ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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お気に入り100人突破しました!クロス・アラベルです!
今回はあの人が登場!
それでは、どうぞ!


新たな出会いは推理の後で

○○○

 

 

 

 

 

ここはあるお店。そして、私たちはアルゴさんも加えて第二層迷宮区到達の祝杯をあげることになりました。

 

「それじゃあ、第二層迷宮区到着を祝って……」

 

「「「「「「乾杯‼︎」」」」」」

 

ガチャン!

 

「いやァ……5日で迷宮区到達カ……結構早かったネ…俺っちもここまで極端に早いとは思ってなかったヨ!」

 

「ああ、そうだな。第一層じゃかなり時間かかったもんな…」

 

「ここまで来れてよかったね……」

 

「攻略組でもレベルの高い方が多いですからね…」

 

「いや、レベルの問題じゃないからネ…レベルっていうのはあくまでクリア可能って言うだけダ。」

 

「……そう言えば、βテスト時代は二層のボスって何回ぐらいで討伐出来たの?」

 

「んー…βテストの頃はレベル4、5ぐらいでで無謀なチャレンジしてたからな。10回くらいはワイプ……壊滅したんだ。ボスを倒した時はレベル7くらいだったか?」

 

「ふぅん……今回の攻略だと平均レベル10は行くわね。」

 

「まあ、それくらいは行くだろ……でも、そこらへんの雑魚モンスターの常識はフロアボスには通じないからな。ディアベルもあの時、俺とレベルが大差なかった。あの時、俺が13でディアベルは12だったか……なのにたった一撃でHPゲージが半分以上持っていかれた。」

 

「…確かに……あたしたちが食らってたら……そう思うとゾッとしますね。」

 

「ああ。それに、この層はただレベルが高いだけじゃ駄目なんだ。」

 

「キー坊の言う通りだナ。この第二層のボスじゃ、武装の強化が最重要だからネ…」

 

「そうなんですか?」

 

「今回のボスは特殊技でプレイヤーをスタンさせてくるかラ、対スタン用に強化しといた方が心強いだろーナー…」

 

「……う…」

 

少し苦しそうな顔で呻くキリト先輩。

 

「どうしたんですか、キリト先輩?」

 

「……いや、何でもないよ。それより……アルゴ。これ、第二層の迷宮区の6階までのマップデータ。」

 

「いつも悪いナ、キー坊。情報料ならいつでも……」

 

「マップデータで商売する気はないよ。これがなかったせいで死んだ奴がいたら、寝覚めが悪いからな…」

 

「キリト先輩……」

 

「でも、今回は情報料として、条件付きの依頼を頼みたいんだが……」

 

「ふぅン…まァ、おねーさんに聞かせてみナ?」

 

アルゴさんがその……何と言うか…年上のお姉さんっぽくキリト先輩を見ました……

 

「「………」」じとー…

 

「……ええっと…アルゴも知ってるだろうけど……フィールドボス討伐に参加してた、『レジェンドブレイブス』っていうチームの情報が欲しい。メンバー全員の名前と結成の経緯。」

 

先輩は私とアスナさんの鋭い視線から逃げるように言いました。

 

「ふム……条件ってのハ?」

 

「…お前の情報屋としてのモットーに反するのはわかってるけど……誰にも彼らの情報を欲しがってるのを知られたくない。特に『レジェンドブレイブス』のメンバーには。」

 

「ん〜……ンン〜〜〜〜……」

 

アルゴさんはそれを聞いて、暫く悩むような仕草をした後、

 

「ま、いいカ。」

 

とあっさり承諾しました。その後に

 

「でも、これだけは覚えておいてくれヨ?オネーサンが商売のルールより、キー坊への私情を優先したってことをナ。」

 

と、意味深なコトを言いました。

 

「「……」」めらッ

 

「⁉︎」

 

……まさか、アルゴさんも?

