今回ちょっとグダってます。それでもいいなら見ていってください。
後、今回どんどん時間が跳んでます。
Said鏡夜
修行を始めてから二百年ほど経った。あの後、妖力の使い方を大体の感覚で教え、コントロールするのに百年、そこから応用するのに百年程かかった。
「鏡夜さん、どうして百年以上生きているのですか?」
「どうして?」
「普通の人って大体五十年生きたら死にません?」
「ん~、妖力持ってるからじゃない?」
「そうですかね?」
「そうだと思うよ。だって狼だってまだ生きてるでしょう?」
「・・・・そうですね」
狼は百年程共に生きてるが全然衰えてはいなかった。そして、俺が生きているのは理由はちゃんとある。自分の能力、あらゆる限界を無くす能力で自分の寿命を無くした。見た目は変わるはずだがそこはもう一つの能力、肉体を子供から大人のどれにでも出来る能力で二十歳程の年齢に変えている。ちなみにこの能力、十歳から八十歳程までだったらどれにでも出来た。
そこからさらに数百年。最初の百年程は何もなく、たまに襲ってくる妖怪達と戦っていたりした。次の百年は、紫ちゃんが色々な所を見てきたいといってきた。
「鏡夜さん私、色々な所を見てきたいです」
「どうしたの、急に?」
「鏡夜さん、私は全然この世界のことを知りません。そして目標も達成して新しい目標がないんです」
「まぁ、そうだね」
「そこで私は、この世界を見て色々と知り、目標を作りたいと思うんですよ」
「そうなんだ」
「そうです。なので、ここら辺で別行動を取りませんか?」
「別にいいけど、紫ちゃんは寂しくない?」
「べ、別に寂しくはないですよ」
寂しくはないと言っている紫ちゃんだが、夜寝るときは狼の胴体で寝て、修行がない日は狼の毛をいじったり、かけっこなどをしている。そんな紫ちゃんが、一人が寂しくないはずがない、そこで・・・・・
「じゃあ、紫ちゃんこの子を連れて行きなよ」
「でも・・・この子は鏡夜さんの相棒じゃないですか」
「紫ちゃん、それは違うよ。この子は俺たちの相棒だよ」
「・・・そう、ですね。では連れて行っていいですか?」
「いいよ・・・・・・そう言う訳で狼、しばらく会えないけど紫ちゃんを頼んだよ」
狼は『ガル』と言い、首を縦に降った。そういえば最近、この子は妖力の使い方がわかったのか、爪に妖力を纏わせて爪の切れ味をよくしたり、足に集中させてジャンプ力を上げたりできるようになっていた。
「じゃあ、鏡夜さん、今度いつ会うかわかりませんがお元気で」
「うん、じゃあね紫ちゃん。立派になったらまたおいで」
「はい、次に会った時には鏡夜さんより強くなってますからね」
「ふふ、楽しみにしてるよ」
紫ちゃんは腕を縦に振ってスキマを作り、こちらに手を振りながらスキマに潜っていった。
そのあとを追うように狼もスキマに入って行った。それを確認した俺は、ゆっくりと歩き出した。
そこからさらに二、三百年後、俺は一人で色々な所に行った。天狗がいる山、鬼がいる洞窟、さらには神が戦っている戦場等、様々所に行き・・・・・・戦った。
「いやはや、流石に強かったね。ま、色々と成長できたからいいけど」
天狗が居る山では天魔と呼ばれる天狗の長の次に速い天狗とスピード対決したり、鬼が居る洞窟では鬼の四天王達と殴りあったり、神が戦っている戦場では神様とガチンコバトルをし勝った。
もちろん、戦いが終わった後はその種族達と仲良くした。天狗達とは、今までの旅でどこに行ったかなど聞かれ、鬼達とは、酒を飲んだ。そして、神様達からは何故か宴会に呼ばれ、一緒に酒を飲んだ。しかし、神様達との宴会の時、残念ながら俺を転生させてくれた神様はいなかった。
そして、そこからさらに百年経った。都と呼ばれる場所に絶世の美女が数週間前から居ると言う噂を、そこら辺にいた妖怪から聞いた。
「さて、都の方向はこっちでいいのかな?」
現在、都に向かう途中の森の中にいた。大した妖怪もいなく順調に都に向かっていた。が、前方から数人、走ってこちらに向かっている気配を感じた。
「姫様、頑張ってください!!」
「はぁ・・・はぁ・・・わか・・たわ」
「待て!!月の掟に反した者ども!!」
どうやら、何者かに追われている人達がいるようだった。俺は気配を消し、木に飛びのり、気配がした方に木を飛び移りながら向かった。
目的の場所に到着した頃には、追われていた人達は追い詰められていた。
「く・・・流石に数が多いわね」
「永琳、どうするの!?」
「姫様、私の後ろに下がっててください」
「とうとう追い詰めたぞ!」
男はそう言うと、腰に下げていた銃らしき物を抜いた。それに続き、男の周りにいた者達も一斉に銃らしき物を抜いた。俺はその状況を木の上から冷静に分析していた。
