今回、鏡夜視点オンリーです
後、紅魔館って館でしょうか?城でしょうか?この作品では館にしてますが、原作だと城なんですよね~。わかる人、教えてください
Side鏡夜
「よっと、さて、ここが例の血を吸う鬼が居るって言う国かな?」
「多分そうだよ~」
俺とカロは遠くに街が見える森の中にいた。
「じゃあ、とりあえず街まで行ってみる?」
「そうだね~いってみようか~」
俺とカロは街に向かって歩き出した。
「吸血鬼、討伐に協力する者は前にでよ!!」
「俺は行くぞ!!」
「俺もだ!!」
街に着くと、街は殺伐とした雰囲気に包まれていた。俺とカロはそんな雰囲気を気にせず、情報をえるためと、服を変えるため近くの服屋に入った。
「いらっしゃい」
中に入ると黒いヒゲを生やした男がいた。俺は店の中にあった服を適当に選び男の元に向かった。
「これくれ」
「あいよ、銀貨二枚ね」
「ほい」
俺は銀貨二枚を男の前に置いた。実はこの国に来る前に紫ちゃんから銀貨十五枚ほど貰った。ちなみに、何故俺が普通に男と話せている訳は、俺の理解力の限界と覚える速さの限界を無くし、一瞬でこの国の言語を覚えた。
「なぁ、一つ聞いていいかい?」
「なんだい?」
「この町でいったい何が起こってるの?」
すると男はため息を吐きながらも、この街で何が起こっているか話してくれた。
「・・・この街の外れにな、古い館があるんだよ。そこにいる吸血鬼を倒そうと皆張り切ってんだよ」
「ちなみに、吸血鬼に会いに行った奴はいるのかい?」
「あぁ、大体百人ほどな」
「で、結果はどうだったの?」
「全員死んだよ」
「・・・そっか」
俺はある程度情報が得られたので、店主に『ありがとう』とだけ言って店を出た。
「さてカロ、これからどうする?」
「どうするって~?」
「あそこに居る吸血鬼討伐の集団に混ざるか、それとも俺達だけで吸血鬼に会いにいくか」
「う~んとね~、とりあえず~あの集団に混ざっといた方がいいと思う~」
「どうして?」
「だって~私達、館の場所知らないじゃん~」
「・・・そうだったね」
俺とカロは結局吸血鬼刈りの集団に混ざることにした為、吸血鬼討伐隊の方に向かって歩き出した。
「そこの人、俺達もその吸血鬼討伐に協力したいんだけど」
さっき、仲間を集めていた男に俺がそう言うと、男は俺達を品定めするような目で見てきた。
「・・・いいだろう」
「おい!こんな奴を仲間にすんのかよ。俺は反対だぞ!」
男の許可が出たと思ったら、今度は別な男(今度から男Aと表記する)が俺達の参加に異議を申し立ててきた。
「なぜだ?」
「だってそうだろ!こんな明らかに弱そうな男と女を連れて行ったら絶対足でまといになるだろ!」
「・・・?貴様は何を言っているんだ?この二人は明らかにお前よりも強いだろ」
すると、男Aは男の発言に対して笑い出した。
「ハハハハハハ、何言ってんだよ、俺がこの二人より弱いだって?お前の目は節穴かよ?」
「ならばこの二人のどちらかと戦ってみるがいい・・・・・・・すまんがそこのどちらか一人、この男と戦ってくれないか?」
「別にいいよ、じゃあカロ、どっちが戦う・・・カロ?」
俺はカロの方を向きどっちが戦うか聞こうとしたが、カロは口元を三日月のように釣り上げていた。
「鏡夜、ここは私にやらせてくれ」
普段のカロとは思えない口調でカロはそう言ってきた。
「ハハ、彼女が相手か。いいぜ、腕一本で戦ってやるよ!」
「本気でこい」
「あ?」
「本気でこいと言ってんだよカス!あんた程度じゃあ、お遊びくらいにしかならねんだよ」
「てんめえぇぇ!!いいだろう、本気でやってやる、後悔すんなよ!!!」
男Aのその一言により戦いは、始まった。
まず、男はカロに向かって殴りかかってきた。しかしカロは、体を横にずらすだけで避け、男Aの足に自分の足を掛け転ばした。
「この程度かよ」
「クソ、舐めてんじゃねえええええ!!!」
男Aが起き上がり再びカロに殴りかかった。だがカロは男の拳を避けず、今度は真正面から右手で受け止めた。
「はぁ、ホントに期待ハズレだ、もう寝ていいよ」
カロはそう言うと男Aの顔面に向かって拳を叩き込んだ。
「グヘッ!!」
男Aは間抜けな声を出すと、近くにあった露店に頭から吹っ飛びそのまま動かなくなった。
