二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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題名の通り、メガ雪華様の星夢&現との勝負です。

それと、メガ雪華様。多分、多大なキャラ崩壊が起きているとは思います。なので、変なところは変と言ってください。すみません。

では、第五十九話をどうぞ


第五十九話 ロリータ鏡夜対星夢&現

Side鏡夜(ロリ)

 

「っ、いきなり、吹き飛ばされるとは思いませんでしたよ……」

 

私は今、彼らとぶつかった場所からから数十km離れてたところまで吹き飛ばされていた。

 

何が起きたかというと、私達と彼らがぶつかった瞬間、突然爆発のようなものがあったのだ。多分、オリジナルの私によっての行動だと思うけど。その爆発によって、私と彼女達……星夢と現は数十kmという距離を吹き飛ばされたのだ。

 

『いたた……』

 

【大丈夫か、星夢?】

 

『うん……翼のお陰でなんとか』

 

【そうか……それにしても、地球とは話せないのに、地球の記憶を使えるなんて、なんか不思議な感じだな】

 

『そうなんだ』

 

星夢は空中で首を二、三度振ってから現の言葉に頷いた。

 

先ほど吹き飛ばされた衝撃が残っているのだろうか。

 

まあそれはいいとして、とりあえずさっき吹き飛ばされた時に髪についたホコリや土を払い落とす。私の髪はロングストレートの黒髪なのだが、オリジナルは一体何を考えてこんな髪型にしたんでしょうね? それに、若干性格も変わってますし。黒髪のロングの吸血鬼って……

 

まあ、それこそ本当にどうでもいいですよね?

 

「さあ、貴方。準備はいいですか?」

 

『あ、うん……でも、その前に名前とか教えてもらえると、嬉しいな?』

 

「名前? ああ、この状態のですか? そうですね……時成鏡華とでも言っておきましょうか」

 

『鏡華……はうあああああぁぁぁぁ!!!!! なんて可愛いい名前!!!!! 見た目もかあああああいいいよおおおおおおおお!!!!! ねえ、お持ち帰りしてもいいよね!!!』

 

【やめなさい!!!!!】

 

なんか、彼女に名前を言った瞬間、彼女がぶっ壊れました。もう、はちきれんばかりに瞳とか輝いてますし、それに、鼻息も荒くなってますし、なんか表現できないような位体をくねらせてますし。

 

ぶっちゃけ、今の彼女、滅茶苦茶怖いです。主に性的な意味と貞操の危機的な意味で。

 

そんな彼女に対して、背筋とかから意味の分からない冷や汗をかいていると、彼女は急に両手をパチンと叩き合わせて、そのはちきれんばかりに輝かせている瞳をこちらに向けると、犯罪者的な笑顔を向けてきた。

 

『決めた!!! 私が勝ったら、あの子を持ち帰る!!!!!』

 

【何言っちゃってんの!?】

 

「やめてください、流石に引きます」

 

正直、もう背筋がゾッとして、鳥肌が立ちまくりだ。ほんと、この人ちょっと怖い。

 

『はああううううう!!! おもちかえりいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!』

 

【お、おい! 星夢】

 

「来ないでください!」

 

いきなり奇声を発したかと思えば、彼女は急に背中から生えてる翼を羽ばたかせて、こちらに突っ込んできた。

 

あまりにも、突っ込んできた彼女の顔が、アレだったので、思わず胸を抱えてその場から飛び退いてしまった。

 

元は男ですが、今は心も体もうら若き幼女ですよ?

 

私が彼女のことを避けると、彼女は地面すれすれで高度を上げ、再び空中に戻った。

 

【星夢、落ち着け! 今の状態じゃ無理だろ! それに、俺たちには時間制限があるんだから、最初っから全力で行くぞ!】

 

『はっ!? そうだった。それじゃあ、いくよ。現!』

 

【応!】

 

現と彼女は何かを言うと、現の体がまるで彼女の体に溶け込むように入って行った。

 

『さあ、いくよ! 鏡華ちゃん!!!』

 

「は~いつでもどうぞ」

 

もう、この人怖い。ほんと怖い。

 

私は軽く体に力を入れ、翼にも力を入れてみる。生憎と、この翼、私が幼女のせいか小さく、飛ぶことができずグライダーのようにしか使えない。

 

「まあ、何時も通り妖力で作れば問題ないですか……」

 

【磁力操作(マグネティック)

 

