、髪がボサボサのくたびれたおっさんみたいな人だ。

 

「ハイ。静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君達は合理性に欠くね」

 

 一番時間を無駄にしてそうな大人が何か言ってる。

 

「担任の相澤消太だ。よろしく」

 

 担任だったよ。

 その担任の先生は体操服に着替えてグラウンドに出ろと言ってきた。いきなり何かの訓練ですか?

 

 __________

 

「モモ。何するんだろうね」

 

「さぁ……この後入学式があったはずなんですが、良いのでしょうか?」

 

 早速私たちは更衣室で着替えてグラウンドに出た。

 相変わらずの発育暴力を目の当たりにしてしまったがその辺は気にしない。また胸が大きくなったとかそんな呟き気にしちゃいけない。

 

 クラスの皆が集合すると、相澤先生の説明が入った。

 

「てば早速やるぞ。今から行うのは個性把握テストだ」

 

「個性把握テスト!?」

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

 いきなりテストらしい。クラスの何人かが声をあげる。が、相澤先生はそれらの質問に坦々と応えて黙らせた。

 雄英の『自由』な校風。なんでもありなのか。流石ヒーロー科である。

 

 まずは試しとばかりに先生はあの不良少年を呼ぶ。あの不良少年は爆豪と言うらしい。

 爆豪少年はソフトボール投げの円の内に立つと、おもいっきり振りかぶってボールを投げた。

 個性を使ったのか手が爆発してボールがすごい勢いで飛んでいく。

 うわっ、ホントに凄い。見えなくなっちゃったよ。

 

「まず自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段だ」

 

「おお!さすが英雄!」

 

「めっちゃ面白そうじゃん!」

 

 先生の言葉に何人かの生徒が騒ぎだす。それもそうだろう。何せ個性を使って計るのだ。楽しくないはずがない。

 ただ私は憂鬱だ。先程の爆豪君みたいに私は()()()()()()()()個性を持ってないのだ。

 

 さらに私の苦難は続くらしい。

 

「面白そうか………ヒーローになるための三年間。そんな腹づもりで過ごす気か?よしわかった。トータル成績最下位の者は見込み無し判断して除籍処分にしよう」

 

「「「はああああ!?」」」

 

 相澤先生はそんなことを宣いやがった。

 

「生徒の如何は先生(おれたち)の『自由』。ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

 最悪だ。私は個性無しだよ?最下位確実である。あまりにもあんまりな現実に、私は思わずモモの柔らかい二つのクッションに飛び込み泣きつく。

 

「ヤバいよモモ………私絶対最下位だよ……」

 

「大丈夫ですわよ椿。あんなのウソに決まってます」

 

「いや、絶対嘘じゃないと思う。だってあの人凄く性格悪そうじゃん」

 

「だとしても貴女はたぶん最下位は無いと思いますけど………」

 

 なんか呆れられた視線で見られたけど無理ですよ?あんな700メートル超えの超記録、私には出せないからね?

 

「理不尽だと思うかもしれないが、世の中は常に理不尽だ。自然災害、大事故、凶悪なヴィラン………そういう理不尽を覆してこそヒーロー」

 

 生徒達の不満が出るなか、相澤先生は彼等に理解させるように言ってくる。

 

「これから雄英は君達に苦難を与え続けるさ。『Plus Ultra』。全力で乗り越えて来い」

 

 ____________________

 

 

 まずは50メートル走だ。まあこれはなかなか自信がある。

 出席番号の早い人から二人ずつ走る。私の出席番号は9だし割りと早めだね。

 とりあえず周りの人達のレベルを見るために観察しなくては。

 

 最初は肌が小麦色で目が真っ黒の女の子と、ナルシストっぽい男子だ。

 なんかナルシストくんは後ろ向いてるけど何なんだろう?

 

『START!!』

 

 うわ、あのナルシストくんお腹からレーザー出してるよ。なんか気持ち悪ッ。

 だけどなるほど。レーザーの推進力で飛べるのか。あ、レーザー切れた。転び方もダサいな。

 ………なんだろ。彼は生理的に受け付けないわ。

 

 もう一人の少女は足裏から液体を出して上手く地面を滑ってるね。摩擦があそこまで少なくなってるのは何か特殊な液体でも出してるのかな?