 

「それで、アーちゃん達もオレっちに何かようなのカ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その十分後。私達はタランの町の東広場のとある家の二階に向かいました。

 

そこは、この世界で作られた人『NPC』専用の家……私達が買うことは出来ないんだそうです。

 

何故私達がそこに集まったか………それはそこに泊まるわけでもなくアイテム配分でもない……『監視』をするためです。

 

 

 

 

「なかなか良いアングルね。」

 

「アスナさん、アングルって何ですか?」

 

「アングルっていうのは英語で角度って意味があるの。」

 

「アングルは、角度……ありがとうございます!」

 

「キリト、ここで良いの?」

 

「ああ、ここがベストポイントだ。」

 

「一番良い場所って意味ですね!」

 

「あ、ああ……まあ、監視の前に飯を食おう。腹が減っては戦は出来ぬっていうしな。」

 

「ただキリトがお腹空いただけだろう?」

 

「……そうだけど…はい、みんな。これ、食べてくれ。」

 

そう言ってキリト先輩が出したのは少し大きめの白い饅頭でした。

 

「……なにこれ?」

 

「えっと、ここに来る途中にあった店で買ったんだけど…確か、タラン饅頭だったか…」

 

「キリト、中身は?」

 

「…んー……肉まんならぬ牛肉まんじゃないか?」

 

「えぇ……あの牛男の…ですか?」

 

「んなわけないだろ⁉︎」

 

「そんなこと言わないでっティーゼッ⁉︎」

 

「……それじゃあ、頂きます。」

 

「じゃ、あたしも…」

 

「い、頂きます!」

 

さっきティーゼが言ったことは忘れて、牛肉まんを一口…

 

「うにぁあ⁉︎」

 

「きゃあ⁉︎」

 

「ひゃぁあ⁉︎」

 

「「ど、どうした(の)………⁉︎」」

 

かぶり付いたら、中から何やら白いクリームのようなものが飛び出てきました。それがが、顔に、首に……

 

「んんっ……」

 

「……温かいクリームの中に、何か甘酸っぱい果物が……」

 

「……おぃ、ひぃ……」

 

三者三様の反応をし、タラン饅頭を食べる私とアスナさんとティーゼ。

 

「…………」

 

「…………」

 

私達が食べ終わったと同時に黙ってタラン饅頭を机の上の山に戻すキリト先輩とユージオ先輩。

 

「…キリト君、もし…もし君がβテスト時代に食べてて、ホントは中身を知っていたのに言わずに私に食べさせたんなら…私、自分を抑えられる自信無いわ。」

 

凄い声音で凄みを利かすアスナさん。

 

「キリト、本当のことを言った方がいいよ。勿論、僕は知らなかったからね?」

 

「誓って知りませんでした、ホントに、絶対、アブソリュートリィ。」

 

「ホントですかね?」

 

「……怪しいものがあるけど……」

 

「ん、んんんんっ!………」

 

す、凄い……美味しい……けど、クリームが出て来るのはちょっと……しゃ、喋れない……

 

「ほ、ほら、これ使えよ!」

 

「ハンカチ?」

 

「準備良すぎるような気が……」

 

「いつもポケットに入れてるんだよ!ほら、ユージオも!」

 

「あ、うん…はい!」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

キリト先輩とユージオ先輩にハンカチを貸してもらい、クリームをふき取ってもう一度、タラン饅頭をチラッと見る。その時には熱々で湯気が出ていたタラン饅頭は、もう冷めていたようで湯気は出ていませんでした。そして、キリト先輩とユージオ先輩がタラン饅頭を一口。

 

「……普通に、美味い。」

 

「……確かに美味しいね!クリームは飛び出ないけど…何で?」

 

「冷えたからじゃないか?」

 

「……ご飯というより、おやつ感覚ですね。」

 

「確かに、デザートって言った方がいいわね……これから見張りをする時には食事は自作することにするわ。二度と変なもの食べさせられたくないから。」

 

「へ、へぇー…それは楽しみだなぁ…」

 

