今回、鏡夜君視点オンリーです。後、今回出てくる、あるキャラにちょっと違和感があるかもしれません。
では、第十五話をどうぞ。
side鏡夜
さて、告白に成功して、お嬢様達に抱きつかれてから十分程が過ぎた。あの後、俺とお嬢様達は、お腹がすいたので食堂に向かうことにした。
が、その前に俺は、寝起きにはシャワーを浴びたい人間なのでちょっと時間をもらい、シャワーを浴びることにした。
「お嬢様、ちょっとシャワー浴びてきますね」
「ええ、行ってらっしゃい」
レミリアお嬢様はニヤッとしていたが、気にせず、俺は着替えとタオルを持って、部屋のシャワールームに向かった。
「・・・・・・な~んか、いろんな意味でヤバイ予感がするけど・・・・・・まあ、大丈夫だろ」
俺は一通り服を脱ぎ、シャワールームに入る。で、シャワーをつけて浴びる。ここまでは良かった。
「ふんふふ~ん♪」
「ふっふふ~ん♪」
俺がシャワーを浴びていると、二つの鼻歌が聞こえてきた。
(一体誰のだ?・・・・・・って、お嬢様達しかいねえよ!)
俺はシャワールームの壁を軽く叩き、扉の方を向く。扉の前には、二つの幼いシルエットがあった。
(どうするどうするどうする!!!今、この状況でお嬢様達の裸なんて見たら、鼻血吹いちまう!!!)
俺が内心どうするか考えている内に、シャワールームの扉は開かれた。
「鏡夜~」
「きょう~や」
「・・・・・・・・・・・・・」
「?お姉様、鏡夜が固まってるよ」
「あら、どうしたのかしら」
お嬢様達が一糸纏わぬ姿で入ってきた瞬間、俺は固まった。二人は幼いながらも出る所は僅かに出ており、少女特有のモチモチしそうな肌。そして、視線を下にさげる・・・・・・前に、俺は鼻血を出して、その場にブッ倒れた。
「キャアアアア!?鏡夜が鼻血流して倒れた――――!」
「ちょ、どうしたの鏡夜!?しっかりしなさい!」
俺は掠れていく意識の中でしっかりとお嬢様達の裸を記憶し、心の中でガッツポーズをしながら意識を失った。
「ハッ!ここは?」
目覚めるとそこは見知らぬ場所だった・・・とかではなく、鼻にティッシュを詰められて、下半身をタオルで隠された姿で、図書館の机の上に寝せられていた。
「気絶した貴方をここに運んで、看病したのよ・・・それより、体調は平気?」」
「ええ、平気ですよ。パチュリーさん」
声が聞こえた方を確認すると、俺から顔を背け、顔を真っ赤にしたパチュリーさんがいた。
「体調は平気です・・・が、何故、こちらを見ないのですか?」
「それは・・・・・・・・・からよ」
「え?何ですか?」
「だから!その・・・下半身見ちゃったからよ」
「・・・・・・嘘ですよね」
「本当よ」
パチュリーさんの非情な宣告により、俺は恥ずかしさのあまり、泣きそうになる。
パチュリーさんから聞いた話によると。まず、お嬢様達の悲鳴が聞こえて、何事かと思い現場に向ったところ、俺が全裸で鼻血を流して倒れていたらしい。
で、このままではマズイと思い、シャワールームから運ぼうとした。だが、俺以外全員女の子なので、俺の全裸に赤面しつつ、体を拭き、なんとかここまで運んだらしい。
そして、その時に、俺の下半身も見てしまったらしい。
「そ、それと、速く服を着て頂戴」
そう言って、パンツを出してくる、パチュリーさん。
「はい・・・」
俺はパンツを受け取り、履いた瞬間、泣いた。
「大丈夫?」
「・・・はい、ありがとうございます」
俺が泣いてから三分位経った今、俺はパチュリーさんに、背中をさすってもらっている。もちろん、服は全部きましたよ。
「初めて見たわ。貴方が泣く所」
「こう見えて、意外とガラスのハートなんです」
「・・・・・・そう」
等と冗談を言っていると、図書館の扉が開かれた。
「パチュリー様――――鏡夜、起きましたかー?」