 結果は二人とも5秒代。それが平均ならやっぱり結構速いな………

 

 そんなことを考えていると、私の番が回ってきた。今のところメガネ少年の三秒代がトップだけど、こんな序盤から好成績が出てるくらいだから多分最高は2秒超えるか………

 

 私はスタート前に立ち、いつもやっている戦闘体制の格好になる。やはりこれが一番なれているのだ。

 

『START!!』

 

 スタートの音と共に、私は縮地を使って前に跳ぶ。一歩では届かないが、勢いをつけた二歩目は更に大きく跳躍することができる。

 私はニ歩目の着地でなんとか50メートルの線ギリギリに辿り着いた。

 

『2秒89!』

 

 グゥ……やっぱり1秒代にまったく届かないや。初動が大事な心月流としては一歩で最高速度に持ってかないとダメだね。

 

 ちなみにモモは2秒06。バイクにロケットブースターとかありですか。ていうか危ないよ。いや、「ちゃんとヘルメットとパラシュートは付けてたから大丈夫ですわ」じゃなくてさ。

 

 __________

 

 二種目は握力測定。

 うん。これはダメだね。私、鍛えてるとは言えか弱い女の子だよ? 46kgでしたよ?これでも普通はすごいからね?

 と言うか百さんや。トンてなんですか㌧て。一人だけなんかちがくない?

 

 

 三種目は立ち幅跳び。

 これも縮地を使うしかない。結果は23メートルと、みんな何かしらの個性で飛んでる中、順位的には上っぽい記録が取れた。

 

 まあ、相変わらずの百様は桁が違いますけどねー。驚いたのはこの競技で一位じゃなかった事くらいか。

 自分を浮かせる女の子がいたけどあの子かな?

 

 

 四種目は反復横跳び。

 まあこれは武道の者として負けるわけにはいかないね。剣術の基本は足捌き。110回と好成績だと思う。

 

 さっきから女子の胸やお尻をジロジロ見てくる小さい変態が、私と同じくらいの成績を出してきたのが不愉快だけど………。て言うかジロジロ見すぎなのよ。ステップしてるときに胸見んな変態!

 

 ちなみにモモちゃんも良い成績を出していた。あの発育の暴力を見せないために、私は峰田くんと名乗る変態の目を潰しておくので忙しくてそれどころじゃなかったけど。

 

 

 5種目はボール投げ。

 これはとても低い成績になってしまった。よく人を吹っ飛ばすからある程度は飛ばせるけどな………やっぱりボール投げは専門じゃないのよ………。

 結果40メートル。人間なら木刀使えばもっと飛ばせるのにッ!

 

 そういえば記録が私と同じくらいの頭ボサボサの少年はニ度目で凄い結果だしてたね。なんか指が腫れてるのが気になったけど。

 

 てかモモ。大砲とか初めて見たよ。

 

 

 六種目は長座体前屈。

 身体はまあ………私は柔らかい方ですよええ。ただ身体から何か出して距離を伸ばす人たちには負けた。物理的に勝てないわ。

 

 

 七種目は上体起こし。

 これは良い成績だ。私は稽古のお陰で瞬発力が売りなのだ。鍛えてるから上体起こし自体も苦じゃないし。

 弾むもの取り出す系の人には流石に負けたけど………

 

 

 最後は持久走だ。

 走行距離は10キロ。これも私にとっては余裕。

 

 だからと言ってね、モモ……。私のペースに合わせてバイクで走るのは止めて。そこまで疲れる距離じゃないけどイライラするから。

 

 ____________________

 

 持久走も終わって相澤先生の下へ皆が集まる。

 多分私的に最下位はないだろう。私より酷い人いたし。と言うかもしかして好成績じゃない?流石にモモがいるから一位は無理だけど、5位辺りならなんとか………

 

「んじゃパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。成績はホログラム映像で一斉開示。ちなみに除籍はウソな」

 

「「「!!?」」」

 

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

 なんかさらっと除籍処分の話は無しだと言われた。

 まあ、途中からあまりその辺りは気にしなかったけどね。それでも成績が芳しく無かった人にとっては衝撃的事実だろう。隣のボサボサ少年なんか凄い形相だ。

 

 …………と言うかこの先生、合理的大好きだな。

 

 ちなみに結果。私は四位でした。モモちーは一位だよ

 。やったね!

 

 




今のところ爆豪くんに実力で負けてる感じかな。

あと、書いてる途中で私の好きな作品書いてくれてる作者さんに評価頂いちゃったよ!やったね!

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