「ヒュ~、カロも成長したね~」
「・・・強いとは思っていたがまさかここまでとわな」
カロは男Aが動かないことを確認するとこちらに向かってゆっくりと歩いてきた。
「おい、これで文句はないだろ?」
男はカロの気迫に少し怯えてはいたがしっかりと答えてくれた。
「あ・・・あぁ、もちろんだとも、では今日の夜十二時、またここに集まってくれ」
その事を聞いた俺とカロは、夜まで時間を潰すためとりあえず、街の宿に向かった。
「それにしてもカロ?どうしてさっき口調が変わったの?」
俺は街の宿に向かう途中にさっきから気になっていたことを聞いた。
「う~んとね~、私は戦闘とか、まぁ戦いの事なんかになると興奮しちゃってさっきみたいな男口調になっちゃうんだよね~」
タハハハハ、と笑ながらカロは言ってきた。まぁ、俺も戦闘になると性格が変わったりするから別段気にしなかった。
そんな会話をしていると、いつの間にか宿屋の前まで来ていた。
「とりあえず、中に入って夜まで待つ?」
「そうだね~」
俺達は宿の中には入り深夜まで体を休めた。
「カロ~起きて、行くよ」
時刻は大体十一時半、俺とカロはあの後、宿の部屋を借りこの時間まで各自で休憩をとっていた。
「う~ん、後、五分~」
カロはこのセリフを十分ほど前から言っている。俺はそろそろ我慢の限界が近づいてきたため、カロを強制的に起こすことにした。
「カロ、起きないと・・・今日のご飯なしにするよ」
「それだけは勘弁して~!!」
俺がそう言うとカロは勢いよく跳び起きた。
「まったく、最初からそうすればいいのに・・・じゃあカロ準備して、外で待ってるから」
「は~い」
俺はカロにそう言い部屋から出た。それから三分後、カロはいつもの格好で部屋から出てきた。
「よし、じゃあ行こっか」
俺とカロは宿主にちょっと出かけてくるといい、宿を出た。
「や、どうも」
「やっほう~」
俺達は昼間来た広場についた。そこで、昼にあった男を見かけたので声をかけた。
「おぉ、君たちか。待ってたよ」
「・・・ここに居るのが、今回行く人たちかい?」
「そうだ」
「・・・ふ~ん」
俺は周りにいる奴らを見た。そこには、全身を鎧で覆い巨大な斧を持っている奴、剣を持っている奴、身軽な格好で槍を持っている奴などがいた。
「さて諸君、これから吸血鬼の館に行くが、何か質問はあるか?」
周りにいる奴らは特に質問が無いのか誰も質問はしなかった。
「では、これより吸血鬼討伐を始める、行くぞ!!!!!」
『ウォォォォ!!!!!!』
その合図と共に満月の晩の吸血鬼討伐は始まった。
街を出て、歩くこと数分、俺達吸血鬼討伐隊は館の門の前まで来ていた。
「ん、皆止まれ、何かいるぞ」
城の前まできた俺達が見たのは、チャイナ服を着、帽子をかぶった赤髪の女性だった。
「貴方たち、一体ここに何しに来たの?」
「しれたこと、ここに居る吸血鬼を倒しに来たまでよ」
「・・・また、懲りずに来たのね」
女性はそう言うと、構えを取り、俺達に殺気を放てきた。
「だったら、ここを通す訳にはいかない!」
女性はそう叫ぶと俺たちに向かって突っ込んできた。
「ふ~、ハッ!!」
女性と俺達の力量の差は一目瞭然だった。女性は素早く俺達に近づくと、周りにいた何人かに一瞬で拳を叩き込み、動けなくしていった。だが、流石に鎧を着た奴にはダメージが少ないのか、鎧を着た奴はすぐ反撃していた。
「食らえぇぇぇ!!」
「しまっ!!」
女性は油断していたのか、ハンマーを持った男の一撃を食らってしまい、館の門の壁まで吹っ飛んでいった。
「ガハッ!!」
女性は壁にぶつかるとそのまま動かなくなってしまった。
「よし、奴は倒した。城に乗り込め!!」
『ウォォォォ!!!!』
男共は一斉に雄叫びを上げ館に乗り込んでいった。俺とカロはそんな男共を放っておいて、女性に近づいていった。
「鏡夜~あいつら追わなくていいの~?」
「別にいいよ・・・さて、あんた、なんであいつの攻撃をワザと食らったんだい?」
俺はそう言うが、女性は一切反応しなかった。
「あぁ、それともう別に気絶したフリはやめていいですよ」
すると、さっきまで反応が無かった女性が目を開け、起き上がってきた。
