初恋は叶わない   作:音槌和史

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 皆さんおとつちわ!!
 カクヨムの方で面白いことが起きてますが、ハーメルンでも負けずに頑張りますよ!!(自分(ハーメルン)vs自分(カクヨム)の戦い)


part2 空気人間ヒェーリー・広樹?

 僕は少し早めに家を出て、マッスーの家へ向かう。空気人間作戦を伝えるためだ。

ピーンポーン。

「はい……。おぉ、高城?」

 ドアが開き、驚いた表情のマッスーが出てくる。

「早くない?」

 うん、そう思うのも無理はない。1時半集合なのに、1時10分にここにいるからだ。

「ちょっと、伝えたいことがあってね」

 僕がそう言うと、マッスーはドアを大きく開ける。

「暑いししばらく時間あるし良かったら中に入ってよ。僕しかいないし」

 と、言うので僕はありがたくマッスーの家に上がらせてもらうことにする。

 リビングに入り、僕は少し安心した。家政婦がいるからお金持ち。つまり、家具とかも豪華なのかと思っていた。実際はそうでもなかった。

「んで、伝えたいことって何?」

 机の上にアイスティーをだして、マッスーが話を切り出す。

「康多と香里の邪魔をしないように、極力喋らないようにしようかと」

「確かにそれはいいね」

「基本、僕らから話を出すことはしない」

「そりゃあそうだよ」

「で、話を振られても相槌とか質問に答えるだけにしよう」

「了解了解」

「よし、行くか」

 アイスティーを飲んで、僕は立ち上がる。

 冷房が効いていたので、外に出るのが辛そうだ……。

「せ〜のっ!」

 わざわざ掛け声をかけて玄関のドアを開ける。まあまあ滑稽なトリオだろう。

「ぬわっ、ぁっつ……」

 僕は小さく呟く。

 自転車にまたがり、水筒に入ったスポーツ飲料、アクエ○アスを飲む。しみわたる……。

「っし、行こうか」

 ここから図書館までは自転車で1、2分の距離だが、残念なことにこの時間、一切と言っていいほど日陰がない。炎天下を走りつづけなければいけないのだ。

 早く漕いで、早く室内に入った方が一時的な暑さはキツいが、涼しさをより感じられるだろう。そこで僕らは先に横断歩道を渡っておいて、あとは止まらなくて済むように、風をずっと受けられるようにした。

 駐輪場には何か見覚えのある自転車、そして康多の自転車が止まっていた。まとめて近くに自転車を止め、図書館の方に歩こうとしたとき後ろから声をかけられた。

「あ、益伴くんと広樹?」

 慌てて後ろを振り向くと香里がいた。

 気まずさを感じ、僕は小さく「康多に呼ばれて……」と返す。精神的な余裕がこれっぽちもない。香里もそれを感じたのかそれ以上は何も言ってこなかった。僕は先を歩くマッスーを追い越し、室内に飛び込んだ。

 肉体的な涼しさと、精神的な一時的な解放感で、言い表せないほどの安堵に浸る。

 いよいよ勉強会の始まりだ……。




 Twitterで昨日書きましたが、元々の投稿予定よりかなり遅れています。若干のスランプなんですよね……。なのでこちらは遅れ遅れになると思いますが、気長に待っていただけると幸いです。

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