二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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諸事情により、投稿が遅くなってしまいました。

皆様すみません。

今回、甘いような甘くないようなそんな話です。

では、第十七話をどうぞ


第十七話 プレゼント

Sideカロ

 

「ふあ~おはよう~美鈴」

 

「あ、おはようカロ」

 

私は目が覚めると、部屋の外に出た。部屋の外に出ると、門の向こう側をボーっと見ている美鈴がいた。とりあえず、挨拶してから美鈴が見ている方向を見た。

 

「何してるの~」

 

美鈴が見ている方向を見るが、特に何もなく鳥達が飛んでいるだけだった。

 

「ちょっと前にね、鏡夜が出かけちゃったの」

 

「ふ~ん」

 

別に鏡夜が突発的に行動を起こすことはいつものことだから、私は特に気にはしなかった。

 

一方、美鈴は未だに鏡夜が出て行った方向を見つめている。

 

「今日の夜には帰ってくるみたいだけど・・・」

 

「まあ~大丈夫でしょ~・・・それより~朝ごはん作らなくていいの~?」

 

「あ! 忘れてた・・・ありがとう、カロ」

 

そう言って美鈴は、館に向かって走り出した。私はまだ朝ごはんまで時間がある為、なんとなく空を見た。

 

「綺麗な青空だな~」

 

私はそのまま、朝ごはんが出来るまでずっと空を見続けた。

 

 

 

「カロ~ご飯だよ――――!」

 

「わかった~」

 

美鈴が館に行ってから数十分後。しばらくの間、空を見続けていた私に朝ごはんが出来たと言う、美鈴の声が聞こえた。

 

私は空を見るのをやめて、食堂へと向った。

 

 

 

「おはようございます。パチュリー様、小悪魔」

 

「おはようカロ」

 

「おっはよう!」

 

食堂に着くと、パチュリー様と小悪魔がいた。私は二人に挨拶した後、美鈴の手伝いをするため厨房に入った。

 

「美鈴~何か手伝うことある~?」

 

「じゃあ、そこの食器だして」

 

「は~い」

 

食器を二、三枚、美鈴に横に置いくと、料理をドンドン盛り付け始めていく。すぐさま、盛り付け終わった料理を食堂に運んでいく。

 

「出来ましたよ~」

 

「今日の料理は何かしら?」

 

「春巻き、麻婆豆腐、春雨、その他諸々だそうですよ~」

 

「・・・多いわね」

 

私は料理を置いて、厨房に戻る。そして、また料理を運んでいく。その作業を三回程繰り返してから、私と美鈴は食堂で朝ごはんを食べ始めた。

 

「そういえば・・・鏡夜はいないのかしら?」

 

料理を食べている最中、パチュリー様が朝ごはんを食べるのをやめて、キョロキョロしながら言ってきた。

 

「鏡夜なら朝早くに、館を出て何処かに行きましたよ」

 

「・・・そうなの」

 

美鈴が、鏡夜はいないことをパチュリー様に伝えると、落ち込んだ感じでパチュリー様は返事をした。

 

「どうかしたのですか~?」

 

「ちょっと、魔法のことでね・・・」

 

そう言って、また朝ごはんを食べ始めるパチュリー様。私もとりあえず朝ごはんを食べ始めた。

 

 

 

「ご馳走様でした~」

 

「ご馳走様」

 

「御馳走様でした!」

 

「お粗末さまです」

 

朝ごはんを食べ終えた私達は、それぞれが使い終わった食器類を厨房に運んでいく。

 

「じゃあ、私達は図書館に戻るわね」

 

「はい・・・っと、一つ伝えることがありました」

 

「何かしら?」

 

「今日の夜七時に食堂に集まってください」

 

「何故?」

 

「鏡夜が何かするようです」

 

「鏡夜が? ・・・わかったわ、じゃあ今日の夜七時ね?」

 

「はい」

 

そう言って厨房から出て行くパチュリー様と小悪魔。私はとう言うと、美鈴と一緒に皿洗いをし始めた。

 

「そういえば~今日の七時食堂って言ってたけど~何するの?」

 

皿洗いをしている最中に、ふと思ったことを聞いてみると、美鈴はわからなという表情をした。

 

「さあ~何しに行ったのかしらね」

 

「・・・まあ別にいっか~夜のお楽しみってことで~」

 

