二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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今回は咲夜ちゃん視点オンリーです。後展開が早いかもしれません

それと、軽く説明しときますと前回出た二人はオリキャラです。

・・・とまあ、この前書きを読んで、うわ~そんな事ばらすなよ、みたいな事になったらごめんさい。

では第二十四話をどうぞ


第二十四話 咲夜ちゃんside

Side咲夜

 

「さあ、皆準備して、私達も行くわよ」

 

鏡夜さんが出て行った後、私達は鏡夜さんの戦いを見る為、屋根へと行く準備をしていた。

 

数分程皆さんは準備すると、窓の外に飛び出した。

 

「あ、あの・・・」

 

「ん~? どうしたの~?」

 

「何故か皆さん普通に飛んでますけど、人間は飛べませんからね」

 

私がそう言うと、カロさんはあれ~って顔でこちらを見てきた。何故?

 

「どうしてそんな顔をするのですか?」

 

「いや~鏡夜は普通に飛ぶからさ~」

 

「はい?」

 

今度は、カロさんの言葉を聞いた私が驚いた顔になった。

 

「いや~私と鏡夜ともう一人で修行してた時があったの~その時に鏡夜が空を飛んでたからね~」

 

カロさんは笑いながら言ってくる。私は鏡夜さんが飛べるとういことよりも気になったことがあった。いや、空を飛ぶことも気になりましたけど。

 

「え? 鏡夜さんっていくつですか?」

 

そう、私は鏡夜さんの年齢が気になった。失礼ながらこの前、カロさんの年齢を聞いてみたところ、五百歳以上とのことだった。

 

つまり、カロさんと修行していたら最低でも五十歳以上の筈。しかし、鏡夜さんの見た目は二十歳前半ぐらいだ。

 

「ん~多分、千歳以上かな~」

 

「千・・・歳!?」

 

私はカロさんの言葉を聞いた瞬間絶句した。

 

「う、嘘ですよね」

 

「ホントだよ~」

 

「カロ~咲夜~速くしなさい」

 

私が驚いていると、窓の外からレミリアさんの声が聞こえた。

 

「は~いただいま~じゃあ行こっか~」

 

「え? キャアアア!!」

 

カロさんはレミリアさんに返事を返すと、私を小脇に抱えて窓から飛び出した。

 

窓から飛び出したカロさんは屋根の上に着くと、私をゆっくりと下ろした。

 

「こ・・・怖かった」

 

「アハハ~ごめんね~」

 

屋根につき、下ろされた私はその場にペタンっと座った。

 

「全員来たわね・・・じゃあ、パチェ、お願い」

 

「わかったわ、レミィ」

 

パチュリーさんはそう言うと、何かを呟いた。呟きが終わった瞬間、透明な何かが私達の周りを覆った。

 

「簡易結界だけど、多分大丈夫でしょ」

 

パチュリーさんはそう言うと、ふ~っと息を吐いた。

 

「ありがとう、パチェ・・・さあ、皆始まるわよ」

 

レミリアさんは正面を指差しながら言った。私は立ち上がり、レミリアさんの指差す方を見ると、そこには、鏡夜さんとローブを着た人が何かを話していた。

 

「なんて言っているのでしょうか?」

 

「お前らが何が何でも俺の家族の吸血鬼を殺すというのなら、もはや言葉を交わす必要は無くなった・・・って、言ってるのよ」

 

私が呟くと、それに答えてくれるように美鈴さんが答えてくれた。美鈴さんの答えを聞いた私は、なんとなくレミリアさんとフランさんを見ると、御二人の顔が真っ赤だった。

 

「!? 皆、気をつけて!」

 

パチュリーさんがそう言ったのと同時に、視界が砂埃で埋まった。

 

幸い、簡易結界? を張っていたおかげで目に砂は入らなかった。

 

「い、一体何が起こったんですか!?」

 

「転移魔法に近い魔法が発動したのよ」

 

私が驚きながら言うと、パチュリーさんが答えてくれた。

 

砂埃は徐々に晴れていき、視界が元通りになった。

 

「ど、どこですか、ここは?」

 

視界が元通りになったが、世界が変わっていた。

 

「落ち着きなさい咲夜」

 

私が慌てていると、レミリアさんが私の頭に手を置きながら言ってきた。

 

「始まるよ、お姉様」

 

フランさんがそう言うと、一斉に鏡夜さんの方を見た。

 

「よ、よく見えません」

 

「ちょっと、動かないでね」

 

パチュリーさんは私の両目に手をかざすと何か呟いた。

 

「・・・よし、これでいいはずよ」

 

「なにを・・・?」

 

私は再び鏡夜さんの方を見ると、先程まで見えなかったのに、見えるようになっていた。

 

「これは・・・」

 

「一時的に貴方の視力を上げたわ」

 

「そうなのですか」

 

「見えるのだったらよく見ておきなさい、咲夜」

 

急に美鈴さんがそんな事を言ってきた。私は美鈴さんの方を見ると、真剣な表情になって私を見ていた。

 

