皆様、いつもありがとうございます!!
今回はついにSeason1最終話です!
では本編お楽しみください!
今日の天気は雪、今も教室の外でははらはらと雪が舞い落ちているだろう。
(──この雪が放課後まで続くのだったら香里に想いを伝えようかな)
と、そんな運任せなことを思ったのは僕だけじゃないようだ。
康多も授業が始まる直前「このロケーション、告白には最高じゃね?」と言ってきたから。
僕は祈りながら授業を受ける。
でも、昼休み頃にはやんでしまい、雪も積もらなかった。すると康多は聞いてきた。
「で、どうする?今日、雪やんだけど。いつまでに告白する?そういうの決めとかないと絶対にできねえだろ」
今にでも告白したい、でもそんな勇気はでない……。もう、勇気が出ない時点で僕の初恋は終わりなのかもしれない。
でも……
「来週の月曜……」
「分かった、奈緒にも伝えとくよ」
まだ諦めきれない。
週が明けた。
さっきから心臓がバクバク言ってる。周りに鼓動が聞こえていないか心配なほどだ。
あと一時間で学校は終わる。
休み明け、放課後、昇降口、卒業まで二ヶ月……。
条件的には最高である。
先生の話もまるで耳に入らない。ただ考えつづける。そして、ただ緊張し続ける。
どんどん時間は過ぎていく。
気がつくと帰りの挨拶だった。荷物を入れたことさえ記憶にない。
康多と奈緒がやって来て僕に言う。
「俺は広樹を昇降口で止めとくから──」
「私は香里ちゃんを止めとくね!」
そんな元気そうに言わなくても……。
僕は康多に引っ張られ階段を下りていく。
香里より早く教室を出たから奈緒たちは後ろにいるのだろう。
でも、康多が僕を逃さないようにしていたからか、奈緒が早足で香里を連れてきたからか、昇降口につくころにはほぼ並んでいた。
扉を出て肌寒い中、奈緒が香里を「ここでちょっと待って」と足止めする。
そして人がいなくなったのを見計らって奈緒が声を出す。
「香里ちゃん、広樹から話があるんだって〜。」
「えっ何〜?」
香里が、さも不思議そうにこちらを見てくる。僕はしばらく俯いて黙っていたが、もう取り返しがつかないということを悟り、顔をあげる。心臓の鼓動なんかを気にしている場合ではなかった。
僕は口を開く。
冬しか見られない白い息と共に、小さく緊張で強張った言葉が口からこぼれる。
「えっと……。その……。……好き、です」
「っ……」
小さな僕の言葉は香里の鼓膜に届き、香里は表情が固まる。
横からは康多が
「だから、なんだよ」
と急かしてくる。
「……僕と……、付き合ってください……。」
僕の顔は真っ赤になっていただろう。だって香里の頬も赤くなっていたから。もちろんその赤さは寒さからくるものだけではない。
香里は真っ赤な頬を手でさすりながら
「え〜どうしよう」
を繰り返している。
すると、いきなり奈緒が
「すごくシチュエーションはいいんだけど……、広樹が告るってのがねぇ。しかも香里ちゃん告白されるの初めてなのに相手が広樹とは……」
と、かなり傷つく言葉を言って「あちゃー」というように額をおさえる。しかし僕はそれには答えず、ただただ祈る。良い返事を。
香里は相変わらず悩んでいるようだ。
そしていつのまに来たのか周りには多くのギャラリー。
なぜだろうか……。
すると香里がか細い声で
「友達がいい……」
と言うのが聞こえた。奈緒がもう一度繰り返す。
「ごめん……」
僕は反射的に謝る。香里が何か言おうとしたが、その前に康多が大きな声で言った。
「よし、解散!広樹、お疲れ!!」
香里は奈緒や春歌に引きつられ帰り始める。
僕は、というと室内で康多に引きずり込まれて慰められていた。
「まあ、友達っていうことは嫌いじゃないってことさ!これから自分磨きを頑張ればいつかは叶う!!」
「うん」
僕もできるだけ明るく答えたつもりだがいつもより落ち込んだ声だっただろう。
それを聞いた康多が
「なにごとも経験だよ。それに告白しただけですごいと思うよ。俺だったらそんな勇気でないもん。尊敬するわ」
と言ってくれた。
そして康多と分かれ、帰路につく。
「はぁ……。」
思わずため息がこぼれた。
本当はもっと伝えたいことがあった。でも伝えられなかった。香里は伝えたいことをすべて聞いていたら頷いていただろうか。
それはもう分からない。
とりあえず、僕の初恋+初告白は終わった……。
Season1・完
またまた予定より早く投稿できました!!
そして……ついにSeason1完結しました!!!!
実はまだまだ続きがあります!
それが
Season2 「初恋の相手はいまや親友」
です!!
乞う、ご期待!!!!
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