そう言って、また皿洗いを始めた。

 

 

 

「疲れた」

 

「まだこれからよ」

 

皿洗いが終わった私達は、次の仕事に掛かる前に軽く休んでいた。

 

「次は~?」

 

「洗濯よ」

 

ちなみに、私は洗濯と皿洗いは美鈴を手伝ってあげてと、レミリアお嬢様に言われている。

 

「そっか~じゃあもうやる~?」

 

「そうね。休憩はこれくらいにして、洗濯に行きましょうか」

 

私達はそう言って、厨房から出て行き洗濯物が置いてある部屋まで行った。

 

「さて、カロ。やりますか」

 

「お~」

 

部屋に着いた私達は洗濯を開始した。

 

 

 

「ふ~終わったね~」

 

「終わったわね」

 

私達は洗濯物を洗い終えた後、館の掃除を開始した。で、今はその掃除が終わり、厨房の椅子に座って休憩している最中だ。

 

「そろそろお嬢様達を起こさないと」

 

「そうだね~」

 

時計を見ると、時刻は大体五時程。いつのまにか、お嬢様達を起こす時間になっていた。

 

「じゃあカロ。私は夜ごはんを作っておくから、お嬢様達を起こしてきてくれる?」

 

「了~解~」

 

私はゆっくりと椅子から立ち上がると、厨房を出ていった。そして、まずはフランお嬢様の部屋に向かった。

 

「パチュリー様~入りますよ~」

 

「いいわよ」

 

フランお嬢様の部屋は図書館を通らないといけないので、私は図書館の扉を叩き、中に入った。

 

中に入ると、机に向かってうんうん唸っているパチュリー様がいた。

 

「カロ、どうしたの?」

 

「お嬢様を起に来たの~」

 

「そうなんだ」

 

図書館に入ると、小悪魔が話しかけてきた。私は、小悪魔と軽く話した後、パチュリー様の迷惑にならないようにそっと、フランお嬢様の部屋に向かった。

 

「入りますよ~」

 

「いいわよ」

 

フランお嬢様の部屋の扉を叩くと、珍しく中から返事がかえってきた。

 

「失礼します」

 

中に入ると、寝巻きを着たまま、ボ~っとしているフランお嬢様がいた。

 

「どうしたのですか~?」

 

「今日、鏡夜が何してくれるのか気になってね・・・」

 

そう言うと、またボ~っとし始めるフランお嬢様。

 

「そうでしたか~」

 

私は納得すると、フランお嬢様の元によって、髪を梳かし始めた。

 

「そういえばお嬢様~今日の夜七時に食堂に集まってくださいと鏡夜が言ってましたよ~」

 

「鏡夜が?」

 

「はい~」

 

鏡夜の名前を出した瞬間、さっきまでボ~っとしていたフランお嬢様が、目をキラキラさせながら私の方に振り向いた。

 

私は髪を梳かすのを一旦やめて、フランお嬢様に笑顔で答えた。

 

「そっか、楽しみだな~」

 

返事を聞いたフランお嬢様は、笑顔になりながら正面を向いた。フランお嬢様が正面を向いたので、私はフランお嬢様の髪を梳かし始めた。

 

「そうですね~・・・よしこれでいいですね~」

 

私はフランお嬢様の髪を梳かし終えると、立ち上がってフランお嬢様の頭を撫でて部屋の扉に向かう。

 

「じゃあ、フランお嬢様~今日の夜七時に食堂に来てくださいね~」

 

「わかったわ!」

 

フランお嬢様の元気な返事を聞いた私は、ニコッと笑って部屋を出た。

 

「さて~次はレミリアお嬢様の部屋に向かいますか~」

 

私はフランお嬢様の部屋を出た後、図書館で今日の集合のことをもう一度言い、図書館を出てレミリアお嬢様の部屋に向かった。

 

 

 

「入りますよ~」

 

「いいわよ」

 

こちらも珍しく中から返事が返ってきた。

 

「失礼します」

 

レミリアお嬢様の部屋に入ると、そこにはボ~っとしたレミリアお嬢様・・・ではなく。色々なドレスを見て唸っている、レミリアお嬢様がいた。

 

「どうしたのですか~」

 

「ん~? 鏡夜が楽しませてくれるって言ってたからね。それなりの格好でもしようかと思ってね」

 

