初恋は叶わない   作:音槌和史

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 ちょっと読書感想文が行き詰まったので息抜きがてら投稿します。
 あそうそう、去年の夏も話していたハエトリグモ、先日見かけました!!また「ハエトリグモ観察日記」をしなきゃですかね?
 
 というわけで本編どうぞ☆


Season8 初恋中断のお知らせ
part1 夏祭り帰りの意味深発言


「で、明日は何時集合にする?……あ、1時だと間に合わんかも。1時半で……うん、了解了解。んじゃ……」

 僕は電話を切り別の番号にかける。

「もしもし。ヒェーリーさんのお宅でしょうか。……。え?今なんて。パーンミーって何ですか?……。プリースウェイトは待っててください、か」

 受話器の奥で何かが聞こえる。っていうか今電話に出たのはマッスーのお母さんなのかな?

[やあ、高城。うちの家政婦がすまないね]

 え、家政婦?なんちゅうお金持ちじゃ……。

[で、何のようだい?]

「あ、うん明日のことなんだけど」

[いつでも空いてるよ]

「1時半に図書館の奥の将棋スペースで」

[了解]

 電話を切り、自分の部屋に戻る。優雅な(?)執筆のお時間だ。

 

──ありゃ。こりゃ早く来すぎたな。

 自転車小屋に来た段階で康多のもマッスーのも自転車がなかったのでそう思ったが、鍵を抜いて歩き出すとベルが聞こえてきた。

 慌てて振り返ると康多だった。

「お、康多」

「やっぱ高城だったか。マッスーは?」

「まだみたい」

「とりあえず入るか」

「借りといてくれ」

「分かった」

 目的語を言わずとも伝わるとは……。まさか……エスパーか!?

 ま、とりあえず将棋盤を確保しにいこう。って空いてるんだけど盤の目の前の椅子を使われてる……。

「将棋と囲碁の盤、場所交換したら?」

 右手に将棋のコマが入った箱を持った康多がそう言う。確かに囲碁盤の方は誰もいない。

「よし。いくよ〜」

「囲碁盤でかっ!おもたっ!」

 康多が小さく叫びながら囲碁盤を運んでくれる。ありがとう、私は非力なのだ……。

「康多、お前はいいやつだったよ……」

「いや死んでないからな!?」

 あら、ボケとツッコミが逆転した。

「よし、じゃんけん、」『ぽい!』

「お、いたいた。将棋んとこが分かんなくてさ館内ぐるぐるしてたよ」

 じゃんけんをして僕が勝ったところでマッスー参上。

 

 将棋の結果はvs康多が3戦全敗、vsマッスーが1戦1勝。マッスーは初めて将棋をしたそうな。さすがにそこに負けるわけにはいかないぜ。

 

 

 夏祭り本番では花火を見るところが偶然香里の目の前だったり、冷やしパイン買おうとしたら香里とぶつかりそうになったり、途中で会った紗理奈から「告りなよ〜」と言われたが華麗にスルーしたりして、今年の夏祭りは終わった。

 

 

〜帰り〜

「高城」

 いつになく低い康多の声。

「ん?」

「俺さ……香里から返事もらったと思う?」

 こんな質問をしてくるってことは…………。

「返って……きたんでしょ?返事が……」

「……」

「じゃ、また登校日な」

 いつものトーンでそう言って自転車を加速させる康多。

「まあ……いいか」

 そうは呟いたものの僕の中には「焦り」が生まれてきていた。




 さあ、本物のクライマックスがもう、すぐ!!──と言いたいところなんですが、そんな『簡単に終わらないのが恋』。
 ムフフ、次話も楽しみにしててくださいね〜♪

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