運命のクラス替えの結果はいかに!
そしてあの三人の友情は!
僕と康多、そして奈緒が前に立つ。
奈緒のピアノでクラスが歌声に包まれる。担任の福地先生は号泣だ。
クラスの女子もほぼ泣いている。
♪NO.1にならなくていい、元々特別なOnli one♪
先生が大好きなSMAPの代表曲「世界に一つだけの花」だ。
この一ヶ月間主に奈緒が計画して先生が大好きなSMAPの歌を6の3バージョンにして歌うため練習してきた。
そして今日。僕らは卒業した。
外に出た後クラスメート達と写真を撮る。
いつものメンバーも一緒に。
中学受験で離ればなれになる子もいるがきっとまた会えるだろう。
「もう明日から中学かぁ〜」
康多がしみじみと声を出す。
「そうだね〜」
香里がそう反応したので僕も口を開く。
「クラス替えが怖い」
「それは言えてる。クラス替えマジで怖いわ」
「康多とか広樹と同じクラスだといいなぁ〜」
三人とも同じクラスになりたい。
それが僕らの共通認識だった。
「うぅ〜ん……」
僕は思わず唸る。
一年二組の名簿の中に自分の名前を見つける。そして上の方に康多の名前も。
しかし、どれだけ見ても香里や春歌、莉奈の名前が無い。
他のクラスの名簿も見てみると香里が四組、春歌が三組、莉奈は一組。見事なくらいばらけた。
そう考えると康多と同じクラスになったのはラッキーだったのか?
そして先生は下山英治先生。二十六歳の初々しい先生だ。どうやら担任を持つのは初めてのようで、担当科目は理科。なかなかイケメンな先生だ。
教室の中を見渡すと小学校の時より縦に長く横に短い。そのため横が六列縦が六列、という妙に正方形な机の並びになっている。
僕の席は中央列の一番後ろ。目はいいから別に支障は無い。
「はい、じゃあ書いてくださいね〜」
僕は紙に康多の名前を書き、[立候補する]に丸をつけた。後は投票次第だ。
この紙がなんの投票用紙かというとクラスの代表である[評議員]──一般的には学級委員──の投票用紙。
立候補するかどうかと誰を推薦するかを書く。
次の日の朝。
先生の言葉から思わぬ言葉がこぼれた。
「それでは投票によって評議員になった人を発表します。まず男子は高城広樹さん」
「ひょえっ!?」
自分が選ばれるとは思わず、すっとんきょうな声を出してみんなから冷たい視線が送られてくる。
「続いて女子。女子は立候補者がいなかったので推薦からの投票で一番多い、秦紗理奈さんです。秦さん、いいですか?」
「あ、は、はい」
下山先生が続ける。
「それでは一学期の評議員は高城さんと秦さんになりました。クラスの代表ですので頑張ってください。拍手!」
拍手に囲まれて現状把握が追いつかない。とりあえず、よかった、のかな?
続く
新しい登場人物が三人も出てきましたね。
と言っても福地先生はこれから出てくるのかどうかさえ分かりません。
そして毎日投稿第四作目です!
1、2作目は土曜日に、3、4作目は日曜日に書きました。
5作め以降はもうあまり時間が無いですが頑張ります!!