ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
今回は短めのお話になっております。
それでは、どうぞ!
○
2022年11月27日午後8時。
とある宿屋の一室、そこには四人のプレイヤーが集まっていました。亜麻色の髪のユージオ先輩、燃えるような紅葉色の髪のティーゼ、そして、紫色の髪のユウキさん。
えっ?何故集まっているか、ですか?それは、私達にとって重要な
「……えっと………これから、『
「「いえーーい!」」
ユウキさんとティーゼが一緒になってふざけてます……これは対応に時間がかかりそうだなぁ……
「い、いえーい!」
つられて私もして見ましたけど……
「ロニエ、無理しなくて良いよ。あと、ティーゼ、ユウキ、はしゃぎすぎだよ。」
「「はぁーい」」
「あはは……」
この会議はキリト先輩やアスナさんは参加しません。というか、させません。だってこれは、時間を超えた人たちの会議ですから。
「ええー…今回、と言っても初めてだけど……この会議で話し合うのは『何故僕達は時を超え、キリトの過去のアインクラッドに来ているのか』。じゃあ、まずは自己紹介から行こうか。僕はアンダーワールド出身のユージオ。キリトとは2年の付き合いだよ。」
「次は私がしますね。私はユージオ先輩と同じアンダーワールド出身のロニエです……本名って言っておいた方がいいですか?」
「あ、そこの所は言わなくていいよ。それに、この世界……アインクラッドじゃ本名含めて個人情報は言っちゃいけないらしいから。まあ勿論アインクラッドについてだけどね。」
「そういうことだよ、ロニエ!」
「あ、はい。キリト先輩とは合わせて……6年と少しの付き合いになります。……キリト先輩の傍付き剣士として2ヶ月と、整合騎士見習い兼傍付きとして3年と整合騎士として3年です。」
「……?……ティーゼ、頼むよ。」
「はい!二人と同じアンダーワールド出身です。ロニエとは7年ほどの付き合いです。ユージオ先輩とは2ヶ月、キリト先輩とは6年くらいです。ユージオ先輩の傍付き剣士を務めていました。」
「じゃ、最後はボクだね。ボクの名前はユウキ!みんなの……あ、あんだーわーるどっていうとこじゃなくて一応言うと、日本生まれなんだ!キリトとアスナとの付き合いは1、2ヶ月くらいかな?まあ、よろしくね!」
と、全員の自己紹介が終わりました。日本…知りませんね……
「では、本題に入るよ。まず、ここに来る前のことを話してほしいんだけど……最低限でいいよ。」
「んー……ボクはね、病気で死んじゃったんだ。最後に覚えてるのは……綺麗なVRワールドの中でアスナを助けたことかな?ボクのオリジナルソードスキルを使うのを手伝ったんだ!」
「やっぱりキリトとアスナと面識があったんだね。」
「うん!よくクエストを一緒にやってたよ。」
「そっか……」
「じゃあ、私から行きますね。私はアンダーワールドの人界守備軍……その整合騎士になって人界とダークテリトリーを守っていたんですが……」
「えええええッッ⁉︎せ、せせせ整合騎士⁉︎」
大声をあげて驚くユージオ先輩。
「あ、はい!最後の異世界戦争から3年後に整合騎士になったんです。それから3年後に四帝国の生き残り……正確には少し違うんですけど、その生き残りとの戦いで不意打ちの神聖術を食らってしまって……目を覚ましたら、アインクラッドの始まりの街に……」
「そこのところは、あたしもです。」
「……そっか……それじゃあ、最後は僕か。ロニエとティーゼは知ってると思うけど、アンダーワールドのセントラルカセドラルで最高司祭アドミニストレータとの戦いの最中に青薔薇の剣と一体化したんだ。それでアドミニストレータは倒せたんだけど、僕はもう限界だったから力尽きちゃって…キリトに看取られて死んだよ。最後に見たのは、キリトと黒い………なんて言うんだろう……堕天使、かな?それと戦ったところだよ。一応、その前にも、黒い外套みたいなものを着て、大きな大剣を持った男とも戦ったっけ………」
「私達が見た通りのものですね。堕天使の方は知りませんけど……まさか、皇帝ベクタですかね?」
「うん、多分そうだと思うけど……」
「………みんなの言ってることが全然わかんないや!でも、大剣持ちの男なら見たことあるよ。そいつとアスナが戦ってたからね!」
まあ、知らなくて当然かもしれませんね。でも、あの異世界戦争の時に二人ともいたってことですか……
「何故僕等が時を超えてここにきたか……僕らの共通点を見つけてみようか。」
「分かりました、けど……あたし、共通点なんてないような気がするんですよね…」
「確かに……ボクはアンダーワールドで生まれたのは3人だけで、ボクは違うからね。全員に通じる点なんて……」
今までの話で、私達全員に共通すること………
「……一つだけありますね。」
「本当かい、ロニエ?」
「はい。それ以外見つからないんですけど……」
「「その心は?」」
同時にティーゼとユウキさんが聞いて来る。
「……全員の共通点は『
「!」
「え?」
「?」
ユージオ先輩、ユウキさん、ティーゼの順で反応しました。ユージオ先輩だけは納得してるようです。
「ちょっと待って、ロニエ。私とロニエは死んでないわよ?」
「そうだよ、話を聞いてても、しんせいじゅつって言うのを食らっただけって……あ」
「そうです。ユージオ先輩はカセドラルで死んだと言うことを自覚しています。ユウキさんも、同じです。私とティーゼの場合は死んだことを自覚する余裕が無かったんですよ。私とティーゼは奇襲でいきなりやられました。そこから記憶が無いのは、それが私達の最期だった……そういうことです。」
「……確かに納得出来るね。一理ありだよ、ロニエ。」
「はい。」
「あ、あたし、死んだの……?」
「うん。これは推測だけど、もしかすると……」
「…………時を超えて来る条件は、《死ぬ》こと、か……」
「……もしかしたら、あたし達以外にも時を超えて来た人達がいる可能性は十分にありますね。」
「……うん……今回の会議はここまでにしようか。時を超える条件を見つけただけでも、収穫があったしね。」
「さんせー!」
「右に同じく!」
「そうですね…」
「これから、時を超えて来た人がいたら積極的に声をかけてみよう。まあ、そんなにいない、とは思うけど……」
「「「分かりました!」」」
「それじゃあ、第一回『
「「はーい!」」
「…ちょっとティーゼ!あんまりふざけたら駄目って言ってるのに……もう!」
こう言うすぐふざけるところを直さないと……
こうして、第一回『時間超越者会議』は幕を閉じました。これが1ヶ月周期で開かれるのは後の話。
さて、明日も攻略頑張りましょう!
次回「角笛の呼ぶ《イレギュラー》」