二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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明けましておめでとうございます。すみません、本当は去年中に終わらせるはずだったのに。
今回は放仮ごSAさんのドクターマリオとの対決です。
そして、毎度のことながら、キャラ崩壊してないことを祈ります。
何かおかしいところがありましたら、連絡ください。

では、第六十三話をどうぞ


第六十三話 大人鏡夜対ドクターマリオ

「よっと、何だ、あの爆発?」

 

「爆発とは、面白いな」

 

今、俺はオリジナルの元から数百km程吹き飛ばされていた。痛みはなく、衝撃だけだったが、何故オリジナルは俺たちの事を吹き飛ばしたのだろうか。いや、今はいいか。それよりも今は、俺の目の前にいる奴に、集中しなければならない。

 

俺は、自らの金色の長い髪の毛を後ろへと梳かす。この姿、腰まであるであろう金髪、そして、細めで切れ長な瞳。まるで、かの獣殿のようだな。まあ、あの人には遠く及ばないだろうが。

 

「準備はいいか。ドクター」

 

「こっちのセリフだ」

 

「そうかい!」

 

俺は一瞬でドクターまで詰め寄ると、右手の拳を握り締めて、ドクターの顔面めがけて放つ。

 

「予測済みだ」

 

ドクターはそう言うと、持っていたトライデントで、俺の拳を後ろへと受け流す。そして、ドクターはその場で一回転して、持っていない方の腕で、俺の後頭部に向かって裏拳を放ってくる。

 

何とか当たる寸前で、上体を地面に向けて加速させて避け、地面に両手をついてドクターの顎めがけて、左足のかかとを当てるように足を上げる。

 

「それも、予想済みだ」

 

ドクターは上体を後ろへと逸らすことによって、いとも簡単に避けると。だが、俺はそれだけではやめず、両手を支点にして回転し、両足を水平に開いてドクターに蹴りを放っていく。しかし、それすらもドクターは簡単に躱したり、トライデントで受け流していく。

 

「全く、簡単に予測できるな」

 

ドクターは呆れたように息を吐くと、その場にしゃがみ、俺の両腕を持っていたトライデントで横薙に払ってくる。

 

流石にマズイと思った俺は、両腕で地面を押し、空中に跳びあがる。トライデントを躱しした俺だが、ドクターはまるでそれを予測したように、しゃがんだ状態からジャンプし、俺の腹めがけてトライデントで突きを放ってくる。

 

音速を余裕で突破したトライデントは、流石の俺でも当たればただでは済まないほどの威力を持っている。

 

当たれば、であるが。

 

俺は、腹めがけて飛んでくるトライデントを、少しのミスも許されない程のタイミングだったが、俺は見事にトライデントを掴んだ。

 

しかし、ドクターは俺の掴んだ両腕を一瞥すると、体に力をいれ。

 

「つまらん」

 

「!?」

 

超高圧な電流をトライデントに流し込んできた。

 

あまりにも強い電流だった為、一瞬意識が飛び、力が緩んでしまう。その隙を狙って、ドクターはトライデントに力を込めると、俺の腹をトライデントで貫いた。

 

そのまま、ドクターはトライデントを突き刺したまま、地面に向かって、俺の上から落ち始めた。

 

「ガ!」

 

地面へとぶつかった瞬間、ドクターの体重とトライデントによる重みで、俺の内臓は破壊され、口から血を吐いてしまった。

 

落下の衝撃で、トライデントは深く刺さり、俺の体を貫通し、地面へとも突き刺さってしまう。

 

「全くつまらないな。いいデータが取れると期待していたのだが、まさかこの程度だとはな」

 

ドクターはそう言うと、俺の腹に刺さっていたトライデントを抜くと、トライデントを振り、トライデントに着いていた俺の血を落とした。

 

俺はというと、地面に仰向けになりながら、目を閉じていた。

 

……ちょっと、俺、プッツンしました。

 

「これじゃあ、単なる雑魚だな。まだ、規格外の方が実験しがいがあるな」

 

「……おい、糞ドクター」

 

「ん?」

 