『それと、隕石(メテオ)

 

「っ! これは!」

 

彼女と現の声が聞こえてきた瞬間、私の体に何か違和感を感じた。それはいいのだが、それよりも、私は空から降ってくるものに対して驚愕してしまった。

 

彼女の背後の空からなんと……直径ニm程の隕石が数え切れないほど降ってきていたのだ。

 

「躱す隙間がない……ならば、破壊するまでです」

 

私は妖力を拳に纏い、拳の硬さを強化する。これで、多分あの隕石群も破壊できるだろう。

 

そして、隕石は降り注いできた。

 

一つや二つなど甘優しくはなく、何十、何百という数でこちらに降り注いでくる。それも、何故か、周りには落ず、私だけに落ちてくる。

 

降ってくるのを拳で砕き、握り潰し、掴んで他の隕石に投げて隕石を壊し、破壊しつ続けるが、それも限界がとうとうきてしまい、私は回避せざるをえなくなった。

 

目の前の隕石を破壊し、後ろに跳び、降ってくる隕石を避ける。だが……

 

【無駄だぜ! 今のおまえは、磁力によって、隕石とプラスとマイナスの関係になっているからな!】

 

「な!?」

 

隕石は私の元いた地点に落ちると思ったが、数十の隕石は落ちることなく、地面すれすれで曲がり、私に向かってきた。

 

成程、先程から感じていた違和感は、磁力のせいか。

 

なんとか、拳で叩き落とすが、今度は正面と頭上から対処しなくてはならなくなった。

 

「これは……ちょっとめんどくさいですね」

 

私は、拳で隕石を叩き落としながら、呪文詠唱に入る。本来ならば、念じるだけで出来るのだが、能力を奪われたせいか一々呪文詠唱をしなくてはならなくなってしまった。

 

「我が五竜王の一角、その姿を現し、我が眼前の見えるもの、全てを溶かし尽くせ」

 

――――来たれ、溶王

 

その呟きと共に、私の周りに、ドロっとした溶岩のようなものが吹き出し、迫ってきていた隕石たちを溶かしつくし……

 

「■■■■■―――――――――!!!!!!!」

 

雄叫びとともに、地面から竜の姿となって私の眼前に現れた。

 

【星夢!】

 

『うん、これは流石にまずいね……』

 

「さあ、行きなさい」

 

「■■■■■■―――――――――!!!!!!!」

 

私が右手を上げて、振り下ろしながら言うと、溶岩の竜は雄叫びとともに、空へと飛び立った。

 

迫り来る隕石は全て溶かしつくし、時には溶岩を吐いて隕石を溶かし、そして星夢までたどり着いた瞬間、溶岩の竜は大きく息を吸い込み、巨大な溶岩を吐き出した。

 

【磁力操作(マグネティック)隕石(メテオ)(解除!】

 

『代わりに、氷河(グライシア)

 

隕石と先程感じていた体の違和感が消えると、今度は星夢の前に、溶岩の竜が放った大きさ程の氷の塊が突如出現した。

 

溶岩の塊と氷の塊が激突し、氷の塊は溶け始め、溶岩も冷え始める。そして、氷の塊が完全に溶け、溶岩が完全に熱を失ったその瞬間、あまりにも大きすぎる温度差のせいか、この辺一体をありえないほどの水蒸気が発生した。

 

それはいいのだが、あまりも水蒸気が熱すぎる。触れているだけで、肌が焼け焦げてしまいそうなくらい熱い。私は妖力を纏って防いではいるが、彼女はどうやら、また新しい能力を発動したようだ。

 

【氷河(グライシア)解除!】

 

『今度は、重力操作(グラビティプレス)

 

彼女の呟きとともに、今度は水蒸気と私の出していた溶岩の竜は地面に落ち。私自身は地面に膝を着いた。

 

「グラビティプレス……ということは、重力操作ですか」

 

体が重い。それも、十倍では効かないほど重い。何とか膝を着く状態を保っているが、気を抜いたらすぐにうつ伏せになってしまいそうだ。私の出した溶岩の龍なんかは、地面にうつ伏せになって、地面を溶かしてるし。

 

『更に、満月(フルムーン)

 

「もう、なんにも驚きませんよ」

 

膝を着きながら彼女を見ていると、彼女は空に向かって指を指す。指差す方向を見るとそこには満月が出ていた。それも、実物と同じ大きさの満月。

 

【さて、この満月(フルムーン)を重力操作(グラビティプレス)と合わせると……】

 

私の感じる重力が更に上った瞬間、彼女の上に出ていた満月が、私に向かってゆっくりと落ちてくる。

 

全く、体が動かない上に、あんなでかくて重いものを私にぶつけようとするなんて、ああ本当に……面白い!