「ええ、起きたわよ」
図書館に入ってきたのは小悪魔だった。
「あっ!起きてましたか。おはよう、鏡夜」
「お、おはよう」
小悪魔は顔を赤くしながら挨拶してくる。俺は挨拶を返すが、下半身を見られた恥ずかしさに、顔を赤くしてしまう。
「で、どうしたの?小悪魔」
「あ~うん、レミリアお嬢様が、鏡夜が起きたら呼んでって・・・」
「そ、そう、ありがとう」
「う、うん、それじゃあ」
そう言って、小悪魔は図書館を出て行く。
「鏡夜、大丈夫、皆すぐ忘れるわよ」
「・・・顔を赤くして言っても説得力ないですよ、パチュリーさん」
慰めの言葉を掛けてくれたパチュリーさんだが、パチュリーさんも顔を真っ赤にしてるので、説得力は皆無だった。
「はぁ~・・・では、パチュリーさん。看病、ありがとうございました」
「別にいいわよ。この、お礼はいずれ体で払ってもらうから」
「・・・・・・ほどほどにお願いします」
俺はパチュリーさんの言葉に苦笑いしながら、図書館を出た。
「失礼します」
「いいわよ」
レミリアお嬢様がいつもいる場所に行き、ドアを叩き部屋に入る。部屋に入ると、申し訳なさそうな顔をした、お嬢様達がいた。
「鏡夜、ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「いえいえ、気にしないでください」
開口一番に謝ってくるお嬢様達。別に気にしなくていいのだが、すごく申し訳なさそうな顔で言ってくる。
「いえ、気にするわ。だって、私達があそこで巫山戯なければ、鏡夜は、気絶しなくてすんだもの」
「そうだよ。だから、鏡夜。ごめんなさい」
俺はどうすればいいか分からず、混乱していた。とりあえず、お嬢様達にはいつもの笑顔に戻ってほしいのだが、方法がわからない。
「はぁ~お嬢様」
「「何?」」
「ですから、別に私は気にしてませんから、いつもの笑顔に戻ってください」
いつもの笑顔に戻す方法など結局、思いつかなかったので、率直に言ってみたが、まだお嬢様達の表情は暗い。
「ほら、お嬢様。笑ってください」
「「でも・・・」」
「あ~もう」
俺はめんどくさくなったので、お嬢様達を抱きしめた。
「いいですか、私は気にしてません。ドンドン来てください。別に私は怒っていませんから。むしろ、あれは嬉しかったのですから」
俺はお嬢様達を抱きしめながら言う。お嬢様達は無言だが、気にせず更に言う。
「ですから、いつもの笑顔になってください。その方が可愛いので・・・」
そして、お嬢様達を離し、最後に真っ直ぐにお嬢様達の瞳を見ながら言う。
「ね?私のお嫁さん達」
すると、さっきまで、申し訳なさそうな顔だったお嬢様達は、徐々に笑顔になっていった。
「そう、許してくれるのね」
「許すもなにも、だから怒ってませんって」
「・・・やっぱり、鏡夜は優しい」
そう言って、お嬢様達は抱きついてくる。
「「ごめんね。私達の旦那さん」」
「だから・・・まぁ、いいか」
俺はお嬢様達に抱きつかれながら、お嬢様達の頭を撫でた。
「さて、お嬢様、お腹がすいたので、食堂に行ってきます」
一応、お嬢様達に笑顔が戻った現在。俺は起きてからなにも食べてないため、お腹が空いてしまった。
「そう言えば寝起きから何も食べてなかったね」
「ええ」
「そう・・・多分まだ食堂に美鈴がいると思うから、料理は出してくれるはずよ」
「そうですか。じゃあ、行ってきます」
俺はそう言って、部屋を出る。そして、食堂に向かい、厨房に入ると後片付けをしている美鈴がいた。
「やあ、美鈴」
「ん?ああ、鏡夜。起きたの?」
「ああ、お陰様でね」
美鈴は振り返り、俺にいつもの調子で話しかけてくる。それに、いつもの調子で返すが、やはり少し恥ずかしい。
「そう・・・で、どうしたの?」
