さて、しばらくお休みしていたことのお詫びということで、今週は2話投稿します!!来週は多分また1話だと思いますが。
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
12月20日。
そう、康多からシンプルな想いを伝えられ、付き合いはじめた日から今日で5ヶ月。
クリスマスを目前に控えた記念日、ということで本当なら喜ばしいはずの日なのに……。私は深く深くそれはマリアナ海溝より深いんじゃないかというほどのため息をついた。
すべての物事に発端があるわけではない。今回のことだってこれまでのことが積み重なって起こったことだ。
──12月20日・朝──
7時35分。私はとあることのためにいつもより20分早く教室に入り、かばんから荷物を取り出す。
今日で二学期の授業は終わり、明日の終業式で2週間の冬休みに入る。──と、未来のことを考えた私は嬉しい気持ちになる。
しかし、過去のことを考えると──浮かぶのはだんだん心が離れつつある彼と、だんだん気持ちが強くなっていく彼のことだった。
ありがたいことに私は二人の男子に好意を抱かれている。そして今、そのうちの一人(康多)と付き合っている。もう一人(広樹)は同じクラスだが、この一年半ほど、必要最低限の会話しかしていない。別に仲が悪いわけではない。むしろ一年半前は普通に友人として仲良く接していた。しかし中一で別のクラスだったり、中二で同じクラスになったものの、ライバルであり親友である康多が私と付き合い始めたことで、余計話しづらくなっている。距離感がつかめないのは、私も広樹もそうだ。
しかし、康多ともここ1、2ヶ月ほど喋っていない。前に喋ったのは……そうだ、二学期末テストの前だ。一緒に勉強をしないか、と誘われたけれどあいにく用事が入っていて断らざるを得なかったのだ。それ以来まったく話すことがない。
私がもう少し奥手じゃなかったら、今もまだ仲良くいられたのかもしれない。──そう思うと胸がチクリと痛む。
しかしそんな迷うを振りきるように私は教室を出ると康多を待ち構えた。
廊下の奥に背の高い康多が見えたのはそのわずか数十秒後。私は慌てて駆け寄る。康多は驚きを露わにしながら疑問を口にした。
「ど、どうした?」
これまで二人で出かけたとき以外に私から話しかけることはなかった。だからこそ康多は驚いているのだろう。
私は斜め上にある康多の目を見つめて言った。
「昼休み……うちのクラスに……来て」
「お……おう。生徒会の引き継ぎがあるけど15分くらいで終わるからその後でもいいか?」
康多は落ち着いた表情に戻り、そう言った。
「うん、分かった……。絶対だよ」
そう言って、私は康多に背を向けた。
──12月20日・昼──
13時30分。窓際にある自分の席に座って本を読んでいると右から康多の聞きなれたバリトンボイスが聞こえてきた。
「よう」
私はその声がした方に顔を向け──
というわけでいかがだったでしょうか!
いやぁ、個人的にはうまく読者を騙してるつもりですが……分かっちゃいますかね?まああまり言うとネタバレになってしまうので、今日の後書きはここら辺で締めたいと思います。
感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