「あれが、戦いよ」

 

美鈴さんはそう言って、鏡夜さんの方を見た。私も再び鏡夜さんの方を見た。すると、鏡夜さんの両手にはいつの間にか、二本のナイフのような物を持っていた。

 

「始まった」

 

美鈴さんがそう言った瞬間、鏡夜さんの姿は消えていた。

 

「え? どこに・・・」

 

私が鏡夜さんを見失っていると、いつの間にか敵の神父服? を着た人の脇腹を切っていた。

 

「いつの間に・・・」

 

そこからの、鏡夜さんは凄かった。地面に叩きつけられても反撃し、血すらも操って敵に攻撃していた。

 

「鏡夜さんは・・・人間ですか」

 

私がボソッと言うと、レミリアさんが苦笑いしながら答えた。

 

「さあて、どうかしらね? もしかしたら、人間じゃなないかもね」

 

そんな話をしていると、鏡夜さんに向かって剣が飛んでいった。

 

「あ、危ない!」

 

「大丈夫」

 

私が叫ぶと、フランさんが冷静に答えた。フランさんの言う通り、鏡夜さんは剣の一本を掴むと、残りの飛んできている剣を全て叩き落とした。

 

「凄い」

 

私は唯唯凄いとしか思えなかった。

 

鏡夜さんは敵から離れると、少し息を吐いた。

 

「・・・ねえ、お姉様、鏡夜の能力って何だと思う?」

 

不意にフランさんがそんな事を言った。

 

「さあ、私はてっきり能力がないものだと思っていたわ」

 

「私もそう思ってたわ。でも、この戦いを見ると、絶対何かしらの能力は持っているよね」

 

「そうね・・・ねえカロ、貴方知らない?」

 

「聞いたことないですね~てっきり私は霊力持ちの人間とばかり思っていましたから~」

 

「そう・・・」

 

そんな感じで、皆さんが話しているうちに、鏡夜さんが敵に向かって走り出した。

 

敵に向かった鏡夜さんは、神父服の男の人の剣を素手で弾くと、顎に蹴りを入れていた。そして次の瞬間・・・

 

「え・・・」

 

鏡夜さんの腕が神父服の人の胸を貫いていた。それは、固まるだけですんだが次のことで、私は悲鳴を上げてしまった。

 

「キャアアアアア!!! 腕が、鏡夜さんの腕が!」

 

「鏡夜!」

 

「鏡夜―――!」

 

私が悲鳴を上げて叫ぶと同時に、レミリアさんとフランさんも叫んだ。周りの皆さんも動揺していた。

 

「グ!」

 

しかし、鏡夜さんはすぐさま血を操り、腕をくっつけて治した。

 

「良かった・・・けど、やっぱり何かしらの能力は持ってるね」

 

「そうね」 

 

御二人は安堵した後、そんな事を呟いた。

 

私はというと、鏡夜さんの腕が治ったのに安心し少しだけ目を瞑って息をはいた。そして、目を開けると既に、もう一人の敵がやられていた。

 

「いつの間に!?」

 

「咲夜がちょっと目をつぶった時だよ~」

 

私が驚きながら言うと、カロさんが答えてくれた。

 

「そうだったのですか」

 

「そうだよ~・・・それにしてもいいな~私も戦いたい」

 

カロさんは、そう呟くと口元を三日月のようにして笑った。

 

「ああ、いいな~いいな~私も戦いたい」

 

私はカロさんに若干恐怖しながらも、鏡夜さんの方を見た。戦いも佳境へと突入していた。

 

「「ハアアアアアアアアアアア!!!!!!」」

 

敵の一人と鏡夜さんが叫びながら互いに走り出しながら、腕を物凄い勢いで突き出した。

そして、敵の一人と鏡夜さん腕がぶつかり合った瞬間・・・

 

「キャッ!」

 

紅魔館全体が揺れた。私は揺れた衝撃で倒れそうになるが、美鈴さんが支えてくれた。

 

「あ、ありがとうございます・・・鏡夜さんは?」

 

「あそこ」

 

美鈴さんが指をさした先には、敵の胸から腕を外して、心臓を掴んでいた。

 

「うっ」

 

私はその光景に先程は無かった吐き気がきたので、手で口を覆った。

 

「大丈夫、咲夜?」

 

「はい・・・大丈夫です」

 

パチュリーさんが背中をさすってくれたおかげで、吐き気が収まった気がした。

 

吐き気が収まった為、鏡夜さんの方を見ると、敵の一人と何か話していた。

 

少し話したあと、敵の一人は杖を持ち上げて、地面をトンッと叩いた。

 

「また来るわよ、皆気をつけて」

 

パチュリーさんの言葉と共に砂埃が視界を覆った。砂埃が晴れると、いつのもの世界だった。

 

「戻って・・・来たのですか?」

 

「そのはずよ」

 

パチュリーさんはそう言うと、簡易結界を解いた。

 