地面へと仰向けに倒れていた俺は、自分の腹から流れている血を操り止血する。そして、体を起こして目の前にいるドクターを睨みつける。

 

「その規格外とやらがどれ程の力を持っているか、俺は知らんねえし、知ろうとも思わねえ。だがな、それでも、俺がその規格外とやらより弱いってことは訂正しろ」

 

「やだね。現におまえは規格外より弱い。弱い奴を弱いと言って何が悪い」

 

「……そうか、じゃあひとつ言わせてもらう」

 

―――――てめえは俺を怒らせた。

 

その言葉を呟いた瞬間、俺の体は妖力や魔力が溢れ出し、周りにあるもの全てを吹き飛ばした。勿論、目の前にいるドクターも例外ではない。

 

俺は一気に溢れさせた妖力と魔力を体に押し込むと、心臓が一際大きく脈打った。

 

「ウウウウゥゥゥゥゥゥ」

 

口から白くなる息を吐くと、背中に付いているコウモリのような羽を天に向けて大きく広げ、両手両足を地面へと着けると、獣のように四肢に力を入れる。

 

「ヴォォォォオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺は、大きな雄叫びを上げると、地面に着地してこちらを見ているドクターに向かって突っ込む。

 

「これは、面白い!」

 

ドクターはトライデントを突っ込んでいく俺に対して突き刺してくるが、俺はそれを噛み付くことによって防ぐ。

 

「それは……予想外だ」

 

俺はトライデントに噛み付いたまま、噛み付いた場所を支点にして、体を持ち上げる。そして、噛み付いていたトライデントを離し、すぐさま背中にある羽を強化して、ドクターに斬りかかる。

 

ドクターはその翼を平然と躱すが、俺は更にドクターの持っていたトライデントに右足の膝で挟み、ドクターの顔面を右手で殴り、衝撃で腕から力の抜けたドクターからトライデントを外しとる。

 

そのままトライデントを足で挟み取った俺は、空中で一回転し、左手でトリアデントを掴み、ドクターに向かって頭の上から、突き刺す。

 

それでも、ドクターは簡単に躱し、トライデントはじめんに突き刺さるが、俺はじめんに突き刺さったトライデントを中心に体を回し、ドクターの横っ面に蹴りを放つ。

 

しかし、これもドクターは予測済みとばかりに上体を後ろに逸らして避ける。

 

俺はすぐさま蹴りの勢いのまま上体を跳ね起こし、地面に突き刺さったトライデントを引っこ抜き、空中に妖力で足場を形成し、そこを思いっきり蹴っ飛ばして、ドクターに向かってトライデントで突きを放つ。

 

ドクターはトライデントを地面スレスレまでに頭を持っていくことによって躱すと、地面に両手を付いて押し出し、その力によって俺の腹めがけて両足で蹴りを放ってきた。

 

俺はその蹴りを躱すという行為はせず、ドクターの蹴りを腹で受け止め、先ほど使った妖力の足場に足を付けて、持っていたトライデントをドクターに向かって放つ。

 

空中で、俺に対してうつ伏せの状態のドクターは、体を起こすと、トライデントを掴み、地面に立ち、トライデントを構える。

 

トライデントを投げると、同時に妖力の足場を蹴ってドクターに突っ込んでいた俺は、空中で一回転しながらかかと落としを放つ。しかし、それはドクターの頭の上で横に構えられたトライデントにより防がれてしまう。

 

「吸血鬼といったこれだろう?」

 

ドクターはそんなことを呟くと、ドクターの背後の空気中から津波のように水が俺に向かっ放たれた。

 

本能的に、水が苦手だと感じた俺は、すぐさま曲げる能力で津波を曲げると、目の前にドクターの握っていたトライデントが突き出された。

 

俺は片手でそのトライデントを握ると、思いっきり自分の方へと引っ張る。だが、ドクターはそれを見越してか、すぐさまトライデントを離して俺に向かって殴りかかってきた。

 

その攻撃を避けることはせず、俺はドクターの拳を顔面で受け止めると、右手でドクターの顔面を殴りかかる。

 