 

「ふふ、アハハハハハハ!!!!!!」

 

『な……何?』

 

ああ、なんて面白いのだろう。今まで化物とやり合ってはきたが、まさか月が相手なんて! なんて面白の! 

 

しかも、気分がいい! 吸血鬼で、満月だからかな?

 

「能力発動!」

 

限界を無くす能力を封じられたが、他の能力は使える。勿論、今まで覚えてきた能力達だ。

 

私は曲げる能力を発動し、重力を曲げる。そして、このままでは無重力で動けなくなるので、妖力で翼を作り出し、空へと羽ばたいて滞空する。最後に、両腕に最大限の妖力を纏う。

 

「さあ、満月よ! 来なさい!」

 

そうして、重力が上がったのだろうか、満月は猛スピードで私に向かって突っ込んでくる。

 

ここで、逃げるなんて選択肢はない。そもそも、大きすぎて逃げられない。ならばどうするか? 簡単よ……

 

「真正面から殴り壊す!」

 

大きく右手を引いて、満月を殴りつける。だが、やはりそれ一発では、クレーターが出来るくらいだ。能力持ちの時ならば一発で叩き壊せただろうが、今はそんなことは言ってられない。

 

すぐさま、拳を引き、今度は左手で殴り、また戻し、右手で殴る。その単純な作業をくり返し行っていく。

 

「はあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

気合の言葉を出し、満月を殴りつけていく。だが、満月が硬すぎるせいか、両手の拳からは血が出てきた。

 

……だから、どうしたというのですか?

 

私は、その両手から出てきた血すら操り、拳の強化に回す。

 

殴って、殴って、殴って、そして、とうとう満月の中腹まで殴り続けた私は、ラストスパートとばかりに、両手の拳と更には足を使って満月を破壊していく。そして……

 

「だああらっしゃああああああああ!!!!!!」

 

『嘘……?』

 

【マジかよ……】

 

私は満月をぶち壊し、星夢達の上へと飛び出した。

 

二人は驚愕の表情で、私のことを見ているが、そんなのは気にせず、すぐさま血によって槍を形成し、曲げる能力を解除して、彼女達に向かって槍を突き出して真っ直ぐと落下する。

 

ここで、曲げる能力を解除した理由は、重力は未だ私に負荷を与えており、体重はいつもの数倍。その為、落下するスピードは音速を軽く超えれるため、曲げる能力を解いて、彼女に向かって槍を突き出して落下したのだ。

 

「ラストショータイム!」

 

その言葉とともに、彼女たちはこちら向き、私と目があった。

 

『っ! 現!』

 

【わかってる! 満月(フルムーン)重力操作(グラビティプレス)解除!】

 

『代りに、太陽(サン)

 

重力がいつもの重力に戻ったため、落下するスピードが落ちる。

 

それだけならば構わないのだが、恐ろしいことに、彼女の背後に、吸血鬼の天敵とも言えるであろう太陽が出現した。

 

「なっ!? キャアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

モロにその太陽の光を浴びた私は、吸血鬼の特性として、太陽の光によって、体が灰になっていく。

 

折角ここまで来たのに、最後の最後で彼女にしてやられた。

 

そんな、感情を抱きながら、私は灰になっていった。

 

『……もしかして、殺しちゃった?』

 

【……だろうな。吸血鬼にとって、太陽は最大の天敵だからな。それに、灰になっていったし】

 

『そ、そんなあああああああああぁぁぁぁ!!!!!! ってことは、お持ち帰りは……』

 

【勿論できないだろな。そんなに持ち帰りたかったら、灰を持ち帰れば?】

 

『そういう問題じゃないの!!!!! 私は、あの子を持ち帰りたかったの!!!!!』

 

【は~わかったわかった。……さて、戦闘も終わったし、太陽(サン)解除】

 

『うう、お持ち帰りしたかったな……』

 

【いいから、戻るぞ】

 

『……うん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジャスト一分、夢は見れましたか?」

 

『え……?』

 

【な……!?】

 

私が彼女の背後から、首筋をそっと撫でながら言うと、彼女たちは驚きのあまり、固まってしまった。

 

