それでは本編どーぞー(銅像)!!
8月6日。全校登校日 放課後。
僕は康多から結果を聞くのを、楽しみ半分、覚悟半分で待っていた。
場所はいつもの倉庫横ではなく、僕の家の前の日陰。登校日は半日も経たずに終わるので、10時半頃に帰宅となる。夕方ちょうどよく日陰になる倉庫横。しかしこの時間帯は日影とは無縁であり、灼熱の地獄となる。
日陰に向かい合わせで自転車を止め、目を合わせる。
「さあ、聞かせてもらおうか」
「何を?」
この期に及んでまた言わないつもりか。しかし今日は1時間以上時間がある。しっかり問い詰めよう。
「夏祭りの帰り、あんなことを言ったからにはしっかり聞かせてもらわないと」
「ああ、あれのことか」
あ、本気で分からなかったのか。それは申し訳ない、と心の中で謝ってさらに問い詰める。
「んで、どうだったんだ?」
すると康多を二本指を出す。
「広樹に言わない理由が二つあった」
──『あった』……?
「一つはもうなくなった」
「じゃあその理由は?」
康多は西を向いたまま指を一つたたむ。
「一つ目。電話を貰ったときどっちか分かんなかった」
あ、やっぱり返事は貰ってたのか。だろうな。僕の心の中は、覚悟半分、祝福するつもり半分になっている。
「電話だからさ、聞き取りにくいやん?だから」
ふむ。二つ目は?
「もう一つは、これを言ったらもう分かると思うけど──」
ついに来たか、この時が……。
「高城ってメンタル弱いやん」
「いや、もう康多が告った時から心積もりはしてたから大丈夫。で?」
康多がスーッと息を吸う。
「今朝女テニのやつに言われたから」
何を?──ってどうせアレでしょ。
「『おめでとう』って。まあそれでああ、本当なんだな、って分かった」
「つまり結論は〜〜〜〜〜〜?」
……。
「香里から、オッケーを貰った」
「おめでとーーーーーー!!!!!!」
僕は思わず叫んだ。
「大事にしろよ?これでもし1、2ヶ月で別れたら即行で僕が奪うから。あっはっは」
「いやいやあと1ヶ月くらい夏休みだし」
そうですね。(笑)
「とりあえず康多は帰ったら香里に電話掛けなきゃじゃんね!」
「なんのだよ」
女心が分かってないやつめ(作者注:超巨大ブーメラン。付き合ったこともないやつが何を言っている(自分もだが))。
「なんで?『付き合ってくれてありがとう。愛してるよ』くらい言わないとでしょ。ふふ」
「いやいや、なんでかけなきゃいけないんだよ」
まったく、そんなんだから椰子乃とすぐに別れるんだぞ。しかも二回も(作者注:超巨大ブーm─(ry)。
「まあかけることだ、はっはっは」
「……」
「ん?どうした?」
康多が黙り込む。
「……。高城、無理してないか?」
え?
「全然?え、逆になんで?」
「なんか無理やり明るくしてるというか……」
「ダイジョブダイジョブ。あっはっはっはっは」
「やっぱ無理やりじゃね?」
「別に?」
だって僕は一度ここでセーブすることを決めたから。一旦香里への恋心は忘れて秋の生徒会長選挙に向けて集中しようじゃないか!!香里との関係性?60点近く差があるけどテストでのライバル。2学期中間では絶対に……勝つ!!!!
いやあ、バッドエンド(終わらないけど)でしたが広樹の隠されたポジティブさがでてきました。
これならきっとこれからもだいじょうぶでしょう!!
それでは〜。