「……何もあなたの分を作るなんて言ってない。」

 

「……ハイ…」

 

「えっと、私は作りますよ!」

 

「勿論あたしも!」

 

「……よかったね、キリト。」

 

「お、おう……その優しさが突き刺さるような気が…」

 

涙を流しながら、呟くキリト先輩。

 

「よし、みんな。監視を開始するか!」

 

「そうだね。」

 

監視を始めましたが…三十分経っても

 

「今は……お客さんはいないみたいですね……」

 

「まあ、もう夜だし、お客さんがいないのも仕方ないんじゃないですか?」

 

「……みんな!誰か来たわ。」

 

「「「「!」」」」

 

アスナさんの声で、外を見てみるとネズハさんのお店へ走って行く人がいました。

 

紫色の防具とコート、そして腰にはアニールブレードぐらいの片手剣。長い紫色の髪を持つプレイヤーは女性だということを示しています。背丈は私より少しだけ低いぐらい…かな?

 

「あれって、普通のプレイヤーか?攻略の時は見なかったやつだな。」

 

「しかも、女の子ですか…」

 

「珍しいわね…攻略組の女子って言ったら、私とロニエちゃんとティーゼちゃんとナギちゃんだけだと思ってたわ。」

 

「あの剣……確か、『カルサイト・ソード』だっけか…」

 

「か、かるさいとって何ですか?」

 

「…えっと…何だっけ……」

 

「カルサイト……どこかで聞いたような……」

 

「あたしも聞いたことありませんね……」

 

ティーゼは聞いた神聖語をノートに書いて覚えていて物知りなので、ティーゼが知らないっていうことは私もユージオ先輩も知らないって事です。キリト先輩も知らないし…

 

「……Calcite!そうよ!Calcite。方解石!」

 

「ほ、方解石?」

 

「ええ。どうやって割っても平行四辺形になる鉱石よ、確か。」

 

「へぇ……まあ、その『カルサイト・ソード』はこの二層のマロメのあるクエストの報酬アイテムなんだ。確か、早ければ早いほどいいアイテムが貰えるらしい。『カルサイト・ソード』は一番いい報酬アイテムだった筈だ。」

 

「……ターゲットにするには充分ね。」

 

「ああ、あとは強化か、メンテか…」

 

その女の子はネズハさんに依頼して、何かが入った袋が渡しました。

 

「袋を渡したってことは…」

 

「強化だ!」

 

「左手よ!左手から目を離さないで!」

 

「はい!」

 

強化が始まりました。左手に持った剣は鞘に入れられたままで何もされていません。右手で強化素材を熱すると、それが青く光りました。その瞬間、()()()()()()()()()()()()ように見えました。

 

「今、…」

 

「……剣が…」

 

「……あの瞬間に詐取が完了してるっていうのか……どうやって詐取してるんだ?」

 

「……剣が一度明滅しましたね……あの一瞬で詐取出来る方法……」

 

そして、強化は続き、剣を強化素材と一緒に槌で叩かれ……7、8、9、10回目……みんな剣が砕け散る所は見ることが出来ませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でネズハは……《レジェンド・ブレイブス》は強化詐欺なんかやろうと思った……いや、実行出来たんだろうな……」

 

「……キリト、どういう事?」

 

「だってさ、武器のすり替えのトリックを思い付いたとしても、《システム的に可能》と《本当に実行する》の間には相当高いハードルがあるはずだろ?SAOはただのネットゲームじゃない、本物の命がかかったデスゲームだ。他人の武器を騙し取るなんていう明確な悪事を働いて、もしそれがバレたら、その時何が起きるか想像出来ない筈なのにさ……」

 

「……想像………した上で、()()()()()()()()()()()()()()のかもね。」

 

「あ、アスナさん…どういう事ですか?」

 

