前回言っていたとおり、今回と次回は康多視点です☆お楽しみに。
「はああああぁぁぁぁ……」
俺は昼食を食べ終わってからの2時間半ほど、布団に倒れこみ溜め息を吐きつづけている。
◇
それはなぜか。理由は昨日の昨日にある。8月6日、中学校への登校日だ。
簡単に説明すると、俺は7月末に香里に告白した。その日返事が帰ってきたものの、電話だったためうまく聞き取れず、高城への報告ができなかった。
──いや、これは建前だ。高城に結果を言えなかったわけ、それは……高城にこれを伝えると高城のメンタルが壊れるんじゃないかと思ったからだ。
実際昔「俺が香里と付き合ってたらどうする?」と聞いたことがある。その時高城ははっきりとこう言った。
「ん〜そうさねえ〜……。発狂するね」
そう言って大笑いしていたのだ。
それは冗談も含めている、わけではないように俺は感じる。高城のメンタルの弱さでは本当に発狂するんじゃないか、そう思った俺は8月6日、少しずつ真実を打ち明けていくことにした。
すると高城は「覚悟できてたし」と言って笑った。いかんせん他のところでも笑いまくってたのが気になったがそこはおいておこう。
問題は報告した後高城に言われ、学校にいるときには女テニのやつらから言われた「大事にしなきゃ」という言葉。これが俺に重くのしかかってきた。高城からは加えて「電話掛けなきゃじゃんね!!」という言葉ももらったが、何を伝えればいいんだ。「愛してる」とか言えるわけないじゃねえか。
でも……香里を好きになってから4ヶ月ほどで高城と比べたら5分の1近い短さだが、高城の方が想いは強いかもしれないが……俺はせっかくできた彼女である香里を大事にしたい。
しかし俺は本当に何をすればいいんだろうか……。
◇
と、それを考えつづけているといつの間にか夕方になっていた。時がすぎるのは早いもんだ。そしてこのまま考えつづけていればあっという間に夏休みが終わってしまうだろう。そう考えた俺は立ち上がり、机の上からノートパソコンをとってくる。久々に高城とブログでも読むか。あと高城の香里への想いを再確認するために「実写 初恋は叶わない」を観ようじゃないか。
そして俺はあと一ヶ月ある夏休みの間は全力でダラけよう。その後は怒涛の2学期だからな……。
〜語り手〜
康多のこの発言がのちに大きな後悔を生むこととなる……かもしれない。
「夏休みの間は全力でダラけよう」
つまりは香里に対して何もしないということなのだろうか……。
この4ヶ月後自分がどんな感情を抱くかも知らずに、今澤康多の日常は……
つづく
「実写 初恋は叶わない」の説明。
・高城○樹が書いていた日記を、作家音槌○旨の手で表現を豊かにし出版された「片思い系ラブコメ」のドラマ版である。
・書籍化→漫画化→アニメ化→映画化→ドラマ化という異例のルートを辿り大注目される。
・という、音槌政旨の夢物語である。