「ああ、ちょっとお腹が減ってね・・・何か食べ物はある?」
「余り物でいいなら残ってるよ・・・ちょっと待ってて」
美鈴はそう言って、鍋を温め始める。俺は厨房にあった椅子に座り、料理を待った。
五分後、美味しそうな匂いが漂ってきた。
「ほい、おまちどおさま」
「お~美味しそう」
出された料理は何故か、麻婆豆腐だった。
「では、一口」
麻婆豆腐を一口食べる。すると、痺れるような辛さが口に一気に広がった。まあ、普通はここで水を飲むのだろうが、俺は別に辛いものが平気な為、ドンドン食べていく。
「・・・・・・ふ~ご馳走様。美味しかったよ美鈴」
「ありがと。それにしても凄いわね。皆、水を飲みながら食べたのに」
「俺は別に辛いのは平気だからね」
俺は食べ終えた食器を流し台に持っていき皿を洗う。
「私がやっとくから、別にいいわよ」
「いいや、自分で使ったものくらい、自分で洗うさ」
そう言って、黙々と洗い続ける俺。一方、美鈴の方も皿洗いに戻っていた。
俺は自分が使った物が洗い終わると、美鈴の残っている食器を洗い始める。
「別に洗わなくてもいいわよ?」
「いいの。だって美鈴、朝起きるの早いのに、貴重な睡眠時間を削るのは辛いだろ?だから、俺も手伝うからさっさと終わらせようぜ」
「・・・・・・ありがと。じゃあ、お願いするわ」
「任せとけ」
「ふ~これで、良しっと」
「ありがとう。おかげで早く終わったわ」
「これぐらい構わないさ」
一通りの皿洗いが終わり、一息ついている俺達。
「ふあ~じゃあ、私はもう寝るわ。おやすみ」
「ああ、おやすみ。いい夢を」
厨房から出て行く美鈴に向かって、軽く右手を挙げる。美鈴はよほど眠かったのか、欠伸をしながら右手を挙げて、厨房を去ってった。
「さて、暇だな」
俺は厨房にあるティーカップに、紅茶を入れながら呟く。
お嬢様達と遊んでも良いのだが、きっとお嬢様達はさっきの事を気にしている筈なので、会うのは控えたい。
別に俺はあってもいいのだが、また申し訳なさそうな顔をされるのは嫌だ。
「さ~て、どうすっかな~」
紅茶を飲みつつ考えると、一つ忘れていたものがあった。
「そう言えば、紫ちゃんに会ってないな・・・」
俺はカロと一緒に、紫ちゃんと別れてから一度も会ってない。会おうと思えば会えるのだが、ここ最近忙しかった為、全然合ってない。
「計画もどこまで進んだか気になるし、会ってみますか」
俺は紅茶を一気に飲み終え、ティーカップを片付けて厨房を出る。そして、近くの窓を開け、外に飛び出す。
すかさず、空中で妖力の翼を出して、屋根まで飛ぶ。
「よっと・・・さて、呼びますか」
俺は目一杯息を吸い込み・・・
「紫ちゃん~」
ボソッと小声で呼んだ。
「小声かい!」
紫ちゃんの声が背後から聞こえた瞬間、いきなり頭をハリセンで叩かれた。だが、俺にダメージは無い。
「やあ~久しぶり、紫ちゃん」
「久しぶりね、鏡夜」
俺はゆっくりと後ろを振り向くと、そこには、両腕を組んでハリセンを持っている紫ちゃんがいた。
「久しぶりなのはいいのだけど、なんであそこまで息を吸っておいて、呼ぶときは小声なのよ!大声出すとこでしょ、あの場面は!」
「まあまあ、落ち着いて」
ドンドンツッコミを入れてくる紫ちゃん。俺はいちいちツッコミを返すのは面倒なので全て流すことにした。
「はあ~で、なんで呼んだの?」
「いや~どれくらい計画が進んだのかなって」
「ああ~それなら大体、半分位進んだわよ」
「え?早くない?」
「早くないわよ」
「だって、俺達と別れてからまだ、一ヶ月ちょいしか経ってないよね?」
「違うわよ。今日で別れてから丁度、半年よ」
「はい?」
俺は今、混乱していた。俺の時間感覚では確かに一ヶ月ちょっとしかたっていない。なのに・・・半年?