「論理的な問題に目を瞑れば、実際のハードルって、バレた時に命の危険があるってことだけでしょう?なら……バレる前に、この世界の誰よりも強くなってしまえば、その危険も排除出来る……圏外で襲われても、返り討ちに出来るくらい強くなればね……《レジェンド・ブレイブス》の六人……いえ、5人は多分もうその状況からあんまり遠くない所にいるわ。」

 

アスナさんの言葉を聞いた途端、鳥肌が立ったような気がしました。

 

「お、おい、やめてくれよ!悪事を厭わない連中が最前線組までぶっちぎるほど強くなったら……それってもう……」

 

「……まるで、()()()()()()って事になっちゃう……ね……」

 

その言葉は、ユージオ先輩にとって過去の、セントラル・カセドラルでの最高司祭アドミニストレータとの決戦が思い出してしまったのか、ユージオ先輩は引き攣ったような顔をしました。

 

「………ごめん、ロニエ。俺、今ようやく、この一件がマジで大事だって気付いた…」

 

「えっ?そ、そんな!キリト先輩が謝ることは無いですよ!」

 

「この事件を解決するには、やっぱり本人の前で直接証明するしか無いしね……」

 

「……でも、ネズハさん自身がやりたくてやってる訳じゃないような気がするんです……」

 

「確かにな……」

 

「……あのカーペット、どんな機能があるの?」

 

アスナさんがネズハさんのお店にあるカーペットを見て、言いました。

 

「あのカーペットは独自のポップアップメニューがあるんだ。カーペットの上にあるアイテムをカーペットの独自のポップアップメニューに一気に入れられるんだ。」

 

「………そう…」

 

「そういえば、妙に武器が()()()()並んでるね…なんだかんだ言って()()()()()()()()()()くらいだよ。」

 

「ああ。」

 

「……キリト君、あのカーペットの機能を使って詐取出来ない?」

 

「いや、多分無理だ。あのカーペットの機能は、アイテムを収納すると、一つ残らず入っちゃうからな…剣一つだけを入れて出すなんて無理だし…普通、武器を変える……この場合、アイテムをすり替えようとしたらウインドウを開いて、装備フィギュアの右手セルをタップして、表示されるオプションの中から《装備変更》をえらんで、更に表示されるストレージ窓から変えたい武器を探し出して選択してOKボタンを押すって言う長ったらしい手順を踏まなきゃならないんだ。……慣れた奴でも最低一秒以上はかかるだろうな……」

 

「……素早く、武器を変える……()()()……()()()……?」

 

何度もそれだけを呟くティーゼ。

 

「てぃ、ティーゼ?」

 

そして、

 

「……あ、あああああああああああああああッッ⁉︎」

 

いきなり叫び出しました。

 

「「「「⁉︎」」」」

 

「あった!素早く武器を変える方法!ありましたよ!先輩!」

 

「お、おう!その心は?」

 

ちょっとびっくりしながらティーゼに聞くキリト先輩。

 

「アレですよ!アレ!()()()()()()という意味でっ、『クイックチェンジ』!」

 

「!……そういうことか!」

 

「えっ⁉︎クイックチェンジって、確か……」

 

「MOD……だったかしら?でも、鍛冶屋が取れるものなの?」

 

MOD…確か戦闘スキルの熟練度を一定の値まで上げると、習得出来るものでしたってけ……

 

「ああ!ネズハは何かしらの戦闘スキルを持ってて、そのMODを取ってたんだ!だとしたら、全部上手くいく!手順としてはメインメニューを開いて、ショートカットボタンを押せば、ショートカットに設定した武器が一瞬で装備できる!しかも、《クイックチェンジはアイコンを押した時どちらの手にどんな武器を装備するか》をいろんなオプションから凄い細かく設定できるんだ!装備対象を特定の武器に指定することも……それに、直前に装備していたものと同種の武器をストレージ内から自動的に選択することも出来るんだよ‼︎」

 

キリト先輩にしては珍しく饒舌に説明してくれました。

 

