あそうそう、去年の夏も話していたハエトリグモ、先日見かけました!!また「ハエトリグモ観察日記」をしなきゃですかね?
というわけで本編どうぞ☆
part1 夏祭り帰りの意味深発言
「で、明日は何時集合にする?……あ、1時だと間に合わんかも。1時半で……うん、了解了解。んじゃ……」
僕は電話を切り別の番号にかける。
「もしもし。ヒェーリーさんのお宅でしょうか。……。え?今なんて。パーンミーって何ですか?……。プリースウェイトは待っててください、か」
受話器の奥で何かが聞こえる。っていうか今電話に出たのはマッスーのお母さんなのかな?
[やあ、高城。うちの家政婦がすまないね]
え、家政婦?なんちゅうお金持ちじゃ……。
[で、何のようだい?]
「あ、うん明日のことなんだけど」
[いつでも空いてるよ]
「1時半に図書館の奥の将棋スペースで」
[了解]
電話を切り、自分の部屋に戻る。優雅な(?)執筆のお時間だ。
──ありゃ。こりゃ早く来すぎたな。
自転車小屋に来た段階で康多のもマッスーのも自転車がなかったのでそう思ったが、鍵を抜いて歩き出すとベルが聞こえてきた。
慌てて振り返ると康多だった。
「お、康多」
「やっぱ高城だったか。マッスーは?」
「まだみたい」
「とりあえず入るか」
「借りといてくれ」
「分かった」
目的語を言わずとも伝わるとは……。まさか……エスパーか!?
ま、とりあえず将棋盤を確保しにいこう。って空いてるんだけど盤の目の前の椅子を使われてる……。
「将棋と囲碁の盤、場所交換したら?」
右手に将棋のコマが入った箱を持った康多がそう言う。確かに囲碁盤の方は誰もいない。
「よし。いくよ〜」
「囲碁盤でかっ!おもたっ!」
康多が小さく叫びながら囲碁盤を運んでくれる。ありがとう、私は非力なのだ……。
「康多、お前はいいやつだったよ……」
「いや死んでないからな!?」
あら、ボケとツッコミが逆転した。
「よし、じゃんけん、」『ぽい!』
「お、いたいた。将棋んとこが分かんなくてさ館内ぐるぐるしてたよ」
じゃんけんをして僕が勝ったところでマッスー参上。
将棋の結果はvs康多が3戦全敗、vsマッスーが1戦1勝。マッスーは初めて将棋をしたそうな。さすがにそこに負けるわけにはいかないぜ。
◆
夏祭り本番では花火を見るところが偶然香里の目の前だったり、冷やしパイン買おうとしたら香里とぶつかりそうになったり、途中で会った紗理奈から「告りなよ〜」と言われたが華麗にスルーしたりして、今年の夏祭りは終わった。
◆
〜帰り〜
「高城」
いつになく低い康多の声。
「ん?」
「俺さ……香里から返事もらったと思う?」
こんな質問をしてくるってことは…………。
「返って……きたんでしょ?返事が……」
「……」
「じゃ、また登校日な」
いつものトーンでそう言って自転車を加速させる康多。
「まあ……いいか」
そうは呟いたものの僕の中には「焦り」が生まれてきていた。
さあ、本物のクライマックスがもう、すぐ!!──と言いたいところなんですが、そんな『簡単に終わらないのが恋』。
ムフフ、次話も楽しみにしててくださいね〜♪