何で生きてるんだって? 簡単ですよ。レビリアルとやった時と同じです。彼女に対して、幻術を掛けただけです。何時掛けたのかと聞かれれば、私が叫んで、彼女と目が合った時ですね。

 

それでも、実際に現れた太陽は防げないだろですか? いえいえ、太陽の光なんて、曲げてしまえば問題ないわけですよ。直接当たらなければいいのですから。それに、光を曲げてしまえば、姿も隠せますしね。

 

【なんで……生きてんだ?】

 

「簡単な話ですよ。貴方達は、幻覚を見ていたのです。それも、貴方達の勝利と言う幻覚をね」

 

【てことは、まさか……】

 

「そうですよ。貴方達は罠にはめられたんですよ。……さて、長話は無用ですね。では……いただきます」

 

私はそこで言葉を区切ると、そっと彼女の髪を上げ、そのスベスベで白い彼女の肌に噛み付いた。

 

『ふあ……』

 

【星夢、早く振りほどけ!】

 

『……無理…かも…』

 

【おい、どうした!? 星夢!】

 

「無駄ですよ。吸血鬼の吸血には、この世のものとは思えない快楽がともないますからね」

 

それにして、血なんて初めて飲みましたが、中々いけるもんですね。吸血鬼のせいでしょうかね? なんか、こう、蜜のように甘く、それに濃厚。ちょっと、クセになりそうです。

 

そうして、ゴクゴクと彼女の血を飲んでいき、致死量に到達したところで、私は彼女の首筋から、離れた。

 

「御馳走様でした」

 

『あ……』

 

【星夢!】

 

あまりにも血を吸われすぎたのか、彼女はふらついた。そんな彼女を、彼女の守護霊でしたっけ? が現れ、彼女のことを空中で支えた。

 

【星夢! 大丈夫か!】

 

『大丈夫……じゃないかも』

 

私はそんな二人に、妖力で構成した翼をはためかせて、近づいた。

 

守護霊はこちらを警戒しているが、そんな守護霊を無視して、私は彼女の顔を両手で強制的にこちらへと向けさせた。

 

顔は青ざめ、彼女の艶のあった肌もどこか萎れて見える。

 

『あ……』

 

「美味しかったですよ、あなたの血。……そこで、これは囁かなお礼です」

 

私はそう言うと、彼女の右頬にそっとキスした。

 

『は、え、……は、はうああああぁぁぁぁ!!!!!!!!』

 

【せいむうううううううううう!!!!!!???????】

 

彼女は、奇妙な叫び声を上げると、彼女の体が光に包まれていった。守護霊も同様だ。

 

私は、そんな彼女にそっと右手を振ると、彼女は笑顔で光となった。守護霊の方は……察してあげてください。

 

彼女たちが消えたあと、そこに残ったのは、私と、彼女が憑依していたであろう、女性の体だけが残っていた。

 

「異形の怪物だと思っていましたが、まさか女性だったとは……それにしても、デフォルトで、吸血鬼には幻覚等の魔術の適性が高くて助かりました」

 

実は、あの幻術にも今の状態ならば多少の詠唱が必要なはずなのだが、吸血鬼には元から幻術の適性が高いせいか、詠唱がいらなかったのですよね。

 

「さてっと、私の仕事はこれで終わりですね」

 

私は翼を消すと、地面にうつ伏せになっている溶岩の竜のもとへ行く。

 

溶岩の竜の前に行くと、どことなく溶岩の竜は申し訳なさそうに、頭を垂れていた。

 

「……よく頑張りました」

 

「!!!!!」

 

申し訳なさそうにしている溶岩の竜へと近づいた私は、そっと首を持ち上げ、その頬にそっとキスした。

 

「お疲れ様です。もう、休んでいいですよ」

 

「――――――!!!!!!」

 

溶岩の竜は一度目を閉じて開けると、ニコッと笑った……ような気がした。

 

そのまま、溶岩の竜は再びそっと目を閉じると、体が黒い霧となって、私の中へと入ってきた。

 

「お疲れ様です。溶王。……さて、これで、本当に私の役目は終わりですね。それでは、後は頼みましたよ。オリジナル」

 

私はそう呟くと、目をつぶって、風に乗るような感じで意識を手放した。

 




色々と使ってない能力がありますよね。星夢の能力とか……ですがすみません。使うところがありませんでした。

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