初恋は叶わない   作:音槌和史

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 皆さん、おとつちわ!毎度お馴染み素人小説投稿者の音槌政旨です♪さあ、本日も毎日投稿頑張っていきましょう♪

 さて、時間がヤバいです。誤字などのミス等ありましたらお伝えください。

 それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆


part4 もう一つの恋愛事情

 私はこの間教えてもらったLINEに「明日、でかけませんか?」と打ち、えいっ、と言いながら送信した。しばらくボーッとしていると既読が付き、「ええ、午後なら空いていますよ」と返ってきた。

 私は慌ててまたフリックで文字を打っていく。「じゃあ13:30に小学校の前で」と。すると今度はすぐに既読が付き、「分かりました。楽しみに待ってます」という文が表示される。それに「はい!行き先はまだ言わないでおきますね♪」と返し、スマホをスリープ状態にした。

 

 

 

 

 翌日。

 私は時間の10分前には小学校の前に来ていた。左腕にはめた腕時計を見て、顔を上げると一台の自転車が近づいていた。雰囲気だけで分かる。益伴くんだ。

「やっほー」

 益伴くんは片手を振りながら自転車を近くに止めた。

「じゃ、じゃあ、行きましょう」

 緊張しながら言うと彼は「そんな緊張しなくていいよ」と声をかけてくれた。そんなことを言われても無理だ、と思うと同時に、会う度に緊張して堅苦しいと思われたら嫌だな、という不安も抱く。

 行き先は私だけが知っているので先に自転車を漕ぎ始める。そうすることで少しは緊張も紛れた。

 漕ぎ出してしばらく経ったころ、もう一度腕時計を見る。13:45。少し急がなければ間に合わないかもしれない、などと思いながら少し漕ぐペースを上げる。しっかり益伴くんを確認してから。

 5分後。少し急いだこともあって、そのイベントの午後からの回が始まる10分前には会場につくことができた。益伴くんは小学生のように声を上げて喜ぶ。それを聞いて私は母性本能がくすぐられるような気がした。

「これが、バルーンフェスタ!!いやぁ、この県にくることが決まった時から世界的に有名なこのイベントを見たかったんだ!!本当にありがとう、奈緒」

 そう言ってまた優しく私を抱く。まったく外国の人はいちいちオーバーだな、と思いながらも悪い気はしなかった。

 私たちは自転車を止めると、人が多いからはぐれないように、手をつないで歩く。

「そういえば、奈緒はこれまでに誰かと付き合ったことはあるのかい?」

 突然益伴くんがそう聞いてきた。私は小さく「まあ何回かは……」とつぶやくようにかえす。すると彼はこう言ってきた。

「そうか。僕は初めてなんだ。色々足らないところもあるかもしれないが、何かあったら言ってほしい。僕は誰よりも君のことが好きだし、誰よりも君のことを愛してるから」

 思わず立ち止まってしまった私に益伴くんは「さあ、行こう」と手を引っ張ってくれた。おかげで真っ赤になった顔をあまり見られずに済んだ。


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