ドクターはその拳を避けると、今度は俺の拳の放った脇腹に蹴りを放ってきた。それすらも、俺は避けるとこはせず、一歩踏み込んで、俺はドクターに殴りかかる。

 

その拳を、再びドクターは躱し、俺の手からトライデントを掠め取ると、今度は距離を取ろうと後ろへ下がる。

 

俺は妖力でまた足場を作ると、未だ空中にいる状態で足場を蹴ると、後ろへ下がったドクターに向かって右足で、首を狙った横薙の蹴りを放つ。

 

しゃがむことによってドクターは俺の蹴りを躱すが、俺は蹴りを放った勢いのまま、ドクターに向かって背中を見せると、空中に妖力で足場を作って足場を蹴り、ドクターの頭部めがけて逆サマーソルトのような感じで蹴りを放つ。

 

ドクターは躱すことはせず、今度はその蹴りを頭の上で両手をクロスさせて防ぎ、両手を思いっきり持ち上げて、俺の足を宙へと浮かす。

 

そして、俺の体制がふらついた瞬間、俺に攻撃を仕掛けるのではなく、後ろへ飛び退いた。

 

俺は空中で態勢を立て直し、地面へ四肢を付けて降り立つと、ドクターは持っていたトライデントを地面に刺して、こちらを見ていた。

 

「なんて硬さだ。こちらが攻撃したのにもかかわらず、こちらがダメージを負うとは。成程、こんな奴がいるんだな。想定外だが、面白いデータが取れた」

 

ブツブツと何かを呟いたドクターは、二、三度頷く。

 

「ならば、これはどうする?」

 

目の前にいるドクターはそう言うと、その場でトライデントを抜いて跳ぶ。

 

≪ゼウス・フルマキシマムドライブ≫

 

ドクターから機械的な声が聞こえた瞬間、ドクターの体は巨大化していく。

 

十mや二十mなんてチャチなもんじゃない。それより大きい、天を貫き、雲すらも超える程大きい。見上げるだけでも一苦労するだろう。

 

「さあ、見せてみろ。お前の力を」

 

ドクターの声が天から聞こえてくると、ドクターの足のようなものが、俺に向かってきていた。

 

一般的なデカイから遅いという概念は、この大きさには適用されず、そのドクターの足は、一瞬で俺の目の前へと迫っていた。

 

避けるなんてことはできない、まず避ける範囲がない。ならば、どうするか? 簡単だ。

 

「ヴォォォォオオオオオオ!!!!!!!!!!」

 

自らの体に、全ての妖力や魔力を込め、強化した肉体を使い、俺はドクターの足を受け止めた。

 

一撃で意識が狩り取られそうになり、吹き飛ばされそうだが、そこは気合で踏ん張る。

 

地面を削り、二km程行った所で、ドクターの足は止まり、持ち上げられ、ふと、俺に影ができたと思い天を見ると、そこにはドクターの足の裏が見えた。

 

俺はその足すら受け止めようと力を込める。だが……

 

「やはり、この程度か」

 

ドクターの足に踏み潰され、俺の体の周りには、まるで巨大な隕石でも墜落したような位の、クレーターが出来ていた。

 

なんとか、死ぬ一歩手前の状態で乗り切った俺だが、全身の骨は折れ、まともに動けない状態だった。

 

……しかし、それで俺が負けるということはない。

 

俺は再び全身に入れると、ドクターの足に噛み付く。

 

「蚊に刺された程度だな」

 

ドクターはそう呟くと、再び足を上げて、俺に向かって振り下ろしてくる。

 

だが、その間に、俺の準備は整った。

 

俺は全身の骨の代わりに、先ほどドクターから吸い取った血を操り、自分のバラバラになった骨の代わりを作り出し、その場から飛び退き……

 

「ヴォォォォオオオオ!!!!!!」

 

雄叫びを上げる。

 

「無駄だ」

 

ドクターの足は、俺の避けた範囲すらも覆い、踏み潰してくる。

 

「……終わりか……ん?」

 

「やれやれ、老害にこんなことをさせるとは」

 

「全くね。折角、オリジナルのとこに戻っていたってのによ」

 

ドクターの足に踏み潰されたと思われた俺だが、今、三人の力によって、ドクターの足を受け止めていた。

 