「お姉様、鏡夜の能力の事なんだけど・・・」

 

「ええ、聞いてみましょうね・・・でも、最初は鏡夜が勝ったことを喜びましょう」

 

「そうだね」

 

御二人はそんな事を言いながら、鏡夜さんの方を向いて微笑んだ。

 

「あ! 鏡夜さんがきますよ」

 

私はそう言って、鏡夜さんの方に手を振った。

 

「鏡夜さ~ん」

 

私は屋根の上で思いっきり手を振った。だが、そのせいで・・・

 

「キャッ!」

 

「「咲夜!」」

 

私は屋根から足を踏み外して、屋根から落っこちた。

 

「キャアアアア!!! って、あれ?」

 

私は屋根から落ちたので、地面にぶつかると思い目を瞑った。しかし、一向に衝撃は来ず、逆にフワッとした何かに支えられた。

 

「これは?」

 

「全く、危ないよ咲夜ちゃん」

 

私が戸惑っていると、横から鏡夜さんの声が聞こえた。声のした方を見ると、そこには真っ白い羽を生やした鏡夜さんがいた。

 

「鏡夜さん!」

 

「や、咲夜ちゃん」

 

私は鏡夜さんの姿を見た瞬間、飛びつこうとしたが、鏡夜さんは手を前に出して私を止めた。

 

「触んないほうがいいよ、血塗れだからね」

 

「あ、はい」

 

確かによく見ると、鏡夜さんは顔以外は血まみれだった。私はそこでようやく冷静になり、自分を支えているものを見た。

 

「そういえばこれは?」

 

「それは、私が作った霊力の網だよ」

 

「そうだったのですか・・・ありがとうございます」

 

「気にしなくていいよ」

 

私が頭を下げつつお礼を言うと、鏡夜さんは笑っていた。

 

「ふふ、じゃあお嬢様の所に行くよ」

 

「はい!」

 

鏡夜さんはそう言うと、白い羽を羽ばたかせながら屋根へと向かった。私はというと、網に乗っかったまま屋根へと運ばれた。

 

「鏡夜さんの羽、綺麗です」

 

「ふふ、ありがとう」

 

私が鏡夜さんの羽を褒めると、鏡夜さんは笑いながらお礼を言ってきた。そして、数秒で屋根へと着いた、

 

「咲夜!」

 

「レミリアさん」

 

屋根について網から降りると、レミリアさんが抱きついてきた。

 

「全くもう、気を付けなさい、咲夜」

 

「すみません、レミリアさん」

 

私はレミリアさんにそう言うと、レミリアさんは頷きながら離れた。

 

「わかったならよろしい。で、鏡夜、ありがとう」

 

「いえいえ、当然の事をしたまでですよ」

 

鏡夜さんは笑いながら答える。しかし、すぐさま真剣な表情になった。

 

「さてお嬢様、抱きつきたいのは山々なのですが、一つ真剣な話があります」

 

「前半は後でしましょう・・・」

 

「私ともね」

 

「・・・で、真剣な話って何?」

 

鏡夜さんは真剣な顔をして、真面目のなのかよくわからない事を言った。まあ、真剣な話はあるようですけど。

 

「真剣な話はあります・・・しかし、今話すのは場所が悪いので中で話しましょう」

 

「わかったわ、私達も鏡夜に話したいこともあるし・・・と、いうことで皆中に戻るわよ」

 

レミリアさんがそう言うと、皆さんは頷いて窓から部屋に戻った。私はというと、鏡夜さんの網が窓の所まで行ってくれたお陰でなんとかなかに入れた。

 

「では、お嬢様、私はジャワーを浴びてから向かいます」

 

「わかったわ。それと、これなら大丈夫でしょ」

 

私は窓から部屋に入る前に、御二人と鏡夜さんを見た。御二人と鏡夜さんは何か話したあと・・・

 

「!?」

 

キスしていた。しかも、唇に。

 

私は御二人と鏡夜さんの行動に、顔を真っ赤になりながら、すぐに窓から部屋のなかに入った。

 

(鏡夜さんとレミリアさんとフランさんが・・・)

 

「どうしたの? 咲夜」

 

「い、いえ、なんでもないでひゅ」

 

「? ま、いっか」

 

美鈴さんが聞いてくるが、私はなんとか返事を返した。そして、御二人が部屋に戻ってくるまで、顔を少し赤くして待った。

 

(まさか、三人があんな関係だったとは・・・)

 

御二人を待っている間、私はさっきの御二人と鏡夜さんのことについて考えた。

 

(・・・でも、ちょっと羨ましいと思ちゃった・・・)

 

私は再び顔が真っ赤にし、首を振った。

 

(だ、ダメですよ、御二人がしているのなら私はしてはいけないはず・・・でも、私もしたいな~)

 

そんなことを考えつつ、私は御二人と鏡夜さんが部屋に戻ってくるのを待った。

 




どうだったでしょうか? 

何かがおかしい気がしてなりません

感想、批判、アドバイス、お待ちしております。

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