「でも、待ってよ。ネズハは人からアイテムを…えっと……システム的に手に入れる訳じゃないから、無理なんじゃ…」

 

「違うんだ、ネズハは客から預かったもの……アイテムストレージに入っていなくても、左手で握ることで一時的だけど《左手装備状態》になるんだ。所有権の方はもちろん客にあるんだけど、戦ってる途中に仲間と武器の貸し借りした場合の《武器手渡し状態》と同じでそのままソードスキルを発動させることも出来るし、クイックチェンジを使うことも出来るんだ!」

 

「……そのメインメニューはどこに開いてるんですか?流石にメインメニューを開いていたら、バレませんか?」

 

「……それは……」

 

「……キリト、メインメニューをあの赤いカーペットと商品の武器の間に隠せない?」

 

「それ頂きっ、ナイスユージオ!これで全部辻褄があう……」

 

その時、キリト先輩の目の前に鈴の音を鳴らしながら紫色の板……じゃなく、メッセージが出て来ました。

 

「…!もう調べて来たのか……ったく、頭が上がらないな……」

 

「もしかして、アルゴさんですか?」

 

「ああ、頼んでた情報だろう。ちょっと待ってくれよ、今可視化するから……ほい。」

 

そう言って可視化ボタンを押したのか、メッセージが見えるようになりました。

 

「……お取り急ぎ、第一報……」

 

そこに書いてあったのは、『レジェンド・ブレイブス』のメンバーの情報。リーダーのオルランドさんから、鍛冶屋のネズハさんの情報まで…レベルや名前の由来、アビリティ……能力の構成などなど……この短時間でどうやって調べるのか不思議に思えて来ます。

 

「あれ?名前の由来とか頼んでたっけ?」

 

「私が頼んでおいたのよ。みんな、神話とか伝説上の勇者の名前みたいだったし、正確な情報が欲しかったの。」

 

「へぇ……」

 

「…えっと、ネズハは……」

 

そして、ネズハさんの名前の由来に書いてあったのは、意外なことでした。

 

『『『っ⁉︎』』』

 

「ま、まさか、そういうことだったのか⁉︎」

 

「…Nezhaってこう読むのね……」

 

「……あたしもてっきり、普通の名前だと思ってました……」

 

「……なたく……哪吒(ナタク)…………英雄の名前だったんですね……」

 

 

 

 

 

「……でも、キリト先輩。どうやって証明するんですか?」

 

「…証明するには、やっぱわざと引っかかってこっちもクイックチェンジを使って出して、本人に見せるしかないか……」

 

「キリト。肝心のクイックチェンジっていう奴を習得してるのかい?」

 

「……忘れてた…」

 

「……私が行くわ。クイックチェンジなら、あの牛男狩りの時に習得したし。」

 

その時、アスナさんが一人手を挙げてそう言った。

 

「えっ⁉︎い、いいんですか、アスナさん⁉︎」

 

「ええ……こっちの思い過ごしなら謝るけど…私はロニエちゃんとティーゼちゃんのことは友達だと思ってるわ。友達が困っているなら助けるのが、友達ってものだと思うの。」

 

「あ、アスナさん……!」

 

「よ、よし!これで決まりだ!行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

「「了解!」」

 

そして、この詐欺事件解決のためにネズハさんのお店に向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アスナ、一旦一人で行ってくれ。詐取されてクイックチェンジを使ったら俺たちも行く。俺とロニエは顔が割れてるはずだからな…」

 

「分かった。」

 

「それで俺たちでお店の近くで隠れていよう。逃げられないように…まあ、何だか逃げないような気はするけどな…」

 

アスナさんはフードを目深くかぶってネズハさんのお店に向かおうとした、その時。

 

 

『うう……まさか武器が壊れるなんて…思ってもなかったなぁ…』

 

 

女の子の声がネズハさんのお店の方から聞こえました。

 

『早く武器を手に入れないと不味いよ!早く行……』

 