「・・・まさか、見破られるとは思いませんでした・・・で私に何の用ですか」
女性は服や帽子に付いた埃を落としながら聞いてきた。
「だから、なんでさっきワザと食らったんだい?」
「そのことですか・・・実は私の主人が全員は殺さず、何人か寄越せといったからです」
「なんで?」
「なんか、久々に戦いたいと言ってましたけど・・・」
<ドォォォオオオオン>
話の途中に、館の上の方から凄まじい爆音が聞こえてきた。俺は爆音の方を見ると、そこには、凄まじい量の妖力を放出している存在がいた。
「なんの音?」
「多分、主が戦っているんですね」
「鏡夜、あれ、私が戦ってもいいか?」
カロは戦闘モードになっていたが、俺も久々に楽しめそうな戦いだったのでカロの要求を拒否した。
「駄目だ、あいつは俺が戦う・・・それに昼、カロは戦ったばかりだろ?」
「そうだが・・・」
「じゃあ、今回は俺に譲れ」
「・・・わかった」
カロは渋々といった感じに俺の要求を飲んでくれた。
「戦うって、貴方、正気なの?」
「あぁ、正気だが?」
すると、女性は呆れたのか、ため息を吐いていた。
「はぁ、好きにすればいいわ」
「そうさせて貰うよ・・・じゃあカロ、行ってくるね」
「あぁ、行ってらっしゃい」
俺はカロにそう言うと、地面を蹴り、妖力を出している奴の所まで跳び、壁を駆け上がっていった。
「よいしょっと」
俺は壁を駆け上がり、ここの主が戦っている場所まで来た。
「ほ~これはこれは、なんとま~凄い光景だこと」
そこには、死体の山があり、その頂点に血濡れ微笑む、水色と金髪で蝙蝠のような羽を生やした女の子達がいた。俺はそんな二人に場違いながらも見惚れてしまった。
「ふふふ・・・ん?お姉さま、誰か来てるよ?」
俺が二人に見惚れていると、金髪の子がもう一人に向かって話しかけていた。
「えぇ、そうみたいね・・・貴方誰?」
今度は、水色の髪の毛の女の子が俺に向かって話しかけてきた。
「おっと、これは失礼、俺は時也鏡夜。お嬢ちゃん達のお名前は?」
「お嬢ちゃんではない!この館の主、レミリア・スカーレットだ!!」
お嬢ちゃん呼ばわりが嫌だったのか、水色の子が急に怒ってきた
「まあまあ、お姉ちゃんそんな怒らないで。あ、私は妹のフランドール・スカーレットね」
お嬢ちゃん達は自己紹介を終えると、並の妖怪なら気絶してしまいそうな量の妖力をこちらに放ってきた。
「まぁいい、で、鏡夜とやら、貴様はここに何しに来た?まさか、さっきの連中みたいに戦いに来たのか?」
「そのとおりだったんだけど、君たちを見て気が変わったよ・・・二人共、俺と結婚してくれ!!」
「ちょっと~冗談はやめてよね、つまんないよ」
俺は本気で言ったのだが二人には冗談に聞こえたらしい。
「冗談じゃないんだけど」
そう言うと、二人はこちらを思いっきり睨んできた。
「・・・お姉さま、この人本気で言ってるよ、どうする?」
「・・・じゃあ、私たちと結婚したければ一つ条件がある」
「なんだい?」
俺が条件を聞こうとすると、レミリアと呼ばれていた方が口をニヤリと歪めた。
「私達は弱い人間が大嫌いだ。そこで私達二人を同時に相手して、勝ったらいいだろう」
「あはっ、お姉さまそれいいね!!」
「・・・・・・・・・」
二人は笑っていたが、俺はあまりにも単純な条件だったので驚いた。
「どうした、あまりにも無理な条件で言葉も出ないか?」
「・・・・・・そんなんでいいの?」
「ん!?」
「え!?」
二人は俺の発言に対して驚いていた。だが、二人はすぐに真剣な表情になった。
「・・・・・・お姉さま、こいつ本気で殺そう」
「そうねフラン、私たち吸血鬼の恐ろしさを教えてあげましょう」
二人は俺の発言が気に障ったのか、凄まじい殺気を放ってきた。そして、二人は同時に喋り、俺も後を追うように喋り始めた。
「「今日はこんなにも月が紅いから」」
「今日はこんなにも月が綺麗だから」
「「本気で殺す(わよ)(よ)」」
「本気で楽しもう」
俺と二人が喋り終わると、一斉に相手に向かい俺と二人の壮絶な戦いは始まった。
どうだったでしょうか?
ちょっと結婚の話は無理矢理感があると思います、何かアドバイスがあれば教えてください
次回、戦闘回