一人は、俺。二人目は、爺さんの俺。三人目は、男か女かわからない私。

 

「まあ、これを倒せばいいじゃけだろ」

 

「そうだが。こんなに苦戦してるのに、そう上手くいくかしら?」

 

「いくんじゃなくて、するんじゃよ」

 

俺と爺と私は、それぞれ力を込めると、一瞬ドクターの足を持ち上げて、端っこということもあり、それぞれバラバラにドクターの足から抜け出す。

 

「さあ、三対一じゃが、文句はあるまい」

 

「まあ、文句なんて受け付けませんがね」

 

「ヴォォォォォオオオオオオ!!!!!!」

 

「面白い、これでもう二つも新しいデータが取れる」

 

俺たち三人は、それぞれドクターの足を登っていく。

 

雲を突き抜け、綺麗な夜空へと飛び出すと、かなりの距離があるが、そこには上半身を雲から突き出した状態の、ドクターがいた。

 

「我、求めるは雷の力。我が身に落とすことなく、我の前に体現せよ」

 

「我、求めるは斬鬼の力。我が身宿らせず、我の前へと体現せよ」

 

―――――――出てよ、雷帝

 

―――――――出てよ、斬鬼

 

「「■■■■■―――――――――!!!!!!!!!!!」」

 

二人の詠唱が終わった瞬間、二人の目の前には、青白い雷を放っている龍と、鋼線で出来た龍が現れた。

 

二人はその龍にそれぞれ飛び乗ると、こちらに視線を向けてきた。

 

「主は出さぬのか?」

 

「……」

 

俺は自分の腕を切り落とし、そこから出た血によって術式を書いていく。

 

我、求めるは全てを腐らせる毒の力。我が身に宿らず、我の前へと体現せよ。

 

―――――――出てよ、毒主

 

「■■■■■――――――――――!!!!!!!!!!」

 

術式の形成が終わると、そこには、ドロドロで、腐敗臭のする龍が現れた。

 

「成程、貴方は毒主ですか」

 

「……」

 

無言でその龍に乗った俺は、四肢を龍の頭へと着けると、二人はこちらを見て、頷いた。

 

「お主、言語能力を戦闘能力に回していたのか」

 

「ですから、先程から無言なんだな」

 

「……」

 

俺は二人に向かって頷くと、二人はわかったとばかりに頷いて、腕を組んでドクターの方を見た。

 

「それじゃあ、ささっと倒して、オリジナルの方へ戻りますかな」

 

「そうね。早く休みてえ」

 

「……」

 

俺たち三人が、ドクターの方へと視線を移した瞬間、龍達はドクターの方へと突進していった。

 

ドクターは迫り来る俺たちに対して、トライデントを振るってくるが、俺たちの龍はそれを掻い潜ると、それぞれドクターに向かって突っ込んでいく。

 

「それじゃあ、手始めにはこんなもんかの」

 

一番最初にドクターの元に着いた爺はそう言うと、龍から飛び降りて、ドクターの顔面を殴った。

 

「効かぬわ!」

 

「流石に、これ一発やられるわけないかのっと!」

 

爺の拳は、少しドクターの頭を傾けることしかできなかった。そして、ドクターは邪魔だとばかりに腕を顔の前で振って、爺を叩き落とそうとする。

 

しかし、爺は腕が当たる前に龍に飛びのり、その場から一瞬で逃げる。

 

「打撃が利かないのなら、斬撃でいくまで!」

 

次に、私が振るった腕の、肩の関節の部分に飛び降り、妖力で作り出した巨大な刀で、関節部分を叩き切ろうとする。

 

「無駄だ」

 

しかし、斬撃は通らなかった。

 

「ちっ! 斬鬼!」

 

私はすぐさま、龍に飛び乗ると、その場を離脱し、今度はドクターの頭の上から飛び降りて、刀を振り落とす。

 

「学習能力がないのか?」

 

しかし、それすらもドクターは首を傾けることにより躱し、肩の部分で受け止める。その時、妖力で作った刀が折れてしまった。

 

「今の状態じゃ、この程度か」

 