そこにいたのは、紫の長い髪の女の子。さっき、ネズハさんに武器を騙し取られた人でした。そして、アスナさんを見て、言葉が止まりました。

 

『……ぁすな?』

 

「えっ?」

 

『……アスナだ……アスナだっ…………あすなああああああああああッ⁉︎⁉︎』

 

その女の子は叫びながらアスナさんに抱きつきました。

 

「えッ⁉︎ちょっ……」

 

『うわぁぁぁぁああああ‼︎あすなああああああああああ⁉︎』

 

涙を流しながら、アスナさんに抱きついています。

 

「あ、アスナ…知り合いか?」

 

「…知らないけど……」

 

「にしても、アスナの名前を知ってるのは何で……」

 

「……よし、よし…」

 

アスナさんはその女の子を抱いて、頭を撫でてあげました。女の子が泣き止むまで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うっ…うう……ぐすっ…』

 

「……どう?落ち着いた?」

 

『うん……うん!あり、がとう、アスナ!』

 

泣き止んだ女の子はアスナさんに向かって笑顔を見せました。

 

「なあ、アスナを知ってるのか?」

 

『へっ?知ってるも何も、一緒に()()()()()仲だよ、キリト?』

 

その子はいきなり突拍子も無いことを言いだしました。

 

「はあ?ボス戦?……第一層のボス戦に参加してたのか?」

 

『え?い、一層?何言ってるの?2()5()()だよ。』

 

「に、25層⁉︎」

 

「…まだ第二層よ?そんな25層だなんて…」

 

「……あ、そうか!他のゲームか、驚かさないでくれよ。」

 

『ええ…何言ってるの?アスナ、ボクだよ!ユウキだよ!キリト、覚えてないの?()()()()()()()()()()のこと!』

 

詐欺の推理の時でさえ神聖語ばかり飛び交っていたのに、余計知らない神聖語が…ティーゼはうずうずしてるけど…

 

「「………⁇」」

 

キリト先輩のことを知っている…アスナさんのことも……

 

「じゃあ、ユージオ君たちのことも知ってる?」

 

「ユージオ?誰それ?」

 

「あ…えっと、僕のことなんだけど……」

 

「あ、ごめんね…知らなかった…」

 

ユージオ先輩のことは知らない……もしかして…

 

「私はロニエって言います、よろしくお願いします。」

 

「あたしはティーゼよ。よろしくね?」

 

「うん!よろしくね!」

 

「…俺のことも知ってるのか…」

 

「キリト、ちょっとユウキと話していい?」

 

「え?まあいいけど…」

 

「ユウキ!ちょっといい?」

 

ユウキさんを手招きするユージオ先輩。

 

「何?」

 

「えっと…今ね…」

 

 

 

 

〜ユージオ説明中〜

 

 

 

 

「えええええええッ⁉︎」

 

また、驚いて大声をあげるユウキさん。

 

「し、しー!」

 

「あの、これはキリト先輩たちには内緒の話なんで…」

 

「まあ、話しても信じないと思うんですけどね…」

 

「……そっか…まあ、アインクラッドって聞いた時点でおかしいとは思ってたけど…」

 

やっぱりアインクラッドのことは知っているみたいです。

 

「そういうことだから、よろしく頼むね?」

 

「うん、分かったよ。」

 

「おーい、話は終わったか?」

 

「ああ、終わったよ。」

 

「えっと…じゃあ、改めて自己紹介しないとね!」

 

「おお…」

 

 

 

「ボク、ユウキって言うんだ。よろしくね、五人とも!」

 

 

 

 

 




今年はかなり投稿ペースが落ちてしまいます。でも、早く投稿出来るように頑張ります!皆さんも気長にお待ち下さい…
今回はユウキの登場でした。さて、ユウキはアインクラッドに何をもたらすのか……
次回は原作要素が溢れ出るッ!
というか、オリジナル要素が極端にない…


次回『鍛冶屋の儚き真実』



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