そう言って、色々なドレスを着ていくレミリアお嬢様。

 

「ね~カロはどれがいいと思う?」

 

「・・・いつものがいいと思いますよ~」

 

「そうかしら?」

 

「そうですよ~」

 

本当の事をいうと、私は服の良し悪しはよくわからない。なので、いつもの見慣れている服装がいいと思ったのだ。

 

レミリアお嬢様は散々悩んだ結果、いつもの桃色のドレスの服装になった。

 

「やっぱりこれね」

 

「似合ってますよ~」

 

私はそう言って、お嬢様を椅子に座らせ、髪を梳かしていく。

 

「そういえば~今日の七時に食堂に集まてくださいね~」

 

「どうして?」

 

「鏡夜が言ってたからです~」

 

「鏡夜が?」

 

「はい~」

 

私はレミリアお嬢様の髪を梳かし終わると、立ち上がり部屋の扉に向かった。

 

「じゃあそういうことで~今日の夜七時に食堂にきてくださいね~」

 

「わかったわ」

 

私はお嬢様に一礼して、部屋を出た。そして、今度は美鈴がいる筈の厨房に向かった。

 

「美鈴~何かすることある~?」

 

「ん~? 全部終わったからないわよ~」

 

「そう~」

 

厨房に着くと、椅子に座った美鈴がいた。私は手伝うことがない為、厨房に置いてあった椅子に座った。

 

「じゃあ後は~鏡夜が帰ってくるのを待つだけだね~」

 

「そうだね」

 

私と美鈴はそのまま、鏡夜が帰ってくるまで椅子に座って喋った。

 

 

 

「そろそろだね~」

 

「そうだね」

 

時刻は六時半程。現在、食堂には私と美鈴だけがいた。そして、そこから五分程経った後、続々と皆が食堂に来た。

 

「皆、鏡夜は何をしてくれると思う?」

 

不意にレミリアお嬢様はそんな事を言った。

 

「そうね・・・パーティーを開くとか?」

 

「それはないわね」

 

「じゃあ~美味しい食事とか~」

 

「それもないわね」

 

「じゃあ、プレゼントかな?」

 

「・・・ありそうね」

 

「まあ、何でもいいじゃないお姉様。鏡夜が何やっても楽しんだから」

 

「そうね」

 

そんな会話を食堂でしていること数分、そろそろ七時になりそうな時・・・

 

「ただいま~」

 

鏡夜が返ってきた。

 

 

 

Side鏡夜

 

時間が七時になりそうな時、俺は紅魔館に帰ってきた。

 

「ただいま~」

 

紅魔館に入ると最初にカロが現れた。

 

「おかえ・・・?」

 

カロは俺の担いでいる物を見て固まる。ちなみに、俺が担いでいるのは巨大な猪だ。帰ってくるときに運良く歩いいたところを仕留めたのだ。

 

「ただいま、カロ」

 

「あ~うん、お帰り~」

 

「皆は?」

 

「食堂だよ~」

 

「そっか・・・じゃあ、食堂に行こっか」

 

「は~い」

 

俺とカロは食堂に向かった。食堂に着くと、皆が椅子に座っていた。

 

「おかえり、鏡夜」

 

「鏡夜、おかえり」

 

「ただいま、お嬢様」

 

食堂に入ると、まずお嬢様達が挨拶してくれた。

 

「おかえりなさい、鏡夜」

 

「おかえり!」

 

「おかえり」

 

「ただいま」

 

次に、パチュリー様、小悪魔、美鈴が挨拶してくれた。俺は皆に笑顔で挨拶を返して、レミリアお嬢様の近くに行った。

 

「お嬢様、お腹が空いてるでしょうから、ちょっと厨房で作ってきますね」

 

「ええ、お願い」

 

俺はレミリアお嬢様に一礼してから、厨房に向かう。

 

厨房に着いた俺は、一通り猪を捌き、手際良く料理を作っていく。

 

十分程で六種類程の料理を作り、食堂に運んでいく。

 

「お待ちどうさまです」

 

「鏡夜、これが楽しませてくれることなの? いや別にこれはこれで楽しんだけど」

 

「違います」

 

「じゃあ何でご飯?」

 

「それは・・・お腹も減ってしまったのでご飯にしようと思いまして。それに楽しみは後の方がいいじゃないですか。」

 