「どう言う事?」
「それはね・・・スキマ通ったじゃない?」
「ああ」
「あれ通るのに一日くらいかかったと思うんだけど。実はあれ、こっちの時間では五ヶ月くらい経ってるのよ」
「なんで!?」
「私がそう言う風に設定したから」
紫ちゃんはニヤリとしながら言ってくる。俺はそんな、紫ちゃんのニヤリ顔よりも、何故そんな事をしたのか気になっていた。
「なんでそんなことしたの?」
「だって、その方が早く私の作った世界に招待できるもの」
俺はそれを聞かされた瞬間、呆れた。
「はあ~まったく」
「あら、怒った?」
「別に、怒ってないよ」
俺はハハっと笑いながら言う。まあ、本当に怒ってはいないんだけどね。こう、なんか釈然としない気持ちがね?
「まあ、その話はいいとして、他に変わったことは?」
「あるわよ」
そう言って、新たにスキマを作り出す紫ちゃん。そして、スキマに頭を突っ込み何かを呼ぶ紫ちゃん。
「藍?ら~ん、ちょっと来なさい」
「何ですか?紫様」
紫ちゃんがスキマから顔を出すと、今度はスキマから狐耳を生やし、九本の尻尾を生やした女性が現れた。
「ん?人間?」
「こんにちは・・・あっ!今は夜か、こんばんは」
「こんばんは」
俺は笑顔で言うが、女性は困ったような顔で返してくる。
「藍、こちらの方が私の師匠よ」
すると、驚いた顔でこちらを見てくる女性。
「し、師匠!?じゃあ、この方があの時也鏡夜さんですか!?」
「そんな、師匠なんて大げさだよ、紫ちゃん」
「いいえ、貴方は私の師匠よ・・・それより藍、自己紹介なさい」
「は、はい!」
女性は緊張しながら、俺の正面に立った。俺、何かしたっけ?
「は、初めまして。や、八雲ゆか、紫様の式神をやらせてもらっている。八雲藍とい、いいます」
女性こと八雲藍はガチガチに緊張しながらも自己紹介してくれた。俺はこっそり紫ちゃんに、なんで藍ちゃんがこんなに緊張しているのか訪ねた。
「ああそれはね、貴方日本の妖怪の中では最強にされているからよ」
「本当?」
「ええホントよ。だから、藍もあんなに緊張してるの」
自分の認知してない所でいつの間にか最強にされているとは驚きだ・・・まあ、それは置いといて、俺は笑顔で藍ちゃん話しかけた。
「藍ちゃんでいいかな?」
「は、はい」
「そんなに緊張しないでいいよ・・・で、自己紹介だったね。何故か知ってるようだけど一応。俺の名前は時也鏡夜、よろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
俺は笑顔で右手を差し出すと、藍ちゃんは震えながらも右手を握った。
終わりが変になってしまい申し訳ありません。
違和感のあるキャラは藍だったのですが、どうでしたか?
自分は違和感はないのですが皆さんはどうでした?・・・・・・感想、お待ちしております。