(ざっと数えて十人ちょっと、永琳と呼ばれている方の装備は弓のみ。男共の方は銃らしき物を一人、一つずつ。絶望的だね。)
そう考えた俺は、二人の前に飛び降りた。
Said永琳
私は驚いていた。この状況をどうすれば無事に脱出できるか考えていたら、木の上から急に男が降ってきたのだ。
「貴様!何者だ!」
「何者だと言われてもな~、しいて言えば、この二人を助けにきた者かな」
「助けに来ただと、貴様、そこにいるのが何者かわかっているのか!」
「いや、別に知らないけど?」
「ならばそこをどけ!!」
「嫌だね」
「貴様!そこをどけと言ってるのがわからんのか!!!」
「だから、嫌だって言ってるでしょ。なんで、女の子に銃を向けている奴の言うことを聞かなきゃいけないのさ」
「・・・もうよい!!皆、奴も一緒に殺して構わん、撃て!!!」
追っ手が一斉に銃を撃とう引き金に指を掛けた。私はこの男が危ないと思い声を掛けようとしたが・・・・・・
「大丈夫、下がってて」
銃が発射される僅かな時間の内に男がそう言ってきた。次の瞬間、男は右手に刀、左手に銃らしき物を持っていた。その姿を見た瞬間、男は私達の目の前から消えていた。
「ぎ、ぎゃあああああああああ」
「う、う、俺の腕が・・・・」
「う、が、あ、」
突然悲鳴が聞こえた。声のした方を見るとそこには、さっきまで私達のことを追っていた者たちが倒れていた。あるものは右腕が無くなっていたり、あるものは足が無くなったりしていた。
「そこの人たち」
「あ、はいっ!」
「こいつらどうすればいい?」
「えっと、後は私に任せてください」
「わかった」
男は手に持っていた物を消し、こちらに向かってきた。私は男の事を少し警戒しつつ、追っ手の方に向かっていった。
「・・・残念だけど、姫様のためにも死んでもらうわ」
私はそう言い追っ手の一人に向かって弓を放った。
Said鏡夜
さて、二人を助けてから、数分が経った。あの後、永琳と言われてた人が追ってを全員殺した。その次に亡骸に謎の液体をかけたら亡骸がキレイさっぱりなくなった。
「さっきは助けていただき、ありがとうございます」
「いやいや、気にしないで。助けたくて、助けただけだから」
「いえ、ほんとうに助かったわ、ありがとう」
「そこまで言うなら、どういたしまして、そういえばひとつ聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「はい、なんでしょうか?」
「君たちの名前を教えて?あ、ちなみに俺は時成鏡夜ね、よろしく」
すると二人は想像してた質問と違ったのか少し固まっていた。
「そういえば名乗ってませんでしたね。私の名前は八意永琳。そして・・・」
「私が、蓬莱山輝夜。よろしく」
「八意さんに輝夜さんね。よし、覚えた」
二人と自己紹介を終えた俺は内心驚いていた。輝夜と名乗った方は、都でも有名な件の美女だったのだ。そんな人が何故追われていたか気になったので聞こうとしたが、その理由はあまり知られたくないとのことだったので聞かないことにした。そして二人はこれからどうするか聞いた。
「とりあえず私たちは、ここから出来るだけ遠くに逃げます」
「そうか。じゃあ、俺とはここでお別れだね」
「そうなりますね。・・・鏡夜さん今回のお礼は必ずします」
「私からも何かお礼がしたいから、また今度、必ずするわ」
「わかった、楽しみにしてるよ。じゃあ速く逃げて、また追ってが来ると面倒だから」
「はい、では鏡夜さんまたいつか会いましょう」
「じゃあね鏡夜さん」
「あぁ、またね二人共」
そうして、二人は走り出した。
・・・というのが数百年前の記憶である。何故かなんとなく思い出したんだよね。そして、現在、森の中を歩いていると懐かしい気配を背後に感じた。
「だ~れだ」
「やぁ、久しぶりだね。紫ちゃん」
「全然驚かないのね」
「そりゃあ、気配でわかったからね」
俺は振り返るとそこには、俺よりちょっと身長が低く、西洋のドレスを着た紫ちゃんがスキマから出てきた。
「おっきくなったね~、それと、ちょっと口調も変わった?」
「えぇ、少し変えたわ。この位生きてると威厳も必要になってくるのよ。後今度から呼び捨てにさせてもらうけどいい?」
「別にいいよ・・・で、紫ちゃん、狼はどうしたの?」
「えっと、狼なら・・・」
「お~い、紫~待ってくれ~」
さっき、紫ちゃんが出てきたスキマからそんな声が聞こえてきた。そして、スキマからニュっと白く細い腕が出て、髪の毛が銀色の女性が現れた。
「まったく、少しは待ってくれよ~」