俺は皆の前に料理を並べながら、レミリアお嬢様の質問に答えていく。そして、皆の前に料理が並んだのを確認したら、俺も自分の椅子に座る。

 

「じゃあ、皆いただきます」

 

「「「「いただきます」」」」

 

「いただきます~」

 

俺と皆は自分の前で手を合わせてから、料理を食べ始めた。

 

 

 

そこから数十分後、皆が料理を食べ終えた。俺は皆の食器を厨房に片付た後、食堂に戻り皆の前で手を広げて話しかけた。

 

「さて皆、今日は私からプレゼントがあります」

 

そう俺が言うと皆が目をキラキラさせながらこちらを見てきた。

 

「ちょっと待っててください」

 

俺は食堂から出て、廊下にいく。そして、スキマを開く。ちなみに、スキマは物を入れとく事にしか使わないことにした。

 

俺はスキマの中に手を入れて、大小様々な箱を取り出す。

 

「お待たせしました」

 

食堂に戻り、美鈴、カロ、小悪魔、パチュリー様の前に箱を置いていく。

 

「あれ? 私達の分は?」

 

「お嬢様達は少しお待ちを」

 

「ねえ~開けていい~?」

 

「いいよ」

 

そう言うと、四人は配った箱を開ける。すると・・・

 

「「「「わ~!! 綺麗~!!」」」」

 

四人は箱を開けると、目をキラキラさせて箱の中身を取り出した。

 

「気に入って貰えたかな?」

 

「「「「うん!」」」」

 

四人の箱の中身は、パチュリー様がエメラルドで作ったブローチ。小悪魔はジルコンで作ったピアス。美鈴はガーネリアンで作ったブレスレット。そして、カロはオパールで作ったネックレスだ。

 

「付けていいかしら?」

 

「いいですよ・・・つけましょうか?」

 

「いいの?」

 

「いいですよ」

 

そう言って、パチュリー様の胸元辺りにブローチを付ける。

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

「ねえ、鏡夜。私にも付けて」

 

「いいよ」

 

次に小悪魔にもピアスを付ける。まあ、その後カロと美鈴にも言われて付けてあげた。

 

どうやら四人は俺のプレゼントが気に入ったようだ。

 

俺は二つの箱を持って、お嬢様達の元に行く。お嬢様達の前で俺はすうっと息を吐き緊張を解す。

 

「あら、ようやく私達にプレゼントをくれるのかしら?」

 

「すみません、遅くなりました」

 

俺は苦笑いで、レミリアお嬢様に答えた。

 

「で、何くれるの?」

 

「これです」

 

俺はお嬢様達の前に膝をついて、箱の蓋を開けた。

 

「鏡夜・・・これって・・・」

 

「もしかして・・・」

 

「そうです」

 

箱の中身はルビーで作った指輪だ。俺は箱から指輪を取り出して、お嬢様達の左手の薬指にはめる。

 

「お嬢様、改めて言います。私と結婚してくだ・・・っと」

 

俺が笑顔で言ってる途中に、二人は笑顔で涙を流しながら抱きついてきた。

 

「「勿論、喜んで!!」」

 

そうして、俺とお嬢様達はキスした。

 

 

 

Sideパチュリー

 

「私も好きだけどな~鏡夜の事」

 

私は自分の部屋のベットの上で、ゴロっと横になりながら鏡夜から貰ったブローチを眺めて呟く。

 

「どうしました? パチュリー様」

 

「ん~? 何でもないわ~」

 

小悪魔が話しかけてくるが、曖昧な答えしか返せなかった。

 

(どうしよっか)

 

私は再びベットの上で、ゴロゴロしながらどうやったら鏡夜が私に振り向いてくれるか考えた。

 

(・・・・・・別に、鏡夜の愛人的な立場にしてもらえばいいんじゃない?)

 

私は別に愛人的な立場でも構わないのだが・・・

 

(でも、やっぱり、レミィとフランがどういうかよね~)

 

そう、問題はレミィとフランなのだ。レミィとフランが別に良いよと言わないとこの作戦はできないのだ。

 

(・・・まあ、いっか。明日レミィとフランに聞いてみよ)

 

もう眠くて頭が回らないため、今日はもう寝ることにした。

 

「おやすみ、小悪魔~」

 

 




なんか、ハーレムになりそうですが、ヒロインはレミリアとフランですからね?

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