初恋は叶わない   作:音槌和史

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今日の夕方二時間で書き上げました。
(二時間もかかったわりに内容が薄い、というコメントは無しで…。)

では、本編どうぞ〜!


Season1 僕が恋をしても叶わない
part1 終業式


 ♪キーンコーンカーンコーン♪

 

 1時間目が始まる5分前になっても相変わらずザワめいた体育館内。

 僕は隣に座った女子から話しかけられるが適当にあしらう。

 普段なら人を適当にあしらうことはないだろう。それがなぜ、あしらわなければいけないのか、その答えはまだ言うことはできない。

 

 はぁ……。静かになってほしい。

 毎回全校集会などの際、体育館に入場してからの五分間はほとんどの人が喋っている。僕もこれまでは喋っていた。でも今回は静かにしてほしい。

 まわりが静かなら誰も喋らないはずだからだ。そうすれば、僕は女子たちからの猛攻を防ぎきれる。

 

 ……。

 そう考えると人間とはなんと自分勝手な生き物だろうか……。自分も含めて。

 しかし、自分はまだマシな方だと思う──というより思いたい。

 

 ♪キーンコーンカーンコーン♪

 

 ようやく1時間目開始のチャイムがなった。

 皆はさすがにお喋りを止め、前を向く。

 

 初めの挨拶と校長先生の話を聞き流しながら考える。

 はぁ……。

 考えながらまたため息をつく。

 どうせ僕になんか高嶺の花どころじゃないんだよな……。

 頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗、性格天然etc...。肩まで下ろされたショートカットの髪、授業中の真剣な表情、授業以外でしか見ることができない、明るい性格。

 ふぅ……。

 また、ため息が出る。

 僕はどうすればいいんだろう。心の中では朝から醜い争いが続いている。

 発端は、今日の朝だ……。

 

 

──1時間前──

 

 

 いつも通りの7時45分、僕は教室に足を踏み入れた。

 今日で小学校生活最後の二学期が終わる。

 二学期は一番長いはずなのに短く感じた。修学旅行も体育大会もあったはずなのに。

 僕の席は一番窓際の一番後ろ、冬場は最高の席だ。

 そんな僕の前の席の奈緒の席には康多がやってきていて、二人で恋バナをしている。僕は提出物を出したりしながら聞き耳を立てる。

 すると奈緒たちの恋バナの中に、周囲のざわめきより大きく、はっきりと聞こえた言葉があった。──いや、大きく聞こえたわけではない、大きく聞こえたように錯覚しただけだ。その言葉は僕の心に響き渡り、何度も反響した。

「香里ちゃん、好きな人いるんだって〜」

「ふ〜ん。香里ならなんか一途そうだな〜」

 僕は思わず立ち止まってしまった。なんとなくで知っていたが、本当だとは……。

 

 ボーッとしていたせいで()()()()後ろを歩いていた香里とぶつかってしまう。急いで謝り、提出物を出しに行く。

 席に戻ると案の定僕にも話が振られた。

「広樹は好きな人いるんだろ〜」

 康多が聞いてくる。そして、すかさず追求してくるのが奈緒、という人物だ。

「えっ誰々!?教えないと〜……」

──えっ、僕なんか奈緒に弱み握られてたか!?

 僕は焦る。すると、奈緒は僕の心を読んだかのように頷き、

「それが知ってるんだよ〜」

 ()()がなんなのか僕は気になって聞く。しかし簡単には答えてくれない。

奈緒曰く「弱みを知りたかったら好きな人を教えなさい」だそうだ。「もちろんそんなことはできない」と答えると、

「じゃあ、広樹の弱みみんなにバラすよ〜。」

 と言う。

 ……。

「どっちも無理だ」

 そう答えると、

「じゃあ、好きな人教えなさい。」

 これの無限ループだ。

 結局、終業式が終わるまでに考えておくこと、となった。

 はぁ……。

 

 

 

 

 終業式が終わった。教室に帰ると奈緒と康多からの猛攻が待っている。

 

 教室に帰ると案の定、奈緒と康多が文字通り飛んできた。

 まあ、奈緒は僕の席の目の前の席だが。

 十分の休み時間でとても濃い内容の議論が行われた。

 結局、ヒントを五つ奈緒に教えることになった。

 どうしたものだろうか……。僕はしわの少ない頭を捻る。

 

 

 

 

 通知表が渡され、二十分休みになる。

 二時間目の間考えていたヒントを言う。

「えっと……。じゃあ、ヒントを言うよ……。1、この小学校。2、この学年。3、名前はフルネームで七文字。4、頭がいい。5、性格は天然。

……。これでいいよね?」

 最初の方は少しズルいかな、と思ったが奈緒は意外にも素直に頷く。

「分かったわ。広樹が好きなのは   ちゃんでしょ?」

 名前の部分だけ遠慮しているのか小声になる。

 僕の返事を聞いた奈緒は自分の席へ戻っていく。

 僕は「……ノーコメント」と答えたがその時の顔は真っ赤に染まっていただろう。

 

 

 

 

 「冬休みの間に奈緒が忘れていたらいいのにな〜。」

 ここは布団の中。いくつかある落ち着く場所の一つだ。

 それが本当になるのかは次の話で。




なんとか、一週間以内に次話投稿、という目標を達成できました。
色々と学校が忙しいですがこれからもシューイチ更新目指します。

※個人的なお願い

こんなこと言ったらダメだと思いますが……、もしも(本当に≪≪もしも≫≫)この物語を気に入っていただけたら良かったら高評価お願いします。
良くなかったら低評価をしていただくと分かりやすいのでお願いします。
(僕は文章力も無いのに小説を書いていてだからと言って某ノベルスライターのようにたくさん投稿する事もできません。皆さんに評価してもらうとたくさんの方がこの物語を読んでくださり、たくさんのアドバイスがもらえます。宜しくお願いします。)

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