「紫ちゃん、この人は?」
「えっと、この人は・・・」
「おお~鏡夜じゃん、久しぶり~」
「なんで、俺の名前をしってんの?」
「なに~忘れたのか~、あんなに一緒にいた仲だったのに~」
女性は落ち込んだふりをしながら言ってきた。俺は記憶を探ってみたが、こんな女性と出会った記憶は無かった。
「鏡夜、この人がさっき言ってた、狼よ」
「え?え?嘘でしょ?」
「本当よ」
「本当だよ~」
女性はそう言うと地面に四つん這いになり、その姿を変えた。・・・そう、昔見ていた狼の姿に・・・
「本当だ・・・どうして人間になれたの?」
狼は女性の姿に戻り、こちらの質問に答えた。しかし、その答えは意外な答えだった。
「さぁ?朝起きたらこうなってた~」
「・・・本当なの?紫ちゃん」
「本当よ。私が朝起きた時からこの姿だったわよ。全く驚いたわよ」
紫ちゃんはそう言うと、頬に手を当てため息をついた。
「・・・まぁそんなことはどうでもいいや。で、名前は?」
「名前は~カロだよ~」
「そうか、カロ、またこれからもよろしく」
「よろしく~」
俺とカロ軽いあいさつを交わし握手した。
「さて、紫ちゃん、どうして俺のとこに来たの?」
「えっとね、実は目標が決まったのよ」
「どんな目標?」
紫ちゃんは、少しためらいながらも言ってきた。
「実は・・・妖怪と人間が共存する世界を作りたいと思うのよ。」
俺はそれを聞いた瞬間笑ってしまった。
「ふふ、ハハハハハハハハ」
「な・・・何がおかしいのよ!!」
「ふふふ、ごめんごめん。いやね、とっても良い目標だと思うよ」
「じゃ、じゃあ」
「あぁ、応援してるよ。頑張ってね」
「じゃあ、ついでに手伝ってくれない?」
「ごめん、まだやることあるから無理」
「やることって何?」
「強い奴と戦うこと」
「そんなこと・・・じゃあ、この国の強い奴と戦いながら私の手伝いをしてよ」
「いや、それは無理」
「どうして?」
「だって、この国の強い奴は大抵倒しちゃったし。鬼に天狗、後ついでに神様とか」
俺がそう言うと、紫ちゃんは唖然としていた。まぁそりゃあ唖然とするよね、だって倒した相手がこの国の中で一位二位を争う妖怪だしね。ついでに神様とか倒してるって言われればね~そりゃあ唖然とするよね。ちなみにこの時カロはそばで寝てたのでなんのリアクションもしなかった。
「嘘よね?」
「嘘だと思う?」
俺は口元をニヤリと歪めていうと、紫ちゃんは本日二度目のため息をついた。
「昔から規格外だと思っていたけど、まさか、神様まで倒してるなんてね・・・・・・じゃあ、これからどうするのよ」
「う~んとね、とりあえず、この国から出ていこうかな?」
「この国から出て行くってどう言う事?」
「わかってるくせに」
そう言うと、紫ちゃんがいたずらっぽく笑っていた。
「ふふ、えぇもちろんわかっているわ。でも驚いたわ、この国以外の国を知っているなんて」
「そりゃわかるよ。だってその服はこの国のものではないだろう?」
「そういえば、そうだったわね。でもどうやっていくのかしら?」
「そこは、紫ちゃんが送っていってよ」
「・・・言うと思ったわ。で、どこの国がいいのよ?」
「なるべく強い奴がいるとこかな」
「強い奴ね」
紫ちゃんはそう言うと考え込んでしまった。そしてしばらくすると、なにか思いだしたのかまた話しだした。
「そういえば・・・どこかの国に血を吸う鬼がいると聞いいたわね」
「血を吸う鬼?」
「えぇ」
「じゃあ、そこでいいや、送ってくれる?」
「わかったわ」
そう言うと紫ちゃんは腕を縦に振った。そこには大体、人が一人通れる、中に目玉の模様が大量にあるスキマができた。
「あ、後ついでにカロ連れて行っていい?」
「別にいいですよ」
「ありがとう」
俺は眠っているカロに近づきそっと体を揺らした。
「カロ、カロ起きて、行くよ」
「う、う~ん」
カロはまだ眠いのか、その体をゆっくりと起こした。
「あ~鏡夜~おはよう」
「あぁ、おはよう。で、寝起きで悪いけど、また旅に行くよ」
「ん~、紫と~?」
「うんにゃ、今回は俺と」
そう言うとカロは、いきなり跳び起きた。
「本当?やった~鏡夜と旅ができる~」
「さっきまでの眠そうな姿はなんだったんだが・・・じゃあ、紫ちゃん行ってくるよ、もし紫ちゃんの作ろうとする世界ができたら呼んでね」
「えぇ、必ず呼ぶはわ」
「じゃあね~紫~元気でね~」
「えぇ、元気でねカロ」
俺とカロは紫ちゃんに手を振りながらスキマの中に入って行った。
どうだったでしょうか?
紫の服はドレスじゃないってツッコミが来そうですが、この時は一時的に服がドレスだったと言うだけです。
次回、ようやくヒロインが出てきます。