私はすぐさまそこからバックステップで肩から飛び降りると、先ほどまで私がいた場所に、ドクターの手が叩きつけられた。

 

「ヴォォォオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!」

 

そんな私に気を取られているドクターに、俺はドクターの頭の上から、ドクターの頭に向かって龍ごと垂直突っ込んでいく。

 

龍がドクターの頭にぶち当たり、俺の拳がドクターの頭に当たった瞬間、ドクターは僅かにふらついた。

 

「この毒は……成程、これも初めてだ。いいデータが取れるな、ここは」

 

何かを呟いているドクターだが、俺はそんなのは気にしないで、ドクターの方へと降り、ドクターの顎めがけて殴る。

 

全力殴ったのだが、ドクターの体は思った以上に固く、こちらの拳が砕けてしまった。

 

俺の体が、拳が砕けた拍子に、少しだけふらついてしまった。その隙を狙って、ドクターは俺の乗っている方に向かって、私と同じように手で叩きつけてきた。

 

咄嗟に肩から飛び降りて、手を躱すが、ドクターは体を捻り、ドクターの後ろへと落ちた俺に、拳をぶつけてきた。

 

まるで、隕石にでもぶち当たった衝撃が俺を襲い、気絶しかけるが、何とか意識を保ち、龍を呼んで、その背に乗る。

 

「む…もう、時間切れか」

 

龍に乗って、二人と合流してドクターの前にいると、ドクターの体が光り始めた。

 

「これからが、面白いところなのだが。まあいい。面白いデータが沢山採れたからな」

 

そう言うと、ドクターの体は、更に光を放ち始めた。

 

「それにしても、思った以上にダメージを受けていたんだな。これは色々と見直さなければ」

 

ドクターは、顎に手を当て、ブツブツと何かを呟くと、その体は粒子となって消えていった。

 

「……終わったのかの?」

 

「……どうやら、そのようですね」

 

「……あれは、無理だろ」

 

戦闘状態を解除した俺は、ヤレヤレといった感じで首を振って、龍の頭の上に座り込んだ。

 

「おや、ようやく喋ったか」

 

「ああ、つうか、反則だろ、あの硬さ」

 

「確かにの。いつものわしらじゃったら話は変わるだろうが、今の状態ではかてんの」

 

「本当、キツかったですわ」

 

俺ら、三人はそれぞれの龍の上で座り込むと、苦笑いを浮かべながら、龍の頭を撫でた。

 

「それにしても、お主、よくあんなのと戦っておったな」

 

「まあな、全力じゃないと、いけなかったけどな。それと、俺の名前は時成卿夜だ」

 

時成卿夜。特に名前の由来はない。

 

「そうか、儂は時成鏡忌じゃ」

 

「私は、時成極夜だ」

 

「よろしくな、極夜、鏡忌」

 

俺らはそれぞれの自己紹介をした後、俺たちは龍たちから地面を眺めた。

 

「どうやら、オリジナルの奴、苦戦しておるようじゃのう」

 

「相手は、あの晴夢みたいね」

 

「晴夢か……じゃあ、仕方ねえな」

 

「ええ、仕方ないよな」

 

俺たちはそれぞれ目を合わせると、頷きあった。

 

「ご苦労様じゃ、雷帝。後はゆっくろ休まれい」

 

「ありがとう、斬鬼。後はゆっくり休んでろ」

 

「毒主、ありがとうな。ゆっくり休んでてくれ」

 

俺たちはそれぞれの龍の頭を撫でると、龍たちの姿は魔力の粒子となって消えていった。

 

それぞれの龍が消えたことで、俺たちは宙へと投げ出されたが、すぐに翼を出して、その場に滞空する。

 

「では行くか。オリジナルのもとへ」

 

「そうですね」

 

「だな。早くしねえと、オリジナルがやられてしまう」

 

そう言って俺たちは頷きあって、目を瞑り、風に乗るような感じで、意識を手放した。

 

「待っててくれよ、オリジナル」

 




キャラ崩壊、怒ってないことを祈ります。

感想、批判、誤字、改変、アドバイス、お待ちしております。

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